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言い訳よりやれる可能性を


5年前の初めての個展。

念願の初めての個展は3週間だった。
長いのか短いのか、自分の中での物差しでは測ることはできない。
初めてなのだから。

周りの展示の期間と比べれば、長いことは一目瞭然だろうが。
それが見えないくらい、個展が出来ることにわくわくしていた。
そして、緊張や不安も隣り合わせであった。

「長いね」、と言ってもらえることも自分の中では自慢げなことの一つだったのかもしれない。

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展示をするにあたり、ぼくは
どうしても、在廊がしたかった。
実際にお話しして、空気感を味わってもらいたかったからだ。
3週間あるうちの、はじめの1週間、後半の1週間はいられたら思った。

しかし名古屋での個展。
東京を拠点とするぼくにはハードルが高かった。
当時はヘアメイクの仕事を少しずつはじめてはいたけど、
本格的な活動はこれからだったので、
アルバイトをしながらの生活だった。

まず、お金がない。
だけど、在廊がしたい。
とても我儘だった。

しかも、在廊がしたいと言っても無名でいて活動履歴のないぼくに、誰が会いに来てくれるのだろう。
知り合いも皆無だ。
(過去の自分に問いかけてみたいことだ。)

どうしてもどうしても、2週間は滞在したいと思いぼくのとった行動は…

ホテルとかとらなくてもどうにかなるっしょ。
と行きと帰りの夜行バスだけ予約し、挑むことにしました。

そう、ぼくの不安は泊まるところがないことよりも
在廊できないことだったのでそれで成立した。

(余計な言い訳で挑戦できないことがある人は変なしがらみを取り除いてあげることをお勧めします)

しかし、そんな無謀なぼくに
展示初日から、幸運が訪れた。

名古屋で活動するカメラマンとの出会いだった。
話すや否や、短時間でとても打ち解け、
1週間泊めてもらえることに。

だけど、ただ単純な出会いではないんです、悪口ではないけど、
彼は癖が結構強いので、みんながみんな、知り合ってこういう流れにはならないと思っています。
(とても感謝です)
(後半の1週間も泊めてもらいました)
(しかも、東京出張あったので3日間くらい自由に使わさせて頂きました)
(めちゃくちゃいい写真撮るし)
(年下だけど、考え方とか刺激もらいます)

日本を旅しながら活動したいなーみたいなことを思っていたぼくにとって、
旅先で知り合いができて、泊めてもらうとは、
理想中の理想の形でした。

泊まるところの話はさておき、
展示期間中に嬉しかったことを。


まず、一番嬉しかったこと。
それは、最初のお客さま。
自分のアクセサリーを手に取ってくれたあの瞬間は、今でもとても鮮明にあります。

お話をたくさんして、共感してもらい、
想いは届くということは、いつも手にとってくれる方々が教えてくれる。

そしてもう一つ嬉しかったのはヘアアレンジのこと。

この時の展示は、アクセサリーの展示・販売とヘアアレンジのレクチャーのセットで表現する形をとっていました。

ヘアアレンジは、人にやってもらって可愛くなれることは当たり前で、
ただ、その人の日常でもアレンジする楽しさや、アクセサリーがあるからアレンジしたくなる気持ちや、アレンジできるからアクセサリーを着けたいと思ってもらったり、色々な相乗効果があると楽しいなと思いました。

ヘアアレンジを教えてあげることにより、
自分たちの存在の薄れも想像しましたが、
逆に、世の中の人たちがアレンジを上手くなり、美容業界はもっと色々な技術を身につけようという流れになったら面白いなと思い、はじめました。

ヘアアレンジのレクチャーは、
できるようになるまで帰さないという、
スパルタレッスンでしたが、
みんな楽しくやってくれて、とても良い時間が作れていたと思います。

展示をスタートして数日後、
普段からそうなのですが…
来てくれる人の髪型をものすごく見てしまいます。
そんな中ヘアアレンジをいい感じにしているお客さまが訪れました。
これは…自分の出番なしかー。
できる人もいるよなーと思って、近くで見たら、自分のアクセサリーをつけていることに気がつきました。
これは、と思いお客さまが振り返りお顔を見たら、先日教えてあげた方ではないですか。

自分の教えてあげたことを、日常に早速取り入れて、喜んでくれている姿を見れたことにぼくはとても感動しました。

いつも、喜びや感動を教えてくれるのはお客さまだと。

そんなこんなで、あっという間の初個展は忘れられないものとなっています。

展示の話はどんどんと出てきますが、
たまに小出しでできればと思います。

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