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いえぽん、Jリーグで仕事はじめました 【後編】

皆さんこんにちは。家本です。

前回のnote投稿後「本当に来てくれますか?」「J2でも来てくれますか?」「どこに連絡をすればいいですか?」「出演料は高いですか?」といったコメントをいただきました。

簡単にお答えすると、本当に行きます。カテゴリーは関係ないです。Jリーグか本人に連絡ください。交通費含め要相談です。といった感じです。もう少し詳しくお話しますね。

たとえば、開幕戦のときはFC東京さんからお声がけいただいて「青赤パークオンライン」に出演しました。そのときは直接連絡をいただいたのですが、打診含めイベント出演の連絡はJリーグの広報や競技運営、企画戦略もしくは直接連絡いただいて大丈夫です。イベントの内容によってリーグとして受けるのか、個人として受けるのか決まります。興味がありましたら、まずは一度連絡してみてください。

出演料に関しては、交通費含め無償での依頼は基本ご遠慮いただいておりますが、予算や都合もあると思いますので、お互い無理のない範疇で相談しながら決めております。

なぜなら、僕のイベント出演の目的は営利ではなく、Jクラブの魅力や価値がもっと高まること、できるだけたくさんの方に笑顔になっていただくこと、フットボールを心から楽しんでいただくこと、フットボールの理解をできるだけ深めていただくことだからです。ですので、J1には行くけどJ2やJ3には行かない、なんてことは絶対にありません。

コロナの状況もあるので関係者と相談しながらになりますが、お声がかかれば可能な限り参加する。お声がかからなくてもカテゴリー関係なくいろんなスタジアムに行っていろんな方と触れ合い、話をして発信するを実現したいと考えています。

こんな僕ではありますが、もし興味があれば遠慮なく気軽にお声がけくださいね。

それでは前回の話の続きをはじめますね。

どうして審判界から離れたの?

理由はいくつかあるのですが、一番決定的な理由があります。それは僕は審判卒業を決めるずっと前から「僕がこれまで得た知識と知恵、培ってきた経験、持っている能力は審判界に限定せずにもっと大きな世界で、もっと多くの人の笑顔と喜びを増やすことに還元したい」と考えていたからです。

僕は京都を離れるときに「またいつかクラブで仕事をしよう。今回実現できなかったことを実現させるために。その時のためにもっと力をつけよう」と思って離れました。

その思いを胸の奥にしまい込んでプロ審判に挑戦したのですが、プロの世界は僕にとって本当に辛く、苦しく、試練の連続でした。ただ、全てが辛く苦しいものではなく、良いことも、嬉しいことも、ありがたいこともたくさんありました。

たとえば、国際審判としていろんな国へ行っていろんな人や文化、歴史、価値観にたくさん触れたこと。夏嶋先生のもとで修行していろんなことを学びいろんな世界で活躍している人の悩みにたくさん触れたこと。プロ審判と国際審判をしながらビジネススクールに通っていろんな業種業態の方と一緒に学んだこと。結婚して夫となり父となったこと。そしてなにより、最終戦のあの美しい「フットボール劇場」を経験したことです。

こういったなかなか経験できないことを誰よりもたくさん経験したおかげで、僕の中にあった「またいつの日かクラブで仕事をしよう」という思いはいつしか「もっと大きな世界でもっと多くの人の笑顔と喜びを増やすことに貢献したい」に変わっていました。

この思いを実現させるためには、できるからといってあれもやる、これもやる、それもやるではなく、今もっているものを大胆に手放し、身動きを軽くして新しくはじめることに全集中することが "成功のカギ" だと考えました。なので審判資格と指導者資格の両方を躊躇なく返上しました。

ただ、審判界から離れるといっても、全く関わらないわけではないです。理由は、Jリーグのフットボールビジョンの中にも、僕が実現したい世界観の中にも審判界は存在していますし、これまで育ててもらったこと、すばらしい機会を与えてもらったこと、そして多額の投資をしてもらっていますので。

ですので、離れたとはいえ、これからも審判界の発展に微力ながら貢献していこうと思っています。

なんで離れたのにジャッジリプレイに出てるの?

