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今月の読書ログーフェミニズム系3冊+ノンフィクション1冊

こんにちは。キャリコン社労士・村井真子です。
もう11月に入ってしまい、バタバタと過ぎた10月が濃密すぎて頭がパンクしそうです。
パンクしかかっているのは先月から大学院に通い出したからなんですが、覚えることの量・タスクともに尋常ではなく、もともとその分野の勉強をしていない私にはハードなことこの上なし。特に財務。算数が嫌いで逃げ回っていた学生時代の私からしたら、今好き好んで時間とお金を投下して会計を学んでいるなんて教えてあげたら衝撃で吐いてしまうと思います。吐いてないで勉強していてほしかった。
でも知らないことばかりなので、日々賢くなっている実感が得られて、それはとてもうれしいです。

前置きが長くなりました。10月の読書ログを公開します。
今月はなぜかフェミニズム系の本に偏ってしまった&4冊しか読んでいないらしいので、今月はもう少し読みたいなあと思う。

1)ノンフィクション・ルポタージュ・エッセイ


◆橋迫瑞穂「妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ」

日本のスピリチュアル市場において、一大分野が妊娠出産に関するもの。「子宮系」「胎内記憶」「自然なお産」など、このようなスピリチュアルキーワードが出産を望む女性に支持されている現状があることをフェミニズムの視点から読み解く。生殖に関することは最終的に親となる自分たちの考えでどうにかならない分野で、私は不妊治療経験者と公言しているので、よくこれ系のお誘いも受けたし実際多少は縋っていた感もある。神社参りとかよくしてました。そして実際胎内記憶は面白がって子どもに聞いたこともある。

だから完全否定はしませんが、私は医療代替としてのスピリチュアルマーケットには絶対反対です。この種の悲鳴に似た感覚(「何とかして授かりたい」とでもいうような)は保守的な家族観ともリンクしていると著者は言っており、その意味を世の男女は自分に真摯に問うてみるべきと思う。

◆小島慶子他「足をどかしてくれませんか。――メディアは女たちの声を届けているか」

タイトルは奴隷解放・女性解放運動家のサラ・グリムケの言葉
「All I ask of our brethren is, that they will take their feet from off our necks」(男性の皆さん、私たちの首を踏むその足をどかして)からきているとのこと。フェミニズム本なのだけども、執筆者が実務家たちばかりなので(中にはパフォーマーのブルボンヌ氏なども含む)、いわゆる男性ぶった切り系のテイストではなくて、「これからどうやってこの足をどけていこうか」という建設的な方向であるのがとても良いと思った。
この中に、女子学生に「女性らしい女性とは?」と聞くと、「男受けがいい女性」と回答するのに、「親友になりたい女性とは?」と聞くと「自立している女性」と回答するという趣旨の話があった。
この引き裂かれた自画像、女性像をかつては私も持っていて、それで苦しんだこともある。今はだいたい統一できている、と思う。でも時々、「男受けのいい女になりたいなあ」みたいなことをぼんやり思ったりして、内面化されたジェンダーを変えることの困難さを思ったりする。
それはさておき、メディア対応や広報担当者をはじめ、いろんな人に読んでほしい本である。

◆浜田 敬子「働く女子と罪悪感 『こうあるべき』から離れたら、もっと仕事は楽しくなる」

週末、読書会をやるので久しぶりに再読。元AREAの女性初編集長を務め、今はBusiness Insider Japanのエグゼクティブアドバイザーを務めるバリキャリの浜田氏のライフヒストリーでありながら、キャリアを目指す女性の姿がここ20年まったく変わっていないことに気づかされる本。
よく女性管理職登用系の話で、「女性の管理職のロールモデルがいない」ことをむずかしさにあげる方がおられるけれども、私は(理由は割愛しますが)別にロールモデルはいらないという立場に立っています。で、浜田氏はこの本の中で、「女性でなくてもいい、責任ある役職を務めた人の話を男女問わず聞いた」と書いておられた。つまり性別ではなくて、役割として管理職という仕事をどうやって進めていくかという点が大事なのだと言われていて、とても納得したところでした。
女性に限るからロールモデルが窮屈になるんだよね、と考えたことでした。

2)ノンフィクション


◆白川紺子 「後宮の鳥6」

中国テイストの王朝ファンタジーものの新刊。怒涛の展開であまずっぱいロマンスもありながら、だんだんここに描かれている神々が人間ぽくなってきて、人間同士の感情の絡み合いとも相まってクライマックスの入り口まで来たな、と思う。

* * *

ちなみに今度の日曜日11月7日朝8:30~10時に浜田 敬子「働く女子と罪悪感 『こうあるべき』から離れたら、もっと仕事は楽しくなる」の読書会をやります。女性限定。こういうの気になるよって方がいたら次回はオープン開催できるか考えてみますので、よろしければコメント等で教えてください。





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