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リーダーの引き際〜中村憲剛さんと道重さゆみさん〜

こんにちは、まさです。

Jリーグも新シーズンに向けて、各チームで体制発表会も終わりチーム練習が始まりまたね。私が好きな川崎フロンターレも同様ですが、Youtubeで練習風景を見ていても、やはり中村憲剛さんがいないと違和感がありますね

さて、中村憲剛さんについては、以前にnoteでも記事にさせていただきました。

中村憲剛さん(以降、親しみを込めて「憲剛さん」と記載)は、まだ選手として十分にやれる力を残しながら惜しまれつつ引退をするということで、その引き際の素晴らしさにも注目が集まりましたが、引退スピーチのコメントを見てふと元モーニング娘。の道重さゆみさんの卒業スピーチと被る部分があるなぁと思いました。憲剛さんと道重さんを一緒に語る人はそうそういないと思いますが、とにかく文章を書いてみたいと思います。

後輩の成長を見届けて引退・卒業を発表

憲剛さんと道重さんに共通する点として、チームリーダーとして後輩の成長を見届けて引退(道重さんの場合は卒業)を発表した点にあります。憲剛さんのスピーチの中では、後輩に対して以下のようなコメントがありました。

最高のプロサッカー選手生活でした。川崎フロンターレに入れて良かったです。みんなに会えて良かったです。僕は頼もしい後輩たちみんなにフロンターレを任せて先のステージに進みたいと思います。

憲剛さんは2019年シーズン11月2日のサンフレッチェ広島戦で左ひざ前十字じん帯損傷という重傷を負いました。そこから約7ヶ月間のリハビリ生活を過ごしますが、2020年シーズン前半は憲剛さんが不在の中でチームは快進撃を続け、(その後自ら連勝記録を更新しますが)チームは10連勝を記録しています。おそらく憲剛さんはそうしたチームの強さを外で見ながら改めて後輩の成長を実感されたんだと思いますし、スピーチの中でのこの言葉は本心として語られたんだと思っています。

一方で、道重さゆみさんの卒業スピーチでも後輩に対する信頼を語っています。

さゆみの後輩たちは、今までで一番の後輩たちだと思います。だから、これからも、もっともっと、あの娘たちなら頑張れると思います。さゆみも、見守っています。

道重さんが卒業をする時には同期(6期)は全員卒業してしまい、メンバーには歳の離れた9期〜11期の後輩しかいませんでした。しかも9期〜11期はほぼ同年代で、少し歳上の飯窪春菜さんで5歳下ですが、大半のメンバーは10歳近く道重さんと年齢が離れており、道重さんにとっては子ども達と言って言い過ぎではない程でした。しかし、後輩達と約3〜4年過ごし彼女達へ指導して成長を見届ける中で、最終的には先程のスピーチにあったコメントを心から言えるようになり、安心して卒業をされたんだと思います。

素晴らしい「景色」を見て引退/卒業した2人

2つ目の共通点としては、憲剛さんと道重さんの言葉から「景色」という言葉が出てきたところです。憲剛さんについては、2017年シーズンのリーグ初優勝のコメントがとにかく印象深いです。

いやっ、最高です。この光景を待っていたんです。

そして、引退スピーチでもこんなコメントを残しています。

これが選手として最後に話すことになると思いますが、今日のこの景色は一生忘れません。本当に感謝してます。フロンターレ最高です。ありがとうございました。

引退セレモニーは平日夜の寒い中、12000人以上のファンやサポーターを集めて開催されました。まさか平日に、しかもその年のどの試合の観客数よりも多い人が集まったこともあり、その景色を見て憲剛さんはとても感動していました。

一方、道重さゆみさんも卒業コンサートでこんなコメントをしています。

「後輩たちに見せたい景色がある」って、今までいろんなインタビューやテレビでも言ってきたんですけど、私はこの景色を見せてあげたかったんです──。(中略)
そして私の知らなかったような、もっともっと大きな景色をみんなには見てほしい。その時は、みんなから見る景色の一部に、さゆみもいると思います。

これは、卒業コンサートをモーニング娘。としては非常の大きいホールである横浜アリーナで公演したことを受けてのコメントです。モーニング娘。はツアーファイナルをよく日本武道館で行いますが、武道館のキャパはデッドゾーンもありせいぜい1万人程度です。横浜アリーナは1万7千人程度入りますし奥行きも広いことから、舞台からのその景色は圧巻だったと思います。そして道重さんの「もっともっと大きな景色」という言葉はその後、2019年夏のロッキンの6万人収容できるグラスステージでの公演につながっていきます。(近頃の言葉でいうと「エモい」ですね。)

このように2人とも、素晴らしい景色の中で引退や卒業をすることが出来、名実ともに「美しい引き際」となりました。

最後は周りへの感謝を忘れない

そして3つ目は、兎にも角にも周りの人達への感謝の言葉を2人は忘れません。憲剛さんは引退スピーチで以下の感謝の言葉を述べています。

自分がただサッカーをやってればいいって発想の人間だったらここまでプレーヤーとして続けられなかったし、地域のみなさんを巻き込んで大きくなることはなかった。フロンターレに拾ってもらって心から良かったと思ってますし、18年間感謝の気持ちしかないです。

サッカー選手はとかく派手好きというイメージをつけられることが多く憲剛さんも入団前はそうしたイメージを持っていたらしいですが、フロンターレに入団するとサポータ・ファンあってのチームや自分であることを実感したそうです。そうした周りへの感謝がこのスピーチから感じられます。

そして、道重さんの卒業スピーチも憲剛さんと同様にファンの方への感謝が綴られています。

顔はまあ可愛い方だと思うんですけど。うふふ。そういうこともぜーんぶ自分から言っちゃうし。こんなアイドル、普通は応援したくないでしょ?
それなのに、さゆみのちょっと変なファンの人たちは、晴れの日も、雨の日も、大雪でも、台風がきても、嵐の日だって、さゆみに会いにきてくれた。全力で応援してくれた。勇気くれた。パワーくれた。優しさもくれましたね。強さもくれた。自信もくれた。安心感もくれた。そして、愛をくれた。

よくスポーツ選手やアーティストの方は「自分がエネルギーを与えているつもりが逆にファンの方からエネルギーを貰っている」と言います。お2人の言葉からはそうしたファンへの大きな感謝が感じられる、本当に素晴らしいスピーチだなと思いました。

最後になりましたが、憲剛さんと道重さんのスピーチ全文のリンクを貼っておきます。いつリンク切れになるか分からないですが、ぜひご一読ください。

以上、今回は中村憲剛さんと道重さゆみさんの引退・卒業について文章を書いてみました。

今日も長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。週2回以上を目標に様々なテーマでエッセイや体験談を書いていますので、またのご訪問よろしくお願いします。

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