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#4 良い涙が出ます。 映画「人生フルーツ」

「毎日そこそこ仕事で忙しいけど、自分の時間がないかと言ったらそうでもない。
早く仕事を終えた日には気になっていた映画を無意識に目が閉ざされるまで観て翌朝思い出す作業。

彼は土曜日、将来役に立つと思って始めた中国語のレッスンを受ける。
夕方にはうるさくもなく静かでもない絶妙な街でハイボールを飲み始める。
酔いが回ってくると、先週と同じ話題になり議論する。時折先週と同じボケをする者がいて、先週と同じツッコミする者がいる。めちゃくちゃ笑っている。初めてのくだりではないのに。少なく見積もって100回は繰り返しているんだろう。でもめちゃクチャ笑っている。

日曜日(PM13:00)、昨日は何を得たのかと考える。真面目な話もしたはずだ。二日酔いだが記憶を無くす程アルコールを摂取したわけでもない。だが何も収穫を感じない。昨夜は何かきっかけを掴んだ瞬間があったとは思う。
なのに何も得ていないような感覚に陥る。一瞬気持ちよかったがプラマイゼロなんかと。

彼は次の週も"プラマイゼロ"を繰り返しました。」

彼の日曜日の苦悩は、本人が気づかないだけであって、実は1mmずつでも成長をしている事を信じます。

そして今回の記事ですが、初めて邦画を取り扱います。
この「人生フルーツ」という映画ですが、僕は邦画では一番好きかもしれません。少なくとも初めて観た日はそう思っていました。

【作品内容】
名古屋近郊の高蔵寺ニュータウンの一隅で、雑木林に囲まれ自給自足に近い生活を営む建築家の津端修一氏と妻の英子さんの日常を追ったドキュメンタリー。阿佐ヶ谷住宅をはじめさまざまな団地などの都市計画に携わってきた津端氏が自ら手掛けたニュータウンに居を構え、時を重ねてきた二人の暮らしを通し、日本が失った本当の豊かさを探る。ナレーションを女優の樹木希林が務める。

シネマトゥデイより引用

【あらすじ】
愛知県にある高蔵寺ニュータウンで、雑木林に囲まれ野菜や果物を育て、ほぼ自給自足の生活を営む津端修一氏と妻の英子さん。以前は日本住宅公団に勤務していた津端氏は、同ニュータウンの設計を任され自然との共生を目指すが、高度経済成長期の影響により完成したのは大規模で画一的な街だった。その後夫妻はこの地に住み、雑木林を育て始める。

シネマトゥデイより引用

このご夫婦は生活する作業ひとつひとつに向き合っていました。衣・食・住に対して今の自分は全く向き合えていないし大切にできていないです。この作品を観た後の今でもです。多分圧倒的な人生経験と賢さと優しさを兼ね備えているお二人だからなのかと思います。
その丁寧な生き姿に心底憧れました。人が目指すべき姿。

冒頭に書いた"彼"にとっても21世紀を生きる日本人全てにとって、人生の最終章をどう過ごすかを観るという行為は、初めて経験する新しいテーマに違いない。

津端夫妻はこのテーマに30年かけて答えてきた。

誰にとっても身近で遠い「衣・食・住」。この三つこそ30年もかけるに値する。

ナレーターは樹木希林さんです。
三大要素の塊のイメージですよね。笑
まさに「人生フルーツ」にぴったりでした。

視聴方法ですが、
Netflixにもアップされていますし、
ミニシアターなどで何度もリターン上映されてるようなので劇場でみれるのもいいです。

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