“巣ごもり“のあと、羽ばたくために②
いきなり子どもたちの休校が決まった3月。そこから今も、母親たちの肩に重くのしかかり続けているのが、毎日三食用意するプレッシャー(切実!)。
コロナ生活が始まってから、本当に多くの方がレシピを公開してくれて助かっているが、その中でも動きが断トツに早かったのが「かていかや」を主宰する通称・ひとしさん(※女性)だったと思う。男性みたいなニックネームだが、その正体はスレンダー美人。料理も裁縫も両立する「家庭科」のプロだ。
◆休校中のごはん作りの救世主
じゃーん!初めてレシピを載せる気がします。しかも、こんなにゆるくていいの?! いいんです。。誰かのお役に立てるなら!(【ゆるレシピ】初回のコメントより)
【ゆるレシピ】としてSNSで紹介されたものの多くは、ひとしさんが得意とし、愛してやまない炊飯器を使ったレシピ。なんなら包丁も使わず、材料を放り込んでスイッチを押すだけ。あとは炊飯器まかせで、その間は他のことに時間を使えるのが、忙しい主婦にはなによりうれしい。子どもにお手伝いしてもらうのにもぴったりの手軽さ。
「ひとしパッド」とも呼ばれた【ゆるレシピ】紹介は、ほぼ毎日、計30回も続いた。仕事として、炊飯器クッキングのワークショップも開催している彼女にとって、レシピは価値のあるもの。それを無償で30も公開してくれたのだ。そこには、「いきなりやってきたご飯問題に頭をかかえるママンは多いのでは?!」というやさしい母心があった。
ゆるレシピは…急に始まった休校に戸惑いながらも、何か私にしかできない事は無いかと思って始めました。いろんな方からコメントをいただいたりメッセージをいただいたり、つくレポもたくさん。とってもうれしかった!ありがとう。(最終回のコメントより)
◆コロナに負けず、仕事をするために立ち上がった!
ひとしさんも、リブランディングコンサルタント・あきねぇとの「物々交換」を通じて、さらに大きく羽ばたこうとしている女性のひとりだ。制作の仕事のほか、通常は数々の人気ワークショップを開催しているが、この状況下ではすべて中止…。
そこであきねぇのコンサルを受けた彼女は、早々にアドバイスを生かし、Zoomで炊飯器講座を立ち上げることを決めた。
ふたりの共通の友人であるのをいいことに、私もあきねぇとともに講座をプレ体験させてもらった。
講座は、炊飯器で1品調理する間に、ガス火でもう1品仕上げるデモンストレーション形式。作業の合間に、おもしろトークも炸裂するひとしさんは、元家庭科教師なので、当然教えるのも上手。話しを聞くだけでも楽しめる。
今後は縫わないソーイングなど、裁縫の講座も企画したいと考えているそう。
ちなみに彼女は歌もうまくて、趣味は作曲。字がきれいで絵も描ける。神様、そんな非の打ちどころがない人がいていいんでしょうかー!?「天は二物を与えず」という言葉は、彼女の前では「天は二物も三物も四物も与える」に変換される。
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そんなひとしさんの活動の根底にあるのは、「家庭科」を通じて場づくりもしたいという思い。今はコロナによってリアルなふれあいを絶たれてしまっているが、彼女は知恵を絞り、この状況でもできることを考え続けている。
そこで生まれたのが、Zoomを活用した場づくり「ひとしの部屋22時」。
家事が落ち着き、子どもたちが寝静まる夜10時からの1時間、オンライントークを楽しむ、ひとしさん主宰のイベント。毎回、彼女のまわりの素晴らしい才能をもつスペシャルゲストを1名招き、その方の魅力を深掘りする。限定6名で参加費は無料。私も第1回に参加したが、「はじめまして」の人同士もなごやかに交流できるのは、ひとしさんの仕切りがあってこそ。家飲み感覚のゆるさと、新しい才能に出会える刺激を兼ね備えた場所だった。
類は友を呼ぶ…とはこのこと。魅力的な人のまわりには魅力的な人が集うものだと実感!
◆置かれた場所で咲ける人
さて、今回のコロナの影響は世界中どこに住んでいても受けているわけだが(日本はまだマシ?)、同じ状況下にいても、それぞれが置かれた環境や性格によっても受け止め方は違う。
「あぁもうっ!この生活キツイ」「先が見えない…」「子どもと四六時中いっしょなんて息が詰まる!」というマイナスの感情が渦巻く一方、「家族の時間が増えて楽しい」「新しいことを始めるチャンス!」「テレワークできて通勤ないから快適」などプラス面に目を向けられる人もいる。
私もどちらかというと、不満で心がざわついてしまいがち。今できることを全力で楽しむのが本当に上手なひとしさんは、お手本にしたいなぁといつも思っている存在だ。
仕事をしながら男の子2人を育てる日々が、大変でないわけないのに、いつもしなやかに、家事も仕事も遊びも楽しむ天才。
【ゆるレシピ】終了後も、ほぼ毎日更新しているSNSでは、【おうち時間】の過ごし方として子どもたちを巻き込んだ家事への取り組み方や、子どもたちの取りやすさも意識した食器の整理方法など、参考になる生活スタイルを垣間見られる。日々を楽しむためのヒントだって見つかるかも!興味のある方はぜひ。
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