マガジンのカバー画像

絵本『わにのだんす』と仲間のわにたち

14
エンブックスの絵本『わにのだんす』(文・今井雅子 絵・島袋千栄)にまつわるnoteをまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

膝枕外伝 こどもわにのおゆうぎ会

まえがき 現在、2022年8月2日82時82分です。

冗談はさておき、こちらは、脚本家・今井雅子先生の短編小説「膝枕」の2次創作です。タイトルに膝がない? 安心してください、ワニにも膝があります。

今井先生のエピローグ
それからの膝枕(twitterの画像をご覧ください)

下間都代子さんによる朗読

https://www.youtube.com/watch?v=_RYEGun9RR4

N

もっとみる
2022年ワニの日 ワニ一体化計画

2022年ワニの日 ワニ一体化計画

こちらは2022年8月2日に、clubhouse「2022年ワニの日ルーム」にて朗読した『ワニ一体化計画』の台本です。
二次創作、脚本の公開を快諾いただいた今井雅子先生に感謝申し上げます。

注意・無許可での上演は固くお断りいたします。
・もしこの話に興味を持っていただき、演じてみたいと思われた場合は、今井雅子先生およびやまね(@kousuke_Japan)にご連絡ください。
・現在はclubho

もっとみる

転生したらワニの帽子屋だった件[朗読版]

「はあ〜」

客のいない店内を見渡して、帽子屋の店長は大きなため息をついた。その顔の前でただ1人の店員、小次郎が帽子を振った。

「ほらよっと」

「わっ、びっくりした。何してるの?」

「ため息をつくと幸せが逃げるって言うじゃないですか。だから捕まえてるんですよ」

その言い伝えは店長も聞いたことがあるが、

「だからって、帽子で捕まえなくたっていいじゃないか」

「"幸せを捕まえた帽子"って表

もっとみる
たまたまが重なって─さすらい駅わすれもの室「思い出せない絵本」

たまたまが重なって─さすらい駅わすれもの室「思い出せない絵本」

2023.6.27 お知らせ📢「さすらい駅わすれもの室」をkindle出版しました。kindle unlimited(月額980円 初回利用は30日間無料)では0円でお読みいただけます。

clubhouseのつながりから生まれた「本読む彼らのお年玉」「思い出せない絵本」「語り部の記憶」は、次作以降に収められたらと思います。

偶然なようで必然なようで2021年5月31日からClubhouseで

もっとみる
占い師が観た膝枕 〜大晦日の特別な夜編〜

占い師が観た膝枕 〜大晦日の特別な夜編〜

※こちらは、脚本家 今井雅子さんが書いた【膝枕】から生まれた二次創作作品です。

今井雅子作「さすらい駅わすれもの室」のシリーズの中に「本読む彼らのおとし玉」という話があります。

ここに出てくる「占い師の先生に聞いたら、あそこに行けば何とかなるんじゃないかって言われたもんでね」の一文を見て、それならば、その経緯となるストーリーを書こう!と、思い立ってしまいました(笑)

◉占い師が観た膝枕〜マメ

もっとみる
ないものを取り戻す─さすらい駅わすれもの室「本読む彼らのおとし玉」

ないものを取り戻す─さすらい駅わすれもの室「本読む彼らのおとし玉」

2023.6.27 お知らせ📢「さすらい駅わすれもの室」をkindle出版しました。kindle unlimited(月額980円 初回利用は30日間無料)では0円でお読みいただけます。

clubhouseのつながりから生まれた「本読む彼らのお年玉」「思い出せない絵本」「語り部の記憶」は、次作以降に収められたらと思います。

わすれもの室+禁じられた金次郎+わにのだんす「さすらい駅わすれもの室

もっとみる

さすらい駅わすれもの室(原作:今井雅子)外伝「新年のおくりもの」

さすらい駅の片隅に、ひっそりと佇む、わすれもの室。そこがわたしの仕事場です。 ここでは、ありとあらゆるわすれものが、持ち主が現れるのを待っています。 傘も鞄も百円で買える時代、わすれものを取りに来る人は、減るばかり。 多くの人たちは、どこかに何かをわすれたことさえ、わすれてしまっています。

