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「情報」の逆引きと「文脈」と「UGC」と「マーケティング」

人は情報の断片で想像し、楽しみ、発見する、というお話。

いきなりですがGoogleの「パリの恋」ってCMご存じですか?検索窓のなかに次々と入力される断片的な情報だけで、顔も声もわからない人を想像させ、ドキドキとワクワクとウレシサを与えてくれるCM。

実際のCM(英語)はこれです。


日本語に訳すと恐らくこんな感じ。

「勉強 海外 パリ」

「カフェ 近く ルーブル」

「翻訳:tu es tres mignon(あなたはとってもキュート)」

「気の引き方 フランス人 女性」

「チョコレート 店 パリ」

「トリュフって何?」

「トリフォーって誰?」

「遠距離恋愛 アドバイス」※入力したけど削除

「仕事 パリ」

「AA120」

「教会 パリ」

「ゆりかごの組み立て方」


情報の断片(検索ワード)を見ているだけで、検索している人がどういう状態で、なんで検索しているか?の文脈(検索している人の背景)が想像できますよね。不思議。

この不思議を与えてくれえる”文脈”は同じ商品・サービスに違う意味を与えてきます。

例えばこのCMであれば、検索された飛行機(AA120)の情報で考えてみると、パリでの体験という過去があり、その体験からくる未来への期待があるから、その状況下では、飛行機=”恋人に会いにいく手段”になると思います。

一方、飛行に乗った経験がない旅行者であれば、楽しい体験をしにいく期待がある状況下では、飛行機=”ワクワク・ドキドキしながら旅行先にいく手段”になったりします。

文脈によって使う商品・サービスの意味がかわってきます。過去の経験と、未来の経験(期待)と現在の状況によって、商品・サービスの意味は変わる。


文脈を自分なりに解釈すると、

あああ版

過去の経験と未来への経験(期待)と現在の総体だと思うんです。過去・未来の経験と現在の状況によって、モノの見え方わかる。面白いですよね。同じものでも異なった意味をあたえてくれる文脈。


ここからは「文脈とマーケティング」について考えてみたことについて。

SEO対策未経験者が勝手に想像するに、SEO対策は文脈を分析することが重要なポイントの1つではないかと思う。自分のサイトに来た訪問者が検索した情報探索の断片から文脈を想像することが。

もう少し深堀ると、断片的な情報から検索した文脈を読み取り、”ユーザーが”欲しているもの何か?”と”なぜか?”の背景かを探ることが必要なのではないかと。

SEO対策は「能動的な情報取得の中で露出した情報の断片」から文脈を読み取り、検索者が欲しているものに結び付けることとも言えるのではないのかと思う。


話題を少しずらしてタイトルにちりばめていた「UGCと文脈」について。

生活者のクチコミ(UGC)を発生させることが重要なポイントになっている現代では、文脈を読み取るべき場所は検索履歴からUGCに広がっている。書籍「なぜ「あれ」は流行るのか?によると、UGC発生には6つの事がポイントだと解説している。

【クチコミを生み出す6つの原則】
1.ソーシャル・カレンシー
2.トリガー
3.感情
4.人の目に触れる
5.実用的な価値
6.物語

この書籍からクチコミ(UGC)の発生源を自分なりに読み解くと、ソーシャル・カレンシー(シェアした本人の印象が上がる事、上がると思っている事)がクチコミに大きく寄与しているのではないかと思う。

そのソーシャル・カレンシーに寄与する欲求は、共感してほしいなどの「承認欲求」と、表現したいなどの「自己顕示欲」の2つが多くを占めるのではないかと思う。「共感して」や、「こういう返信が欲しい」「こう見られたいと」という欲求が。

そうだとすると、UGCを多く生みたいのであれば、UGCから逆引きして発信している文脈を理解し、投稿者の欲求満たす商品、サービス、体験、情報を読み解くこが重要なポイントになると思う。

なぜ文脈を読み解くことが重要かというと、「1.自分の家族」「2.同僚の家族」「3.年収1000万円の家族」にプレゼントすることを想像してみよう。おそらく、「自分の家族」へのプレゼントを考える方が、具体的に何を上げたらいいのか想像しやすいのではないだろうか。もちろん迷うこともあると思うけど。

相手を知っているほうが、何を上げたら喜んでもらえるかが想像しやすくなると思うし、喜んでもらえる確率は高まると思う。(ちなみ、ぼくはサプライズのプレゼントが苦手ですが)


まとめると、UGCの創出に大きく寄与するのはソーシャル・カレンシーだとすると、承認欲求や自己顕示欲をどう満たすかがポイントで、その欲を満たすためにはUGCから欲求を逆引きすべきで、逆引きするには文脈を読み解くことが大事なのかなと。

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