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ジグザグ「Guru」のMVがより魅力的に感じられる記事を書いてみようと思った

どうも、ジグザグに沼っております。原です。
2021年2月8日。我らがジグザグ「Guru」MVが公開されました。

何はともあれ、まずは3分10秒、見てみましょうか。

いやあ、いいですね。

いいですけど、じゃあ「何がどういいんだろう?」と考えたくなりました。

自分は音楽系ではないですがライターとして記事を書かせていただいたりしてますし、一応ビジネス書を10冊ほど書いている作家でもあるので、このすごさをなんとか言語化したいという衝動に駆られたわけです。

ということで、何がどうすごいのか、そして自分的に何を感じたかというのを掘り下げて書いていき、それを踏まえて最後にもう1度このMVを見直してみようと思います。これを読めば絶対にMVがより魅力的に感じられるはず!という記事にするつもりです。どうか最後までお付き合いください。

◆曲名について

まずは「Guru(グル)」という曲名について。
最初に見た時、「なんか宗教っぽいイメージ……」とか「宗教の尊師みたいな感じ?」という印象の人は多いのではないでしょうか。MVでも白装束で白塗りの人が前衛的なダンスをしているもんだから、余計に「なんだか怖そうな雰囲気……」と思う人もいるかも。

しかし、ゆっくりと読み解いていくと色々と分かってきます。

「Guru」はそもそもインドの古い言語であるサンスクリット語ですね。まさにインドのGuruであるスワミ・サッチダーナンダ氏が、著書の『自己を知るヨーガ』のなかで、このように書いています。

グルとは、サンスクリット語で”明るくする者”の意味です。二つの音節、”グ”が”闇”、すなわち無知であり、”ル”が”取り除く者”をあらわしています。

つまりグルというのは直訳すると”闇を取り除く者”ということ。まあ、無知という闇を取り除いてくれるので、先生とか指導者という意味として現在も使われているわけですね。ヨガの先生もグルと呼ばれますし。

じゃあ、この曲では誰がグルなのか、誰のことを指しているのか。それは後で歌詞をじっくり読み解きながら考えてみましょう。


◆楽曲(音)について

さて、歌詞の内容は後ほど触れるとして、続いてはそれぞれの音に注目してみたいと思います。

▼琴の音色

まずイントロで一番最初に奏でられるのが琴の音色。ジグザグの曲といえば、和のテイストが幾度となく感じられます。これは他のバンドには無い、唯一無二のアレンジと言えます。

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今回も特にイントロとアウトロで、琴の音色が悲しげに響き渡ります。

▼ギター

そして間髪入れずに始まる重厚感あふれるギターサウンド。そしてピッキング・ハーモニクスの高音。個人的にとても好きなリフ、好きな音色です。

ジグザグのヘヴィ系の曲(『忘却の彼方』とか『Requiem』とか)は、V系でありながら洋楽のミクスチャー系をも感じさせてくれます。

たとえば、Linkin Parkとかでしょうか。

(この『One Step Closer』という曲がパッと頭に思いついたんですが、まさに黒装束で白塗りの人が出てくるから、そのせいかも)

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ギターに話を戻しますが、まあとにかくハイテンポでありながら重厚かつエッジが効いていて、いきなり期待感が高まるサウンドです。

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途中、間奏あけのブレイク(静かな場面)では物悲しげな音になったり、サビでは音の重なりが厚くなったりして抑揚も強いです。命様のギターサウンドは本当にリフも含めて超好みです。

▼ベース

そしてベースです。曲がはじまってすぐのAメロ前半で、龍矢さんが奏でる非常に美しく伸びやかなクリアトーンの音色とフレーズが耳に飛び込んできます。『Requiem』もそうですが、ベースが際立つフレーズ、好きですね。

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ベースに関しては、インタビュー記事(※)で龍矢さん自身がこう言っていました。

龍矢:命さんが考えるベースフレーズはいつもカッコいいので、今は命さんが作ったデモのフレーズをほぼそのまま弾くことが多いです。

なるほど、このフレーズは命様がお考えになってるんですね。では、この伸びやかなクリアトーンはどうなんだろうと続きを読むとこんなコメントが。

龍矢:ベースサウンドにはかなりこだわっていますね。『ハキュナマタタ』収録曲には歪ませているものもあるんですけど、ゲインを細かく決めこみました。

やはり、かなり細かくゲインを決めこんでいる、と。

あ、ちなみに僕は元ギター小僧なんですが、ギターとかベースをやったことない人だとこの「ゲイン(GAIN)」ってわかりにくいかと思います。これは、音を調整する項目のひとつですね。

