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ひとりで生きていたならば(創作story)

理不尽な世の中にうんざりして
夜中に聴くラジオが僕の安らぎ

僕はアーティストになりたい
だけど思うように歌えない

歌っても売れない

回りは天才ばかりだ

才能に満ち溢れた世界に僕の歌は埋もれていく
身近な家族や友達にすら僕の声は届いてるのだろうか

「けど僕は音楽がやりたい」

譲れない 譲れるもんか

悔しくて虚しくて悲しくて苛立つ夜

「何でなんだよ。僕の歌を聞いてくれよ。」

愚痴では夜は明けやしない
理不尽でも

苛立つだけで終わらせることが
何より悔しい

諦めない
「こだわって生きる」と今一度言い切るよ
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「歌声素敵ですね貴方の歌に救われましたずっと歌い続けてください(^^)」
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歌ってみたをあげたYouTubeのコメントが朝届いていた。嬉しかった 一通でも。 誰かに届いた その事実が。

「バンドやろうぜ。文化祭でさちょっと歌ってよ!」

学校に着くと突然親友から言われた

予想外の連続だ

僕の歌声を聞いてもらえるチャンスだ。

嬉しい朝を望むなら
愚痴は飲み込んでみるか

授業中教室から窓の外を眺めて思った

世の中は人で溢れていて
憧れも羨ましさも
人がいるから感じるんだ
回りには繋がりがあって
僕を知ってくれてる友達がいて
笑い合う日々だってある

ひとりで生きていたならば
TVに出てる人達を見て悔しくならなかった
伸びないYouTubeに哀しくならなかった
少しうまいと思ってる自分が虚しくならなかった

自分を負かしてもよかった

でもやっとわかった
ひとりで生きていないから
悔しい気持ちは溢れて
だからこそ褒められて
いい方向に行き始めた時
嬉しいんじゃないか

僕と音楽は
人と記憶を思い浮かべて大切な人と心の底から笑い合うことで出来ている。

嬉しさこみ上げるそんな「大切」な気持ちに気付けた

ひとりで生きてるんじゃない
僕らはひとりじゃない。

僕はひとりでは生きてはいない。

(後書き)
SUPERBEAVERのひとりで生きていたならばの曲の
短編を書いてみました 初めてこの曲を聞いた時私は彼ら自身の気持ちが歌になっているのではと感じました 主人公は歌をやりたい少年にしました
夜の悲しい気持ち 朝の予想外の出来事
わざとデビューしたということは書かず 今を葛藤する少年で親近感を湧かしたかったのでそうしました
なので小説ではこの子はデビューしたかどうかは定かではありません。
私自身も歌をやっていて気持ちが重なったので
とても書きやすかったです。
これは歌だけでなく写真でも私にとっては言えることです。 写真は一人では決していい写真は撮れませんから

mariru

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