秋の実りで〝森のお店やさん〟こどもたちのささやかな世界🍁前編
秋の森ではお店屋さんごっこが盛んです。
あちこちの森から集めた秋の実りで制作をしたりお店構えを作ったり、コツコツともくもくと取り組むみんな。どんな風にお店をするかを話し合ったりしながら数日かけてようやくお店が開店しました。
こどもたちが毎日たくさん遊んで毎日たくさん考えて森の中で積み重ねてきたものが、表現される時です。
今年も準備中から営業中まで面白いことがたくさん!こどもたちの関係も深まる秋、こどもたち同士のやり取りも本当に面白いです😆
ささやかでかわいい〝こどもたちの世界〟を少しだけのぞいてみてください。
お店屋さん始動🍁材料あつめ
10月に始めたお店屋さんが一度落ち着いていましたが、またやろう!という声が。
毎日いろんな活動場所に行き散歩をし遊びながらも、「これお店やさんの材料にしよっと」と材料集めを始めた数名。
歩きながら「ぼくは焚き火をしてぽかぽか屋さんをしようかな〜♪」などと話しているのが聞こえてきます。葉っぱ屋さん、かざり屋さん、お菓子屋さん、箸屋さんなどそれぞれイメージを膨らませながら、緑のツル、オレンジのきのこ、赤い実、ススキ、葉っぱなど集めていました。
粘土でお店屋さんをするつもりの2人は山登りして焼き物をする土を木の棒でせっせと削り出し、山盛りの重たいバケツを運んでいました。
開店準備🍁店構え
それぞれが場所を決めて、丸太や木の板などを運び、みんなこだわりのお店を作り始めました。入り口のドアや通路を作ったり、落ち葉を掃除してお店のエリアを分かりやすくしたりとそれぞれ工夫をしていました。複数人で1つのお店をしている人たちも。
場所によって売れ行きも変わりそうです。
粘土(焼き物)屋さんの2人
EちゃんとRちゃんは、前回のお店が狭かったようで、今回は大きくて長い板を運んでリフォーム。そこに粘土で造形したものをたくさん並べていました。粘土に水を入れ過ぎて柔らかくなってしまったようでしたが、取ってきた葉っぱをお皿にして、乾かすそうです。数字の形もありました。乾いたあと焚き火で焼くので、数日はかかりそうです。
枝をナイフで削った箸屋さん
10月には緑のツルを小さく編んだ指輪屋さんをしていたBくん。指輪の時もかなりの数を作り並べていましたが、今回はナイフでせっせと木を削り、数日かけてたくさんの箸を用意していました。
今より小さかった彼がナイフに苦戦していた姿、初めて一人で箸を削り切った日の姿、細く削りすぎて折れた箸…これまでのことを懐かしく思い出します。並んでいた箸にはいろんな工夫も見られました。
H君の観察眼
H君は「きれいな葉っぱ屋さん」をするそう。どっさり積もった落ち葉から時間をかけて1枚1枚拾い集めていました。綺麗に重ねて手に持っていました。
いつも植物を細かく観察して分析しているH君に、私が作るバラを作るための落ち葉を注文。「バラを作るのに葉っぱを7枚買いたいです、なるべく分厚くて、なるべくカサカサじゃなくて、落ちたばっかりのやわらかいやつがいいな」と詳細を伝えてみると、さっそく手の中の葉っぱを丁寧に触り観察して、7枚の葉っぱを選りすぐってくれました。
ちなみにH君は店舗は構えず移動販売のよう。
Yくんのお店やさんごっこ
今年の春入ったばかりの年少のYくんも「お店屋さん」をしたくて葉っぱをたくさん集めていました。Yくんは丸太のテーブルにドサっと置き、そこでお店をすることに決めたようです。
そしてちゃんと帰る時に葉っぱを全部リュックにしまっていました。毎日ちがう場所に遊びに行くまるたんぼうですからね、明日続きをやるためにと考えて葉っぱを持ち帰る先の見通し、お店やさんをするイメージに向かっているんだなぁと思います。
小さい数名はお店の準備はせず他の遊びをしていますが、もちろんそれでOK。ちらちら見に来たり「お客さんやるから」と言ってお店屋さんがオープンするのを待っていました☺️
開店準備🍁2日目
お店屋さんのつづきをしよう!とお昼ごはんもも食べずに各々が商品作りなどの作業に夢中でした。大人も夢中でした。
お金の用意