だから、わたしは思うのです。ここに来る人は幸せだ、と。

駅に舞い戻り、窓口のわたしに説明し、書類に記入す

もっとみる

転生したらワニの帽子屋だった件[会話版]

登場キャラクター

「」

『』

【】

〈〉

「はあ〜」
『ほらよっと』
「何だい、俺の顔の前で帽子なんか振って」
『ため息をつくと幸せが逃げるって言うじゃないですか。だから捕まえてるんですよ』
「だからって、帽子で捕まえなくたっていいじゃないか」
『"幸せを捕まえた帽子"って表に出したら、目を引くと思いますよ』
「ちょっとちょっと、人の幸せを勝手に売らないでもらえる?」
『まあまあ。溜め息

もっとみる

転生したら◯◯だった件

私は暗闇と振動の中で目を覚ました。小刻みな上下運動が、俯せになった腹に直接伝わってくる。地震が起きているのだろうか。そもそも、ここがどこなのか私にはうかがい知ることができない。

突然、下から突き上げるような痛みを感じた。次の瞬間、私の体は宙に浮いた、と同時に周りに光が現れた。重心が動物線……ではなく放物線を描いた後に、背中から地面に叩きつけられた。

ぐへっ

背骨に受けた衝撃が肋骨を圧迫し、中

もっとみる
「わにのういろう売り」〜今井雅子作「わにのだんす」アレンジ作品〜

「わにのういろう売り」〜今井雅子作「わにのだんす」アレンジ作品〜

今井雅子(文)、島袋千栄(絵)の絵本「わにのだんす」。これがClubhouseで毎日誰かに朗読されています。もともとは同じく今井雅子氏が書いた「膝枕」の朗読のブームの中、こんな絵本も書いているよと紹介され、それをきっかけに朗読されるようになったというものです。

さて、この「わにのだんす」。ワニが街中でダンスを披露してお金持ちになって……という話で、ダンスをしているときのオノマトペ表現がとっても楽

もっとみる

おめでとう『膝枕』100日リレー記念~もしも膝枕がワニに拾われたなら~

おめでとうございます!

5月31日にはじまったClubhouse朗読#膝枕リレーが、本日9月7日をもって、なんと!連続100日を記録いたしました。

膝枕番号34番に名を連ねさせていただいている、私きぃくんママといたしまして、この記念すべき日に‘テツアツ’の思いを込めて、作者の今井雅子先生の絵本『わにのだんす』を組み込んだなんちゃって朗読バージョンをノートに追加いたします。

元祖『膝枕』の正調

もっとみる

わにのだんすは膝枕-言葉遊びを楽しむ

Clubhouseで2021年5月31日に始まり、毎日続いている 今井雅子作 短編小説『膝枕』朗読リレー。

私が『膝枕』を知ったのは、8日目の6月7日だった。そもそも声を生業とする人たちが脚本家今井雅子先生の周りに集まり、Clubhouseでリレー朗読が始まっていたところ、ズブの素人ワタクシきぃくんママが、経緯を知らずに「私も読みたいので、誕生日跨ぎの6月14日23時30分に予約します」と、知っ

もっとみる
膝枕のねがひ 〜〜 わにだんバージョン

膝枕のねがひ 〜〜 わにだんバージョン

こちらの作品は今井雅子作『膝枕』の外伝ストーリーの一つ『箱入り娘膝枕の願い`七夕によせて’』(きぃくんママ作)を朗読する際に絵本『わにのだんす』今井雅子/文(エンブックス)を組み合わせた読み原稿として試みに投稿したものである。

休日の朝、玄関先であなたが受け取った段ボール箱に入っていた私。
あなたを知ったのはその3日前。
膝枕カタログの中だったのよ。

膝枕カタログは、幅広いニーズに対応する豊富

もっとみる
ワニの経済学

ワニの経済学

(2020年)8月2日に書きかけたままになっていたnoteを下書きから掘り出した。書いていたのは「わ(8)に(2)の日」にちなんで、ワニのこと。

100日後の筋書きの誤算『100日後に死ぬワニ』のことを思い出していた。

きくちゆうきさんがTwitter(@yuukikikuchi)で毎日公開を続けていた4コマ漫画。主人公のワニは100日後に死ぬ運命にあり、1話につき描かれる1日に「死まであと○

もっとみる