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【#読書メモ】なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?

”マーケティング施策の評価方法”を教えてるのって難しいなと思い、その枠組みの参考にできないかと購入した1冊。アートを「解釈」と「事実」で結びつける話は、物事を評価する枠組みとして、アートだけに関わらずビジネスでも使えそうと思い、まとめてみた。

【書籍概要】
ざっくりいうと、VTS(Visual Thinking Strategies)という、対話型鑑賞法の概念と具体的な方法について書かれている1冊。具体的には、グループで1つのアート作品をみながら、それぞれの発見や感想、疑問などを話し合う、鑑賞者同士のコミュニケーションを通した鑑賞法。

【気になった3要素】
1.VTS(対話型鑑賞法)とは、グループで1つのアート作品をみながら、それぞれの発見や感想、疑問などを話し合う、鑑賞者同士のコミュニケーションを通した鑑賞法。 

2.アート作品は私達に答えではなく、問を投げかけている。 

3.アート作品をしっかりと見るためには、 「解釈」と、その根拠になった「事実」結びつけることが重要。

【目次】
1章:「作品の情報」に頼らず鑑賞する
2章:じつは、私たちは「アート作品」を見ているようでみていない?
3章:「アート作品」は「事実」と「解釈」を分けて鑑賞する
4章:「3つの問」と「4つのプロセス」で鑑賞を深める
5章:【実践編】アート作品を鑑賞するときの8つの視点
終章:なぜ、新しい時代に「アート」が重要なのか?

【著者プロフィール】
岡崎大輔さん
京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究 センター専任講師副所長。鑑賞教育プログラム「ACOP」を、企業内人材育成・組織開発に応用する取り組みを行っている。企業、行政、NPOほか各組織を対象に、セルフラーニング、チームビルディング、ダイバー シティをテーとした研修プログラムや組織開発ワークショップを多数開発・実施。


【特に気になった箇所】

「アート作品」は「事実」と「解釈」を分けて鑑賞する。

みなさんご存知のモナリザの微笑み。

この絵をみてどんな印象を抱くかを少し考えてみてください。
続いて、なぜそう思ったのかを考えてみてください。

出典:pixabay


いかがでしょうか。
まず印象として、「優しそう」と感じたとします。
そしてなぜそう思ったかと考えた時、「口角が上がっているから笑っているように見える」そのため、優しそうという印象につながったと気が付きます。

これが、「解釈」と「事実」です。

書籍の中では下図のように事実と解釈に関するページが展開されています。解釈:優しそう ⇔ 事実:口角が上がっている
解釈:モテそう ⇔ 事実:二重まぶた
解釈:ちょっと怖い ⇔ 事実:髪が肩まである。(ここはいくつかの事実の組み合わせが必要そうですね)

出典:なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?

アートをみて解釈はするけれど、その理由、すなわち事実と結びつける事は意識してあまりやらないですよね。こういう形の思考法は仮説構築力が上がりそうな気がします。


【総評】
一通り読み終わり、この鑑賞法の視点で意識してビジネス事例を見ると、自分の中に有益なストックが増えそうだなと思いました。

例えば、画家が誰かの絵を見て「良い絵だな」と感じても、ただそれだけでは、自分の絵に活かせません。なぜその絵が「良い絵」だと感じたのか、が重要になってきます。
必要なことは、この本にあるように「解釈」と「事実」を結びつけることがポイントではないでしょうか。

ビジネスで考えてみても、何かを0から生み出すのはかなり困難ですし、0からだと良いものは生まれにくかったりもします。でも、世に出ている良い事例を参考にすることで、それがきっかけで、とても良いものが生み出すことができたりします。

ただし参考といっても、丸パクリするわけにはいかないので、良い事例から面白い企画という解釈と、なぜそれが良い事例となり得たのか、その事実または要素を整理しておくと、新しいアイデアに結びつきやすくなると思うんです。
どれだけ、良い事例を知っていても解釈だけや事実だけでは役に立たないのではないでしょうか。

と、ぼくが知りたかったポイントにフォーカスしてみまとめてみましたが、他にも色々学びが多い書籍なので是非よんでみてください!

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