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ラグビーを見たことがなかった僕が、セブンズにハマった話

オリンピックが近づいてきました。

色んなことがあり、個人的にも色んな感情がありますが、開催されることが決まった以上は可能な方法で、ルールに乗っ取り応援をしたいと思います。

そういえば、先日からnoteのスポーツディレクターの藤里さんと「スポーツ放送局」というポッドキャストをスタートさせました。※以下のnoteを藤里さんがまとめていただき、そこから聞くことができますので、ぜひ良かったら。

スポーツを「広く浅く」語っていきたい。

この藤里さんの考えは非常に共感でした。狭く深くいくもよし、広く浅くもよし。何よりそれはどちらもあることによって色んな楽しみ方を発見することができると思うのです。

僕自身「広く浅く」色んなスポーツを知っていくことで色んな方とお話ができたり、色んな方と出会うことができたことを考えると、このコンテンツをやっていくことがこれからすごく楽しみだな〜と感じています。

ぜひ、お時間ある時にお聞きいただけたら嬉しいです。(藤里さんのnoteからお便りとかも送れるようです!待ってます!笑)

さて、そんなことと少し繋がるのですが、「スポーツ放送局」でも、オリンピックの個人的注目競技として7人制ラグビーをピックアップさせてもらいました。

そんな僕は2019年の15人制W杯も特に熱狂した人間ではないですし、2015年の15人制W杯も「え?南アに勝ったんだ!すごい!」くらいの人間でした。

自分とラグビーの接点は無、正直、興味もほぼなし。笑

僕の中のラグビー最大のヒットはドラマ「ノーサイドゲーム」(ドラマ大好き笑)

そんな僕がセブンズにハマった話を書いていきたいと思います。そして、今回のオリンピックを機会にセブンズにハマる方が増えて欲しいと思い、これを読んでくれた方が7月26日から始まるセブンズを見てもらうきっかけにもなったら嬉しいなと思っています。

ミーハーなので、流れには乗る

まず、僕の性格ですが…ミーハーなので、流れには乗っかるタイプです。(笑)スポーツも好きなので、ラグビーがやっていることだったり、勝った負けた…メディアで取り上げられる選手などはなんとなく知っています。

なので、2015年のW杯もなんとなくは見ていましたし、地元の高校である北海道山の手高校出身のリーチ・マイケル選手の特集などがあれば見ていました。

けれど、そこまで興味があるわけでもない。理由はわかりません。ただ、ぶつかり合いが痛そうなイメージが見てられない感もあったように思います。笑

自国開催であった2019年のW杯は最後までチケットを取るか悩みました。

大会が近くなり復活したり、売り切れになったりするチケットの値段と睨めっこして…首都圏での開催ゲームは比較的チケット代が高く、地元の札幌、静岡まで行こうか…と悩んだことも懐かしいです。(結局現地では見てない。笑)

人の名前も覚えることが得意なので、エディー・ジョーンズが率いた2015年当時は、エディー・ジョーンズから色んなことを学べると感じ、テレビの特集やインタビューは見ていたので、当時どんな選手がいたかはなんとなく理解はしていました。(エディーさんの「ヤマナカー!」は鮮明に覚えている。)

唯一、僕がちゃんと知っていたラグビー選手

ただ、誰がどのポジション?所属クラブは?どんな選手?と聞かれると「わかりません!」という状態でした。

2015年当時は、メディアを賑わせていた五郎丸選手や先ほども書いたリーチ・マイケル選手もなんとなくはわかっていましたが「キックする選手でしょ?」「キャプテンでしょ?」くらいです。(そもそもキックで何点入るのか?トライは何点か?も当時は知らない笑)

その中で、唯一、僕がちゃんと知っていた選手が今回のセブンズ日本代表の中心を担う藤田慶和選手でした。

その理由は色々あるのですが、その中には必然と偶然が色々重なっています。

まず、日本における高校スポーツの価値の高さが挙げられると思います。花園に興味を持ったのは、2005年の僕が高校3年生の時でした。当時、進学先であった成蹊大学の附属高校が花園に出場し、一回戦で抽選の末、敗退しました。非常に印象的でした。多分僕がテレビで初めてラグビーを見たのがこの試合だと思います。当時の主将だった三雲くんとはこの後、大学で同じクラスになりました。

