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"ワクワク"と"らしさ"はそのままに、今のマネーフォワードをしっかり盛り込んだ2年目の統合報告書

こんにちは、マネーフォワード経営企画本部の本木と忍岡(おしおか)です。

当社として2年目の統合報告書「Forward Map 2022」(日/英)を、2022年4月13日の1Q決算発表日と合わせて、公表しました。また、今回から、事業活動におけるESG(環境、社会、ガバナンス)に関わるデータを項目別に整理し、集約した「ESGデータ集」についても公開しています。

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このnoteでは2年目の統合報告書を作成するに当たって、私たちが、どんなことを意識しながら、どうアップデートしたのか、お伝えできればと思っています。

▷昨年初めての統合報告書を作成したときのnoteはこちら


自己紹介

本木 雅朗
2020年8月マネーフォワードに入社、経営企画部とコーポレートディベロップメント室で、IR、出資、M&A、予算・予実、MFBC(バックオフィス向けSaaS事業)の経営(KPI)管理などを担当しています。
最近引っ越しをしたので、インテリアを探しながら、家を創り上げていくのが楽しみ。

忍岡 真理恵
2018年マネーフォワードに入社、「マネーフォワード おかねせんせい」(ユーザーに最適なお金の行動をアドバイスするサービス)の立ち上げや事業開発、社長室長を経て現在は経営企画部にて国内外のIRなどを担当。
2009年経済産業省入省、同年司法試験合格。特許法、民法(契約法)等の改正プロジェクトに従事。アメリカに留学してMBA修了したのち、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社。
最近サックスを習い始めました!人生初めての管楽器なので音を出すだけで楽しいです。


1年目の統合報告書を振り返って

統合報告書「Forward Map」は、創業10年目を迎えたマネーフォワードが、事業者、個人、金融機関向けなど様々に事業を展開する中で、「グループとしてどんな価値を届けたいのか、何故それぞれの事業に取り組んでいるのかをストーリーとして伝えていきたい」という想いで、昨年初めて作成を行いました。
「Forward Map」というコンセプトには、地図のようにグループの全体像をお伝えしつつも、この先の冒険の広がりが見えるようなものにしたいという想いが込められています。

当初は主に投資家の方向けの資料だと思って作成していたのですが、実際に公表してみると、投資家の方だけではなく、多くの社内のメンバーや事業パートナーの方々から、以下のような、嬉しいコメントを頂きました。

(去年、Twitterにこの投稿をしてくれた安藤ふき菜さんは
今回統合報告書の冒頭で登場します!お楽しみに。)

会社の全体像が良くわかる資料として、新しく入社したメンバーにも配布しています。受け取ったメンバーからは「かっこいい」、「創業ストーリーの想いが熱い」などとワクワクするようなコメントをもらっています。

事業内容や戦略だけではなく、当社が大切にしているMission/Vision/Value/Cultureが伝わる、ワクワクするような資料にしたいという想いがあったため、一定その目標は達成できたのではないかと思っています。

一方で、統合報告書を書きあげていく中で、当社として議論が不十分な点や開示が進んでいない点にも気づくことが出来た、そんな1年目だったと思います。このように会社としての重要なテーマや論点を把握することが出来ることも、統合報告書を作成する意義の一つなのではないかと考えています。

また、1年目は2Qの決算のタイミングに合わせて統合報告書を公開したのですが、通期決算から半年も経ってしまうと、特に財務や事業戦略に関する情報の鮮度が落ちてしまう点があり、2年目は1Q決算(2022年4月)のタイミングで出す方向にしようと(2021年10月に...)考えました。「統合報告書は9か月から1年かけて作るものですよ!」とあれだけ外部の方に言われたのに、また5か月で作成していくことになってしまいました。
一方で、通期の決算説明会の開示内容を統合報告書にもしっかりと反映させたいですし、比較的新しいビジネスを展開し、変化の激しい会社では、比較的短い期間、つまり半年くらいで作成する方が手戻りが少なく進められるのではないかと思っています。

組織の変化を踏まえた、2年目の「Forward Map」 

当社は、2021年6月に東証一部(現在は、プライムへ移行)に市場変更し、2021年8月には海外公募増資により315億円の資金調達を実施するなど、これまで以上に、資金調達を踏まえてどのようにM&A(グループジョイン)含めた事業に投資を行っていくのか、しっかりとステークホルダーの方々に説明していきたいと思っていました。

並行して、ESGについても社内での取り組みや議論が徐々に進んでいくタイミングでもありました。ESGに関心が高い機関投資家との対話や、ESG評価機関などの外部からの評価の分析も進み、より本質的な取組を充実させていくと同時に、既に社内で実施できている施策を各自に開示することの重要さも強く認識するようにもなりました。

また、2年目の統合報告書の方向性を議論する中で、「『Forward Map』という地図のようにグループの全体像を伝えながらも、事業だけではなくESG等に関する記載を充実させていく上では、最も伝えたいこと(キーメッセージ)が必要なのではないか」という話になりました。そこで今回は、当社のサステナビリティに関する考え方や取り組み、より広義に言えば、「当社の社会やステークホルダーの方々との関わり」を最も伝えたいこととして、全体を構成していく方向になりました。 

