霧の中で、再訪

先日、少しギャラリーを巡って、網代幸介さんの個展に最後また行った。

小さい作品がいくつか追加されていて、とてもよかった。
額も粘土で手作りの、愛らしい小さな絵だ。
何が描いてあるのかは、聞いてみても本人にもわからなかったりするから、私にもよくわからないけど…
きっと網代さんの頭の中に流れてくる物語に登場する、何かなんだろう。
頭の中の映像を追いかけながら描いているそうだから。

追加された小さな作品たちは、これまで見たものよりさらにぎゅっと、凝縮されているように見えた。

相変わらずの人気で、お客さんが途切れることはなかったけど、いろいろ話を聞けてよかった。

不思議なことに、人気が出るほど作家って孤独になるのかなぁ、と思った。
もともと作家って孤独なものだけど、その気配が濃くなってる気がしたのだ。
気のせいだろうけど。

網代さんと話していると、自分の内側にどれだけ深く入って広げていけるか、周りなど気にせず自分に集中すれば良いんだと思い出して、ほっとする。
可笑しく笑いながらも、私は本当に尊敬しているのだ。

おじいちゃんになっても、ずっと絵を描いているんだろうなぁ。
この前、Satoさんがピアノを弾いてる背中を見た時も、そう思った。
なぜかおじいちゃんになったSatoさんがピアノを弾いてる姿が、重なって見えたのだ。
なぜかわからないけど、でもきっと、そうなんだろうなぁ。

孤独になってきたら、また見に行ったり、聴きにいけばいいや。
心のさみしい部分を満たしてくれるものは、心から愛せるものなのかも。
そんなに多くは要らない。
救われてるなぁ、と思った。



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