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スマブラ勢にもわかる!カービィがキーブレードを使えない理由


  大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALに『KINGDOM HEARTS』シリーズからソラが参戦することが決まった。参戦希望1番人気だったらしいし、キングダムハーツは任天堂ハードとも縁深い。

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  チェインオブメモリーズ(CoM)に358/2 Days、Re:コーデットとドリームドロップディスタンス(3D)の初出は任天堂ハードである。全て外伝作品ではあるが、キングダムハーツにおける“外伝”というのは、ラノベにおける“ごく普通の少年”と同じくらいの詐称ということはファンなら当たり前のこと(※1)なので、これらはほぼ本編に相当する。

  シリーズをリアルタイムで追ってる人であれば、おそらくGBAから3DSまでの任天堂携帯ハードは全てコンプリートしているため、任天堂の売上にも割と貢献しているであろう。

※1 挙げた中でCoMと3Dはやっとかないとナンバリングの話についていけなくなるくらいには本編だし、358/2もやらないとⅢの話の3割くらいが分からなくなる。やらなくても概ね問題ないのはRe:コーデットくらいだが、作中の出来事がⅢにおけるソラの行動原理に結びついてくるため、やらないとモヤモヤする。つまり全部やれ。


  さて、キングダムハーツ本体の話題はここまでにして、スマブラのソラの話に戻ろう。
  スマブラに参戦するということは、すなわちカービィにコピーされるということだ。実際新キャラが参戦すると、「カービィはどうなるんだ!?」と国内外で話題になる。
そんなカービィ、今回はこうなった。

  作中でも結構弄られるソラのツンツン髪を見事にコピー。しかし、注目すべきは手に持っているものの方だ。キーブレードがコピー出来ていない。キャプションによれば、キーブレードはキーブレード使いだけが使えるため、コピーは出来なかったようだ。

  本来キーブレードとは心に宿るが心と同一ではなく、別個の存在である。つまり、キーブレード使いの資質を持っていてもキーブレードを所有していなければ使えない。そして、キーブレードに認められることでキーブレード使いになれる。なので、カービィが能力をコピー出来てもキーブレードを所有していないので使えない、というのは理にかなっている。

  しかし、キーブレードというのは実は神秘的ななんか凄いものというわけではない。何故なら、キーブレードは人工物なのだ。

  キーブレードというのは、キングダムハーツ(※2)へ繋がる鍵穴を開くために必要とされる「χ(キー)ブレード」を模して作られたものである。別に心から自然に生まれるとかそういうスピリチュアル的な存在ではない(※3)。あくまで人間の介在があって生み出される(あの世界における)科学技術の結晶である。

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  わかりやすく言えば、概念的にはカービィがコピーできる魔弓フェイルノートとあんまり大差ない。そう考えると、神の創造物であると考えられるパルテナの神弓すらコピー出来るカービィなら、コピー不可能というわけでは無さそうな気がする。

※2 正確には“真のキングダムハーツ”。これの他に間に合わせ的に作られた“キングダムハーツ“(初代)と“人の心のキングダムハーツ”がある。
※3 心をベースにして作るものではある。


  ついでに言ってしまえば、「キーブレードをコピーしてしまう存在」は原作に既にいる。

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  その名はシオン。何の因果か任天堂ハード作品(358/2 Days)初出のキャラだ。


  彼女はレプリカと呼ばれる「特定の存在をコピーして作られる存在」で、そのコピー元は主人公のソラである(※4)。正確にはソラのノーバディ(※5)というコピーのようなものであるロクサスのコピーになるので、コピーのコピーである。画質ガビガビになってそう。

※4 性別と容姿は流れ込んできたソラの記憶の中のカイリ(ヒロイン)に影響されて変化してしまっている。しかし、力の同化が進むとソラと同じ容姿になる。
※5 強い心を持った者の心が肉体を離れた際に生まれる“抜け殻”。



  彼女の場合、諸々の描写(※6)から使用しているキーブレードに関しては、自身の能力によってコピーしたものであると考えられている。なんならⅢに出てきた時の武器の名前が「レプリカキングダムチェーン」(※7)だし。

  つまり、キーブレードそのもののコピーについては、原作においても「困難だが絶対不可能というわけではない」という描かれ方をしている。

※6 一部シーンにおいてソラのキーブレード所有数と矛盾が発生してしまうため。
※7キングダムチェーンはソラが使うよく見るキーブレードのアレ。キーブレード本来の姿と言われている。キーチェーンはミッキーマーク。


  というわけで今回は、「カービィはキーブレードをコピーできない訳では無い」と考察する。では、カービィがキーブレードを使えない理由はなんだろう?

 もうひとつの可能性としては“キーブレード使いの資質”の方がコピー出来なかった可能性である。

  これは前述のロクサス、シオン双方とも当初は獲得することが出来ず、ソラが昏睡状態なのをいい事に(※8)ソラの力を間借りすることでキーブレードが使えていた。

  1人で2人分を賄えるソラは凄いが、これはソラが「心のマンション」と揶揄されるくらい好き勝手に自分に他人の心を宿しているため(※9)で、当時も自分とヴェントゥス(※10)の2人分の心があったおかげで出来たとも言える。その後紆余曲折を経て2人とも自力で使えるようにはなったが、これもコピーによって得たものではない。

  逆に資質さえあればキーブレードを保有していなくても他人のものを使えるうえ、キャラによっては自力で生成してそうなヤツもいる(※11)ので、キーブレードは使えるはずなのだ。

※8 両者とも無意識だし、ロクサスに関しては実質=ソラみたいな関係なので悪意はない。
※9 Ⅲ開始時点で自分以外に3人分(ヴェントゥス、ロクサス、シオン)の心を持っている。
※10 ソラが子供の頃にソラが心を分け与えたキーブレード使い。何故か本編時系列の遥か昔に同一人物が存在する。
※11 Ⅲのロクサスとか。


  であれば、やはり資質の方がコピー出来なかった可能性は濃厚である。

  しかし、資質もキーブレードも、どちらか片方が無ければ無意味なので、そう考えると“どちらもコピーしていない”と思われる。

  じゃあ一体なにをコピーしたんだって気もするが、多分魔法の力や身体能力などだろう。そちらはキーブレードと特に因果関係を持たないと明言されている。

  ともあれ、カービィには今後成長し、是非キーブレードを使えるようになって欲しい。原則としてキーブレード使いに必要なのは何かを想う「強い心」であり、プププランドの平和を想うカービィには十分にその素質があるからである。

結論:カービィがキーブレードを使えないのはキーブレード使いの資質をコピーが出来なかったから


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