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このゲインというのはトーンをコントロールする部分で、こいつを調整することでトーンの歪み具合が変化していきます。つまりサウンドがクリーンになるか、あるいはダーティな歪みになるかを決められるということです。

「ゲインを細かく決めこみました」ということですから、かなり音質の調整にはこだわっていることがうかがえます。いやあ、耳に心地よく響いて何度も聴きたくなる音に仕上がっています。

▼ドラム

さあ、そしてドラムです。影丸さんのドラムは以前からフィルインが特徴的で好きだなあと思っていまして。

フィルインというのはイントロから歌に入るときとか、間奏からサビに入るときに「ドコドコトン」みたいにちょっとしたアレンジを入れるものです。

ご存じない方は、こんな動画を90秒くらいチラっと見るだけで分かるかも。

これを踏まえて影丸さんのフィルインに着目すると、ものすごく高速でテクニカルなので「おお! 影丸さんすげえ!」という感覚が味わえるはずです。サビ前の高揚感とかヤバいです。

フィルインについても同じくインタビューで触れていましたね。

影丸:どこにどういうフィルを入れるかということは意識しています。歌が乗っている場所では極力シンプルにして、フィルインとかで自分の個性を出したい。もともとフュージョン系みたいに、ずっと凝ったことをしているのが得意なドラマーだったんですよ。でも、それを命さんに怒られて、スタイルが変わりました(笑)。

そうそう、影丸さんって今は別でロックバンドもやってますが、もともとフュージョン系だったらしいからとてもテクニカルなんですよね。技術がありあまって命様に怒られるほどに(笑)

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あ、それと今回の曲、ドラムのフレーズで「おおっ?」と思った人いませんか? あまり詳しいわけじゃないんですけど、なんかふつうは「ドン、タン、ドド、タン」みたいな感じじゃないですかドラムって。

でも、この曲の前半って、なんか「ズンタトンタッタトトトトズンタトンタッタ……」みたいにずっと繋がっていて不思議な感じがしたんです。

で、気になって調べてみたら、これも前述のインタビュー記事で言及していましたね。

影丸:この曲のAメロのドラムはリニアフレーズといって、MR.BIGの「Take Cover」みたいなパターンなんですけど、本当に一番難しくてやり甲斐がありました。

へえ! リニアフレーズっていうのか! 知らんかった。

ちょっと早速、MR.BIGの「Take Cover」を見てみましょう。

おお!イントロからずっとリニアですよね、これ。そうそう、音が続いている感じがする。ああ、これがリニアフレーズか~

さらに調べてみると、リニアフレーズはリニアパターンとも呼ぶらしくて、MR.BIGの「Take Cover」をドラムだけで叩いてくれている動画もありました。これは分かりやすい。

完全に手と足すべてが独立して順序があって、それがうまく嚙み合って構築されているわけか。いやあ、これは難しそうだなあ……レベル高え……

ちなみにMR.BIGの「Take Cover」については、この複雑なパターンを考えたのがギタリストのポールなのだとか。いやいや、ドラマーでもないのにポールすげえな! でも、それをやりきってしまうドラムのパットもすげえ。

と、さっきのインタビュー記事、影丸さんのこんなコメントが。

影丸:すごいのが、デモ段階でほぼあのビートが打ち込まれていたことで、ドラマーじゃないのに命さんはああいうフレーズを思い付くんですよね。で、そのフレーズをもとにハイハットを足したり引いたりしてリニアにしてみたんです。Aメロは、僕の中で今回、一番シブいポイントです(笑)。

いや、どっちもすげえ! もう完全にMR.BIGのやり取りと一緒じゃないか!まあ、あなたたちもこれからどんどんビッグになるのだから、ある意味でMR.BIGみたいなものですけどね!(笑)

◆楽曲(構成)について

続けて曲の構成に着目してみましょう。構成で気になったのはAメロです。(楽譜がないので歌詞でみてみましょう)

´間違い’を喉に流し込み続けてる
なのに誰もが 何の疑いも持たず 
染められてゆく 常識という洗脳
日増しに包まれてゆく 得体知らぬマヌーバー

閉鎖的な現状が能動的思考を制圧
何が何で 何が難なのか 
何もかも理解が得られないから
単純すぎる構造もまるで 
馬鹿みたいに歪んで壊れてゆく

これがサビ前までのAメロ部分ですが、上の前半と下の後半で雰囲気が全然違うんですよね。後半は急に疾走感が溢れる展開になっています。

と、これについても命様がインタビューで言及を。

命:最初、Aメロはずっと同じノリで歌っていたんですが、ちょうどその頃にLimp BizkitとかLinkin Parkとか洋楽のミクスチャーを聴いていて、“昔から好きだったこういうテイストを入れたらカッコいいんじゃないかな?”って、Aメロの後半はミクスチャーっぽい激しい歌にしました。

うおおお! やっぱり命様、ミクスチャーの影響も受けているのか!!!

