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#72 冬至  一陽来復 まわる時間

1.本日12月22日は冬至

  本日12月22日(木)は冬至。「1年で最も昼が短く、最も夜が長い日(日照時間が最短の日)」です。私はこれまで、「冬至は、1年で日の出が最も遅く、日の入りが最も早いために、日照時間が最短の日」と思いこんでいましたが、先日13日、それが誤りであったことを知りました。
 「今日は、1年で最も日の入りが早い日ですので、お帰りの時には、ご注意下さい」という気象予報士の声に、「えっ?!」と思いながら、調べてみると、今年最も日の入り時刻が早かったのは12月13日(火)の16:28(東京)で、それから少しずつ日の入り時刻は遅くなる一方、日の出時刻は、年が明けるまで少しずつ遅くなり、日の出時刻が早くなるのは、1月中旬頃からであるのがわかりました。

東京の日の出日の入り(国立天文台暦計算室)

2.「一陽来復」 まわる時間

 冬至は別名「一陽来復」とも呼ばれます。陰暦の11月、1年中で夜が最も長い冬至の日を指して、陰が極まって(もど)って来る日であり、
冬至を境に、日は伸びて春に向かう・・・”冬本番はこれから”という時に、なかなか実感できませんが、春が訪れる「兆し」を感じて生きる意味でも、一つの分岐点となる日と言えると思います。西早稲田の穴八幡宮では、今日から冬至祭りが始まります。

 丁度1年前の今日、きたやまおさむさんが、「まわる時間と安心感」というタイトルで、日経新聞夕刊のコラムに寄稿していました。
”私たちは「直線的時間」を生きる一方、毎年、決まって巡り来る時間、「まわる時間」(円環的時間)の存在に支えられている”・・・きたやまさんのコラムに共感し、昨年のノート(#30 ゆく年2021-くる年2022#31 二つの時間を生きる)に書きました。
今年も、年末年始の、まわる時間がやって来ました。

2021年12月22日付、日経新聞夕刊「明日への話題」(きたやまおさむ)

3.「岬めぐり」 まわる時間 山本コウタローさん

 きたやまさんは、まわる時間(円環的時間)をイメージする歌として、中島みゆきさんの「時代」を取り上げていましたが、その他にも、「青葉城恋歌」(さとう宗幸)や、「夏の思い出」や「この道」にもそれを感じることを、note#30 に書きました。

 もう1曲、加えたい歌として、「岬めぐり」(山本コウタローとウイークエンド)を挙げたいと思います。
 山本コウタローさんは、今年7月に亡くなりました。山本さんはシンガーソングライター、タレント、政治活動家、環境学者としての顔を持ち、現在きたやまおさむさんが学長を務める白鴎大学で32年間教鞭をとりました。
 今月11日に開催された白鵬大学WEBフォーラム「きたやまおさむと語る『危機と日本人』(第3弾)」では、”急逝した歌手であり教育者山本コウタローを偲ぶ”として、生前の山本さんの様々な活動が紹介されました。
 シンガーソングライターとしては、走れコウタロー(1970)、岬めぐり(1974)の2曲だけですが、まわる時間を想起する曲として、岬めぐりはいつまでも心に残る曲です。
   「時がめぐる/まわる」のと「岬をめぐる/ まわる」のが重なり合って、「岬めぐり」には特別な時間の意味を感じます。
 11年前の演奏がYouTubeでも公開されていますが、会場の客席の人たちの幸せそうな穏やかな笑顔は、思い出の中で「まわる時間」を感じているのだと思いました。

             岬めぐり 
       山上路夫(作詞) 山本厚太郎(作曲)
    山本コウタローとウイークエンド(1974年6月リリース)
1.あなたがいつか 話してくれた
  岬を僕は たずねて来た
  二人で行くと 約束したが
  今ではそれも かなわないこと
   岬めぐりの バスは走る
   窓に広がる 青い海よ
   悲しみ深く胸に沈めたら
   この旅終えて街に帰ろう

2.幸せそうな 人々たちと
  岬を廻る ひとりで僕は
  くだける波の あの激しさで
  あなたをもっと 愛したかった
   岬めぐりの バスは走る
   僕はどうして 生きてゆこう
   悲しみ深く胸に沈めたら
   この旅終えて街に帰ろう
   岬めぐりの バスは走る 
   窓に広がる 青い海よ  
   悲しみ深く胸に沈めたら   
   この旅終えて街に帰ろう

4.  年末年始:「まわる時間」を感じて生きる

 2022年の今年の漢字の第1位に「」選ばれました。大書の「戦」は本日11時に、清水寺から漢字ミュージアムに運ばれたようです。

2022年「今年の漢字」は、投票総数223,768 票の内、1位の「戦」が10,804票(全体の4.83%)、2位の「安」が10,616票(4.74%)で、1位といっても、大きなシェアを占めた訳ではありません。かなり票が分かれ、それぞれにイメージする漢字が違ったと言えると思います。

 1位の「」と2位の「」は、僅差でした。
「冬至、一陽来復」の今日から、年末年始は「まわる時間」を感じて生きる2週間としたいと思います。
 今年も「まわる時間」を迎えられたことへの安心と感謝をこめて・・・。


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