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プレシリーズAで1.6億円の資金調達、それ以上に株主キックオフが熱かった。

本日、プレシリーズAラウンド、約1.6億円の資金調達リリースを出させていただきました。機関投資家様からは初めてになります。

以下のメディアで取り上げていただけていて、嬉しい限りです。
nikkei
the bridge
tech crunch

日経新聞本紙でもご紹介いただきました。
初日経新聞本紙で盛り上がるリクシィ。


今回、初の機関投資家として、XTech VenturesさんとSMBCベンチャーキャピタルさん、個人投資家8名の皆さまにご支援をいただく形になりました。

ダブルシリアル(意味はこちらのピッチから)と言えども、ファイナンス経験はなく、色々と予習もしていたものの、やはりやってみないとわからないことが多々あり、大きな経験になりました。

機関投資家さんからは初めてのファイナンスになります。
昨年10月のB Dash Campのあたりから活動していたので半年程度かかったという所感で、ホンネとしては想像以上に時間がかかったなという感想です。
今回のリリースでちょっとだけスッキリできて良かったなと。

資金調達をする大きな理由はやはり時間で、僕たちが成し遂げたいことは、REal X ITで、サービス業とITを組み合わせて世界で新しい価値を生み出していくこと。そして、ウエディングの構造改革を行って、世の中を結婚式にあふれた世界にすること。

結婚式の数が多いほど、世界は幸せに近づく。その世界は、自分の残りの人生で成し遂げられる世界かどうかはわかりません。
そして、リクシィズの平均年齢も35歳。このまま10年経つと平均年齢45歳、ウエディングの会社としては辛いものがあります。
必要なのはスピードということで、資金が必要と考えました。

せっかくの機会なので、色々と残しておきたいなと思いつつ、この半年は半端なく濃くて覚えていないことも多く(笑)、うまくまとまらなさそうなので、結婚よりもエクイティファイナンスの方が難しいと思った理由に引っ掛けて、2点だけ載せたいと思います。2点だけのはずなのに、あり得ないくらい長いです。6674文字だとかw

①資金調達は、自己紹介をつくった後にすべき
②資金調達は、本当に相性の良い投資家が絶対にいると信じるべき

①資金調達は、自己紹介をつくった後にすべき

機関投資家から資金調達する前に、自己紹介をしっかりつくっておきたいということを、起業当初から考えていました。

「俺はこれからこんな人間になろうと思うんだよね」と言っている人よりも、既にそうなっている人の方が信頼してもらえる。逆に、「俺はこれからこんな人間になろうと思うんだよね」というのを信じてもらえたとして、その未来を同じように捉えてもらえていることを確認することも難しい。自分ひとりなら何とでも調整できそうですが、会社や組織となると自分だけの話ではありません。

出資を受けるというのは未来への期待感があっとこそなわけですが、その期待感の定義を一定のブレ幅に収めるための自己紹介をつくっておく。その必要があると思っていましたし、2年半、それに費やしたことはホントに良かったと思っています。
(もちろんホントに良かったかどうかは未来が決めることなんですが、この注釈つけだすと全部に必要になるので、以下略、とします)

僕たちの事業ドメインは今後成長が確実視されるマーケットというわけではありません。ここでわざわざ勝負するだけの理由がなければ、誰もやらない領域です。ビジネス的な成功確度という観点で言えば、もっと魅力的なマーケットはいくらでもあるでしょうし、ノウハウも強みも想いもないチームがこのマーケットを選んでも失敗するだろうと考えています。
(ビジネス目的でこの領域を選んでいるならその時点でちょっとどうかと自分も思います)

わざわざ選ぶマーケット。もちろん勝算もあるから突っ込むわけで、国内マーケットの拡大は結婚式の非実施を実施に変えていくことでのみ成し遂げられるわけで、その実現には大いなる戦略と布石が必要です。最終的には、非実施年間1兆円、過去10年で10兆円のマーケットを創り出す。ここは完全なブルーオーシャンだと定義づけしていて、その実現に向けて歩んでいます。

