THE GEARのCD

前回の投稿

この最後にTHE GEARのCDを買うつもりだ(つまりまだ買ってない)ということを書いたら、それを読んだマネージャーのHさんが送ってくれた。なんか催促したような流れになってしまったが、本当に買うつもりだったんだよ!笑

なので、ありがたく聴かせてもらった。

画像1

30年近く前に一回ライブを観ただけの僕があんま偉そうなこと言うのも何だが、レビュー的なものを書いてみたいと思う。

奇しくもこの日、Pretty ThingsのPhil Mayの訃報がネット上を駆け巡った。5/15没で翌16日にニュースとしてSNSで大量の追悼投稿を見る中、このCDが届いた。そんな状況の中、この盤を聴いてみた。

Pretty ThingsやYardbirdsのような解釈でR&Bを演奏するブリティッシュ・バンド、または知名度は劣るもののそれと同等の録音を残し結果的にはガレージ・バンドたちにも大きく影響を与えることになったいわゆるフリークビートのような音楽をモッドの範疇において演奏していたのがこのTHE GEARだったということは言えるのではないか。ようするに、かなり狙いの定まった音楽だ。

で、1曲目が、"Pretty Thing"なんだよね。まさにPretty Thingsのバンド名の元になったBo Diddleyの曲である。偶然のタイミングによる連想でしかないんだけど、自分としてはPhil Mayの死からの流れというか、ストーリーを感じたわけで、それはすこしロマンチックすぎるかもしれないが、そういう勝手な妄想込みで聴いたほうがグッとくるよね。

このアルバムはライブ盤である。あえてイントロの紹介や観客の声を残してあるタイプのライブ盤。2017年、場所は新宿ジャムと京都Dewey。新宿ジャムでやったライブの方はなんとなく告知を見たことがあるが、僕自身は家庭の事情などもあり、自分の出る企画や自分の企画以外はあまり行けなかったりするんで、このライブも当然のごとくやり過ごしてしまったわけです。

THE GEARのライブ盤から流れてくる音楽は、僕が89年に目撃したライブの記憶のまんまだったのか?というとそうではないな。あのときのTHE GEARは若さゆえの怒りや生き急ぐ感じが鋭利なイメージを伴って爆発していたレイヴ・アップなサウンドだったと記憶している。今回この盤で聴く2017年のTHE GEARは各々の活動や生活を経て再集結したということで当然のごとく年輪を重ねた感がある。田中さんに至っては和モノ・ムーヴメントを盛り上げた時期のザ・ヘアのヴォーカルであったわけだし。僕の記憶よりもやや曲のスピードも抑えているのだが、その各々の経験値が決して枯れの方向に向かわずにギラギラとしたコクを生み出しているのがこのバンドの真骨頂ということなんだろう。60sのブリティッシュ・バンドが解釈した形でのR&Bカヴァーが各楽器の的確な鳴りと迫力のあるヴォーカルで連発され、観客の盛り上がりも熱を帯びてくるのが伝わってくる。あの穴ぐらのような新宿ジャムを思い出しながら聴いた。

個々の曲については、まあ、買って聴いてください(笑)ひとつ言っておくと、上で書いたように2回分のライブが収録されているので、後半は似たようなレパートリーがもう一度繰り返される形になる。普通であればあれ?ひと回ししたか?と思って止めるか飛ばすかするかと思うが、この盤に関してはそうはならなかったな。それぞれのライブの録音状態とか客の雰囲気とかも少し違いがあって、なんだかんだで通して聴いてしまった。1回だけでなく3回通して聴けたし、そういう意味ではスルメ的味わいもあると言える。

締めの曲はGLORIAであった。いうまでもなくTHEMの代表曲であるGLORIAはShadows Of Knightを始め、さまざまなガレージバンドの源流となった曲でもある。このような曲で締める、というところに惹かれるということでもあるんだろうな。

あんまレビューとも言えない文になっちゃったけど、素晴らしくグッときた。モッド、ガレージ両方イケるという人はぜひ聞いて欲しいかな、と思います。

裏ジャケに目を移すと、この写真は諸田くんの写真じゃないか。僕は諸田くんの写真って好きなんですよね。僕に比べてめちゃめちゃ真面目に写真に取り組んでいる人なんですよ。THE GEARに関しては僕が89年に撮った写真がこの話のきっかけにはなったんだけど、89年当時は21歳で、写真撮るときになんも考えてなかったと思うんですよ。ただカッコよく撮りたい、くらいで。だから、評価してくれる方には感謝ではあるんだけど、当時のこと考えるとあまり裏付けのある写真でもないかもな、なんて思ったりもする。これはライブを撮ってる人にしかわかんないかもしれないけど、新宿JAMってステージ幅せまいけど、ドラムだけすごく奥にいたりして、なかなか撮りづらいんだけど、4人全員がバシッと決まった瞬間をとらえているのはすごいと思います。

画像2

ジャケの裏のクレジットは字がひじょうに小さくて、読めない!老眼鏡つかうほどではないんだけど、最近CDのクレジットなんかは読みづらいよね。フライングタイガーで買ったルーペが大活躍だ!笑

画像3

これね500円くらい?便利よ。最近、老眼鏡買うほどでもないけどCDのライナーとか読めないときある!

こんな締めですいませんが、Tokyo Localsの7インチについては別の機会に書こうかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?