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秋に聴きたくなった曲

肌寒さから来る心細さや、乾いた空気と昼間の光の明るさ、空の青さから、センチメンタルで美しくて鬱っぽい曲を集めました。
自信も誇りも持てなかった若いころに聴いていたものも多いです。

Agnes obel  riverside

デンマーク・コペンハーゲンのシンガーソングライター、agnes obelの声と音世界の冷たさ、歌詞の心細さや不穏さで一番に思いつくのがこれ。
一人になるために川に行き、「川の奥深くで全てが引き裂かれているのを見る」歌です。

Sleepingdog  scary movie

オランダ出身のシンガーソングライターChantal Acdaがsleepingdog名義でリリースしたうちの一枚から。11月くらいの空気感だと思う。ひんやりした空気の中で、しずけさに耳を澄ますような曲です。

Jarvis Cocker and Chilly Gonzales  room29

前職がラッパーの鬼才ピアニスト・Chilly Gonzalesの曲にPULPのボーカルJarvis Cockerが囁き声のボーカルを乗せたコンセプトアルバム「room29」より。このアルバム全ての曲が静かで美しくて悲しげで最高なんですが、GonzalesさんのYoutubeで全曲公開されているので合わせてぜひ。
https://www.youtube.com/watch?v=RQyNGeg-ct4&list=OLAK5uy_mNwWGyGDBL5NKpbssyxn0P8qA6Kj3UNaI

Joni Mitchel  all I want

名盤「Blue」の1曲目で知ってる方も多いと思います。高く晴れた秋の休日の朝のイメージ。昔カフェで働いているころ、よく店内でかけていました。
「I wanna be strong 」のフレーズが印象深い。

Suede  everything will flow

秋の夜中に、一人で考え事をしている時、頭の中で流れる曲です。全体的に肌寒さと澄んだ空気と光の気配がして、秋というより冬の午後かもしれない。「Everything will flow」は全ては流転するって意味なのかなと思っているんですが、個人的に「当たり前で普通だと思われる日常は、必ず失われる」っていうことなのかなと思っています。昨年のZEPP羽田来日の時に、この曲を聴けたのを一生忘れない。

The National  terrible love

The Nationalは、本当に脈絡なくYoutubeで流れてきたこの曲が美しくて、CDを買った珍しいバンドです。秋の深夜の闇の重さ、暗さ、深さを背景に悲しみを淡々と歌っているイメージ。歌詞は正直よくわかりません。

The Cure  a night like this

センチメンタルという言葉で一番最初に思い出す歌はこれ。高校生の頃からずっと。深夜に手の届かない遠くの光を眺めている時の記憶です。無力感と諦めと、憧れと、祈りと、自己嫌悪だなあと思います。
「I want to change it all」

Saint Etienne  jack lemmon

20歳くらいの頃、肌寒い季節に一人で毎日京都の街をうろつきながらこの曲が入ったCDを聴いていました。光にあふれて明るくて清潔感があって可憐な鍵盤の音を背景にした少女のようなボーカルの歌なんですけど、背景のように聴いていると、すごい鬱に入ります。大好き。

Belle and Sebastian  I fought in a war

ベルセバです。大学受験失敗したら死のうと思い詰めていた秋冬に、このアルバムをずっと聴いていました。この曲は1曲目だから象徴みたいに憶えています。音楽として本当に美しいです。

Sigur Ros  Valtari

寒い国アイスランドのバンド・シガーロスの個人的に一番好きなアルバムです。公式からフルで上がっているので聴けて最高。

透明感のある音像で、広くて遠い景色が見える気がします。
ヨーロッパの絵画を美術館で見ている時の気持ちにも似ているかもしれません。
うっすら響いて滲む音を、晩秋の光を頬に受ける時の気持ちで聴きます。
これを流して、秋の午後を過ごすと美しい日になると思う。

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