はい。そこ、謎ですよね。

正直に言いますと、当初はジャッジリプレイに出演する予定はありませんでした。ただ、原さんから「家本たのむぞ!」と思いを託されたこと、村井さんから「家本さんがもっているたくさんの知識や経験や思いを視聴者のみなさんの喜びに変えてほしい」と言われたこと、先ほどお話した審判界への恩返しのひとつと考えて引き受けることにしました。

そしておなじ出演するなら、どうすればもっと視聴者の方の納得感を高めることができるか、どうすれば現場で大変な思いをしている審判員の苦労を視聴者の方に届けることができるか、どうすれば視聴者の方の気づきや学びや喜びにつながる情報を届けることができるかを僕なりに一生懸命考えました。

まだまだ十分ではないこと、話し方、態度、内容含め、僕が改善しなければいけないところがまだまだたくさんある事もわかっています。

ですので、もっと勉強して、もっと努力して、もっと準備して、みなさんにこの番組をもっと楽しんでいただけるよう、もっとフットボールを理解していただけるよう、今後も精進していきます。

おわりに

いかがでしたか。不要とは思いながら、2回に渡って僕の現状をお話させていただきました。

フットボールは、スポーツの中でも特に抽象度と自由度の高いスポーツです。

「これが正解だ!」とはっきり言いきれる判定も、誰もが納得できる判定もとても少ないです。多くの判定は議論の余地がある、見え方や捉え方によって意見が分かれてしまうものばかりです。そしてそれらはどれもある意味正しく、ある意味間違っているともいえます。

フットボールの競技規則には「議論はフットボールの楽しみや魅力の一部」と書いてあります。さらには「審判も人間なのでミスをするし、論争や議論を引き起こす元になることもある。だからといって審判を批判したり、攻撃していいわけではありません。みんなでお互いを尊重し合いながらフットボールを楽しみ、みんなで美しい試合を創造していこう」とも書いてあります。

本当にその通りだと思います。だからこそ、フットボールは世界で最も人気のあるスポーツのひとつなんだと思います。こういうことを言うと「そんなの綺麗ごとだ!お前たちの言いわけにすぎない!」と言われる方もおられます。その意見も十分理解できますし、僕は受け入れます。

とはいえ、感情的になって誰かを攻撃したり、誹謗中傷して "弱き人" を傷つけることはとても悲しいことです。誤認識や解釈の違いも含めてJリーグを、フットボールを楽しんでいただけたらと思います。

それから、「それって審判のことや判定の解説やルールの説明に関する情報発信が少ないからそうなるんじゃないの?」という意見もよくいただきます。

正直、僕もそう思っています。問題は、知らない・わからない側にあるのではなくて知らせていない・解かるように説明していない側にあります。それは、無知な子供に問題があるのではなく、無知を解決させていないことが問題であって、もっというなら、人に問題があるのではなく、手段や機会に問題があるという話と同じです。

もちろん、機密情報や誤解を生む情報はダメですが審判のことをもっと知る。ルールのことをもっと知る。なぜそう判定したのかをもっと知る。そのために必要な情報をできるだけ発信する。そうあれば多くの方のフットボールの理解はより深まりますし、フットボールの理解が深まれば、そういう方がもっと増えれば、フットボールを今よりもっと楽しめるようになります。

このnoteを読んでおられる方や、フットボールが大好きな方だけでなく、もっとたくさんの方の笑顔と喜びを増やすために、僕はこれからもいろんなことを発信したり、できるだけたくさんの方といっぱいコミュニケーションを取っていこうと思っています。どうか暖かく見守っていてくださいね。

それではまた。

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