前述したLinkin ParkもそうだしLimp Bizkitも! 言われてみれば確かに途中から構成が変化するとかLimp Bizkitもよくありますね。たとえばこの「Bring It Back」とか。(0:56~からのサビでグイッと雰囲気が変わる)

Linkin ParkもLimp Bizkitもそうですが、ミクスチャーってラウドでもあり、メタルでもあり、ロックでもあり、DJもいてRAPもあるという感じだから、雑食性の高い命様にはミクスチャーの感覚って合うよなあと思います。

最初に琴の音色も入っていたりしますから、この曲は和風ミクスチャーとも呼べるでしょうし。

そんなことを書きながら、ふと「拙者忍者、猫忍者。」のこのシーンを思い出しましたよ(笑)まさにミクスチャー! ニャンニャンニャーン!

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.…と、テンションが上がってしまいましたが話を戻しましょう。

構成は、全体的にみても「静」「動」の変化が非常に激しくてジグザグらしいアレンジだなーと。いつもその辺りって意図的に作り込んでいるのかな?と思っていたのですが、インタビューではこう答えていました。

命:僕は飽き性ということもあって、一辺倒が好きではないんです。かといって、変化のための変化みたいに、無理やり展開させるとおかしなことになってしまうので、カッコいい変化の仕方は意識しています。

なるほど、自然と「自分の中で響くようなカッコよさ」を軸に、感覚的に変化させているわけですね。いやー、この人のセンスは本当にヤバいです。

◆歌詞について

それでは、いよいよ歌詞をみていきましょう。

曲名の「Guru」は”闇を取り除く者”ということで、無知という闇を取り除いてくれるので、先生とか指導者という意味で使われるというのは先ほど書いた通り。

では、この曲におけるグルとは何なのかというところですが、これは人によって感じ方とか読み解き方が異なってくると思います。まあ、芸術とか歌の歌詞とかってそういうものですよね。

なので、ここからは僕が個人的に感じた読み解き方について書かせていただきますのでその点はご容赦ください。

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僕はこの曲のメッセージとして

・コロナ禍における音楽業界/芸術業界の悲痛
・“悪魔のような”指導者に対する怒りと叫び

という風に読み解きました。どういうことなのか、歌詞の最初から順に説明していきます。

´間違い’を喉に流し込み続けてる
なのに誰もが 何の疑いも持たず 
染められてゆく 常識という洗脳
日増しに包まれてゆく 得体知らぬマヌーバー

2020年。コロナが広まっていく過程では、「デマ」が拡散しました。
「生物兵器だ」などといわれたり、トイレットペーパーが売り切れたり、やれ「緑茶が効く」だの「お湯を飲め」だの、多くの人が振り回されました。

まさに、洗脳されて間違いを喉に流し込んでいた、と。
ちなみに「マヌーバー」というのは『愚かで軽率なことを人にさせるような試み』を指したりしますが、国の指導者からも効果がよく分からない愚かな政策が数多く出されることになったのは記憶に新しいところ。

500億円を使ってマスクを2枚だけ配るなんて、まさにマヌーバーです。

閉鎖的な現状が能動的思考を制圧
何が何で 何が難なのか 
何もかも理解が得られないから
単純すぎる構造もまるで 
馬鹿みたいに歪んで壊れてゆく

緊急事態宣言による自粛で家に閉じこめられてしまうと「何かをやろう」という能動的な思考が出にくくなってしまうことが増えました。また、学校に行くとか通勤をするとか、単純なはずの行動も次々と壊れていきました。

“こんなシケた世界(日々)がただ続くというのなら
死んだ方がマシ”と 吐き捨てた君の 
全身に繋がれた管を外すことが 最善策なのか
誰か救い出す術を 教えてくれ

コロナ禍によって俳優や音楽家などの表現者が場所を奪われ、多くの人が「死にたい」と吐露しました。実際に自ら命を落とすという痛ましい出来事までも、立て続けにニュースで目にするようになってしまいました。

