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僕の理想とするコミュニティ

先日の「移動vol.10沖縄那覇+α編」。
那覇市のコワーキングスペース「おきなわダイアログ」で行われた「Coworking Operator's Meetup in 沖縄」なるイベントに参加してきました。

コワーキングなどのコミュニティを運営するコミュニティマネージャーが集まり、それぞれのコミュニティの取り組みや特徴、目指していること、お互いの経験などを共有しそれぞれの運営に活かすことを目的にしたイベントです。僕は長野県佐久市で「コワーキングiitoco!!」や「うちやまコミュニティ農園」などの場を運営している立場で参加させていただきました。

▼増えるコミュニティ。そして、重要になる!?コミュニティマネージャーの存在。

昔からコミュニティと呼ばれるものはたくさんあったと思われますが、僕の関わるコワーキング業界をみても、毎年スペースが増えていっています。また、ソーシャルな視点でみても、全国各地で様々な「場づくり」が行われていますし、オンラインサロンといったものも一つのコミュニティとして増えてきています。

そして、このようにコミュニティがたくさん生まれている最中、コミュニティマネージャーの大切さがうたわれてきていますが、どんなコミュニティマネージャーが正解なのか、場を運営する人は特に迷うところだと思います。今回のイベントでも、自分自身がメンバーを引っ張っていくコミュニティマネージャーがいたり、かたや影の存在として自分は出さずメンバーを支えるコミュニティマネージャーがいたりと、いろいろなタイプのマネージャーがいるわけです。

▼そもそも、コミュニティって何なのか?

そこで、ふと。
今更ながらですが、そもそもコミュニティって何なのか?ということを考えてみました。

検索してみると、このように書かれています。

三省堂 大辞林 第三版
コミュニティ 【community】
① 人々が共同体意識を持って共同生活を営む一定の地域、およびその人々の集団。地域社会。共同体。
② 転じて、インターネット上で、共通の関心をもちメッセージのやりとりを行う人々の集まり。

つまり、何かしら共同意識をもった集まりであり、共同体なわけです。

ということで、様々な目的のあるコミュニティがあるわけで、様々なコミュニティマネージャーがいるのも自然なわけです。

そして、今回のイベントの目的に通じる部分もありますが、コミュニティを運営する上で一番大事な問いは「どんなコミュニティを作りたいのか?」ということになると思うのです。

▼僕の理想とするコミュニティ

例えば、僕の運営するコワーキングiitoco!!は「夢を実現する場」がコンセプトで、大人になっても自分のやりたいことを実現するために実践する仲間が集まるコミュニティです。何歳になっても自分のやりたいことをやり続ける大人が多い方が社会が面白くなると思っているからです。ですので基本的には、ここに共感してくれる人が集まっています。

これが全体的な方向性、つまり共同意識なわけですが、僕としてはコミュニティに対して一つ理想としているコトがあります。

それは「僕(コミュニティマネージャー)が居なくても継続していくコミュニティ」にしたいということです。

コミュニティ運営について書かれた、佐渡島庸平さんの著書「WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~」の言葉を借りれば「N対N」のコミュニティが理想です。

▼自走しよい意味で思いもよらないコトが起こる「N対N」のコミュニティ

コワーキングスペースにしろ何にしろ、コミュニティには発起人(≒コミュニティマネージャー)がいます。基本的に、その発起人の発する世界観や提供するサービスを受けるために顧客はやってきます。(あえてここでは顧客という言い方をしましたが、僕は顧客という言葉が嫌いで、仲間であったり共犯者という言い方が好きです。)

例えば、「夢を実現する場」のコワーキングiitoco!!であれば、働く環境であるワーキングスペースはもちろんですが、実現するための学びの機会や実践を支援する機会、人脈を広げるための交流イベントなどをサービスとして提供しています。

このサービスを、発起人自身のカリスマ性や能力をベースに提供していたとしたら「1対N」のコミュニティになります。この形のコミュニティの弱いところは、「1」の存在が中心になるため「コミュニティマネージャー(1)と顧客」という関係性の域を超えることができにくいのと、最悪「1」の存在がなくなると、コミュニティ自体が消滅するといったことが起こります。

