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APEXの秋・第3弾。【メインイベント以外の注目試合】UFC UnderCard PICK UP『UFC FightNight Vegas81 Yusuff vs Barboza』※試合後追記しました。


大会色合い

豪華カードひしめくUFCアブダビ大会を目前に、虎視眈々と開催される3週連続”秋のUFC Apex大会”第三弾となります。
メインイベントにはすっかり自身のYoutubeでオモシロ試合予想ユーチューバーとなったフェザー級ランキング11位のユサフvs同級13位のベテラン蹴りニキ鉄人、バルボーザのフェザー級マッチが組まれています。

ノーコンテストとなったエドガー・チャイレスvsダニエル・ラセルダの仕切り直しマッチが組まれていたはずですが、いつの間にか無くなっています。
ピックアップする試合以外では、ジェシカ・ローズクラークを倒したリスボアちゃんにも注目です。

ところでこの3週連続Apexシリーズはメインカードが日本時間AM8:00(ラスベガスではPM4:00)となっていて、アブダビ大会をはじめビッグイベントが今後続くためか普段よりも早めの開催となっています。

注目試合

(ライト級:プレリム)テレンス・マッキニー vs ブレンドン・マロット

今年4試合目の働き者マッキニー。
29歳/14-6(UFC 4-3) 6KO/8SUB

勝利した試合全てFinishで極めているフィニッシャーですが今年は期待のボンフィム兄弟、兄貴のイスマエル・ボンフィムと現在9連勝中のナジム・サディコフに2連敗してしまい苦しい状況が続いてます。
前戦Vegas78でマイク・ブリーデンに打撃で圧倒し快勝しました。2連勝となるか。

対するは今回UFCデビューとなるブレンドン・マロット。
26歳/7-1(UFCデビュー) 5KO/1SUB

米国ローカル団体でデビュー戦から4試合連続KO勝利うち3つが1R決着。
前戦はRNCで初めてサブミッション勝利を飾っています。

(バンタム級:メインカード)クリスチャン・ロドリゲス vs キャメロン・サーイマン

注目選手はお馴染みコンテンダーシリーズ6期生、4連勝を狙うキャメロン・サーイマン。
22歳/9-0(UFC 3-0) 6KO/1SUB

前戦はUFC290でテレンス・ミッチェルを相手にバックマウントからのパウンドでTKO勝利して三連勝を飾りました。
契約を勝ち取ってから負けなしの22歳に期待です。

対するはまたしても計量オーバークリスチャン・ロドリゲス。
25歳/9-1(UFC 2-1) 3KO/4SUB
4ポンドとなかなかのオーバーっぷりですが、近い距離でのエルボー、膝も使えてチョークのセットも早い実力者ではあります。
前戦はUFC287でラウル・ロザスJr.と対戦し、1Rはポジション奪われる展開でしたが2R以降はしっかり対処して若さの勢いを封じました。

サーイマンは打撃で勝負できるか、グラウンドでの対処がどれだけ出来るか大事な一戦です。大事なのでもう一度言いますがロドリゲスは4ポンドオーバー。

(ミドル級:メインカード)アンドレ・ペトロスキー vsミシェル・ペレイラ

注目選手は大きい体でクルクル飛び回る四次元ファイター、ミシェル・ペレイラ。
30歳/28-11(UFC 6-2) 10KO/7SUB

今回ウェルター級からミドル級に転向です。
魅せる動きの多い選手でUFC初戦となったダニー・ロバーツ戦ではローリングサンダー、ペティスのショータイムキックのように壁を蹴る動きを見せたり、跳び膝を当ててフィニッシュに繋げるなどしてボーナスを獲得しています。
トリスタン・コネリー戦はピョンピョン飛び跳ねてクルクル回りまくるので是非ご覧あれ。グラウンド状態の相手の頭部に当たってたら明らかに反則のバク宙も見せていて思わずニヤけてしまいます。
(ファイト・オブ・ザ・ナイトに選出されてますがペレイラの体重超過によりペレイラは獲得権利剥奪。)
BJJは黒帯を取得しており、イマダエフ戦ではスタンドで四次元打撃を混ぜながら圧倒して最後はジャーマン投げからRNCを極めています。
前戦はサンチアゴ・ポンジニッビオと対戦。後半になって前に出てくるポンジニッビオに苦戦しスプリット判定勝利。もうクルクルしてませんw
今回は約1年半ぶりの試合です。