「前向き成長サイクル」


プロジェクトを一緒に推進した社内外のメンバーと、当社のサステナビリティの考え方について議論していく中で、「前向き成長サイクル」というキーワードを抽出しました。

議論の中では、サステナビリティという言葉をそのまま表面的に使うのではなく、マネーフォワードが社会に対してどう関わっていき、どう貢献していきたいと思っているのか、ということを特に話し合いました。その中で、ユーザーやパートナーの皆さまがどんどん前向きに動けるようにな、後押しやきっかけとなるような存在でありたい、上から目線でこうあるべきというのではなく、「共に歩む」という姿勢が当社らしいのではないか、といった深い議論を行うことができました。

結果として抽出された「前向き成長サイクル」という言葉には、「当社が事業活動を含めた様々な取り組みを通して、ユーザー、パートナー、社員など様々なステークホルダーの方々の、新しい前向きな挑戦を一緒に生み出していきたい、そんな前向きな循環を一緒に作っていきたい」という想いが込められています。

そんな主役であるステークホルダーの方々の「前向き成長サイクル」を、敢えて統合報告書の一番最初のページに掲載させて頂いています。当社の事業や取り組みを通じて、普段のIRだけでは伝えきれない、リアルな「前向き成長サイクル」をお伝え出来ればと思っています。

ESGと成長投資に関する方針の記載を充実

社内で議論が進んでいたESGに関する取り組みや、資金調達を踏まえた今後の投資方針についても記載を充実させています。
サステナビリティについては、CoPA(Chief of Public Affairs)の瀧さんのメッセージに加えて、当社の3つの重点テーマ(「User Forward」、「Society Forward」、「Talent Forward」)に沿って、それぞれの領域における取り組みを整理してお伝えしています。また、冒頭にもお伝えした通り、ESGに関するデータ項目を末尾のFact & Dataに追加しています。※ESGデータについては別添として「ESGデータ集」にまとめて掲載しています。

投資方針の面については、より事業内容や戦略と併せてお伝えした方がが適切だと考え、CFOメッセージ、CSOメッセージ、各事業ドメインの取り組みという流れに変更した他、グループジョインについての考え方について記載を充実させたりています。また、SaaS経営に見識が深い社外取締役と取締役でMFBC(バックオフィス向けSaaS事業)のCOOである竹田さんとの対談特集を入れることで、バックオフィスSaaS事業のこれまでの歩みを踏まえた今後の成長投資に関する方針についての記載を厚くしています。

実際に業務を担うメンバーのリアルな姿を届ける

当社では投資家の方々と経営陣がコミュニケーションを取る機会を設けることも大事にしています。今年2月末には「Investor Day」を2日間にわたって開催し、投資家の方々からの質問に対して直接経営陣がお答えする機会となりました。
IR担当者による1on1だけでは、全ての領域における取り組みのリアルをお伝えしきることは難しく、経営陣から直接お話し頂いた方が取り組みへの理解度も上がるでしょうし、実際に経営陣の人柄も伝わり、安心感にも繋がるのではないかと思っています。

今回の統合報告書でも、様々な分野で当社の取り組みを推進している経営陣に記載頂いています。また写真についても、親しみやすさを重視して、当社のオフィススペースで撮影を行い、よりカジュアルな服装で撮影しています。

(「代表の辻さんだけ、外じゃん!」と思われた方もいらっしゃるかもしれないですが、マネーフォワードという会社が、社会のリアルな現場からサービスを届けていきたいという意味も込めていたりします。実は、上野のアメ横で撮る?なんて案もあったとかなかったとか。)


価値創造モデルを大幅にアップデート


上記の通り、様々な領域における取り組みについて記載し、またそれぞれを充実させていくと、全て読んで頂ける方ばかりではないため、統合報告書としてのサマリーに当たる「価値創造プロセス」を分かりやすく、かつ過不足なくまとめることが大事になってくると考えており、この点をどうまとめるか、が2年目の統合報告書の中で最大のチャレンジだったように思います。

(1年目の価値創造プロセス)

少し見にくいので、良ければHPに掲載されている価値創造モデル(https://corp.moneyforward.com/sustainability/)を参照ください。

(今年アップデートした価値創造モデル)

全体としての骨子は変わらないものの、当社の競争優位性や全社戦略について記載し、それぞれの領域における取り組みとそのKPIについて、端的にまとめています。

最後に

昨年から少しずつアップデートを重ねていった統合報告書ですが、本当に多くの社内・社外の方々のご協力のおかげで完成させることが出来ました。特にデザイン面を担当頂いたBXデザイナーの花沢さんには大感謝です。

統合報告書「Forward Map 2022」を通じて、グループの全体像や、私たちがどのような世界を目指していて、どのようなValueやCultureを大事にしているのか、少しでもお伝え出来るような、感じ取って頂けるような資料になっていれば、本当に嬉しいです。是非お読みください!


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