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【USCPA BEC】87点で合格した勉強法

こんにちは。今回は7月末に87点で合格したUSCPAのBECのおすすめの勉強法について紹介したいと思います。BECは試験科目の中で唯一Writingの問題があり、日本人ではけっこう連続して落ちてしまうこともあるということですので、皆さんの勉強の役に立てばいいなと思っています。

BECの構成

まずBECという科目についてですが、ざっくり分けて5つの要素から構成されています。管理会計・ファイナンス・経済学・IT・COSO(リスク管理やコーポレートガバナンス)の5つです。管理会計・ファイナンスは主に計算問題中心で、経済学は用語や概念の暗記と計算問題の両方、IT・COSOは主に暗記中心です。後で詳しく説明しますが、このような出題の内容を考慮してメリハリをつけて勉強するといいと思います。

僕は商学部卒で簿記1級に合格しているので、管理会計・ファイナンスに関しては事前にかなり知識があって、慣れていたので得意分野でしたが、IT・COSOは初めて習うことが多かったので、少し大変でした。

とりあえず一周勉強する

何はともあれまずはテキストとMC問題を1周勉強します。僕は全科目を通じて、テキスト→MC1回目→MC2回目→TBSという順番で勉強していきました。全科目合格した今の時点から振り返ってみると、USCPA試験の問題は基本的には基礎問題が多いので、いかに正しく基礎を身につけているかが勝負の分かれ目です。ですので、講義動画をしっかり視聴して、テキストを読み込んで、MCでアウトプットして基礎固めをすることをおすすめします。基礎さえ分かっていればTBS問題はそれほど難しくありませんし、ほとんどのTBS問題は基礎問題の集合です。

基礎の確認として、声を出して説明してみるという方法がかなりおすすめです。具体的に言うと、例えば、「ABC(Activity Based Costing)とは、製造間接費の配賦方法で、費用を活動ごとに分類して、活動の消費割合に応じて費用を配分していく方法である」という風にテキストで学んだことを自分の言葉で要約していきます。こうすることで、ある分野はすらすら説明できるのに、ある分野は全然言葉が出てこないという風に自分の弱点を知ることができます。おすすめの勉強方法なのでぜひお試しください。

メリハリをつけて勉強する

テキストとMCが2周ほど終わったら、ここからメリハリをつけて勉強していくといいですよ。具体的には、管理会計・ファイナンスは計算問題中心で、けっこう慣れていないと難しい問題も多いのでしっかり時間を割いて、スムーズに計算できるように練習しました。一方で、経済学・IT・COSOは覚えているかどうかの問題が多いので、10分や20分などちょっとした時間があるときにMCを解いて知識を定着させるようにしました。経済学・IT・COSOの分野をさくっと解いて、計算問題に時間を残すように意識するといいと思います。

試験本番までにMCは4~5周、TBSは2周ほど回しました。Abitusのテキストと問題集だけで十分対策できます。

WC対策に力を入れる

だいたい本番の3か月前くらいからWC対策を始めました。まず他の合格者の方がどうやってWCを勉強していたのかを調べ、自分に合った方法を探しました。どういう書き方をしたら点数になりやすいかについてはこの方の記事で学びました。

全科目合格を通じて、Abitus以外の教材を使ったのはこの方の記事だけです。まずこの記事を読んで、だいたいこういう構成で文章を書こうと決めました。またAbitusのWC対策用の講義動画も見て、どういう所に注意して書くべきかを学びました。ここまで済んだら、あとはひたすら問題を解いていくだけです。Abitusの問題集とAICPAの過去問合わせて40問以上解きました。

慣れるまでは次のように主張、具体例、結論をまず簡単にまとめてから、文章を書き始めましたまずは自分のわかる範囲で書いてみて、その後で解答を見て、こういう表現を使う方がもっとわかりやすいのかという風に勉強していきました。僕はけっこう英語に自信があるので、解答例を覚えるという勉強はせず、テキストを読み込んで、キーワードを自分の頭の中にある英語で表現する練習をしました。解答例を暗記するのも一つの方法かもしれませんが、効率的でないというか、自分の場合、暗記しようとしても本番で思い出して書ける自信がなかったので、最初から暗記しようとせず、自分の言葉で書くようにしました。ただ僕自身、Abitusの問題集の巻末の用語の説明の部分は何度か目を通して、使えそうな表現を暗記したり、もっとシンプルで優しい英語で書けないか考えたりはしました。

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(これ↑は自分で実際にword上に書いた文章です。覚えたい表現を赤色などにしていました。)

またWCについては初めから何点取れたら及第点という風に決めておくといいと思います。僕はMCとTBSである程度点数を稼げる自信があったので、WCは最低でも6点(模擬試験の場合、3問全て採点されるので、最低でも1問2点)は絶対に取ると決めていました。それそれの問題で2点取るのは難しくありません。しっかりと文章の型(主張、具体例、結論)に沿って書くと、余程内容が頓珍漢でない限り2点くらいは取ることができます。

模擬試験とAICPA

ある程度MCとTBSができたら、AICPAの過去問をどんどん解いていきました。だいたい試験本番の1か月からAICPAに取り組み始めました。AICPAの問題を解いていく時は次のように正解率やミスした問題をまとめておくと、本番前にもう一度復習するときに役立ちます。

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模擬試験は試験本番までに絶対受けた方がいいです。模擬試験を受けることで、自分の弱点がよくわかるし、受験層における自分の現在時点での立ち位置もはっきりします。これらがわかることで、今後の勉強で力を入れるべきところがわかり、また試験合格までの距離もはっきり見えてきます。

