備忘録

亡き父の会社は、あっけなく潰れ
私の知らない所でいろんな事は
進んでいました。

私は、自分の事でいっぱいいっぱい。
自己破産の手続きや生活保護の申請。

重い体を引きずって、
弁護士事務所や市役所へ。

それでもなお、親族Aからの嫌がらせは
終わりません。

ある時は、母に預かってもらっていた、
子供達の雛人形が、箱ごと玄関先に
積まれていたり、孫のおもちゃや
ゆりかごや衣類。

母の家に飾られていた、子供達の
成人式の写真やアルバム。

毎日毎日、玄関先に置かれていたのです。

親族Aが、母と同居をはじめて
しばらく経ってからの事でした。

もう母の家ではないんだな。
私の実家は、なくなってしまった。

親族Aからのメールには、
家を片付けている、母の意向だと
書かれていました。

母からは、一言の連絡も
ありませんでした。

会社の破産管財人S弁護士には、
なんで早く自己破産しないんだと、
言われ続けていました。

頼んだ弁護士が、なかなか手続きを
してくれず止まったままでした。

その弁護士は、親族Aの長男が
詐欺師の告発状を依頼した
弁護士だったので、今までの経緯を
知っているので良いだろうと思い、
私も頼んだのです。

私の経験上、自己破産する時は、
自己破産を専門にしている弁護士を
雇う事をオススメします。

自己破産を頼んで、1年が経って
やっと自己破産手続きが始まります。

私個人にも、破産管財人のF弁護士が
付きました。

それからは、F弁護士とのやり取りが
始まります

自己破産手続き中は、郵便物は
全てF弁護士の所に転送されるので、
取引先や税金関係からの督促状は、
見なくてすみました。

真っ暗闇の中を彷徨い、うつ状態になり、薬に頼っていた生活から
少しづつ抜け出せそうな気持ちに
なって行けました。

駅のホームに立ち電車が入って来ると、ふっと前に進みそうになったり。

信号待ちで立てば、次にダンプカーが
来たら
前に出ようと思ったりしていました。

どうやったら、楽に死ねるのかと
考える日々を送っていました。

あの時、あーすればよかった。
あの時、ちゃんと断わればよかった。
あの時・あの日・何故自分はできなかったんだろうと、ぐるぐる過去の事を
思い返してては、後悔ばかりしていました。

誰あろう自分で自分を追い詰めて
いたのです。

過去は変えられない。
これからどうするかを 考える事が
できなくなっていました。

誰もいない。
独りぼっちなんだ。
家を追い出される。
食べる物を買うお金がない。
光熱費が、払えない。

どうしよう・どうしよう・どうしよう・・・

そんな時、生活保護が認められ
何とか最低限の生活はできるようになりました。

これで、電気や水道は止められずに
済むんだ。
ホッとしました。

そんな時、友人が訪ねて来てくれます。

今までの事を淡々と話して、聞いてもらいました。
その友人から

生きていてくれてありがとう!

そう言われて、ハッと気づきました。
私、生きててもいいんだ。

大丈夫!
あなたなら乗り越えられるよ!

そんな事、親にも言われた事がなかったのでビックリしました。

私は一家の恥と言われて育ったので、
少しでも家族に認めてもらいたかった。

進学する学校も全て親が決め、
結婚する時も、世間体のいい相手を
選び、親を喜ばそうと必死になっていました。

もういい加減、親の呪縛から逃げよう!
そんな事に気づいたのは、還暦を過ぎた頃でした。

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