会社を創業する理由は様々ですが、自分の場合は、これをできる人、やる人が、自分しかいない。そして、これをしなければならないと思ったからでした。お金目的ならどこかの巨大資本で立ち上げる方が、安全です。が、わざわざ起業するのは、その目的をホントに心の底からやりたい人たちが集わないと成し遂げられないことにチャレンジしている意識と自覚があるから。一事業部門だと、良くも悪くもお金で見られます。お金以上の価値があることをしていて、お金でもリターンを出している。そう思っていても、既存事業の指標と比べられます。会社に所属するということはそういうことなんです。

そもそも、なんでこんなに結婚式にコミットしているかというと、自分自身がイタリアで結婚式を挙げた時、見ず知らずの日本人カップルをイタリアの方々、そしてそこにいる世界中の方が祝ってくれた経験が大きいです。ドレスとタキシードを着ていれば結婚式だとわかる、そして、その瞬間、祝うというアクションで世界は1つになれるのだと感じました。そして、気づけばウエディングに携わって10年になる。この業界がどうなっていて、なぜそうなのか、説明できないことは無い状態だと自負しています。

どうすればこの産業が社会的価値を高められるかを考え、自分の中では極めてクリアに、グレートバリアリーフの透明度クリアに見えていて、今日まで事業を組み立ててきました。

実際、14人の会社で4サービスを展開していることは、「多すぎる」とか「おっさんプレイw」とかと揶揄されることもありますし、実際、スタートアップのセオリー的にはズレます。現に今回のファイナンスでも、それを理由に見送られるケースもありましたし、ある意味ではそのためにそうしてきたとも言えます。

そのためにそうしてきた事情。それは、Chooleの成立の観点でも、ブライダル業界の構造改革の観点でも、この4つの事業すべてが必要不可欠という考えがあるからです。複雑なものを複雑にマネージするとなると、複雑なサービス展開、ともするとシンプルに見たい人たちに理解されなかったり、揶揄されることの覚悟も必要なのだと思っています。Chooleがともすると既存産業をディスラプトするかのように映るサービスを展開する伏線として、コンサル・キャリア・gensen weddingが必要不可欠だったという点があります。ウエディングは、点でサービス提供したって、絶対にうまくいかないんです。なぜならば時間軸的にも、サービス内容的にも、あまりにも広く、無形で、なのに巨大なフォーマットに支配されているから。

単一サービスでは、仮にそれがうまくいったとしても業界の構造改革をもたらすことはできません。僕たちがやるべきことは単一サービスを成功させることではなく、業界の構造改革を成し遂げることです。それにコミットしているからこそ今の事業展開になっています。機関投資家にお世話になるならば、この状態のリクシィを見て出資したいと言ってくださるの方に出会いたいと起業時から考えていました。外部から資本が入る時点で、IPOしていなくても会社はステークホルダーのものになります。その関係性をどう生かすかという基盤ができたので、自信をもってお迎えできる状態になったと考えています。

起業当初、手金や借入でやり、これ以上はないぞとなって、エンジェル投資家4名の資金援助もいただいて、その上で機関投資家からこのタイミングで支援いただけたというのは本当に良かったと思えています。リクシィがどうなろうとこのジャッジを後悔する日は来ない、そう思えて今日があります。

きっと、IPO前にやっておくべきことがあるように、機関投資家がジョインする前にやっておくべきことがあるんだろうと。それができたからそう思えているのだろうと。

エクイティファイナンスは不可逆である以上、しっかりした自己紹介をつくってから、それを認めてくれる相手と握手をするのが良いと思います。それがポイントだったかなと。

資金調達は、本当に相性の良い投資家が絶対にいると信じるべき

結婚は相手が1人見つかれば良いと思うのですが、資金調達は組織と組織の握手になるのと、複数の投資家を見つけなければならないという点で難しいなと思いました。が、必ずそういう投資家に出会えるのだと、今日、平成最後の4/8の夜に改めて感じました。

