知識労働者とコンサルの使い方

1.仕事は「定型業務」と「非定型業務」がある

仕事には大きく分けて「定型業務」と「非定型業務」があります。定型業務とは、作業内容に一定のパターンがあってマニュアル化、外注化が可能な仕事で、マニュアルに従っての作業や進行上の手順が一つ一つの作業ごとに決まっているものです。

 もう一方の非定型業務は、経営戦略の構築や事業計画の策定、新製品の企画・開発など個人の思考力、経験が要求されるクリエイティブな仕事で、問われるのは「答えを創れたかどうか」「問題を解決できたかどうか」ということだけです。

この「定型業務」と「非定型業務」に応じて報酬の多い少ないが決定されます。前者の「答えが有るものを、その通りに造る人」、それは作業しているだけであり、求められるのは時間当たりの効率です。この場合、人から「その答え」に対する酷評を受けるリスクもありません。結果としての報酬は低くなります。

後者の「答えを創る、問題を解決する」ためには、創造力が必要です。そして、それ以上に「なんとしても生み出し、すべて自分が責任を持つ」という覚悟が必要になります。 そして答えが生まれるかどうか、問題を解決できるかどうかは、何も保証がありません。その答えが、実際の成果に結びつくかは初期段階では全く解らないのです。答えが、実際に成果に結びつけば、大きな賞賛を得ることができます。逆に、成果が出なければバカ、クズ、時間の無駄と酷評を受けることになります。

しかしながら、日本企業の場合、多くの“総合職”と呼ばれるビジネスマンの多くは定型業務と非定型業務の両方を抱えていて、仕事が定型業務と非定型業務の“ハイブリット”状態になっています。

その他にも、「リフォーム職人」「看護師」「ホテルのサービス員」「調理師」など。これらの仕事は「定型業務」も多いですが、実際には、ある程度高度な判断が求められる「非定型業務」です。もちろん「営業」「マーケティング」「経理」「品質管理」などもすべて、「定型業務」と「非定型業務」の混合です。完全な「定型業務」に従事している人はほとんどいません。「答えを創ること」は、実はあらゆる職業に求められる、基礎能力となりつつあります。


2.この法則はビジネスにも適用される

あたりまえですが世の中に無いビジネス、他社が創れないビジネスを「創り出した」会社が大きく儲かります。 逆に、世の中に「答えがある」、すなわちどこにでもあるビジネスであれば、大きく儲かることはありません。いくら「安く」「大量」に造っても、儲かるはずがないのです。これが中小企業のビジネスの基本原則です。

また、ビジネスにおいては「開発と展開の段階」という考え方が必要です。一つのビジネスモデルを全力で創る「開発の段階」、その出来上がったものを複数造り、大きく儲ける「展開の段階」により、大きく儲けることができるのです。

開発段階は、極小人数の「答えが創れる人材」で行うことになります。そして展開の段階に移ると、多くの人、つまり「造ることができる人」を動かすことになります。
社内では創造的な人に、創造性の必要な仕事や役職を依頼します。造ることに適性がある人には、その業務を担ってもらいます。


3.知識労働者とコンサルの使い方

企業にとって価値のある「答えを創り出す」ことが事業成長に必要となりますが、「定型業務」と「非定型業務」の“ハイブリット”業務の最大の課題は、定型業務に時間をとられて、「答えを創り出すこと」の時間がなくなることです。

また、自社が「開発と展開の段階」のどこにあるのかを考える必要があります。つまり「創る」が必要なのか、それとも「造る」が必要なのか。
どの段階にあるかで、それに相応しい相手を選ぶ必要があります。管理者を選ぶ時、社員を採用する時、他社に依頼する時、すべてはその相手に「創る」「造る」のどちらを手伝ってほしいかです。どちらにせよ、まずは定型業務を切り出し整理する必要があります。

切り出した上で、業務効率化のためにそれぞれを依頼や外注する場合にも、同様に「創る」と「造る」を使い分けることが必要なります。特に知的労働者とコンサルタントを使い分ける基準は、次のものになります。
①何かを創りたい時 = 知識労働者に頼む(多くは個人事業主)。
②するべきことがあり、その作業を依頼したい時(造る) = 企業や定型業務のコンサルタントに頼む

「知識労働者(ナレッジワーカー)」は、マネジメントの生みの親として知られる経営学者ドラッカー氏が、1969年に発刊した著書『断絶の時代』のなかで、知識経済を根本から支える高度な専門知識をもつ労働者として位置付けたのを始まりとしています。

 自分たちに答えがなく、共働で創り出すのを手伝ってほしい時には、知識労働者(個人)に依頼します。彼らは、独立事業主としての熱意と責任感を持ちます。デザイナー、建築家、起業家、マーケティング、一部の戦略型のコンサルタントなどが当てはまります。

知識労働者だけが、この「非定型業務」をこなすことができます。従来のやり方を試し、それが通用しない状況においても、「別のやり方」を模索し、試し、検証を繰り返す中で新しいやり方を作り上げます。「仕事をやること」が重要なのではなく、「結果を出すこと」が重要だと理解しています。「試す力」「結果にこだわる力」「改善する力」を持ち、創るためにトライ&エラーを粘り強く繰り返します。

 一方で、すでに答えがあり、依頼したいことも明確な場合は、企業や定型業務のコンサルタントに依頼します。企業は、組織力があり、画一的なサービスを安定して提供してくれますし、定型業務のコンサルタントは、彼らのもつ仕組みを御社に合わせて導入してくれます。もちろん企業の中にもクリエイティブな企業はありますが、その絶対数は非常に少ないと思います。

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はじめまして。個人事業主やベンチャーから売上1.5兆円の大企業で働いてきた経験を活かし、技術研究開発から新規事業、組織、デザイン、ビジネス、転職、趣味など幅広く書いていきます。よろしくお願いします。
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