そんな仲間たちに、自死以外の選択は与えられないのか。何か救い出す術はないのだろうか。誰か、対応策を教えて欲しい。ここでの「教えてくれ」というのは、心の底からの悲痛な叫びにも聞こえてきます。

優しい味 まろやかな甘み 
押し寄せてくる強烈な苦みと臭み
鼻がやられたようだ あてにならない嗅覚

音楽ができなくなってしまったことで「自分の感覚が鈍くなってしまうことへの恐怖」を表現しているのと同時に、コロナウイルスの特徴である「味覚と嗅覚がなくなる」ことに掛けているようにも感じられました。

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間違いを押し付けられすぎたんだ 
マヤカシを飲ませられすぎたんだ
だからもう手遅れかもしれない

間違った政策を、悪魔のように思える国の指導者から押し付けられすぎました。業界としてもう手遅れになってしまうかもしれない。そんな嘆きの声が弱々しく発せられたように聞こえます。

意味もなく耐え続けて
耐えた末に 動けなくなる

自粛自粛自粛…で我慢を強いられた挙句、「動けなくなる」つまり活動ができなくなる例も増えました。

たとえば、V系レコード会社のGOEMON RECORDSは、渋谷公会堂でのワンマンライブも成功させた「アルルカン」をはじめとする3バンドが所属していました。しかし、2020年に行う予定だった24公演のライブが中止になったことで、売り上げ見込み約2000万円がゼロになってしまいます。

経営努力でなんとか耐えしのいでいましたが、2020年5月に所属バンド・POIDOLの解散が決定。そして2021年1月には所属バンド・マザーの解散も決まり、窮地に追いやられてしまいました。

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耐えていれば、コロナが終われば、などと言いながら我慢していたところで、もはや活動すらできなくなってしまうバンドもたくさんいるのです。

腐敗した心臓も全てを食い尽くす 
お前が神なのか 
これを悪魔と言わず 何を悪魔と言おう

ライブハウスは営業停止、ライブやコンサートも中止や人数制限。そのうえ、補償などは全くされません。音楽やイベント関係の会社は大打撃です。

しかし、政府肝いりでGOTOトラベルキャンペーンは開始されました。ライブはダメだけど旅行はOK。これには、「政治家と旅行業界は繋がりが強いから」といった噂もありました。

政治家先生たちは神様ですか? いや、むしろ悪魔じゃないですかね!? あなたがたを悪魔と呼ばずに何を悪魔と呼ぶんですか? そんな強烈な皮肉の1つも言いたくなると思うのです。

オゾンの海で散る 星を救い出す術を 教えてくれ

音楽業界や演劇業界など、エンタメの世界で儚くも散っていく優秀な表現者たちを、なんとか救い出す方法を教えて欲しい。

3.11の時もそうですが、こういった有事や危機の際には、指導者(Guru)の資質がまさに問われます。実際、それを指摘する論調もたくさんあります。

あなたがたがこの国を先導する指導者だというのなら、この世界を包む闇を取り除いてくださいよ! 効果のあることをやってくれよ! 救い出す術を教えてくれよ!

……そんな心の叫びに聞こえてならないのでした。

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※勝手な妄想です。あくまでひとつのとらえ方ですので、ご了承ください。

◆ダンスについて

さて、今回のMVではダンサーも登場しています。ダンサーというよりも「表現者」ですね。

冒頭で申し上げた通り、Guruというタイトルもあいまって、おどろおどろしい姿を見て「なんだか怖い」と思った方もいるかもしれませんが、このダンス表現にも様々な意味合いがこめられていると思います。

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そもそも、どんな人たちなのかというと、動画の概要欄にもありますが、「ヨジゲンズ」というレアジャンルダンサーを発掘するダンス団体です。

この団体の代表であり、今回のMVにも出ているSHUNJIさん(高橋俊二さん)は文化庁による「文化芸術による子供育成総合事業」にも携わっており、ブレイクダンス講師も務めるプロ中のプロ。

ブレイキンを中心に、スレッドと呼ばれる「身体で輪を作って通していくダンス」を世界トップレベルにこなし、縦横無尽な活動範囲で世界で活躍されている表現者です。

とりあえずこの、指でスレッドをする「フィンガースレッド」を見てみてください。ヤバいですよ、この人。(0:19~辺りから驚異的……!)