毎年、松ぼっくりや四角く切った柿の葉っぱなどをお金として用意していますが、今年は年長さんを中心に「おもちの葉っぱ」と呼んでいる葉っぱでお金を作ることが決まりました。
1人が4枚ずつということに決まりましたがなかなか全員分集まらず、背伸びをして、トゲが刺さりながらもなんとかお金の葉っぱを集めたみんなでした。
お絵描きもできる葉っぱです。木の枝で傷をつけて変色させた文字で印をつけて、今年のお金が造幣されました💴
年中のNちゃんとSちゃんのお店
二人で一つのお店を準備しているとばかり思っていましたがよく見てみると、それぞれの品物がきっちり分けられておりました。売り上げ金の分配で揉めることもなさそうです。笑
Nちゃんのキャラメルチョコレートが美味しそう。素材そのままな感じのお店でした。
Yくんのお店がいつのまにか2人のお店に
前日1人でお店の場所を用意したYくんに、2歳児のMeちゃんがじわじわと近づいてきます。「これも売った方がいい」と品物を差し入れたり、「カーテンも作らないと」と(私のお店に落ち葉を繋げたカーテンがかかっているのを見て)言ったり😆
Yくんは一緒にやれることがとても嬉しそうでした。
早くお客さんに来てほしいからもう座って待っていますね。先輩方はまだまだ準備中です。
お店屋さんオープン🍁1日目
いよいよ準備ができてきたようで、いくつかのお店やさんを開店することになりました。
開店前にみんなは丸くなって少しお話をしていました。B君が、風邪でしばらくお休みしていたIちゃんに、「Iちゃんがいない間にお店やさんの準備をしていたこと」などを話していました。
朝、「年少さんがお金こと分かってない」とぶつぶつ言っていたM君から、お金の使い方などの説明がなされたりもしました。
葉っぱを数えて4枚1組にして、お金が全員に行き渡りました。
それから、どんなお店をやるのか、品物の代金はいくらかなどを話したい人がPRしていました。
Mくん「フルーツ屋さんをします。スイカはお金2枚です。高級なスイカです。」
Bくん「箸屋さんをします。大きな箸は2枚で、小さいやつは1枚でいいです。」などなど。
Rちゃんの粘土屋さん
Rちゃんは、2歳児さん1人と、入園したばかりの1人のお世話をしながら、お店の品物「粘土のあれこれ」作りを続けています。
前に作ったものはすっかり乾燥してきていますが、まだ焼く工程があります。
「焼き物にする」とEちゃん(お休み)と話していた通り、Rちゃんは薪集めから火おこしを一人でして粘土を焼き始めましたが、もうそろそろ帰る時間…明日また焼くー!と言って帰りました。
2歳Fちゃんのお手伝い
仲良しRちゃんに粘土を分けてもらい、品物作りをしたFちゃん。そのあとRちゃんが火を起こして、フーフーと忙しくしていると、「粘土全部焼く?持ってくる?」と尋ねるFちゃん。
Rちゃんが、ありがとう全部焼くから運んでくれる?と。
Fちゃんは、せっせと一つずつ粘土を焚き火の場所まで運んでいました。とても大切そうに慎重に運んでおられました。火おこしに忙しいRちゃん、よく働くスタッフが見つかってよかったですね。
Bくんの箸屋さん
壊れていたお店を作り直し、品物を並べる。17本あった箸が11本になっていたそうで、箸を作り足す。私の「もう少しここを細くしてほしいのですが」というオーダーにも応えてくれて、どれくらい細くしますか?これくらい?と他の箸を見せてくれながら、希望の細さをヒアリングしてくれました。もうお金は払ったので、納品が楽しみです。
M君のフルーツ屋さん
M君もまずは壊れていたお店を再建。落ち葉を掃除して敷地は木材で仕切られています。
フルーツ屋さんで、真っ赤な落ち葉を「イチゴ」として売り出しました。ブロックを使ったレイアウトや、セールストークが見事で、「イチゴ」という素敵な言葉に誘われて、大繁盛!拾っただけの葉っぱで大儲けをしたM君でした。高級なスイカもすぐに売れていました。
お金とN君(年少こがねさん)
Y君の置いていたお金をN君が取りまして、「Yくんの!」と言われても「僕のだよ」とN君は言います。
N君はおそらく取ったわけではなくて、自分のお金をどこにやったか忘れていたようです。
実は、みんなから離れたところに置いてあるN君の脱いだ上着の下にお金はあったのです。
