見出し画像

デンマーク発のランドリーカフェは、多世代の拠りどころ!こんなカフェ、日本にないかも!?

お久し振りです。3回目のアーバンキャンプパーソナル屋台のワークショップ、原稿や相次ぐ紙媒体の創刊と入稿、グランドレベルの立ち上げなどで、バタバタしておりました。というわけで、引き続きコペンハーゲンレポ続けます。今日はランドリーカフェへGO!

画像1

この日は、airbnbの滞在先の家から、ほど近くにコインランドリーとカフェが一緒になった「the laundromat cafe」というお店があるとわかり、そこまで歩いてみることに。

画像2

コペンハーゲンを歩いていて、歩道によく置いてあるのがこいつ。何だかわりますか?これは、自転車を停めるためのものです。柵の間に車輪を突っ込んで停める。非常にシンプルですが、さすがのデザイン。店先にこれを置いておくだけで様になります。

市民が守る、まちの小さなポケットパーク

画像3

歩いていると、現れたのは「Bopa Plads」というポケットパークが。Østerbroエリアの住宅街にある小さな三角形の広場です。

画像4

この広場には数件の名物カフェが接していて、それこそ緑が生い茂る季節などは、その一帯を愛する市民で賑わうのだそう(google image検索)。しかし、そんな環境が取り壊される発表が数年前にあったのだそうです。市がカフェの貸借契約を終わらせ幼稚園を建設するというものでした。

画像5

しかし、こんないい環境をなくされてたまるか!と、立ち上がった市民たちによって守られ続けることに。「広場を守ろう!」と開催されるイベント光景がまた、市民の愛を物語っています。さらに小さな広場のfacebookページは、いいね数が16000以上!?すごすぎる。

まちの一角に佇むランドリーカフェ、その中は!?

画像6

さて、「Bopa Plads」広場からほどなくして、ランドリーカフェが、さりげなく角地に登場。

画像7

振り返れば、ベビーカーを押す女性が次々と。デンマークのベビーカースタイルは基本これです。

画像8

カフェの外席は折りたたみタイプになっていて、畳んでいるときは、ベビーカーの停泊所になっている!赤ん坊はインナーの籠ごとカフェにチェックイン!

画像9

ランドリーカフェだし、奥様方が多いのかなと思いきや。あれっ、若い人たちも次々と。

画像10

中に入ると、こんな雰囲気。L字のカウンターにはいろんな本が色別に並んでいます。温かくて可愛く、居心地が最高。奥ではおじさんがくつろいでる。

画像11

右奥に入ると、確かに小さなコインランドリースペースが。いくつかが起動中です。

画像12

手前には地域の掲示板が。なんかこういうの見ていると、その土地に住みたくなりますよね。

画像13

この日は平日の午前中でした。席に着くと、隣には夫婦。旦那さんは、PCで仕事中。奥さんは子どもをあやしている。たまに、互いのことを話ながら、まるで映画のなかのような一家のリラックスタイム。

画像14

お店の中には、子どもが遊ぶスペースがあって、女の子がキャッキャと遊び始めたかと思えば。

画像15

お兄さんやおじさんもやってくる。

画像16

新聞はもちろん『MARK』『FRAME』といったデザイン雑誌の最新刊も普通に置いてあるから。

画像17

マックブックを持った人もやってくる。

画像18

ホームページもこんな感じでランドリー推しなので、平日午前なんかは、主婦しかいないんじゃないかと想像していました。けど、そうではなかった。まずはカフェ然としての居心地がきちんとあり、その中にランドリーがある。実は、この絶妙なバランスには、非常に思想的かつ戦略的なことを感じさせます。

この数年、ランドリーカフェは世界的にも出てきているようなのですが、その多くは、ランドリーの一角にカフェスペースがあるという形のようです。けど、そうではないこのデンマークスタイルのランドリーカフェは、より多くの人を自然と迎え入れていました。その場所で、周辺に住むあらゆる世代の人たちの拠りどころになる。そして、必要な人にはコインランドリーを使ってもらう。文字にすると「ランドリー」×「カフェ」と単純に表されますが、そのバランス、その空間のつくられかたによって、生み出されるもやその結果は全くことなるということを教えてくれます。

昨日、2016年版の「世界幸福度ランキング」が発表され、デンマークは世界1位でした。その要因はいろんなところで、語られていますが、そのひとつは、何ごとにおいても「市民にとってどうあるべきか」ということを真剣に考えるという姿勢が、国にも企業にも市民にもあることだと、私はこの旅を通して強く感じました。日本人は、世界の事例が大好きです。しかし、ほとんどの事例はコピー&ペーストは不可能。それよりも、そこから学ぶべきことは、もうひとつ奥にある繊細な関係性だと思います。さて、今の日本において「ランドリー」×「カフェ」があるとしたら、どんなお店がありうるのでしょうか。

と、ここまで書いたところで、お店のホームページを改めて見ると右上に日本国旗のマークが。クリックすると、2016年大阪オープン!とありました。これは楽しみですね!

おおにし・まさき(mosaki

多くの人に少しでもアクティブに生きるきっかけを与えることができればと続けています。サポートのお気持ちをいただけたら大変嬉しいです。いただいた分は、国内外のさまざまなまちを訪ねる経費に。そこでの体験を記事にしていく。そんな循環をここでみなさんと一緒に実現したいと思います!