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『CLA Unplugged』レビュー 〜 アコースティックサウンドを簡単に作り出すプラグイン〜 [vol.158]

普段良く使うソフト・機材を簡潔にレビューしていきたいと思います。
今回は生楽器系調整プラグイン、wavesの『CLA Unplugged』の使ってみた感想を紹介します。

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特 徴

・グラミー受賞エンジニア、クリス・ロード・アルジが監修した生楽器系の調整に特化したプラグイン。
・アコギ、ストリングス、ピアノなど生楽器系の空間を作り出す。

使ってみた感想

今回紹介するのは、wavesの生楽器系調整プラグイン『CLA Unplugged』というプラグインです。

wavesではおなじみのクリス・ロード・アルジさん監修のプラグインです。

エアロ・スミス、U2、フー・ファイターズ、ミューズなどを手がけるエンジニアで、CLAシリーズはハードロックに合うようなパンチのあるバキバキした重厚なサウンドに近づけることができます。
ポップスにもこういったサウンドはかなりいい仕事をします。

その中でも今回の『CLA Unplugged』は「Unplugged(アンプラグド)」という名前の通り、生楽器系のアコースティック・サウンドの調整に特化したという、ハードロックの中でもポイントとなる音作りのできるプラグインです。

何と言っても「空間を作る」にこだわっています。

「質感を作るリバーブ」と「広がりを作るリバーブ」が用意されていて、どちらも要となるPREDELAY(初期反射)の設定ができます。

質の違うリバーブを重ねると、とてもナチュラルな空間を作ることができます。
リバーブ専用のプラグインを重ねて作るのは、バランスがむずしいですが、こちらではシンプルな操作で自然な効果を得ることができます。

そしてディレイも用意されているので空間を作り出すエフェクトは揃っています。

さすがに細かいところまで調整できないので、作業中もどかしいいところもありますが、とても扱いやすくてすぐに効果を発揮できる設定がされているので、簡単に調整できるところはうれしいです。

そして、音質もCLAらしくしっかりした音作りもできるので、アコースティックギター、ピアノ、ストリングス、パーカッションなど、楽曲の中で存在感も作ることができます。

上手く使いこなせれば、かなり使えるプラグインです。
もちろん、生楽器以外に使っても良い効果を得ることができます。

CLA Unpluggedの使い方

基本的にシンプルな6つのフェーダーで、調整していきます。

「BASS」・・・「SUB」「LOWER」「UPPER」から存在感を狙って低域を調整できます。
「TREBLE」・・・「BITE」「TOP」「ROOF」からアタック感、空気感を調整できます。
「COMPRESS」・・・「PUSH」で音を押し上げるようなコンプ、「SPANK」でアタックの強いコンプ、「WALL」でブリックウォール・リミッターのようなコンプの調整ができます。
「REVERB 1」・・・「ROOM」「HALL」「CHAMBER」からタイプを選択し、音の広がりを調整します。
「REVERB 2」・・・「TIGHT」「LARGE」「CANYON」からタイプを選択をリバーブの個性と広がりを調整します。
「DELAY」・・・「SLAP」「EIGHT」「QUARTER」からディレイのタイプを選択できます。
そして、左上の「REVERB 1 PREDELAY」「REVERB 2 PREDELAY」でリバーブそれぞれのPREDELAY(初期反射)の設定ができます。
この辺の設定で空間をコントロールしていきます。

左下のメーターの下にパンニングも付いています。
パンニングの微調整にはとても良い設定になっています。

右下にある「DIRECT」が面白いボタンで、ここを入れるとこのプラグインで加えられたリバーブとディレイ成分だけの状態になります。
最終的には全体を混ぜて音作りをしますが、この機能でどんな形でエフェクト効果が加わっているか把握しながら調整できます。

リバーブを2つかけることによってどのような効果が得られるか、さらにディレイを加えるとどんな立体感ができるのか、とても勉強になります。

好きなところ

・生楽器をしっかり、そしてナチュラルに仕上げられる。
・操作が簡単。
・「DIRECT」が面白い。

気になるところ

・重要なエフェクトがまとまっていて、簡単に調整できますが、やはり細かい設定もしたくなる。

こんな方にオススメ

・生楽器でのアレンジをよくする
・空間系の処理を簡単に済ませたい
・クリス・ロード・アルジが好き

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『レビュー』をもっと詳しく知りたい方はこちら


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