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あなたのこだわりは何度も伝えなさい

“伝えたことが伝わるには”

自分は習慣化するまで人に何度も言われたのに、人には一回で伝わって欲しいと願ってしまう、人は誰でも経験があります。大事なのは自覚できているかどうかです。

伝わることの定義は、伝えたことで相手の言動が変容すること。変容に至ってなければ伝えただけで、伝わっていません。

そもそも人は一回言われただけで、言動を変容できるのでしょうか。

日常の例を挙げると、僕の奥さんは洗濯物の出し方にこだわりがあります。どんなこだわりかと言うと下着やシャツ、タオルなどは同じカゴに入れるのは良いけど、靴下は別のカゴに入れます。奥さんの家庭がきっとそういう文化だったのだろうけど、大げさに言うと下着よりも靴下の方が不浄なものという位置づけです。

洗濯を主にしてくれるのが奥さんなので郷に入っては郷に従う僕の精神をもってしても、結婚当初はなかなか習慣化されませんでした。
きっと僕の中では靴下より下着の方が不浄なものという固定概念が邪魔していたのだと思います。

「靴下は別に出して」と8回言われる機会を得て、やっと習慣化されました。

8回は言われ過ぎだろうと思う人もいるでしょう。ここで取り上げたいのは数の問題ではありません。それまでの習慣を変えるのには、それだけエネルギーを要するということです。

“何度も伝えるけど、伝え方は変えて良い”

人は一回伝えただけではそうそう変われない、その前提に立つと、相手が変わらないことに苛立ちません。次はどう伝え方を変えようかと前向きな力を取り戻せます。

私がマネジャーとして事業部に着任すると、毎週の会議の最後に自分のこだわりを部下に発信させてもらっています。

4つ目の事業部を例にあげると、引継ぎ期間に参加した会議の光景に違和感を覚えました。前任のマネージャーが話している最中に、聞く側であるはずのメンバーが横に座るメンバーと話し始めます。マネージャーが発する言葉の中で疑問があると、横にいるメンバーと認識を確認し合っているのです。それに対して特に注意、指導をする人もいません。

この事業部を変えるには、まず先にここから変わる必要があると感じました。なぜなら会議の臨み方、人の話の聴き方にこだわりがないメンバーは、生徒の聴き方にもこだわりが持てずに授業の空間が乱れると感じたからです。

ただし、異動してきたばかりのマネジャーが「皆の聴く態度は良くない。私が着任したからには、こういった態度で会議に臨んでほしい」と真っすぐに伝えても不満を生むだけです。

ではどう伝えるか。僕は着任したばかりの事業部を改革するスタンスに持論があります。

“過去を立てながら変える”

簡単に言うと、以下のよう流れです。

1、着任したばかりならではの事業部の良いところを述べる。

2、もっと良くなるにはという伝え方で課題を共有する。

3、翌週の会議で素直に態度を変容した部下を皆の前で褒める。

4、翌週には態度を変容できた部下が増えるので、それも褒める。

その繰り返しです。今回の会議の聴き方についてもこの例に倣って発信します。

「他者の悪口を言わないメンバーが多いところが、この部門に来られて幸せだなと日々感じる点だよ」

「だから、皆ならもっと良くなっていけると思うので、会議の最中に横と話す癖がある人は変えていこう。案件者が不安になるからね。質問や確認したいことがあるなら、隣に聞かずに案件者に聞こう」

「先週横と話さないって発信したばかりなのに、今日の会議に参加していてびっくりした。すぐに変えられる人が多く、しっかり案件者に質問していたね。こんな風に発信したことをすぐ変えられる素直な事業部はどんどん良くなっていくね」

こういった発信を伝え方を変えて何度も何度もしていくと、横のメンバーと確認する人はいなくなっていきます。

“新しい文化を根付かせるには、古い文化を否定するのではなく、新しい文化に順応した人を褒めることで浸透していく”

不在時の電話の取り次ぎにも、仕事の姿勢で差が出ます。最近の電話機はディスプレイに相手先の電話番号が表示されます。

相手側から折り返しの要求がなくても、離席していた取次相手に表示されていた電話番号を共有できるか、メモでも社内チャットでも基本は一緒です。つまり、相手が名刺入れやスマホアプリで保存しているデータを探す時間を短縮するという配慮。

こういったこだわりの発信は、発信直後は事業部全体が前向きに取り組もうとするけど、時間が経つと誰かがさぼり始めます。時間が無かったという言い訳とともに。

そこでマネジャーが結局人って継続できないんだよなと諦めるか、それとも、さぼり出す人が出る前に継続できている人を定期的に褒めるかで、継続度合いが変わってきます。

“こだわりは何度も発信し、こだわりに賛同して態度を変容してくれた相手を褒めることで浸透していく”

続きはまた違う記事で。最後までお読みくださり感謝。

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リーダ―育成コンサルタント

本間 正道
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