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合格体験記の落とし穴

受験を経験したことがある人なら一度は目にしたことがあると思うのが、合格体験記である。
学校が毎年発行していたり、入試問題の過去問題集の付録としてついている場合などがある。

どんな中身かといえば、名前の通りのものである。志望校に合格した者が自身の受験生活を振り返り、あれが良かったあれが良くなかったとつらつらと書いていく。通常は、おすすめの勉強方法や受験への心構えなどが書いてある者が多い。

受験生は先生たちからのアドバイスよりも、実際に自分と同じ環境やレベルで同じ志望校に合格した人の生の声の方が共感しやすいので合格体験記を目にすることがあれば何人分かでも読むことになる。

だがしかし、合格体験記には落とし穴があると僕は思っている。それは、合格体験記とは志望校合格者にしか書く権利が与えられていないため、読んでいるときに不合格者の存在が自然と頭から消えてしまっているということである。

例えば、難関大学に現役合格したAさんがおすすめの英単語の覚え方を合格体験記に書いていたとする。それを読んだBくんはおそらくその覚え方をやってみようと思うだろう。
合格体験記を読み進めていたBくんはCさんもまたAさんと同じ覚え方を合格体験記に書いているのを読んだ。こうなるとBくんはこの覚え方は多くの人にとってよい覚え方なのだと確信して自分もその方法を試してみる。

それから数ヶ月が経つが、Bくんはいまいち単語の覚えがよくなったとは実感できていない。しかし、Bくんはその方法を変える気はない。なぜなら、その方法で志望校に合格した先輩を2人も知っているのだ。
そしてBくんは合格体験記に記事を書いていた先輩たちみんなが成績が伸びずに辛い時期があったと書いていたことを思い出す。

「僕の方法は何も間違ってなんかいない。きっと受験の時には成果が出るはずだ。」

しかし、Bくんはその年の受験で志望校に合格することはできなかった。合格した先輩達おすすめの方法を使っていたのに。


ここでBくんは、今まで自分が考えてこなかったタイプの人たちがいることに気づく。
それは自分のような人。つまり、志望校に合格して合格体験記に記事を書いているような人たちがおすすめしている方法を使っていても合格できなかった人の存在に。
Bくんはハッとする。合格体験記というのは当たり前だが、合格した人の体験談しか書かれていない。だけど、世の中には合格できなかった人たちだってたくさんいる。合格体験記でおすすめされていることだけが真理ではないのだ。当然、そのおすすめの方法や生活リズムで合格できなかった人は大勢いる。しかし、そんな人の話は合格体験記には書かれていないし、書かれることはない。


この話から僕が伝えたかったのは他人の話はただのアドバイスの1つとして頭に入れておくこと。
その情報の母体がなんなのか、その事実の裏には何も落とし穴になるような要素がないか考えてみること。

この2つです。僕はこの合格体験記の落とし穴を母校の合格体験記で書きたくて無事志望校にも合格したのに合格体験記を書かせてはもらえませんでした。
だからこのnoteを読んだ受験生の方には、今自分が信じているやり方は正しいとは限らない、合格体験記に書いてあることにはそこには決して書かれることのない裏側があるんだと思っていて欲しいです。

体調管理には気をつけて納得のいく形で受験を終えてください。

サポートお待ちしております^_^