指の先まで繊細に表現されるこの方が、同じ「ヨジゲンズ」から美間悠佑さんとRion Watleyさんという2人を引き連れ、3人で登場されているわけです。

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眺めているとやはり非常に表現力が豊かで、指の1本1本にいたるまで細かく繊細に意識が通っている感じが伝わってきます。この表現は、並みのダンサーではできないのではないかなあ、と唸るばかりです。

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今回のMV出演に関して、ヨジゲンズのSHUNJIさんはご自身のブログ(※)でこう書かれていました。

想像の何十倍も良いモノが出来上がり感無量です。自分の映像を見て鳥肌が立ったのは初めてです。今回のMVイメージ要望に対してのこのアンサーは、この3人でしか出来ない表現だと自負しております。

世界トップクラスの表現者が「この3人でしか出来ない表現だ」と仰られているなんて、素晴らしい作品になっていることがよく分かりますね。

ちなみに、ヨジゲンズの皆さんも、コロナ禍の影響でイベントができなくて苦しいのではないかと思います。僕の読み解きに当てはめて考えると、そんな苦しみも込めて表現としているのではないかなあ、などと勝手に考えてしまいました。


◆特記事項

そして、このことに触れないわけにはいかないでしょう。間奏前に命様が繰り出す「ホイッスルボイス」です。

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それまでの「間違いを押し付けられすぎたんだ マヤカシを飲ませられすぎたんだ だからもう手遅れかもしれない」という低い声の語りから、一気にシャウトしながら上昇しホイッスルボイスへ。このギャップで鳥肌が総立ちしたのは僕だけではないはずです。

それにしてもすごい喉ですよね。ホイッスルボイスで世界的にも有名なのはマライア・キャリーの『Emotions』でしょうか。(1:07~と1:56~と2:49~と3:48~で繰り広げられます。いや、多いな。。さすが世界のマライア…)

『Emotions』のカバーでアリアナ・グランデもホイッスルボイスを出していますが、日本人だとMISIAさんの『つつみこむように…』が有名ですね。

女性ボーカルだと柔らかめのホイッスルですが、男性だと金属のような鋭さが備わりますね。同じV系だとDIR EN GREY京さんが有名ですが、最近だと歌い手としてもボカロPとしても有名なまふまふさんとかもすごいです。

このカバー曲の冒頭とか。(0:10~辺りから)

まふまふさんは武道館公演も成功させ、「ポケットモンスター」の主題歌も歌っているほどのご活躍ですから、いつかジグザグも武道館公演してポケモンの主題歌を歌えるってことですよね!(単純)

ホイッスルボイスについては命様は(前世の記憶で)声楽を専攻していたらしいですから、さすが素晴らしい声帯だよなあと感心するばかりです。

ただ、この曲で繰り出された「意味」って何だろうと考えてしまいました。

先ほど僕が読み解いたような

・コロナ禍における音楽業界/芸術業界の悲痛
・“悪魔のような”指導者に対する怒りと叫び

に当てはめて考えてみるとどうでしょう。このホイッスルボイスはまさに「怒りと叫び」の表れなのでは……。

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いち表現者としてのGuruへの怒り、嘆き、悲しみ、憎しみを集約し、精一杯ホイッスルボイスによってぶつけているように思えました。

そんなことを考えながら命様のホイッスルボイスを聴きなおしてみると、技術力の高さと同時に何ともいえない切なさも感じてしまうかもしれません。まあ、勝手な妄想なんですけどね。

◆MVについて

さて、MV全体の話で終わりましょう。今回はクレジットに命様のお名前がないので、おそらく専門のクリエイターに依頼したものと思います。(まあもともと自分で作っていることが異例中の異例)

もちろん命様もMVに対して要望を出したりチェックしたりしているはずですから、「監修」みたいな立場なのでしょう。実際、フォントとかエフェクトとか、しっかりとジグザグらしい世界観のMVだよなあと思いました。

同じヘヴィ系の『忘却の彼方』や『Requiem』のように白と黒を基調とした映像でしたが、今回はそんな白と黒の世界の中で、龍矢さんの「赤」が綺麗に入ることでより映像の美しさが増しているように思いました。
いやあ、美しい。

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そして、気になったのがチラチラと出てくる魔法陣のような図形。

まあ完全な魔法陣の形ではないですが、魔法陣って悪魔を召喚するときに使うとか、悪魔から身を守るためだとか言われていますので、まさに「悪魔のような指導者(Guru)」に当てはまるなあ、なんて思ったり。

