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詩「出会うための旅」


なんてきれい
時間を忘れて
行き先も忘れて
向かい合えば包まれて
なつかしい場所に浸っていた

何かが欲しかったような気がしたけれど
手に入れたかったわけじゃなかった
ただ会いたかった
この世界にあることを確認したかった
うつくしいもの
それを感じられる心

宝箱に入れたはずの欠片
ぽろぽろこぼれ
心細くなってはふり返る
とおく遠くまでキラキラ
ぜんぶ持っては行けないけれど
足跡の上に降って星空

手からあふれて
かたちになった想い
日の当たる場所に並べて待った
それ好きよ、と言ったあなたに
あなたを待ってた、と言うために
冷えてきたら包みなおして
丁寧に鞄に詰めた
どこかの誰かに会いに行く
また、あなたを探しに行く

好きなものに出会う旅をしている
好きになってくれる人を探す旅をしている

またどこかで好きだって言うために
いまも息をしている


多忙な日常にまぎれて見失ったりする生きる意味。日々変わって、それぞれ違って、唯一の答えなんてきっとない。それでも探し続けてしまう詩は、ふっと足掛かりになって、忘れていた何かを思い出すかもしれない。

* 生きる意味を探す詩 001*



 

文字でもものづくりでも、どこか通じ合える人と出会いたくて表現をしているんだと思います。何か感じてくださったならとてもうれしいです。