対するは現在5連勝中アンドレ・ペトロスキー。
32歳/10-1(UFC 5-0) 4KO/4SUB

TUF29に召集されていてブライアン・バトルに敗れ敗退したもののUFCと契約。同じTUF出身マイケル・ギルモアと対戦し、バックボーンのレスリングを武器にマウント肘打ちで快勝。
フー・ヤオゾンに対しては3Rに渡ってドミネイトし肩固め葬。
ニック・マキシモフに対してスクランブルからアナコンダ葬。
前戦は寝技師ジェラルド・マーシャートと対戦しスプリット判定勝ち。

ペトロスキーとしては漬けたいところですが、ペレイラもBJJ黒帯なので立っても寝ても面白い展開を期待。

(バンタム級:メインカード)ジョナサン・マルティネス[#13] vs エイドリアン・ヤネス[#14]

注目選手はボクシングをベースにKOを量産するエイドリアン・ヤネス。
29歳/16-4(UFC5-1) 10KO/2SUB

2020年にDWCSにて秒殺KO勝利し契約を獲得。返しの左を当てて腰を落とした相手にオーソからサウスにスイッチしながら5連発をほとんどクリティカルヒットさせてその音をUFCApexに響かせました。
ランディ・コスタ戦では右奥手は被弾しないものの、リーチで勝る相手の左ジャブに苦戦しますが2Rにはカーフとパリングで修正し自身の打撃を機能させてガードの隙間から叩き込みボディ、アッパーと綺麗なコンビネーションで形勢を覆し勝利を掴みました。

前戦はロブ・フォントとのランカーマッチで、苦手な左ジャブを刺されながら恐らく作戦だったであろうクリンチアッパーを起点に沈んでしまいました。
LFC時代には意外にも下からのアームバーでサブミッション勝利を飾っています。
個人的にはグスタボ・ロペス戦のワンパンKOが好みです。

対するは現在5連勝中のバンタム級ランキング13位、マルティネス。
29歳/18-4(UFC9-3) 8KO/2SUB

テコンドーをバックボーンに持っていて、サウスポー構えから強烈な左ミドルキックを打ってきます。
昨年はカブス・ワンソンと対戦し、重たいインローで足を破壊してダウンを奪い珍しい形でのTKO勝利。パフォーマンスボーナスを獲得。
前戦はダゲスタンプロスペクト、当時ランキング14位サイード・ヌルマゴメドフと対戦しユナニマス判定勝ちとなってますがヌルマゴメドフ支持の声が多い内容でもありました。

ヤネスとしては蹴りの距離を潰したいところですが、マルティネスは膝でのKOも多いのでどんな距離感で試合を展開するか。
オッズは拮抗。楽しみです。


※※※試合後追記※※※


面白かった試合、見返したい試合

いつも通り面白かった試合、スッキリした試合、印象に残った試合をピックアップします。
最近はここで書き溜めた選手がまた試合を組まれる、というとこまで来ました。前戦の内容を振り返るのに便利!(書いていれば、限る、、

(ライト級:プレリム)テレンス・マッキニー vs ブレンドン・マロット

まあマッキニーらしい展開になりました。
1R早々オーバーハンドを放って相手に触るとその手でそのまま首相撲からの膝を放ちダウンを奪うマッキニー。
面食らったマロットはそのままパウンドアウトとなりました。
試合終了後に試合がそのままフルでリプレイされるほどの短い展開となりました。
直前オファーでのデビューとなったマロットですが、苦い結果となりました。
マッキニーはこれで15勝目、そのうち14勝が1R決着という戦績となっています。終わるのはええよ。

(フェザー級:プレリム)ダレン・エルキンス vs TJ・ブラウン

プレリム最後はフェザー級で26試合目となるベテラン、ダレン・エルキンス。(ホロウェイに並ぶ記録タイ)
過去には小見川選手や日沖選手とも対戦しています。
39歳 27-11(UFC 17-10) 9KO/5SUB

対するは2戦連続ファイトボーナス獲得中TJ・ブラウン。
33歳 17-10(UFC 3-4) 4KO/10SUB

1Rは互いにテイクダウンしてポジションの奪い合い。後半チョークをセットしますがブラウンの位置がずれていて極まらず。
2Rはエルキンスの巧さが勝ってポジションをキープさせず。グランビーロール(違ったらどなたかご教授ください)的な動きなど柔らかい動きで魅せます。
3Rバックポジションから腕を取りながらマウント移行。
なんだか柔術の教本を見ているような瞬間があります。

