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20歳ちょいの子たちにMr.childrenの素敵さを伝える

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20代前半の子らと呑んだ時に「ミスチルって何がいいんですか?」と聞かれたので
 
「曲も好きだけど、個人的には詞が凄いと思う」
 
と答えました。
 
すると、ひとりの女の子が「詞のどこがいいんですか?」と聞くので、「みんなが、あたり前のようにしている日常、あたり前すぎて逆に意識されなくなって、忘れられかけてる、そんな日常を言葉にして、聴く人をハッとさせながら共感も生み出す、そこが凄いと思う」と返しました。
 
すると、えーなんですか? なんですか??
となったので、そこから僕なりに語りました。
 
――たとえばさ、みんなも、めちゃくちゃ落ち込むことってあるでしょ? もう、ぼく私、ダメだって。悩んで悩んでさ、自分が意味のない人間なんじゃないかって思って、やりきれなくなったり。でも「喉元すぎれば熱さ忘れる」で、不思議にもいつしかその気持ちは消えていって。しかも、段々そういうことを言葉にすることもなくなっていく。みんな、そうなってないかな? ホントは悩んでるのに「悩んでも仕方ないし」って周りに言ってみたり。
 
でも桜井さんはね、それを「Simple」って曲でこう歌うわけ。
 
「マイナス思考で悩みまくった結果
この命さえも無意味だと思う日があるけど
“考え過ぎね”って君が笑うと
もう10代のような無邪気さがふっと戻んだ」
 
「これ、あるわー」って俺は思うんだけど、みんなはどうかな(→ 数人が少しうなずく)。たとえば思春期とかって、「生きてて意味あるのかな」って、すげー悩んだりもすれば、一方でなんも考えない、無邪気な時もあったりする。その感覚は、でも20代の君らも忘れかけてたりして――全員じゃないよ――それをこんな詞で歌われると、「あー、ある、あるよ…」ってなるんだよね(→ みんな「へー」という感じ)。
 
俺なんかはちょっと妄想めいた思考が暴走することがあって、そういう話で言えば「HERO」って曲の歌詞にピンとくるんだ。
 
「例えば誰か一人の命と
引き換えに世界が救えるとして
僕は誰かが名乗り出るのを
待っているだけの男だ」
 
これさ、「わっ、俺、めっちゃこういうの考えたことある!」って思ったもんね(→ 何人かが強くうなずいて笑う。「確かに」という子も)。
 
恋愛だってさ、たとえば結婚とか――まだみんな結婚してないと思うけど――踏み出す時に、やっぱり、ためらうことがあるわけ。自分の稼ぎのこともそう。住むとか暮らすとかリアルなとこもそう。家族同士がつきあっていけるかどうかも心配になる。それから、そもそも本当に俺ら2人でうまくやっていけるのかな?って疑問を、自分にも相手にもぶつけたりすることがあるんだ。なかば相手を疑うような、ね。そんな疑いの心を、桜井さんは「しるし」って曲で
 
「半信半疑」それは「傷つかないための予防線」だって歌うの(→ 数人がちょっと驚く)。
 
考えてもみてよ。こう歌われて初めて、確かに相手を疑うことで、相手をどこか信じないようにすることで、「思ったことと違うことが起きた時に自分が傷つかないようにする」って、みんなもするでしょ。それを桜井さんは「傷つかないための予防線」って唄うんだよ。
 
これ、もうすでに言葉にされてる状態で僕らは聴いてるから共感しかないけど、ゼロからこの表現を編み出すのってすげー難しいから。おれ、書き手やってるから超よくわかる――。
 
そのあと、こう聞いてみました。「みんなのミスチルのイメージっていうと、大体どの曲?」
 
すると「HANABI」という答えが返ってきました。
 
「あー、それくらいかー」と僕。「つーとさ、『365日』も聞いたことあるよね」
 
「365日?」
 
ワンフレーズ「♪ 365日の言葉を持たぬラブレター/とりとめなく ただ君を書き連ねる♪」と口ずさんでみる――。
 
「あー! CMで聞いたことある!」
 
その反応をつかまえた僕は、こう続けました。
 
「これさ、さっきの結婚の時のためらいの気持ちじゃないけど、やっぱ恋愛を一歩進めて、契りを結ぶって決める時には勇気が要って、それをこの曲ではこう唄うんだよね」
 
「『ひとりきりの方が気楽でいいや』
そんな臆病な言い逃れはもう終わりにしなくちゃ」(→ 数人の女子、赤面。男子、「すごっ!」と)
 
「もうねメジャーどころでも名フレーズてんこ盛りよ」と僕。
 
「愛はきっと奪うでも 与えるでもなくて
気がつけばそこにあるもの」
 
「恋なんて言わばエゴとエゴのシーソーゲーム」(→ 「ホンマすね。エゴとエゴや」と爆笑する男子数人)
 
すると、ひとりの男の子が「愛はそこにあるものっていつの曲すか?」と聞いてきました。僕が「『名もなき詩』っていう1996年の曲」と言うと、「生まれる前の歌だわ(笑)」と反応が返ってきました(笑)。
 
そして、やんややんや語り合いながら、最後に「まあみんな、ぜひ渋いバンドとか言わず、ミスチル聴いてみてよ」と締めました。
 
今晩、みんなYouTubeでもいいからミスチル聴いてくれないかなあ。



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