アニメルパン三世 1stシーズン感想まとめ

第一話「ルパンは燃えているか・・・・?!」

 巨費をかけて用意された大レースは、ルパン三世を葬る儀式だった。レースを愛するルパンは罠と知りながら、栄冠と勝利を手にするべく乗り込む!

 十数年ぶりに観るルパンのファーストシーズン。いかす台詞回しと山田康夫の演技だけで延々観ていられる。強いダンディズムが心地よい。

 ダンディズムといえば、銭形のとっつぁんも妙にキザなセリフが多い。そして意外に似合う。「奴が盗んだのはスピードだけだったのか……」とか。カリオストロのラストといい、けっこうキメる。

 そう、このダンディズムがぼくのイメージするルパン三世だ。ダーティーだとなんか違う(原作はその路線なんだけど)。こればっかりはカリオストロから入った以上仕方がない。

 ルパンVS複製人間でも書いたが、女の弱さと強さを兼ね備えているのが初期の不二子、という感じがする。ぼくのなかでカリオストロのストロングなイメージが先行しすぎている感はある。

 細かいことだが、我々がよく知る「ルパン三世のテーマ」(♪真っ赤な薔薇は……)が登場するのはたしかセカンドシーズンから。ファーストシーズンのOPはひたすらルパンを連呼するスキャット・ジャズ(っていうのか?音楽はどうもくわしくない)なのだ。BGMも同じ作風。

第二話「魔術師と呼ばれた男」

 ルパンの隠れ家に傷だらけでまろびこんできた不二子。彼女を攫いにやってきたのは銃弾を跳ね返し、指先から炎を発する怪人「パイカル」だった! 彼は不二子の恋人であり、不二子に宝を盗まれた追跡者でもあったのだ。バズーカにさえビクともしないその秘密とは。

 二人の男を愛し、そして手玉に取る不二子の魔性が強調される回。しかしルパンも翻弄されるばかりではない。最終局面、ルパンは不二子の御機嫌取りよりもパイカルとの決着を優先する。ルパンは不二子を愛しているが、それ以上に譲れないものがあるのだ。ダンディ。

第三話「さらば愛しき魔女」

 驚異の爆薬「第三の太陽」をめぐる物語。人体実験とは何か?魔女とは何者か?一切語られないのが幻想的な雰囲気を生んでいる。わけわかんない脚本とも言えるが。

第四話「脱獄のチャンスは一度」

 ルパン逮捕さる! やきもきする仲間(と銭形)を尻目に、ルパンは一向に脱獄するそぶりを見せない。刻一刻と近づく死刑の日取り。はたしてルパンは無事に逃げおおせてくれるのか? 銭形も待っているぞ!

 銭形とルパンのライバル意識と奇妙な情、不二子の本音、次元の信頼……といった、主要キャラクターの様々な感情が楽しめる回。コンスタントに投入される不二子ちゃんと次元の刑務所侵入阻止コントが愉快。

第五話「十三代五ェ門登場」

 最初は敵だった五ェ門ついに登場。師匠・百地三太夫の指図でルパンを狙う五ェ門だったが、その裏には百地のさらなる企みがあり…… 二人のライバル関係は七話への前振りとなる。

 百地三太夫の語る舌先三寸の「殺し方ならぬ生き方」、意外といいことを言う。
 「峰不二子ちゃん」「某のがあるふれんど」等々迷言をぶちかます五ェ門、「石川五ェ門は釜茹でになったから火に弱い」などという無茶な理論を披露するルパンが笑いどころ。
 ところで誰だよ、この不二子似の声のDJ。

第六話「雨の午後はヤバイゼ」

 記憶喪失になった男の正体をめぐるサスペンス。二転三転するテンポのよい展開、あざやか(かつ多少無理のある)トリックといったファーストシーズンの魅力が詰まった回。ややスタンダードすぎる気もするが。

第七話「狼は狼を呼ぶ」

 十三代目石川五ェ門再登場。斬鉄剣の秘密が語られる。

 ジトウ流斬鉄剣の正体はルパン二世から盗んだ製法によるものだったらしいが、こないだまで五ェ門が使ってた古今の名刀をまとめて打ち直したやつは斬鉄剣ではなかったのか?