そしてマットヒューズの形になると反転を試みたブラウンに対してバックテイクするエルキンス!隙をついて首を取ったエルキンスがパームトゥパームで絞めあげてタップアウト!!!
心を折ったようなグラップリングの展開でした。めちゃくちゃ面白い試合になりました。
MMAはベテラン選手が長年の経験を積み上げたグラップリングで若い選手に対して試合を支配することはよく見受けられます。
エルキンスは2010年にUFCデビューし、13年経った今回こうしてフィニッシュ勝利をあげています。素晴らしいことですね。

(ミドル級:メインカード)アンドレ・ペトロスキー vsミシェル・ペレイラ

まず両者並んで思ったのは、ウェルターから上げてきたペレイラのサイズが大きく見えること。身長差2〜3センチくらいなはずなんですが、構えの影響もあってかそれ以上に感じます。

鋭いミドル、前蹴りを打つペレイラ。
ペトロスキーが前手をちょっと出したのを弾くとペレイラが右をズドン!!!
そのままペトロスキーはダウンしてしまい、ペレイラがそのままパウンド連打しレフェリーストップ!!!

ミドル級初戦を、相手のガード位置からズレたところに真っ直ぐを差し込んでフィニッシュを飾りKO勝利としました。
くるくるピョンピョンしなければちゃんと強いし盤石な試合をしていけそうなペレイラに期待です。
個人的には名のあるランカーとの試合で主導権を握り切ったところでピョンピョンクルクルする姿が見れたら最高です笑
「階級」を肌で感じる時って組み技だろうなと個人的には思うので、また次戦別の展開になった時にどうなるか注目です。

(バンタム級:メインカード)ジョナサン・マルティネス[#13] vs エイドリアン・ヤネス[#14]

サウスのマルティネスに対して外へサークリングするヤネス。
マルティネスがいつものように左ミドルを蹴っていくとそのあとはインローを蹴るマルティネス。
重い音が響いて、スワンソン戦のような展開が脳裏に浮かびます。
5〜6発目くらいでヤネスの足が流れるとその後もインローを狙っていくマルティネス。

ヤネスはスイッチせず右足にダメージが蓄積されていきます。見ていて辛かった。残り30秒のところでマルティネスの蹴りの数が13発と表示されます。

2Rインローに対して、上げたヤネスの足が外側へ流され膝を抱えて倒れます。
立ち上がって試合続行、また足を蹴られていきます。
パンチのフェイント混ぜて重心を乗せたところにまたロー。
最後はケージを背負ったヤネス、またもや足を上げたところにインローを喰らって膝を更に痛めたヤネスが崩れてTKOとなりました。

ヤネスは早々に足を崩され、深追いしないマルティネスの中にも入れてもらえず成す術なく距離感そのまま足を壊される結果となりました。
マルティネスについてはサイード・ヌルマゴメドフにも土をつける地力(拮抗して微妙な内容ではあったが全然勝ちがついてもいい内容だと個人的には思っています)があるので、次のランカー戦に注目です。

大会総括

期待通りの結果が続くアンダーカードでしたが、やはりメインイベントは一味も二味も違う結果となりました。
1R早々に距離を詰めて攻めるユサフに対してバルボーザは被弾、ダウンして攻められ続けてこれまでか、、と思うラウンドでしたがそこから2〜5Rを取り返してバルボーザの巻き返し判定勝利!!!
3Rには得意のスピンキックをユサフにヒットさせ膝を地に着かすシーンもあって大興奮の内容でした。すごい。
プレリム最後の試合で勝ったエルキンスと同じく2010年からUFCで戦うバルボーザは打撃戦で勝利を飾りました。いい試合を朝から見られて、いい日曜日を過ごせました笑

驚くのはその対戦相手の数々で、強豪とのオファーを受け続け戦っています。
特に2019年以前のライト級時代の対戦相手の並びはメインイベント級の選手ばかり。鉄人です。

さて来週はお待ちかねUFC294アブダビ大会。久々の有観客
オリベイラが欠場して手術明けのヴォルカノが出てきたりコスタがやっぱり出れないからウスマンが代役となってミドル級でのウェルター級ドリームマッチが実現したり頭がついていかないですが、最近のファイトナイトとは違ったエグいカードばかり並んでいるので楽しみに今週を乗り越えたいところです。

推しのジョニー・ウォーカーが問題なく出場して勝ってくれればもうなんでも良い筆者です。打倒アンカラエフ。