少し遡ると、XTech Venturesさんとの出会いは、正にB Dash Campのピッチアリーナで、その後に手嶋さんがオフィスに来てくれて、本当にスピーディにオファーをくださり、ではその内容でお願いしますという形で大枠が決まったんです。スピード感も非常に速く、ありがたいオファーと僕たちも即決させていただきました。オファーをいただけたことに感謝もあり、ミドル起業家かつ既存産業というテーマで出資をされているという点での相性の良さを感じられ、何より、手嶋さん、西條さんへのシンパシーが強くて、ぜひという展開になりました。

SMBCベンチャーキャピタルさんは、エンジェルで支援くださっている方からの紹介で、全国の結婚式事業者にコネクションをもっているのは金融機関だろうということで、1社、参画いただけたらなという思惑があり、無事握手することができたなという具合で、良い形になったなと嬉しく思っています。

XTech Venturesさんと大枠で話がまとまったのは11月頃でしたが、その後、自分のフォロー調達の進め方に反省があり(汗)、経験不足もあったということで、そこからかなり時間がかかってしまいました。リードが決まると次はスムーズという話を予習していたのですが、そうじゃないケースもあるようなので、気をつけてください(笑)目論み違いもあったりしつつ、自分の中では非常に大きなテーマになってしまったのですが、詳しくは別途!

今回のラウンドでは、個人投資家8名の皆さまにもジョインいただきました。最初は機関投資家だけでと考えていたために、元々投資したいと言ってくださっていた個人の皆さまにはお断りをしていたんですが、急きょの方針転換をすることになりました。時間的猶予の問題もあり、必ずしも万遍なくお声がけできたわけでもなく、「おいおい、個人は対象外だったんじゃないのか!」と思われている方もいらっしゃると少なくとも何名かは顔を思い浮かべてしまうのですが、、、このような形となりました。申し訳ありません。。

結論、1000万円のラインまでであれば、機関投資家よりも信頼できる個人投資家が圧倒的に良いなと思います。今回の8名の皆さまは、各分野のスペシャリスト、かつ、リクシィの成長に欠かせない知見をお持ちの皆さまです。マーケティング、採用、会計、アライアンス、組織、結婚式場のネットワーク、後輩(笑)など、それぞれの分野で右に出る方はいないという方々ばかりです。一部、シークレットでという方もいらっしゃる手前、バイネームでの開示は控える形をとっていますが。

思い返すと、エンジェルラウンドで加わってくださった個人投資家の皆さまも、ファイナンスの手はずから、プロダクトのフィードバックまで、かなり助けていただけました。良く考えると、投資家にはお金以上の価値を求めるべきという話はよくわかりますが、結局担当者次第だと。ならば、担当者よりも直接個人の方が圧倒的にメリットがあるわけです。

ファイナンスがこれからの皆さま、1000万円以下の調達であれば、信頼できる個人投資家が絶対にオススメです。

さて、なぜ、本当に相性の良い投資家が絶対にいると信じるべき、という話なのかは、まさかの目次に無い③に展開します。

③株主キックオフが熱かったから、こう言い切れたんだという話

4/8、リリースに時を合わせて本日株主キックオフをしました。その模様です。

日経に出ましたよとどうや顔で話す私。

熱かったのは、この自己紹介の、なぜリクシィに出資くださったのかのくだり。

上述の通り、すごいスピードの意思決定に見えていたのに、その向こう側では真剣な検討があり、ウエディング市場の将来性がどうこうとか、ウエディングのPERの低さなどの議論もあったけれども、ウエディング市場のプレイヤーは逆にいないし、そこにコミットして、なんとかするんだろうという、この上なく励みになるコメントを、かなりクリアに語ってくださる手嶋さん。
最後の目線は、社長の採用力で、過去にいた会社から少なくとも1名はいないと信頼できないという話は、その観点があったのかと感銘しました。
(リクシィが14名中13名がリファラルで良かった)