世代は違いますが、そんな高校ラグビーにおいて、藤田慶和選手が所属した東福岡高校は3年間無敗という強さを誇り、中心を担っていた藤田慶和選手は興味がなくても各メディアで目にしていて、記憶していました。

今、ラグビーが好きになって当時の映像を振り返る時がありますが、まじで化け物ですよね。僕にとっては高校サッカー選手権の平山相太以来の衝撃でした。笑

彼のYouTubeで色々振り返りなどをしていますが、ぜひ良かったら見て見てください!面白いです!(準レギュラーの木村貴大選手も今シーズンからサントリーと契約)

そんな藤田慶和選手が早稲田大学に進学するわけですが、ここでまた不思議な縁というか…僕が中学校のバスケ部のコーチをしていた頃の教え子が高校のラグビー部に入り、東京ではそこそこ名の知れた選手だったようです。そんな教え子が早稲田大学に進学し、ラグビー部に入部しました。

当時よく会っていて、色んな話を聞かせてくれたのですが、その1つが

「藤田慶和くんというやばい同級生がいる!!」

という話でした。当時は僕も「あー、知ってる。やばいんでしょ?」なんて話をしていたことを覚えています。笑

なぜでしょうか。当時から「ラグビーの藤田慶和」というワードは僕の近くにあったわけです。

ラグビーを知る前に人間に惚れた

藤田慶和選手は2015年のW杯のメンバーに入り、トライを決めるなど注目も浴びましたが、実は直前で試合のメンバーから外れるなど悔しい想いをしていたようです。

そして、2016年のリオオリンピックのセブンズも直前でサポートメンバーに周り、ニュージーランドからの大金星や4位入賞をスタンドで観戦、選手村にすら入れなかったとか…

そんなことを知ったのが、2019年に藤田慶和選手と木村貴大選手が開催したイベント「夢へのトライ」通称夢トラでした。

縁があり、当日までと当日のサポートをさせてもらったのですが…(実際何もしていない)そこまでの準備や当日の彼らの姿、言葉にただただ感動し、心を打たれました。

僕から見れば、高校無敗、アンダーカテゴリーの日本代表、フル代表など…エリート中のエリートであり、住む世界が違うと思っていたスポーツ選手が、様々な挫折、葛藤と向き合い、これからの自分と、そしてラグビーと向き合っていく。

そこにあったのは1人の人間としてのストーリーであり、それを特別というフィルターで見ているのは観戦者の自分であって、彼らも様々なことに苦しみ、向き合う姿を知れたことは僕にとって大きな時間でした。

藤田慶和選手や木村貴大選手は届かない存在、特別な存在、けれどその歴史や当人の話を聞けば聞くほど、僕らと似たようなことで日々葛藤し、もがく姿に僕は魅了されました。「自分も頑張ろう!」ありきたりですが、そう思ったんです。

ラグビーを知る前に人間に惚れた。

それが、ここまでラグビーとは接点のなかった僕がラグビーにハマった1番のきっかけだったように思います。ラグビーは近くにないのに、藤田慶和という存在がなぜか近くにいた不思議な縁も大切にしたいなと思った瞬間でした。

初めて生でみたラグビーはセブンズの練習

そんな僕が初めて生でみたラグビーはセブンズの練習でした。なかなか稀有なパターンで、マニアックですよね。自分でもそう思いますが、僕は試合よりもどちらかといえば練習を見る方が好きかも知れません。

藤田慶和選手を知ったことで、藤田慶和選手を見れる環境を探したら、1番最初が練習だったのも理由の1つです。

当たり前のことですが、練習でできないことは試合ではできません。競技によってたまたまとか、練習してたものが本番で花開くなどもありますが、基本的には練習の積み重ねが試合でのパフォーマンスになると思います。

そう考えると、試合よりも「どんな練習をしているのか?」に興味が湧いてしまうのです。セブンズは15人制と同じフィールドで行われますが、競技特性としてやはりランニングスキルが問われるのかなー…など色々考えた結果、2019年12月と2020年の1月に東京・府中で行われたセブンズ代表合宿の見学にいきました。

当時はコロナの前で、決められたエリアで自由に見学することができました。(今思うと素晴らしい時代ですね。)