「じゃあ、僕のはどこいったんだ〜😆」と機嫌のいいY君でしたが、他の年少さん達が心配してお金を探すのを手伝い始めました。
N君はふと思い出したのか?自分の上着のところにYくんを連れて行き、上着からお金を4枚出して、Y君にあげて(?)、貰ったY君はありがとうと言っていました。なぜかお金が交換されましたね。不思議な人たちです。笑
そのあと、先輩M君のフルーツ屋さんの金庫に置いてあったM君のお金を2枚取って逃げたN君。笑 目撃されていて即バレていました。笑
年少3人と2歳さん1人の葉っぱ屋さん
Yちゃんのお店になんとか参入したい2歳のMeさんが、ここ数日Yくんにあれこれ言って色々なパターンで遠回しな交渉?をしていました。笑
Yくんが一緒にやってくれるのかよく分からなかった?確信が持てなかったのか、今日は朝から、「Meもやるからね!」とY君に強めに宣言!さらに「N君もH君もだからね!」と勝手に他のメンバーも入れていました。笑
H君は移動販売の葉っぱ屋さんをしていたんだけど😁
2歳のMeさんの指示で3人で葉っぱを集めて、Meさんが「ここを掃除してよ👈」と言ったけど誰もやらないので結局Meさんが落ち葉を片付けてお店を拡張したり。
Meさんは年下ですが、いつも年少男子3人組をまとめあげています☺️
H君が、もう置けない、狭いから、と言って、テーブルを運んでくることになりました。
みんなでせっせと丸太を運びます。大変そうでしたが、H君は「重たくてできんかったけど、Meちゃんが運んでくれた」と言っていました😆
Meちゃんは力持ちでもあります。頼もしい。
お店がオープン、先輩方の真似をして、いらっしゃいませ〜♪と言うのが楽しそう☺️
でもなかなかお客さんは来てくれません。お金1枚で2枚の落ち葉が買えるそうですが、足元にどっさり落ち葉が積もっていますし、みんな大切なお金で何を買うかすごく悩みますから、なかなか落ち葉を買ってくれる人はいないのでした。
隣の先輩M君のフルーツ屋さんでは、同じ落ち葉が飛ぶように売れています。
とはいえ、オーダーされた30枚の葉っぱを何度も数えたり、笑顔の呼び込みだったり、お店やさんごっこが楽しくて仕方ない様子のみなさんでした☺️
絶好調のS君
10月に入園したばかりですが、みんなの真似をしてなんでもやってみる!なんでも楽しめる!S君です。
Rちゃんのお店の粘土を分けてもらって遊ばせてもらってましたが、みんなのお店が続々オープンしたのを見て、自分もお店を開店。
枯れた茶色の落ち葉を「ペロペロキャンディ」に見立てて売り出し始めました。確かに軸がついていてキャンディみたい。
そしてその呼び込みのすごいこと。大きな声で、あれこれアピールを繰り出してきます😆
「今ならお金はいらないですよー!」とか
「ほしい人は手を挙げてください、手を挙げたらあげますよー!」とか
「ペロペロキャンディでーす!」と言いながら、ついに1つ品物を持って営業に出かけて売り歩いていました。
高額商品の剣
いちごで大儲けしたM君がお金を12枚払って、大人のお店から剣をゲットしました👏お見事。
Iちゃんのケーキ屋さん
しばらくお休みしていたIちゃんは、みんなからお店屋さんやることを聞くとすぐに行動!
粘土を近くから採取してきて、手際良く小さくて可愛いケーキをお店に並べていました。
おっとりマイワールドの彼女が急いでいるのを珍しく見ました☺️
店構えをする時間はなかったので分かりづらく、みんなのお店から遠かったのですが、可愛いものに目ざといお客さんが次々に。
Iちゃんはケーキのトッピングなどをいろいろと説明してくれます。思わず買いたくなるような説明でした👏
私がカラフルなケーキをオーダーすると、しばらくして「できました!」と呼びにきてくれました。
チョコレートが1つ、ぶどうが2つ、マスカットが1つ、いちごが1つ乗ったカラフルでスペシャルなケーキでした。説明にわくわく、ご機嫌で買いました♪
私が今日買ったもの
Nちゃんのお店のキャラメルチョコレート3つ
Bちゃんのお店の一番大きな箸(お直し中)
Iちゃんのお店のオーダーケーキ
Sちゃんのお店のペン
お店屋さんオープン2日目、後半に続く!
文:スタッフまりまり