見出し画像

夢見モグラは空を待ち侘びて 71日目

空は自分に何かやり残したことがないかと、
長い夢の中で、
モグラになって地面の中をもう一度駆け巡った。
すると地中の世界では今までにはなかった、
土の中から、地上に向かって、
勢いよく突き抜けんばかりの新しい命の息吹が、
入り組んでいながらも、
しっかりと根を張ってそこにあった。
モグラは大きくなあれ、大きくなあれと、
祈ることも、願うことも、
自分にできるあらゆることを厭わなかった。

_______________________________________________________________________________________

裸の王様は鏡の前で悩んでいた話3


信じることが怖くとも、
疑うばかりじゃ始まらない。
ほら、すぐ次の物語。

恋愛においても、
学校の友人関係も、
職場の信頼関係も、
その他あらゆる場面において、
長い歳月をかけて積み重ねていく癖に、
ほんのちょっとの綻びで崩れてしまうから難しい。

後悔、後ろ髪、後回し、
後ろ向きな表現を自分に見つけたら、少しずつ、
髪の毛一本ずつでもいいから極力減らしたほうがいい。
文字通り、後がなくなるその前に。
ただ前だけ向いて!みたいな無責任な言い方こそ、
初動、最初にできる行動として、きっと正しい。
宇宙船が大気圏を突破して、
無重力空間で小窓から青い地球を振り返るシーンを想像してみる。
後々振り返った時に、物理的にも、精神的にも、
ある程度距離が離れていると、
縮尺の関係で、小さなこと、些細なことに見えるのだと思う。
(意外と地球は青かった、っていうか小っさ、みたいな)

ガムシャラに走れば、走ったなりに、
見落とす点も多々あると思う。
辿り着いた先がここどこやねん!みたいなことも大いにありうる。
それでも何かに夢中になったり、汗をかいたり、
余計なことを考えないで済む時間というのは、
悩み事の、のところの、さらにジッとした部分を遠ざけてくれる分、
いくらか心の風通しが良くなるように思う。

裸の王様は鏡の前で悩んでいた。

裸の王様はいろんなところにいる。
あなたの目の前にいるかもしれないし、
あなた自身がそうかもしれないし。
僕も自分はそうでありたくないな、とも思うし、
何処で悪口でも軽口でも陰口でも叩かれているかもわからない。
ただそんな裸の王様たちも、
何かを積み重ねて、何かを壊して、
きっとそれぞれ悩みを抱えたまま、
そこかしこで今日と明日を行ったり来たりしているに違いない。

僕はそんなに弱くもないので、
結局今日より明日を選び続けるし、
ただ、そんなに強くもないので、
関心がない事柄にはとことん関心を持たないようにしている。

そうでないと、
次に来る明日という物語に乗り遅れてしまう気がしていて。
それではまた明日。

_____________________________________________________________________________________

本日の表紙は___u_ch__さんの写真を使用させていただいております。

褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。