2020/03/25 ひとけの演出

webサービスのおもしろい特徴のひとつに、人があまりいなくても人がいるように見えたり、逆にものすごくたくさんの人が見ていても、誰もいないように見えたり、というコントロールができる(できてしまう)というものがある。

基本的にファーストビュー、プラスアルファぐらいを埋め尽くす情報で人はそのプロダクトのひとけを判断する。他人が関わる通知がいっぱいくれば人がいると感じるし、百人が見ました、って書いてあればよく読まれてる文章だなと思ったりする。(実際のとこ、webの記事は検索キーワードがぴったりハマると、累積数十万pvなんていうのは「ざら」だ)

むかし諸事情あってすぐにでも数日後の宿を取りたいと思ったときに、「たったいま3人が見ています」みたいなbooking.comの表示に慌てて予約したのを覚えている。本当かどうかはあまり関係なかった。宿が必要で、条件の合う部屋はひとつだった。

これは逆手にとれば、たくさんの人がいると思えばなかなか声を上げられない人も、少人数しか見てないと感じれば声を上げてくれる、なんてシーンにも使えたりする。投稿してみたら何百人にもみられて、びっくりするようなやつ。うまくハマると、ポジティブなよろこびになる。最初の一歩が踏み出せないだけで、たくさんの人に本当は見られたい人、とかけっこういるよね。noteはそういうのがうまい気がする。投稿するとすぐにいいねがつく。えっ人見てんの、って驚かされる。

SNSライクなサービスでは、質の高いユーザーを絞り込んで云々って話がよく出てくるけれど、あれは半分くらいダウトだと思う。実際には玉石混淆で全然良くて、視界に入る人やものごとだけが高いレベルであればいい。マッチングサービスなんかでよくあるやつ。

こういう話をすると基本的に、「注目が集まらない人」の立ち位置をどうするかというのが悩ましい問題になってくる。基本的にはROM専として居心地の良い状態を作るのがいいかなーと思う。twitterとかうまいよね。なんもしなくてもタイムラインを眺めてれば時間が潰れるから。永遠に縦にスクロールしてるだけでいい。ひと昔前のtumblrなんかもそういう良さに溢れていた。rblgだって別にできなくてよかった。最高のタイムラインがあるからね。

というまあマジで雑感でしかないんだけど、昔いろいろ教えてくれた方が「ひとけがないよね、このサービスには」って指摘くれてたのを思い出したので書いてみた。さみしいサービスは、なかなか使われない。

テレビには最近は感染症の「ひとけ」がある。webサービスに限らず、視野の中でひとけがあるものは目を引くし、意識に残る。

悪いハックには使いたくないけれど、自分のプロダクトのひとけは今どうなんだろう? って目線で見てみると、また色々違ってものごとが見えて面白いんじゃないかなということで、本日はぼやきまして終わりです。

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