対して「N対N」のコミュニティは「1」の存在に依存しません。「夢を実現する」という共通目的に対して、時にはAさんとBさんが協力し合ったり、BさんとCさんが協力し合ったりするコミュニティです。しかも、これはコミュニティマネージャー(1)を介してではなく、自発的に起こります。

この「N対N」のコミュニティの面白さは、よい意味で何が起こるかわからないということです。「1対N」のコミュニティでは、「1とA」や「1とB」といった組み合わせが主になるので、1の想定を超えたコトが起こりにくいと思いますが、1を介さず「N対N」でたくさんの組み合わせが起こればコミュニティマネージャー(1)の想像を超えていくコトが起こることも多々あり、本当に何が起こるかわかりません。この現象が、本当に面白いし、コミュニティの醍醐味だと僕自身は思っています。

実際僕の運営するコワーキングiitoco!!でも、作家さん同士がコラボしてあらたなブランドを立ち上げたり、個人で塾を経営する方がメンバーに先生になってもらって生徒にその特技を教えてもらったり、地域を盛り上げるような活動が自然と起こったりしています。僕自身「え?そんなことはじまってるの?」と後から知ることも多々ありますし、その活動一つ一つが本当に面白いです。

これって実はコワーキングの概念そのものだったりもするのですが、これができているコミュニティは、たとえコミュニティマネージャー自体が居なくなったとしても、自走していくと思います。なぜかといえば、コミュニティマネージャーが統括するのではなく、コミュニティ自体に共同意識とそれを実現するための文化が芽生え、根付いているからです。

▼N対Nのコミュニティにするために心がけていること

まだまだぼく自身も模索中ではあり、これが正しいとは言い切れない部分はありますが、こういったN対Nのコミュニティにしていくために心がけていることが3つあります。

ひとつ目は、メンバーになってくれる人をしっかり見極めることです。これは、かなり気を配っています。メンバーに入る前にしっかりと話をしていますし、規約にはこんな文言を入れたりもしています。

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ここで、僕たちがが何を目指していてどんなことを大切にしているか、また、メンバーにはどんなことを大切にしてほしいかをしっかり話しています。幸い今までこの時点でお断りした人はいませんが、ここでちょっと違うという人はお断りします。これを続けてきたせいかもしれませんが、僕がいないときで見学に来た人がいた場合もメンバーが施設を案内してくれたり軽く説明してくれたりもします。その際、その人の印象を僕に話してくれます。賛否両論あるかもしれませんが、ある意味フィルターがかかっている状態になっています。広く間口は開けているようには見せていますが(とおもっている)、半開きの状態といえばいいでしょうか、そんな風土が出来上がっています。

ふたつ目はメンバー同士の会話が起こりやすいように配慮することです。これは単純で、新しいメンバーには積極的に他のメンバーと話をしてくださいとお願いするのと、新たなメンバーが入ったら、その場に居合わせた人には必ず紹介してつなぐようにしています。その後も、まだ会っていない同士だと思われる場合は直接声をかけてつなぎます。これを繰り返しているうちに、僕がいないときでも会話が生まれ、あわよくばコラボが起こる環境になっています。(メンバーにコミュニケーションの素質があっただけのラッキーだったのかもしれませんが苦笑)

そして三つめは、新たな風をいれて変化をしていくことです。もちろんベースになる価値観は変えませんが、新たなメンバーの良さをどんどんコミュニティに付加してもらうようにしています。ですので基本的にメンバーがこうしたい、ということは受け入れるようにしています。うちのコワーキングは、新たなメンバーが加わると見え方がきっと変わっていると思います。やはり変化がないとマンネリします。だから、新しい刺激というのはすごく大切です。夢を実現する上でも、新たな視点を得ることは大切だと思っています。

▼僕自身もメンバーとしての色をコミュニティに付加していく

幸いメンバーが素晴らしい人だらけなので、僕がいなくても自走していくコミュニティになっていると思います。なので、僕自身も一人のメンバーとしてコミュニティに新たな風を吹かせられるように、僕のライフワークである「移働」をして、全国いろいろな地域の面白い人とつながって、僕らの地域にも来てもらう、ということをしているわけです。そうすることで、新たな色が加わり、よりエキサイティングなコミュニティに進化していってくれると、今はそう思って活動しています。

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写真は、ネタ化し始めている「移働する写真」@千葉県鋸山




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