見出し画像

落ちこぼれ社会人の転職記録④ どん底での大きな転機

 落ちこぼれの学生生活を終え、アルバイト経験から外食の世界に入ってから数年。人間関係に端を発した転職の流れに飲み込まれ、はじての転職からわずか1年足らずで4度目の転職をします。

4度目の転職で就いた仕事はとんでもないブラ○ク企業

 通算5社目は、居酒屋チェーンです。ここでの働き方は、まさに真っ黒でした。朝7時くらいから勤務開始して、早くて0時ごろ、遅いと終電と言う働き方です。しかも、週一回のお休み。残業などと言う概念もありません。

 なぜこのような会社に入ったのか?
 ここまで4つの会社で働いてきて、少し自分がやりたい事が見えて来ていました。それが「調理の仕事」だったのです。しかも、この前の会社を2週間で辞めたほどです。すぐに次を見つけなければいけなかった。
 「調理の仕事ができて、すぐに働ける」この条件だけで見つけたのです。
 お給料も良くありませんでしたが、背に腹は変えられないってなものです。面接でこれらの条件を聞かされて、外食経験者で元副店長だと言うプライドもズタズタにされるくらいの内容でした。料理の世界では見習いレベルだとも。

 それでも時間的な猶予もなく、やりたい仕事ではあったので、良しとしたのです。本来なら絶対に入ってはいけないレベルの内容です。こう言う精神的に追い詰められた状況での転職活動は一番やってはいけませんよ、皆さん。

 さて、そんな真っ黒な働き方をする会社、ここまでの私を見て来たならばそう長くはもたないはず、ですよね。詳しくは以下を。

ブラ○ク企業で働いている人達が実は本当のプロ!?

 ところがです。私はこの会社に2年余り勤めたのです。1日15時間以上働き、休みは週1日、給料も良くない。もっと言ったら、周りは料理の世界で修行を積んできた人ばかりで、素人同然の私は明らかに場違い無存在でした。
 それでも、仕事が楽しかったのです。初めて目にする食材、初めて手にする包丁。自分の腕で捌き加工し盛り付ける。親方(正式には違いますが)のやっているのを見て、自分なりに工夫をして、うまく行った時の充実感。決して褒めてはくれません。それでもわかるのです、認められて来たのが。

 初めての感覚でした。仕事はキツかったです、本当に。でも行きたくないとは思いませんでした。職人の世界のさわりを見せてもらいました。所詮居酒屋チェーンですから、そもそも大した場所ではありません。それでも彼らは自分の腕を信じ、自分を表現していました。とても輝いているように見えました。料理はとても奥が深い世界なのだとも教えてもらいました。
 私にはとても追いつける場所ではなかった事も事実です。この時にいろんなことを教えてもらいました。

一言で言うならば、
 「すべては自分次第」と言うこと 
 「自分が選んだ道ならば、何があっても全て自分の責任」
 「余計なことを考えずに目の前の仕事に全力でぶつかれ」
 「一人一人が自分の責任を100%以上果たすことでチームが成り立つ」
 「その為に自分の腕を磨き続けろ」
 「お客さんの希望に全て応え、期待を超えるだけの腕をもて」
 「それこそが自分の価値」
 「環境に文句を言うな」
 「すべては自分の腕次第」

 本物はこう言うものだと思いました。これがプロだと。みんな腕に覚えのある人達です。それぞれが自分の城を持っていたはずです。それが不本意な働き方をしている、と勝手に思っていました。でも、そんなことはなかった。どんなところでどんな環境でも自分の腕を振るう事に変わりは無い。自分の料理を食べにきてくれるお客様のために。どんな不本意であっても、その場所を選んだのも自分だと。

 私にはその覚悟がありませんでした。甘い考えで転職を繰り返していたのですから。
 勘違いして欲しくないのは、こう言う働き方を良しとするものではありません。この意識を持てるかどうかが大切と言う事です。私の場合は、この環境でそれに気づけただけです。心の底からこれを意識してもらえたらそれで良いのです。

 無茶もたくさん言われました。その度にできない理由を一生懸命訴えました。そしてその度に怒られるのです。「それがどうした」「ぐずぐず言わずにとっととやれ」と。「やる前からできないと思うな、どうやったらできるか考えろ」と。
 そうすると出来ちゃうんですよ、これが。
 もちろん、自分の時間を犠牲にするのは当たり前でしたけど。

自分と向き合う 成長のために必要な事

 仕事に対して、いろんな考え方があります。長時間労働はよくありません。ただ、自分が成長していく過程で、無理をする時期は必ずあります。
 でも実際には、無理している感覚はあまり無いことが多いと思います。何かの使命感のようなものを感じていたり、夢中でやっていたりしていることが多いのではないかと思います。
 私のこの時も、何かに取り憑かれたように働いていました。私にとってそのくらい魅力のある仕事でした。尊敬できる仲間たちでした。

 この会社は、今で言うなら明らかにブラ○ク企業でした。でも、私にとってはたくさん勉強させてもらった、恩のある会社です。ここでの経験があるからその後、私の人生は大きく変わることができたと言っても過言ではありません。

 限度はありますが、上に示した、「すべては自分次第」と言う言葉をしっかりと受け止めて欲しいなと思います。私はこの後この会社を辞めますが、それはこの言葉を真剣に受け止めた結果です。

 サラリーマンであっても、仕事をしてお金をもらう以上、その道のプロです。プロであるならば、どんな環境でも顧客の期待に応えるだけの腕を持って、結果を出すのが当たり前。改めて自分が磨くべき腕は何か、自分の価値は何か、考える事にしたのです。

 それによって、とうとう5度目の転職です。まだ終わりませんが、人生の道筋が大きく変わりました。
 悪循環に陥っていた私の社会人人生。ドツボにハマって、どんどんキャリアダウンして、とうとうとんでもないブラ○ク企業に入ってしまった、と思ったらそこが人生の転機になる。不思議ですね。こうして私の転職履歴も後わずかとなりますが、また改めて。

 今回も最後までお読み頂きありがとうございます。何か一つでもお役に立てることがあったら嬉しいです。

岡本昌巳

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?