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サムゲタン〜果たしてそこに酒は必要か〜

暑い!やっと暑い!最高に暑い!梅雨が長すぎた!コロナ自粛も酷すぎた!
ガツっと身体にくるものを食べる!夏のスープは参鶏湯(冬も食うけど)。

圧力鍋持ってないので炊飯器で時短調理!

【材料(二、三人前)】
・丸鶏...一羽
・ニンニク...5、6片
・干しナツメ...4、5個
・ショウガ...4、5片
・もち米(なければ白米)...3/2合程度
・ネギ(白ネギの葉の部分だけでヨシ)...一本
・栗...殻と渋皮剥いたもの 2、3個(買いにくいのでなくてもヨシ)
・朝鮮人参...小さいの二本くらい(買いにくいのでなくてもヨシ)
・塩...適量
・黒胡椒...適量
・酒...少々
・アク取りシート...あると便利だしスープが澄むので買っておきましょう
【手順】
①内臓を抜いた丸鶏の尻の部分からニンニク、ナツメ、ショウガ、もち米、ネギ、栗、朝鮮人参を入れる
②鶏全体にざっと酒をまぶして、塩コショウをして炊飯器に入れる
③鶏の全体が隠れるくらい水を入れてアク取りシートを被せ、炊飯器の炊飯スイッチを入れる
④「炊き上がり」のアラームが鳴ったらアク取りシートを取ってから鍋に移して、アクを取りながら少々煮つつ、塩で味を整える

以上!簡単!そして!すごく美味い!炊飯器が少々汚れることがあるのが難点だが...まあ、ざっと掃除すれば問題なし。もちろん炊飯器じゃなくて普通に鍋でアクを取りながらコトコト煮ても良いけども...その場合3、4時間はかかると思う... 炊飯器なら40分くらいでできる。圧力鍋があればそれで作るのも良いでしょうね。家族で丸鶏をバラしながら取り分けるのは中々楽しい。

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俺は韓国/朝鮮料理が好きで、日本でもよく食うし、バンドでツアーに行く時とか本当に楽しみ。
辛いものは勿論大好きなんだけど、半島飯の醍醐味はこの参鶏湯で言えば「干しナツメ/もち米/栗」あたりが醸し出す、スープの中の自然な甘みにあると考えている。

甘味!

一応俺は日本人なので、自分が苦手な甘い煮付け...などの和食レパートリーの「砂糖獲得以前」によく思いをいたす。大学時代、民俗学の恩師から聞きかじった話では、和食の甘味化の始まりは南方との貿易、あるいは南洋植民地獲得でサトウキビの収穫を得られるようになった江戸後期〜明治以降であろうという話だった。温帯〜寒帯地域の人類にとって本来"砂糖"というダイレクトな甘味は超贅沢品。使えば使うほど贅沢感が増す(昔ツアーで訪れたオーストリアのハレの飯が大概ものすごく塩っぱいのも内陸国の塩への渇望がそうさせているのだと聞いた)。日本の代表的なアルコール飲料であるサケ(日本酒)がなんだかんだと、やはり基本的に甘いのも、原始、日本列島の人々のハレの飲み物として糖質の甘味を好んだ名残でなかろうかと思う。どぶろくとか甘いもんねえ。糖は脳にとって唯一の栄養源!

かたや、早くから植民地を獲得したヨーロッパ列強国は砂糖の使用の自由度獲得が早かったのではないか。もともと豊かな環地中海の食文化に新大陸やアフリカから持ち込んだトマトや唐辛子やスパイスを持ち込み、時に奴隷に生活の垢や労役を押し付けて、娯楽性の高い食事を楽しむ文化が庶民にも早い段階で生まれた。砂糖をふんだんに使ったデザートまでを一つの食事のコースとし、果実酒たるワインは食事との"マリアージュ"を考えて、糖度の低いドライなテイストも含めた様々なパターンにブラッシュアップされた(日本酒の近代の洗練はこの現象の後追いなのではないか)。

現代の美味い飯、良い音楽には大概コロニアル(植民地主義)な影がつきまとう...

というのは俺がこのブログで繰り返し呟いていることだが、北半球北部の食文化と甘味〜酒の関係は、やはりその地域、民族が植民地主義の時代をどう乗り越えてきたかという情報を多分に含んでいるような気がするわけです。

そして韓国!

