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【読書】作業療法の曖昧さを引き受けるということ


はじめに


「作業療法の曖昧さを引き受けるということ」を読んだので、印象に残ったことと感想を述べていきたいと思います。作業療法士以外の医療従事者が読んでも参考になるし、面白いと思える本だと思います。今回は理学療法士の視点から述べていきます。

印象に残った点

  1. セラピストとしてのマインド:

    • 学び続けるマインド: 自分自身が大河の一滴であることを受け入れて邁進する

    • 患者と一緒に並走するマインド: 患者の表面的な明るさの裏にある心理状態に寄り添い、支援を行う。

  2. 対象者の変化を直線的に捉えない: 障害受容は二項対立ではなく、常に揺らぎながら変化していく。

  3. 作業的存在としての諸次元を意識する: 作業を通して、対象者がより良い作業的存在となるよう支援する。

  4. 理解しようと「し続ける」: 対象者を完全に理解することはできないが、理解しようと努力し続けることが大切。

  5. 「何をするのか?」よりも「なぜするのか?」: 臨床判断の根拠となるクリニカルリーズニングを大切にする。

  6. エンパワメント: 対象者だけでなく、関わる人全員がエンパワメントされるような組織づくりを目指す。

  7. 曖昧さ=自由と責任: 作業療法の曖昧さは、自由と責任を伴う。

感想


本書は、作業療法の曖昧さというテーマを通して、セラピストとして必要なマインドや、対象者との関わり方について深く考えさせてくれる内容でした。特に、「なぜするのか?」という問いを常に意識することの重要性が印象に残りました。臨床場面では、どうしても「何をするのか?」に意識が向きがちですが、対象者にとって本当に必要な支援を提供するためには、その根底にある「なぜ?」を考えることが大切だと改めて感じました。

また、「対象者の変化を直線的に捉えない」という考え方も非常に印象的でした。障害受容は二項対立ではなく、常に揺らぎながら変化していくという点は、臨床で接する患者さんたちの姿と重なります。セラピストは、この揺らぎを受け入れ、患者さん一人ひとりに寄り添いながら支援していく必要があると感じました。

本書から得られた学び

本書から、以下の学びを得ることができました。

  • セラピストとして、常に学び続ける姿勢を持つことが大切。

  • 対象者には表面的な明るさとは裏腹に、内側に様々な葛藤を抱えていることを理解する。

  • 障害受容は二項対立ではなく、常に揺らぎながら変化していく。

  • 作業を通して、対象者がより良い作業的存在となるよう支援する。

  • 対象者を完全に理解することはできないが、理解しようと努力し続けることが大切。

  • 臨床判断の根拠となるクリニカルリーズニングを大切にする。

  • 対象者だけでなく、関わる人全員がエンパワメントされるような組織づくりを目指す。

  • 作業療法の曖昧さは、自由と責任を伴う。だからこそ「なぜ?」が重要になる。

これらの学びを活かして、今後もより良いセラピストを目指していきたいと思います。

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