知識と行動

2020年11月18日
自分自身にとって、本当に大切な人が入院した。
突然の出来事で、思考が乱れ、何も出来ない自分に苛立ちを覚えた。

そして、2日後に病名が告げられる。
幸い、早期発見であったことから、深刻な合併症のリスクも低く、短期間で完治する可能性が高いとのこと。

病名が分かったことで、本格的な治療が開始される。この病気の治療には免疫グロブリン療法が用いられるとのことで、病院から配布された治療方針や、治療方法について詳細を調べた。

この治療には「献血」によって集められた見ず知らずの誰かの血液に50%程度含まれる血漿を基にして作られていることを知った。

本当に恥ずかしいことですが、私はこれまで献血を受けたことが無い。もちろん、良い事だということは知っていたつもりだし、身長や体重の制限があるという訳ではない。ただ、何かしらのくだらない言い訳を見つけては、受けることを拒んできた。

しかし、そんな私の大切な人の治療に、見ず知らずの誰かの血液(愛)が使用される。そして、救いを受けることになる。

ただただ、感謝しかない。

受け取るだけで自身が貢献しないというのは1人の人間として、何か違う。

自分に嫌気がさした瞬間だった。

私は今後積極的に献血に協力していきます。献血に関する知識はこれまでとほとんど大差は無い。私の思考を変え、行動することの源泉となったもの。

私の中に芽生えた当事者としての意識と感謝。そして、自己嫌悪。

使い古された言葉かもしれないが、当事者意識を持つことで、知識から行動への自動変換が起きる。そんなことは分かっているけれど、固定観念に縛られて生きている腐った私はこれまで変わらなかった。

頭ではわかっていても行動に移せていないことが山のようにあって、それは私に限ったことではないと思う。

今回の件から私が学んだこと。
知識モンスターからの脱却と行動モンスターへの昇華。この間にある一見脆く見えるが、多くの人々が乗り越えられない大きな壁。

無力感と進化、自己嫌悪と変革。
無関係に見えるこれらを繋ぐ小さくも自身にとって大きなきっかけ。

触媒を得ることで、化学反応は起きる。
結果、知識は意志を宿し、行動力の源泉となる。
知識は時として行動を阻害し、時として行動を促進する。

まだ見ぬ誰かを幸せにすることは、世界を少しだけ優しく、そして生きやすくしていく。

うん。優しい人になろう。

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