順々に伺うと、それぞれの方がなぜ出資してくださったのかという話に、ちょっと胸熱になります。各社、社内でシビアな議論があり、担当くださっている方々の「いきたい!」というGOがあったのだと、その背景に「自分の結婚式で負を感じて、ぜひそれを解消してほしい。リクシィのサービスはそれだと思ったから」という、想像していても実際に聞くと重みが100倍違う話に、グッときます。そして、個人投資家の皆さまは、「言われたから、即決でしょ」という話がありつつ、その裏側に今までの様子を踏まえてという話があると、しっかり生きていることが何よりも大事だと再確認できます。

ラストは投資家の皆さまへのお願いをさせていただき、「いきなりこんなお願いしてくるのかこいつ・・・」という絵にも見えますがw、手嶋さんがすごい仕切りで、アサインを決めてくださるので、頼もしさが1000倍増しに。

そして、もちろん熱き乾杯で心ひとつにするのでありました。

リクシィボーズ(=ボードメンバー)は、投資家の皆さまと会話するのは実質初めてで緊張していたようですが、「儲かる儲からないじゃない次元で応援していると感じられた」という感想で、ホントに恵まれているなと感じました。

「結婚式業界に悪い人はいない」ということを良く話します。だって誰かの幸せのために働きたい人たちです、みんな良い人です。これはあらゆる業界に勝ると思います。

今日分かったことは、ウエディング業界に投資をしてくださる方々も、漏れなく良い方だと言うこと。

僕たちの事業ドメインは今後成長が確実視されるマーケットというわけではありません。ここにわざわざ投資するだけの理由があるから、投資をしてくれる。投資的な成功確度という観点で言えば、もっと魅力的なマーケットはいくらでもあるでしょう、でも、ウエディングを良くすることの価値と、その向こうにある誰も成し遂げていない結婚式市場の拡大という夢に別途してくれたんだと、今日、強く感じました。

こんな熱い握手が果たしてあるでしょうか。万に一つあったとしてもそれを望む必要がないくらいに、本当にありがたいなと思いました。

●さいごに
今後、今回応援くださる投資家の皆さまに対して、とにかく重たい責任が生まれます。経済的にはリターンを残すことが経営者の仕事になりますし、ビジョンミッションを実現することがより大切になると。かたや応援者が増えることはホントに心強く、少し社会に認めてもらえたような気持ちもあります。エクイティファイナンスのアクションをする前は何度も何度も自分に問いかけました、本当にリターンを残す自信があるかと。そして、覚悟ができるメンタリティをつくりました。

その上で、今回の資金調達で学んだことも多々ありますが、
①資金調達は、自己紹介をつくった後にすべき
②資金調達は、本当に相性の良い投資家が絶対にいると信じるべき
③株主キックオフが熱かったから、こう言い切れたんだという話

というのが大きな体験になりました。

ウエディングってビジネス的な魅力が弱いというのをどこかハンデに感じていたし、変えたいし、それでもいいからやっているけど、だからこそ、レイヤー問わずに想いのある人が集まるという構図が生まれるんだなと。これが大きな発見でした。そうやって生きていきたいですし、それこそ、リクシィのビジョンミッションだなと。

今後、会社が成長したらまた新たな投資家の皆さまと出会うことになると思いますが、そのような方々とご一緒することにこだわる価値があると言い切れるようになりました。だからこそ、自分に足りないファイナンスリテラシーと、結婚式に興味のない社会の皆さまに接続するための施策を戦略的に展開していきたいなと思っています。

2019年4月8日がターニングポイントになる。
そんな歴史になるように、しっかり成長させきります。

よろしくお願いいたします。

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