クソ上司、クソアプリのせいと言える状況について

人は一体何を意思決定してるのか。どの範囲まで自分の意思決定を自分の意思として行動し反映させているのか。
AIスケジュール管理アプリを作っていると、AIに意思決定させるので、こういったことをかなり考えます。
僕が作っているAIスケジュール調整機能は、単に空いている日付を埋めるのではなく、スケジュールを評価して優先順位を付けて投票するシステムだからです。

スケジュール調整をAIに任せて意思決定させる。
しかもこの意思決定は「個人」ではなく、スケジュール調整というタスクだと「複数人」の意思決定(合意)です。結構ややこしいです。難しく考え始めると泥沼です。

それでまぁ、色々と毎日考えているのですが、そのうちのひとつを今回書こうと思います。


「予定の調整をミスった場合、AIのせいにできるメリット、デメリット」についてです。
もっと抽象的にいうと、
「意思決定を外部に任せることについてのメリットデメリット」です。

基本的に働き方、デザイン、サービスデザインの領域の話ですが、エモい話も入ります。

意思決定を外部化した場合の分かりやすいメリットは色々ありますが、そのうちの分かりやすい例として「自分の時間が増える」ことがあります。今まで電話やメールやチャットなどで予定調整していた時間をAIが自動で代わりに調整してくれれば、自由な時間にできる。単純ですね。
そもそも会社自体もそうです。事業をするために必要な職務を定義して、できる人を募集して雇って任せられる仕組みです。チームのメリットでもあります。素晴らしい!
これは経済的なメリットですが、その二次的な効果として他にストレス軽減もあります。面倒を丸投げです。

というか、どんなサービスでもそうですが「メリット」は分かりやすいです。
経済的なことで説明できることが多いので、数値にしたりして目に見えます。動機もハッキリしています。動機があるから買うし売るんです。


次に、「意思決定を外部化するデメリットは何か?」です。
少しエモい話です。

意思決定を他人に任せ始めると、自分は何者なのか見失います。
「自分は何者なのか」「何をやりたいのか」「明日何をしたいのか」
エモいですよね。でも事実です。

「自分は今日何をしていたのか?」
「誰かに価値のあることをしたのか?」
「自分にとって幸せなことをしたのか?」
「そもそも、ここに本当にいていいのか?」

意思決定を外部化するとは、そういった重要なことを考えなくなることでもあります。

少なくとも、自分で意思決定することで「サンクコスト」のような感情も生まれますし、嘘でも充実感のようなものは生まれます。
よくいうサンクコストは否定的な意味ですが、ここいうサンクコストはエモい意味で、どちらかというと肯定的な意味です。「嘘でも自分を信じられなくて、何が残る?」というエモい感じです。

もちろん、他人を信用することは重要です。ただ、それは自分の意思で他人を信じる訳で、僕の言っている意思決定の外部化とは異なります。

簡単にいうと、「なんとなく」です。「なんとなく」テレビをみるとか。。それと同じレイヤーです。
なんとなく他人の言われるままに行動するデメリットです。

「自分がただ意思決定するのが面倒で、「なんとなく」過ごしてないか?」
「気がついたら数年間同じことしてる気がする。学びはあるのか?成長したか?自分らしい生き方って?」
「何か始めなくていいのか?挑戦することにコストなんてあるのか?」


もっと具体的にいうと、このnoteに最近CXOとしてアプリ開発者界隈で有名な深津氏が起用されてガンガン色々なことをテストしサービスを変えていると思います。
では社長はどうか?社長は深津氏に権限を与えて意思決定を任せています。そのメリットもあります。ですが、本質的に目指すところが一致していないと「明後日の方向へ物事が進むデメリット」も同時に存在します。

「本来の目的は何なのか?」
「noteとは何なのか?」
「noteを作る理由は何なのか?」
「ユーザがnoteを使う理由は何なのか?他にも同じようなサービスは存在してる」
「何故僕はnoteに拘るのか?」
常にこういったことを考える必要があります。

社長は目の前の「数字」を追いかけるのも重要だと思いますが、それでは「本質」を見失い、他のサービスと同じような個性のないサービスになる。
機能はサービス上重要な要素ですが、機能だけ増やしてもイタチごっこです。
モノ売りよりコト売りの時代です。

ユーザにどんな体験をして欲しいのか?

どんな価値を社会に提案したいのか?

どんな世界にしたいのか?

エモーい!

ただ、この「なんとなく」という意思決定も楽で、ある意味で自分のHPやMPを温存している行為とも言えます。
AIではフレーム問題というのがあります。
何か意思決定させるときに「どの範囲を条件に入れるか」です。何でもかんでも考える対象にすると複雑すぎて計算結果が上手くいかなくてダメになるケースがあります。


話が長くなってきたので、やめますw
まぁ自分の人生だから好きに、なんとなく生きればいいと思います。
僕は最近noteを初めてみましたが、それも「なんとなく」です。あなたが、この記事を読んだ理由も「なんとなく」だと思います。考えすぎるとヤバいです。

今回、軽く自分の意思決定について書きましたが、これはAIだからと言って数学的な話ではなく、哲学的な話題で、「決定論」や「自由意志」などで検索すると色々と出てきます。馴染みやすいのでは行動経済学ですね。行動経済学も一応数式を使いますが、定理とかあまり出てこない印象ですので、事前知識はいらない感じです。
ちなみに僕は多人数でのスケジュール調整という集団の意思決定をアプリに実装させる必要があるので、社会選択理論、ゲーム理論のようなものをよく考えていますが、同じジャンルです。

もし、興味あれば検索して見てはどうでしょうか?学ぶと考え方が豊かになった気がしますが、キリがない世界です(`ε´)

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