僕自身はできるだけ余裕をもって合格したかったので、Abitusの模擬試験の結果を見るときは、合格者の平均点と自分の点数がどれくらい離れているのかに注目していました。だいたい合格者の平均点よりも10点くらい点数がいいと、試験本番であまり手ごたえがなかっても85点以上で合格していました。

模擬試験1回目V12.02  80/100 (本番45日前)
模擬試験2回目V10.02  91/100 (本番10日前)

本番で普段の100%の力を出し切るのは難しいので、練習の時にできるだけ頑張って120%の力を出し切って、本番は80%の力しか出せなくても余裕で合格できるという状態にしておくと、試験本番に大崩れすることがなくなります。

試験本番

正直、4科目の中で一番手応えがなく、唯一落ちたかもと思ったのがBECでした。

MC問題はTestlet1と2合わせて80分で完成させる予定でしたが、計算問題でどうしても答えが合わないものが数問あり、結局110分以上かかってしまいました。Testlet1・2が終わった時点で予定よりも30分以上時間を使ってしまっていたので、けっこう焦ったのですが、今までの模擬試験などの結果から普通に解けば合格はできるだろうと自分に言い聞かせました。焦っているとTBS問題では大怪我につながるので、時間が減るのを覚悟して、Testlet2の後にトイレに行きました。ここで何とか気持ちを落ち着かせてTestlet3に臨みました。

しかしTestlet3でも苦しい時間帯は続きます。Flexible budgetとStatic budgetの問題で、Flexible-budget varianceとSales-volume varianceを求めよというものが出題されていました。正直、簿記1級の知識があるので、練習の時は簡単に問題が解けていたので、テキストのFlexible-budget varianceとSales-volume varianceの部分をきちんと見ていませんでした。そのせいで最初の数分は解き方が思いつかず、焦りました。最終的になんとかこれでいいかなという答えにはたどり着きましたが、合っていたかどうか確信はありません。もう一問はどんな問題だったか忘れましたが、結局Testlet3が終わった時点で、残り時間は85分を切っていたと思います。予定ではここで110分は残しておくことになっていました。

Testlet4については文章が長かったけど、計算自体はそれほど難しくないファイナンスの問題が出題されていました。こういう簡単な問題を落とすとやばいので、丁寧に計算し、何度も見直ししました。たぶんROAの計算問題だったと思います。もう一問は覚えていませんが、それほど難しくなかったと思いますが、Testlet4でも意外と時間がかかりTetslet4が終わってみると残り時間は50分でした。予定ではWCに1時間残しておくはずでした。

最後のTestlet5はWC3問ですが、残り時間が50分でしたので、結構きつかったです。取れる問題から部分点を稼いでいこうと思い、最初に3問全てに目を通しました。3問すべて管理会計・ファイナンス系の問題だっと思います。1問目ははっきりとは覚えてませんが、店舗の業務改善とかそういう問題だった気がします。残りの2問ははっきりと覚えていて、1問はROEのデュポン・システムに関するもので、ROEを3要素(売上高利益率、総資産回転率、財務レバレッジ)に分解して説明するものでした。もう一問はどうやったらROAが増加するのかを売上高利益率と総資産回転率の観点から説明するものでした。この2問はかなり書けたのでともに6割以上は取れたと思います。WCは自分なりにけっこう対策していたおかげで、試験終了10分前に3問書き終えることができました。ラスト10分は自分の書いた文章を読み返して、スペルミスがないか確認しました。文章の長さはだいたい10から15行くらいです。

試験が終わった瞬間はこれは落ちたかもしれないと思い、かなり落ち込みました。直前の模擬試験で90点以上取れていたので、かなり自信のある科目だっただけに、精神的に来ました。とりあえず気になった場所だけBECのテキストを確認してみると、迷った部分が意外にあっていたので、なんとか合格できているかもと思いましたが、やはり手ごたえはありませんでした。4日後にAUDの試験があったので、テスト終了後5時間くらいしてから、徐々にAUDのラストスパートに取り掛かりました。

スコアリリース

今回はスコアリリースまで25日以上待たなければならず、初めの方はREGの勉強のことで頭がいっぱいでしたが、スコアリリース3日前くらいからは結果が気になりすぎて、スコアリリース日でもないのに何度もサイトを確認していました。今回は前回のFARの受験から半年以上時間が経っていたのでEyeball trickが使えず、スコアリリース日当日の朝9時についに結果を確認することができました。結果はなんと87点で合格できした。同じ時期に受けたAUDはけっこう手応えがあったのですが、86点で、BECの方が点数が良かったので驚きました。

AUD・BEC スコア

今振り返ってみると、BECの試験を受けている時は結構解くのに苦労する問題が多かったのですが、他の問題(難易度の低い問題)をしっかり取れていたので、自分の手応え以上にテスト結果が良かったのではないかと思います。やっぱりUSCPAの試験ではみんなが取れる問題を確実に取り切り、難しい問題はMCなら捨ててもいいし(ダミー問題かもしれません)、TBSならできるだけ部分点を取りに行くという方針でいいと思います

最後に

WCという大きな壁があるBECを乗り越えることで、USCPA全科目合格の目標にぐっと近づきます。BECは計算中心の分野と暗記中心の分野がけっこうはっきりしているので、メリハリをつけて勉強するといいと思います。WCに関しては絶対に捨てないでください。文章の書き方さえ押さえておけば部分点は取ることができます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。今後もUSCPAに関する体験について書いていきます。ほなまたな~

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