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気を付けたい個性を持つ部下ベスト3

「どんな部下にも関心と愛情を持って向き合う」それは僕の揺るぎない信念ですが、今回はマネジメントをする中で、対応に気をつけたい個性を持つ部下をご紹介します。

1、悲劇のヒロインタイプ

360度評価のフィードバック面談において、相手の良い点や、伸びしろを伝えた後に、部下から最近の悩みを打ち明けられることがあります。

人は質問されたことには答えを探す性質を持っているので、僕は「何か不安や不満はある?」と聞くのではなく、「何かある?」と聞くようにしています。

大概、「大丈夫です」という返答で終わるのですが、ときに特定の個人の名前を挙げて、「Aさんの言い方が」とか「AさんはBさんもできていないのに、私にばっかり」という悩みを打ち明けられることがあります。

果ては「私は昔いじめられていたことがあるので、言いやすいのだと思うのです」という飛躍した主張を述べながら、涙を浮かべる人もいます。

このような場面に遭遇した場合、マネジャーとして、あなたはどのような対応を取るか信念はありますか。僕は、次のような判断軸を持っています。

周りから慰めて欲しくて「自分なんて」という社員との面談で、その社員に「そんな主張をしていても成長にはつながらない」と気づいてもらう為に、「例年通りの仕事で、本人に起因する人間関係の問題を抱えている場合」は「その手には乗らないぞ」と冷静に対応します。

泣いていても関係ありません。「新しい仕事に挑戦し、苦悩している場合」は、心配して労いの言葉をかけます。

全ての悩みに寄り添う必要はなく、ときにはこのように冷静に対応する態度を選ぶ必要があるのが、悲劇のヒロインタイプを抱えたときの注意点です。

2、社内でも優秀だと有名な部下

部署異動において、社内で名が轟いている優秀な部下を持つことがあります。

あなたが会議でメンバーを鼓舞し、マネジメントの結果として成果を挙げたという自負を持つ出来事も、役員からは直接的な表現ではないにしろ「あの人が部下にいるからね」という評価を暗に受けます。

あなたならこの部下をどうしますか。私は実際に、全国に名が轟いている優秀な部下を持った経験があります。

そのときに頭をよぎったのは、『史記』に登場する「劉邦」と「韓信」の関係でした。

劉邦は、天下を平定するまでは重用していた韓信に対し、自分よりも影響力を持ち始めたことに対して危険視し、謀反の疑いを持ち始めました。

韓信は劉邦に恩義を感じていたものの、最終的には劉邦の不興を買うことで転落していってしまいます。

僕は事業部として結果を出すまで、その部下の力は大いに助かっていたのに、いざとなったら自分が正当な評価をされないと悩むのは、劉邦の二の舞だと自省しました。本来部下が評価されるのは上司として喜ばしいことのはずです。そのため、プレイヤーとして優れた力を発揮するその部下から、僕自身も学ぼうと決心したことで、その部下の評価を受け入れられるようになりました。

3、自称サバサバ系女性社員

高学歴で体育会系の部活出身のCさん。若手マネジャーの私より年上で、Cさんは転職組。私が事業部に対して感じている課題と、Cさんが感じる課題に共通点があり、対策を講じるために何度か会食を共にしました。

会食の場では、「会議で発信している指摘、指導事項が、聴き手の気持ちに配慮するのは良いけど、直接名指しで言わないと対象としている人に伝わっていないのではないか」という意見をいただきました。

僕は、「分かりやすさを優先しすぎて直接言うことで、本人に聴く気が起きなかったら、言うだけが目的になってしまう。言動を変えてもらうことが目的だから、伝え方に配慮は必要だ」という返答をしました。

すると、「なるほどですね。でも、私は体育会出身でサバサバしているので、私にはストレートに言ってくださいね」という言葉をいただきました。

まわりくどいことが嫌いなのかなと、後日僕が感じるその人の課題を、言い方に気をつけつつ直接伝えました。すると、思いのほか不快な表情を浮かべながら、「わかりました」という返答です。

どうやら、Cさんの言う直接言ってほしいというのは、結局褒めてほしいという心根から発せられた言葉のようでした。

この話を他社の方に伝えると、「自称サバサバ系」がサバサバしていないことは周知の事実のようで、僕は身をもって体験して、対応に気をつけることを理解しました。

いかがでしたか。これらの個性を持つ部下を、あなたも今後持つ可能性があります。もしかしたら、もう出会っている人もいるかもしれません。

今回お伝えしたかったのは、これらの部下に対して「警戒するように」という注意喚起ではありません。これらの特性を理解して、どのように接したらこれらの部下の長所が生かされるのか、予め特徴として把握できていれば、打ち手が浮かびます。大切なのは、うろたえないこと。右往左往しないこと。特性の一つとして理解すること。

「どんな部下にも関心と愛情を持って向き合う」マネジャーとして、部下に苦手なタイプを持たないように、理解するところから始めましょう。

続きはまた違う記事で。最後までお読みくださり感謝。

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リーダ―育成・事業再生コンサルタント

本間 正道
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