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自然の造形

少し前に神聖幾何学模様というものに興味を持って本を読んでみた。黄金比というのがあるのは知っていたけれど、もちろん数字の話だった。
ただでさえ数字が苦手なのに比率とかピタゴラスとか申し訳ないけどもすぐに本を閉じてしまった。
苦手な本も読まないといけないんだろうけど、数字だけは御免被りたい。
とにかく自然界に存在する形には黄金比と呼ばれる比率のものが多く存在するようだ。
貝の形、植物の葉のつき方、ミツバチの巣、亀の甲羅。
娘と砂浜で貝殻を拾いながら、
自然の芸術はすごいねとため息をもらす。
なんのサンプルもなかったら、きっと作り出すことは難しいだろうと思う。
だからこそ目にした時、人は自然の産み出す造形に惹かれるのかもしれない。
貝殻のランプが並んで売られているのが見えて、お店に入ってみた。
貝殻やサンゴ、貝を使った作品がずらりと並ぶ。売られている貝を見て懐かしい気持ちになった。
昔、船に乗っていた父はよくお土産に貝を買ってきてくれた。応接室には大きなサンゴとオウム貝の殻が飾ってあったし、くじらのヒゲもソファの後ろに立てかけてあった。
同じようなものを目の前にして、小さい頃からこんなものばかり眺めていたなぁと久々に思い出し、忘れていた宝物の箱を見つけたみたいな気持ちになった。
変わらずに綺麗だなと思えたことになんだかほっとした。

#エッセイ #コラム #貝殻 #海

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