そこでみた光景が今も忘れられません。

代表というその競技のトップレベルの選手たちが、今にも倒れそうになりながらも、鼓舞し合い…走る走る走る

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もちろんそれだけではなく、試合形式、スキルやコンタクト、タックル、パス…さらにはラグビー以外の身体の使い方など様々な練習をしていましたが、僕も様々な競技の練習を見学してきた中で、ここまで追い込んでいるトレーニングを見たのは初めてでした。(しかも確か2部練習で僕が帰った後も練習があったはず)

当時は候補メンバーで多くの選手が選考レースを戦っていたので、和気藹々な空気感の中にも、引き締まった印象を感じる練習でした。

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藤田慶和選手を見て、大丈夫か?まだ走れるのか?と見学中、何度も思いました。それでも走るんです。ちょっと想像を超えた景色でした。

なぜそんなに走るのか?

練習を見るとわかってきます。広いフィールドの中に7人でボールを繋いでいく。走るという責任を全うできないとそのボールが必ず息詰まってしまう。

この競技において走るということは、僕らが呼吸するのと同じレベルと言っても大袈裟ではないかも知れません。

その中でタックルなどのコンタクトがあり、走るスキルやタイミングがあったり、アイコンタクトからスペースをつき、相手のラインを割っていくシーンが生まれます。ディフェンスでも同じで15人制よりも責任の範囲が大きい分、走れないと自身の強さやスキルも出すことができません。

ベースは走ること。それが信頼にも繋がるのだと。

本当に過酷な競技だと思いましたし、それだけハードなトレーニングをしてきたからこそのチームプレー、コミュニケーションは圧巻でした。

そして、目の前でのタックルの「ドン」と突き上げられるような音

7人しかいないのに、何人いるんですか?この競技は…と何度も感じました。

オリンピックで注目したいところ

そんなセブンズですが、正直スキルとか戦術のことはよくわかりません。ただ15人制も同じだと思いますが、このスポーツにはワンプレーワンプレーにそのストーリーがしっかりとイメージされます。

ボールを繋ぐこと、誰かが誰かの道を作るために犠牲になることもそうですが、それ以上に試合に向かうまでに多くの選手が切磋琢磨すること。それは団体競技やボールゲームには共通していることかも知れませんが、

ラグビーは特に人間性のスポーツなのだとすごく感じました。

色んなことを考え、色んな可能性に備え、プレーができないといけない。15人制よりも責任の比重が大きくなるセブンズは、フィールドにいる7人だけでなく、そこまで渡り合った多くのライバルや仲間の知恵や知識もその習慣に表現されるのだと思います。

その中で藤田慶和選手や松井千士選手はリオオリンピックでのサポートメンバーの経験から今回東京オリンピックではメンバーに選ばれ、中軸を担います。

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そういう色んな想いやここまでの多くの選手や関係者の努力がより色こく映る競技だと僕は感じています。

代表発表時に藤田慶和選手も「外れたメンバーの想いも背負って戦わないといけない。」と多くのメディアでコメントされていました。

それこそがこの競技の魅力で、日本代表セブンズの魅力だと僕は感じています。

日本代表は26日から前回大会金メダルのフィジー、そして銀メダルのグレートブリテンと同組に入りました。前回大会の4強から3チームが入るというグループの時点でハイレベルな戦いが予想されますが、もう1カ国のカナダも非常に強い国であることを忘れてはいけません。

カナダは昨年の自国開催バンクーバーセブンズで3位入賞しており、今回同組のフィジーにも勝利しています。もちろんメンバーが違うといえど、そこから得た自信は大きなものであることは間違いありません。

日本は今回、自国開催でありながらも、非常に厳しいグループに入ったことは理解しなくてはいけませんし、前回大会の成績は関係なくチャレンジャーとして向かうことが求められると思います。

前回大会のニュージーランド戦のようなジャイアント・キリングを起こすことができれば、一気に注目競技になることは間違いないですし、その可能性も大いにあると僕は思います。

26日の初戦から目が離せないゲームがスタートします。(朝フィジー戦、夜グレートブリテン戦、27日カナダ戦)

テレビの前にはなりますが、全力で応援したいと思います!

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