「唐辛子」という現代韓国料理のマスターピースとなっている植物がそもそもアメリカ大陸原産であるので、この辺は甘辛和食と同等の近現代食文化だと思うわけだが(唐辛子は日本が半島に持ち込んだ説が有力らしいね)、やはり感心するのは寧ろ甘味の方。

朝鮮語がほぼ解らないので詳しくは分析できんが、半島飯を食っていると米や干しナツメ、時には麦芽を発酵させたほのかな甘味を使った味付けに出会うことがある。個人的にアレが「砂糖以前」の民族の直感と知恵なのではないかと感じている。(あくまで推測です)
実は俺は高校時代の修学旅行で一週間ほど韓国の田舎にホームステイする、という体験をしているのだが、ホストファミリー宅で呆れられるほど食った激ウマ家庭料理、家のオンマ(お母さん)が台所で味付けに「水飴」を使っていて驚いた記憶がある。なぜ砂糖でなくて水飴?と。

あの水飴、ひょっとしたら砂糖の時代以前に麦芽などを発酵させた糖蜜などを使っていた名残だったりしないだろうか。

まあ、本当のところは知らないし解らないんだけど、とにかくそうした素朴な甘味などを繊細に使って独特の奥行きのある味をたくさん作り出していることに感動するのです。辛さはそこに新しく加わってきた新ジャンルでしょう。

しかしそんな半島飯にも個人的な問題が一つあって、

酒が...あんまり美味しくないこと。

マッコリとか美味しいけど、どぶろくだし
チャミスルはなんか甘味料入ってるし
市販の大手ビールは全部不味い

と俺は思う...。あんまり韓国飯にはコレ!ってスイッチが入る酒がないと思う。あの飯ウマ大国でなぜ...といつも思うのだけど、やっぱり酒&飯の"マリアージュ"的な文化って先述の通り結構コロニアルな時代を経た西欧仕草だとも思うから...そういうところかなあ。いや別に高級志向な話でなくて、庶民が普段飲みできるレベルの酒でオツなものがやっぱりちょっと少なすぎるというか。

それでもいつでも、テキトーなビールやチャミスルを飲みながら、韓国では鬼の様に喰い歩くのだった。以下は思い出の羅列!

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これは一昨年Jeonju Int'l Sori Festivalに出演した時に、音楽仲間、全州のジャズマンのキム兄(ヒョン)に連れて行ってもらったソンジクッパの店。取材に来てたライターの大石始さんや、SUKIYAKI MEETS THE WORLDのプロデユーサーのニコラっちも合流してるね。ええ店やった。キム兄コマッスムニダ〜!韓国らしく年長者のキム兄が奢ってくれちゃってほんとありがとね。ソンジってのは牛の血を固めたものなんだが、なかなか滋養に富んだ味でフルフル美味い。

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あとは俺とギターの大森先輩は夜はババ...否、アジュンマだらけのポンチャックディスコや飲み屋に繰り出しては、毎度、写真の様に激モテだぜ。kkkkkk  俺たちの背後でババ...否、アジュンマたちが俺たちを巡って争い始めたりしてたぜ。(写真は八年前?あたりに蔚山ワールドミュージックフェスに出たあとの夜遊び)あの時は自分の顔がフェスのポスターになっててちょっと嬉しかったな。

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俺はいつも韓国のポンチャックディスコや謎の生演奏つきカラオケバーに行って数少ない自分の韓国語歌レパートリー歌うのが好きなんだけど、現地の同年代のミュージシャン仲間はだーれもそういう場所行ったことないらしい。「やめろよ」て言われる。まあ、俺、日本でもいつもババ...否、お袋より年上くらいの女性が取り仕切るスナックとかばっかり行ってるからな。

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ポンテギ(蚕の蛹)は俺が行く大衆的な食堂や飲み屋では「お通し」的に?自動的によく出てくるけど...正直「うーん...虫食ってるな...」て感じだよね。食えなくはないが。

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あと、俺くらいになると現地音楽のDIGはUSBを中心にチェックしてるよね。すげえ曲数が入ってるんだよコレ...100曲くらいmp3.で入ってたりするからな...一つ日本円で350円くらい。版権とかどうなってんだろ。

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商店街プラプラするのも楽しいんだよねえ。空いた時間に...いや、ちゃんと仕事しに行ってるわけですが。本当に食い歩き、飲み歩きが安く、楽しい国だよね。行きたいですよまた早く。

最後は取り止めがなくなりましたが...今日はこんなところで。

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