コーチングのフリーレン
葬送のフリーレン
春先に何気なく見たアニメ、「葬送のフリーレン」に心をわしづかみにされてしまい、毎回泣きながら見ています(4周目)。
たくさんの名言と共に、物語は進んでいくのですが、中には「これってコーチングでやっていることだよね」などと思いながら、物語を見ているわけで。
見ていない方のために、葬送のフリーレンのあらすじを書いておきます。
ネタバレ注意です。
主人公は、エルフのフリーレン。
職業は魔法使い。
勇者ヒンメル(イケメン)、戦士アイゼン(ドワーフ)、僧侶ハイター(人間)と一緒に10年に渡る長い冒険で魔王を打ち倒し、世界に平和を取り戻します。
凱旋セレモニーの後、フリーレンは、ヒンメルたちと再会の約束をして旅に出ます。
50年後、彼女はヒンメルのもとを訪れます。
千年以上の寿命があるというエルフのフリーレンは、ほとんど歳をとっていませんが、ヒンメルは年老いて、彼の人生は残りわずかだということが分かります。
フリーレンは、ヒンメルの最期に立会います。
ヒンメルの死に際し、これまで「なぜもっと人を知ろうとしなかったんだろう」と涙を流します。
その後、フリーレンは、「人の心を知る旅」に出ます。
設定の素晴らしさ
この物語の良いところは、設定の素晴らしさにあると思います。
それは、「冒険の後も人生は続いていき、人はみなそれぞれ違う人生を歩み、(生き物それぞれの寿命の違いで)感じ方も違うんだ」という視点があることではないでしょうか?
いや、ほんとに。
具体的には、
「フリーレンにとって、みんなと一緒にいた10年の冒険は、彼女の人生にとっては、人間の人生でいうと1年にも満たない時間である」
という視点が、最高に素晴らしいと感じます。
「どんな人生でも、意味があるんだ。」と、感じさせてくれる物語です。
フリーレンの他者の心を知ろうとする旅
アニメを見ていて、他者を知ろうとすることがどんなに大切かが分かるシーンがありました。
以下、セリフを引用します。
いやー、いいですね☺️
ここなんか、最高にグッときます。
他者のことを、知りたい、受け止めたいということが、どれほど大切なことかが分かります。
これを受容というのかどうかはしっくりきていませんが。
そして、フリーレンは、勇者ヒンメルたち実際の旅路を弟子(フェルンとシュタルク)とともに歩みながら、過去と現在と未来をイメージの世界で行き来しながら旅をしているのだと思います。
コーチングのフリーレン
ここでも、ついついコーチング目線で見てしまうという、私の悪いクセが出てきます。
もしも、勇者ヒンメルのパーティに、コーチが一緒について行ったら。
なんて。
まあ、僧侶がいらっしゃるのでパーティ編成上、必要がない上に、一般攻撃魔法「ゾルトラーク」の一撃で、一瞬にしてあの世行きだとは思いますが、僧侶ハイターの愚痴くらいは聴いてあげられたかもしれません。
フリーレンが実際の旅路の上で、過去と現在と未来をイメージの世界で行き来していると書きましたが、コーチングでは、過去〜現在〜未来をつなぐイメージを線状に表したものをタイムラインと言います。
タイムライン
ここで、タイムラインの説明を少しだけしておきます。
コーチングセッションでも取り入れているNLP(神経言語プログラミング)では、タイムラインという考え方があります。
タイムラインとは、過去〜現在〜未来をつなぐ線を表します。
数学が好きな方は、数直線を思い浮かべてください。
タイムラインを設定した後、クライアントさんとコーチが共に時間旅行をするイメージでセッションを進めて行きます。
セッションで扱うタイムラインは、基本的には、「クライアントが生まれてから死ぬまでの間」を扱います。
場合によっては、生まれる前や死んだ後のイメージを扱うこともあります。
セッションでタイムラインを使う時の目的を書いておこうと思います。
タイムラインの目的
・過去の体験から大切にしている価値観を取り出します。
・過去の体験から、うまく行ったことや自分の能力が発揮できた体験を探して、その時の条件や才能を取り出します。
・タイムライン上の??年後の未来に移動して、理想の未来をイメージします。
タイムラインのポイント
・1:1の法則:描きたい未来がどれくらいかによって、どこまで過去に遡るかを考えます。描きたい未来がキャリアレベルなら、最初に働き始めた頃まで、レイフレベルなら幼少期まで。
・体験は具体的に:過去も未来も実際にその場にいるように具体的にイメージをします。擬似体験することで、感情が動きます。感情が動くことで、一歩を踏み出す勇気づけとなります。
・タイムラインを歩く:対面セッションの場合に有効。実際に設定したタイムラインの上を歩いてセッションを行います。時間軸を場所で分けて移動しながらセッションしましょう。
・身体を動かすことで、記憶に残りやすくなります。
フリーレンのタイムライン
物語の所々で、「これは自分のためだ」と言いながら、行動に移していくシーンがあります。
勇者ヒンメルたちとの、10年にわたる(彼女にとっては短い)旅を改めて追憶するようなセリフです。
フリーレンは、実際の旅路を弟子(フェルンとシュタルク)とともに歩むことによって、過去と現在と未来を行き来しながらタイムラインを歩いているとも言えます。
フリーレンは、勇者ヒンメルが亡くなった後、彼のことを知ろうと旅に出るわけですが、魔王を打ち倒した旅路を辿りながら、パーティの仲間であったヒンメルやアイゼン、ハイターたちとのことを思い出します。
もっと過去を振り返って、自分の師匠である大魔法使いフランメとのやりとりも追憶します。
そうして、やりとりした時の自分と相手の心の動き、会話、表情を思い出し、色々な気づきを得て行きます。
フリーレンの物語の魅力は、彼女が過去を振り返ったとき、その「体験」としてのエピソードから、「価値観、成功要因、才能」などの彼女が大切にしていることのエッセンスを取り出していることだと考えています。
それに物語が取り扱っている過去のエピソードが、ただ彼女にとって暗いことばかりでなく、勇者ヒンメルたちや大魔法使いフランメとのキラキラした思い出がたくさんあるということが大切なところです。
フリーレンも弟子のフェルンもシュタルクもそれぞれに個性を持っています。
そして、それぞれに違う過去を背負って、それぞれの役割を自己一致しながら十分に生き切っています。
この物語の魅力はそう言ったことにあるんだと思います。
今回は、「葬送のフリーレン」を観ていても、コーチングのことを考えてしまってましたという話しでした。
コーチング✖️葬送のフリーレン、もっともっと書きたかったけど、今回はここまで。
ありがとうございました。
参考文献・資料・サイト
葬送のフリーレン アニメ公式サイト
原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
ライフデザインコーチ養成プログラムテキスト
ブルーミング・コーチングスクール 川瀬朋子
人生を変える!「コーチング脳」のつくり方
宮越大樹 ぱる出版
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