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そして、白い光の使い方も絶妙で印象的ですよね。

間奏で降り注ぐ一筋の光が、「一縷の望み」とか「僅かな希望」を表現しているようで、命様がGuruから逃れようと救いを求めているようにも見えてしまいます。

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再度のくり返しですが、先ほど僕が読み解いたような

・コロナ禍における音楽業界/芸術業界の悲痛
・“悪魔のような”指導者に対する怒りと叫び

に当てはめてMVの構成を考えてみても、とても興味深いんです。

白装束の1人がGuru(指導者)であり、他の2人を洗脳して思考を制圧していくわけです。他の2人は苦しみながらも耐え、耐えた末に動けなくなる。

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そして、腐敗した心臓も全てを食い尽くすかのように悪魔のようなGuruが迫ってくるわけです。

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しかし、最後は2人からの反乱であったり、結束した命様からの怒りによって、Guruを駆逐する。そんな願望も含め、表現されているのかなーなんて。

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仮にそうだとすると、もうこれはプロテスト・アートの領域だよなーとも思うわけです。まあ、妄想なのでちょっと大げさ過ぎですが。

▼プロテスト・アート
世の中の出来事を風刺的に表現した芸術。抗議者の間の結束を示し、仲間の活動家を励まし、精神衛生上の意識を高める。パフォーマンス、インスタレーション、グラフィティ、ストリート・アートなど表現手法は多岐にわたる。

いやあ、熱くなって長くなってしまいました。
長文オブ長文。
それでは、ガーっと書いてきたことをおさらいしましょう。

・琴の音色と重厚なギターリフの唯一無二なイントロ
・Aメロ前半、伸びやかなクリアトーンのベース
・高難度なフィルインとリニアフレーズを刻むドラム
・Aメロ後半、ミクスチャーを系譜とする疾走感
・感覚に基づき静と動を行き来する変化の幅
・コロナ禍の現状を歌っていると考えると切ない歌詞
・「Guruによる洗脳」を指先まで美しく表したダンス
・間奏前に繰り出される圧巻の「ホイッスルボイス」
・もはやこれは、表現者たちによるプロテスト・アート

◆それではもう一度「Guru」のMVを

以上を踏まえたうえで、いま一度、MVを見なおしてみてください。(ぜひ、可能な限り大画面で、音量も大き目にしてじっくりと!)

どうでしょう。より魅力的に感じられたのなら参拝者としてこのうえない幸せです。

最後に歌詞を置いておきます。皆さんも、自分なりの読み解き方で楽しんでみてはいかがでしょうか!

それではまた、
いつか禊(ライブ)で楽しめる日を夢見て!!

『 Guru 』

´間違い’を喉に流し込み続けてる
なのに誰もが 何の疑いも持たず 
染められてゆく 常識という洗脳
日増しに包まれてゆく 得体知らぬマヌーバー

閉鎖的な現状が能動的思考を制圧
何が何で 何が難なのか 
何もかも理解が得られないから
単純すぎる構造もまるで 
馬鹿みたいに歪んで壊れてゆく


“こんなシケた世界(日々)がただ続くというのなら
死んだ方がマシ”と 吐き捨てた君の 
全身に繋がれた管を外すことが 最善策なのか
誰か救い出す術を 教えてくれ


優しい味 まろやかな甘み 
押し寄せてくる強烈な苦みと臭み
鼻がやられたようだ あてにならない嗅覚
間違いを押し付けられすぎたんだ 
マヤカシを飲ませられすぎたんだ
だからもう手遅れかもしれない

意味もなく耐え続けて 耐えた末に 
動けなくなる


“こんなシケた世界(日々)がただ続くというのなら
死んだ方がマシ”と 吐き捨てた君の 
全身に繋がれた管を外すことが 最善策なのか
救い出す術を 教えてくれないか

腐敗した心臓も全てを食い尽くす お前が神なのか 
これを悪魔と言わず 何を悪魔と言おう

オゾンの海で散る 星を救い出す術を 教えてくれ


『Guru』収録アルバム「ハキュナマタタ」

<※参考記事>
ジグザグインタビュー
https://www.barks.jp/news/?id=1000192718&page=2
ヨジゲンズ SHUJIさんブログ
https://yozigenz.com/guru
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ビジネス書作家×ライターとして出版・WEB・音楽・イベントなど各種コンテンツの裏側を発信 / 元トヨタの整備士として学んだことを中心に10冊上梓 / プラスドライブ代表 / WANDSとジグザグの沼にハマり中 / 公式⇒ https://www.haramasahiko.com/