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会議はスポーツにおけるハーフタイム

“初めに方針を伝え、会議で方向性を揃える”

会議のあり方に信念が無かったことで、自分のマネジメントに納得がいかなかった年度がありました。

世間で「働き方改革」が叫ばれ出した頃、まだ今ほど働き方改革に対する議論が習熟する前に、真っ先に時間の削減対象と見なされたのは「会議」でした。もしかしたら今でもその風潮はあるかもしれません。

会議の進行方法は会社によって様々です。意思決定、情報共有、提案など案件によってゴールを使い分けている中で、その拘束時間の長さに比べて、その時間で何を生んだのか分からない案件が存在するのも事実です。

「働き方改革」と同時に進められた、見なし残業手当に対する締め付けをクリアするためには、時間外労働時間を削減する上で、会議が槍玉に挙げられるのは至極当然の流れでした。

全国の事業部の中でも、毎週固定した曜日で行っていた会議を月に一回、または2週に一回に削減し、時間外労働時間を減少させた成功例が法人内で飛び交うようになりました。

そのように会議の削減が好事例として報告を受ける中で、僕がマネジャーを務める事業部でも、試験的に2週に1回の開催として会議を削減してみることにしました。

“会議が持つ意味は案件の議決ではない”

2週に1回の会議になったことで越えるべきハードルはまず、メンバーは自分が抱える業務分掌について他のメンバーに承認を得ようと考えたら、それまで以上に計画性を発揮する必要がありました。

2週に1回の運用を数回経て、メンバーが案件を提出するタイミングにも慣れてくると、1回の会議は長くなりましたが翌週は確かに自由に時間を使えるようになりました。

しかし、事業部内である変化が起き始めます。毎週会議をしていた頃に比べて以下のような現象が起こり始めました。

メンバー同士がギスギスし始める

些細だけど大事なことをさぼり始めるメンバーが出る

・考えがばらばらなチームが出て、表情が曇っているメンバーが現れる

本来であれば、誰かに何も言われなくても仕事で結果を出すことに意欲的で、同僚を尊重し、自己成長に貪欲な自走できる組織が理想です。

しかし、人の心根は「性善説」でも「性悪説」でもなく、「性弱説」だと見る私は、「弱さ=易きに流れる人達の集合体である組織」を導く上で、会議は大事な役割を担っていたことに気づきました。

つまり、会議を行う意味は「価値観のすり合わせ」=方向性を揃えることにあります。

それまで、会議の最後には必ずマネジャーから現状の事業部が抱える課題、できていること、次にやるべきことを毎週発信していました。

これはクラスマネジメントを行っていた担任時代に、ホームルームで担任が発する言葉がいかにクラスを作り上げる上で重要か実感していたからです。

ところが、会議の頻度がまばらな事業部は、まるでハーフタイムもミーティングも行わず、寄せ集めの選手で試合に挑んでいるようなものでした。

監督から方針の説明がなく、選手同士でお互いに声を掛け合う機会も減り、チームとしての結束も高まらない。

これでは試合に勝てるチームになるはずがありません。

“会議のあり方にこだわりを持て”

僕はチームの雰囲気や課題に気づいたら、必ず会議の最後にメンバーに価値観を共有します。

指示ではなく、価値観の共有という位置づけにするのは、指示に比べて継続性があるからです。

例えば年度や四半期のスタートで以下のような方針を発したとします。

①人に挑戦を促すなら、過去の頑張りでなく現在も挑戦するメンバー

②他人や環境のせいにせず、常にどのようにすればと考えるチーム

③人の為に些細な配慮を行うことを徹底できるチーム

①については、メンバーが新しい仕事や新たな役割を得ようとする時にあわせて、会議で発します。表現や伝え方は工夫したとしても価値観は何度も共有します。

②については、事業部内で他者や環境のせいとも取れる発言が目立ち始めた次の会議で発します。どんなチームでありたいか、メンバーの為を想った伝え方で共有します。

③については、例えば電話の引継ぎ等の伝言がおろそかになり始めたら発します。

いかがでしたでしょうか。

会議のあり方は企業それぞれ独自の捉え方があります。しかし事業部同士のメンバーの異動が激しく、急造チームが多々出来上がる環境下においては会議は重要な意味を持っています

方針を発した後、方向性を揃える。マネジャーの情熱が問われますが、やりがいを感じられるところです。

続きはまた違う記事で。最後までお読みくださり感謝。

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リーダ―育成・事業再生コンサルタント

本間 正道
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