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ここらで一杯

わたしの記事を読んでくださっているかたは、お気づきかと思うけれど、理論、理屈、論じるということがすこぶる苦手なのである。
はっきり言えよという声が聞こえてきそうな気もするし、自分で読んでいて「なにが言いたいんや、あたし」と思うこともしばしばである。
実はライティングも苦手である。これに気が付いたとき、終わったなと思った。
わたしは何を書いていくんだよと真っ暗になる。
表現することは好きだけれど、構成やストーリーテリングは苦手。
永久に描写だけしていくわけにもいかないし、どーすんのと絶望する。
妹にこの話をしたとき、彼女は、
「でも論文は大事よなー。これができるかどうかは大きいよな」
と真面目な顔で言った(妹は文学部を卒業している、ちなみに国語の非常勤もやっていた)。
「どうやったらいいと思う?」
わたしは弱々しく聞いてみた。
「うーん・・・・・・どうやろなぁ。わたしは高校のときに・・」
あなたの話はもういいよ、わたしは高校時代には戻れんのだから。
自分のやってることはハッタリなのかなぁとも思えてくる。文章というのは自分から生まれてくるくせに、どうしてこうもわからないものなんだろう。
こういうときには、なるべくやさしい本を読む。

ー-夜なか

寝返り打たなきゃ さびしくて
寝返りうつと なおさびしくて

  工藤直子 詩集 より 角川春樹事務所

こういうやつを。
それで、ひとまず、よかったなと思う。
たった2行で泣きたくなるなら、大丈夫かなと勝手に心を確かめたような気持ちになる。
なるべくなら、いい読み手でいたい。
いいものを書きたいから。
なるべくなら、いい書き手でいたい。
いい人と繋がっていたいから。
いろいろ気にするなと言われても気にはなるし、何も言われなくても勝手に気になってしまうけれど、もういいや、とも思う。

温かいものが美味しい季節になってきた。
一息つくかな。

#エッセイ #コラム #書く #詩 #テーマ




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