#2021 Dialogue Vol4 たかが電気を視聴して

テーマである「たかが電気」は坂本龍一氏の発言からとったものだ。たかが電気に命を晒す事の愚かさ。エネルギーの民主化、自由な選択を訴えていた。

電気の話となれば否応にも原発に言及せざるを得ない。火などと違い体感できない放射線が、恐怖感を薄め、分かりにくさを深めている。環境保護のための原発必要論もあるくらいだ。そんな日本の原発は核兵器の副産物とも言われている。現時点で長崎型原爆の五千発分に相当する保有量らしい。

それではそもそも原発とは何だろう。環境学者である飯田哲也氏はこう答える。

「湯沸かし器」

だと。そんなもので世界的に被爆し、日常生活に不必要なエネルギーを作っている。

そんな原発に関して五つの疑問に答える形で進んでいく。

まず問1は「原発止めたら電気止まっちゃうんでしょ?」だ。

年々原発の使用量は減っている。来る、2030年には必要がなくなり、太陽光と火力が拮抗し、50年には太陽光、風力、水力、蓄電で賄えるようになるようだ。つまり再生可能エネルギーだけになるだろう。それは全世界での話だ。

これは2番目の問「再生可能エネルギーじゃ、電力まかなえないんでしょう?」の答えにもなっている。

問3「でも原発が一番安いんですよね?」

コストは上がり続いている。海外で増設や新設をしようとしていた日本企業は次々と撤退。海外では政府の補助金なしではやっていけない状態だ。

逆に再生可能エネルギーは技術の進化の積み重ねで、コストが下がり続いている。この10年で再生可能エネルギーはパラダイムシフトで、人類史的転換をした。飯田氏いわく、

「エネルギー天動説から地動説へ」だという。

未来にツケを払うのが原発。
海外に金を流出させるのが火力。
循環するのが再生可能エネルギー。

問4、「二酸化炭素削減(温暖化防止)のためには原発、仕方ないですよね?」

世界全体が太陽光、風力100%が可能。原発もCo2もゼロになっていく。

問5 「デメリットよりメリットの方が多いんじゃないですか?」

デメリット

1、建設コストが高騰しつづけ、もはや「高すぎる電気」

2、建設期間が遅延に次ぐ遅延であてにならない。

3、巨大事故時に対応できない。

4、原発事故は保険でカバーできない「国民のツケ」

5、核廃棄物は決して解決できない「人類の重荷」

6、放射線の健康被害は避けられない

7、国の規制機関 は信頼できない

8、核や原発企業の秘密主義は民主主義に反する

9、核兵器への下心(つながり)が隠しきれない

メリットはゼロ。

そしてここから省エネの話へ。

建築家の竹内昌義氏は、これからは我慢の省エネではなく、建物の構造変化(断熱など)で省エネを実現していく。

こちらも再生可能エネルギーと同じく、資材は普及と共にコストが下がっていくようだ。

コンクリートは保温力で省エネするが、木造の方は断熱力が高く、これからは世界の主流になっていく。

蓄電池も同じく、普及と共にコストが下がっていく。

最後に電気のコモン化について。

これからはエネルギーを自分事と考えていくべきだ。現在でも地域電力、ご当地電力が群雄割拠しているらしい。

一般市民が電気?と思ってしまうが、本当に商人や一般サラリーマンの方がゼロから立ち上げているようだ。

最初はまさしく、この指とまれ、かららしい。そこから勉強会に参加し、見学し、コミユニケーションをとり、会社を興しているようだ。

詳しくは「全国ご当地エネルギー協会」のサイトを見てくださいとの事で、見てみたが、残念な事に、わかりにくかった。

なぜなんのメリットのない原発を、未だに推進しようとするのだろうか。多分そこには大きな利権が噛んでいるのだろう。

この問題も今までの資本主義からの脱却と同じように 、われわれ一人一人が声をあげていくことからしか変えられないのだろう。またしても下記を掲載とておく。

「3.5%の綱引き」(動画あり)

ハーヴァード大学の政治学者エリカ・チェノウェスらの研究によると、「三・五%」の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わるというのである。


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