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香港株中国株失敗の思い出

HSBCに口座を開設し、まずまず順調に資産を増やしていきました。ただし総トータルでみると微妙かもしれません。そしてありがちですが成功したことよりも失敗したことのほうがよく覚えているものです。

HSBC自体の株も購入しました。配当利回りが5%以上あり、かつ大銀行ですから安定していました。四半期ごとに配当の支払いがあり、チャリンチャリンとお小遣いがもらえたイメージがあります。香港では配当にも税金はかかりませんので満額が振り込まれます。株価もどんどん上がり、リーマンショック前には140香港ドルくらいまで上がりました。「一生この株持っていりゃ安泰だ」と本気で思っていました。しかしそのリーマンショックでその思いは瓦解します。株価が20香港ドル台まで急落、さすがに耐え切れず、泣きながら損切りしました。その後、やはり高配当を享受しようとまた手を伸ばしましたが、トータルでは損している思います。

現在もHSBCは(世界中のどの銀行もそうですが)空前の金融緩和、したがって低金利という、銀行には逆境の中で株価は伸び悩んでいます。そしてこのコロナ禍。昨年はなんとリーマンショックの時にさえなかった無配に転落しました。しかも一度配当の発表があったあと、まさかの撤回です。

しかしながらそこは大英帝国発の銀行、必ずや株価は復活すると信じています。中国で生活していると、HSBCほど外銀で進出しているところは少なく感じました。アジアの空港に降り立つとタラップっていうんですか、飛行機とターミナルを結ぶ階段、あれの壁にはHSBCの広告が必ずあります。すべてのタラップです。そしてもう一つ。アジアで盛んな競技であるバドミントンの世界大会などをテレビで見ているとHSBCの広告がやたら目につきます。21世紀はアジアの時代とばかりにHSBCはアジア市場の深耕にリスクをとっています。ということでまたHSBCへの投資を再開しようと考えています。

失敗その2 北京を中心とする不動産会社で華潤置地という会社に投資していました。株価は1香港ドルに満たず、ずっと横ばいか、少し下がることを続けていました。北京オリンピックが近づいて北京の土地価格は上がるだろうという単純な動機からの投資でした。しかし待てど暮らせど上がりません。ある時ずっと抜けなかった株価1香港ドルを超えて1.1香港ドルくらいになりました。利幅は20%を超えたし、まあいいだろうと売却してしまったのです。その後株価を見ることはなかったのですが、北京オリンピックが直前に迫ったある日、株価を見たらなんと20香港ドルを突破していました。その後も順調に右肩上がりを続け、30香港ドルも抜けました。

この銘柄での失敗を検証すると、最初に株価を見続けすぎだったことです。“見つめる鍋は煮えない”といいます。投資初心者にありがちな、買った銘柄を毎日、あるいは朝、昼、晩と気にしすぎることがあります。火にかけた鍋はずっと見つめて待っていてもなかなか煮えません。ある程度時間をおいて「どうなったかな」くらいの余裕を持たなければいけない、ということです。しかし現実は、逆に売却した後にずっと株価を見ないでしばらくして見てその大幅高に驚くという、まったく逆のことをしてしまったわけです。北京の土地価格は上がるだろうという単純ながらわかりやすい投資戦略は大当たりだったのに本当に悔やまれる経験です。

余談ですが、知人で2004年ころ北京に小さいマンションを買った人がいました。数百万円だったと思います。2009年ころには買った額の10倍以上になり売り抜けたそうです。しかしそのお金、つまり人民元をどうやって両替して日本に持って帰ろうかとずっと悩んでいました。あれ、どうなったんだろう?

最後に失敗3、それも人生最大といってもいい失敗です。仕事で、ある中国人と知り合い、話を聞くとその会社のサービス加入者が毎日10万人ずつ増えている、といいます。だからその会社と取引してくれ、というのでした。「コイツ、大風呂敷広げやがって」とばかりに相手にしませんでした。しかしその会社、テンセントだったのです。上場したてで、まさに黎明期でした。毎日10万人など最初の方で、その後はそれこそ毎日100万人くらいずつユーザーは増えていたと思います。そのときに10万円でも株を買っていれば・・・考えたくもないですが、1億円はゆうに超えていると思います。わたしはそのとき株を買うときは30万円ずつ買うことが多かったので、3億円以上ということになります。仕事の面でももう、昔のように相手にしてくれないでしょう。上から目線だったのが恥ずかしいです。まあこういう経験は誰しもあろうかと思いますが、それにしても痛い。この教訓をかみしめ、その後は生活のどこにネタが転がっているかわからないから、真剣に注意しようと思いました。

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