 落とし穴仕掛けたり車を真っ二つにしたりと、いたずら仲間のようなやり取りの末に大笑いするルパンと五ェ門。ぼくとしてはこういう、キャラクターに焦点が置かれた回が心地よい。

第八話「全員集合トランプ作戦」

 前回入った五ェ門を加え、レギュラー陣がついに集合。ナポレオンに幸運をもたらしたというトランプを狙う。不二子が見たというトランプの精とその予言は、はたして夢か幻か……

 トリックのひとつひとつは古典的なんだが、密度が高く一個で終わらないので気にならない。これは1stシーズン全体に言える傾向、という気がする。しかし後半に行くほどコメディ色が強まってくるなあ。そろそろ殺しやアダルティーな要素はかげを潜めてくる。

 ところで、五ェ門は大塚周夫さんだったのね。

第九話「殺し屋はブルースを歌う」

 かつての恋人不二子を求めて、遠く日本まで(?)やってきた殺し屋の話。惚れた女のために死ぬ男と、乗り換えた男のために殺す女。ルパンらしいダンディズムが非常に強く出た回。

 ところでキャップよ、プーンの「兄貴」じゃなかったのか。途中から呼び捨てなのは、女にうつつを抜かす兄貴分に幻滅でもしたかい。

第十話「ニセ札つくりを狙え!」

 素人だましの偽札に腹を立て、本物並みの一級品を見せてやろうと意気込むルパンは達人を求めて雪の国へ。子供だましの偽札を嫌う、ルパンの美学が牽引する回。
 偽札づくりの達人イワノフの作品を手に取って「本物以上かもしれん」と驚嘆するところは美学の極みといえよう。
 泣かせる展開からギャグまでそろった完成度の高い回。

 偽札づくりを生業にする貴族、最後には崩壊する時計塔といったモチーフが「カリオストロの城」と共通する。落とし穴まわりのコメディチックな展開も。

 しかし、なんでルパンは米ドル札に日本語で署名するんだか…… レギュラーも日本人ばかりだし。本当にフランス怪盗の孫なのか? 今回なんか潜入の手段が手甲鈎に投げ縄だ、服部半蔵の子孫の間違いじゃないの?

第十一話「7番目の橋が落ちるとき」

 ルパンを騙る橋梁爆破犯を追うルパンはその罠に落ち、現金強奪計画の手伝いを余儀なくされてしまう。何も知らない少女が無惨に殺されるのをルパンは見ていられなかった。しかし、見事計画を達成しても警察に売られて終わるのがオチ。難題山積みのピンチを「粋に」突破できるか?

 知らない娘の命をタテに取られて引き受けちゃうんだから甘い。これが男だったら無視するんだろうけどね……
 計画犯はよくぞその心理を見抜いたもんだ。でもやり口が汚い。「粋にやろうぜ、粋によ」。少女を救い悪党を倒す「カッコいい」ルパンが楽しめる回。前回と足すとおおよそカリオストロになる。
 ところで、現金輸送車一台にこんだけかけて採算は合うのか? トランクふたつっきりだぞ。この計画犯、人死にそのものを喜んでるケがあるし、やっぱり気が違ってるんだろうか……

第十二話「誰が最後に笑ったか」

 黄金の姉妹像をめぐる四つどもえの攻防。財宝ではなくカネがテーマの、怪盗というよりドロボウな話。そういえばルパンの自称はドロボウだった。

 作画に気合入ってるなあ! 残像を残してターンするスノーモービルとか、バッグと銃で八面六臂に活躍する不二子ちゃんとか。壊れる建物といい、キャタピラといい、コマ数多くないか?

 ルパンが爆弾で死ななかったのはギリギリ気付いてかわしたとかなのかね……? 相手は殺す気でかかってるのにひっかかったルパンが死なない……という展開が散見されるが、ちょっと違和感があるなあ。「カッコいい」ルパンが見られると思って来てる人間としては。

 ところでエンディング、レギュラーが揃ったあたりからメイン五人のキャストクレジットは流用してるなあ。五ェ門が出てないのに容赦なくキャスティングされら。

第十三話「タイムマシンに気をつけろ!」

 四次元を征服した男、魔毛狂介(字合ってるか?)登場。時を渡るなか自分の子孫がルパンの末裔に滅ぼされることを知った彼は、先祖を殺すことによるルパン一族の抹殺をもくろむ。「お前は四日後にこの世から消えるのだ……」魔毛の声とともに、ルパンの周りの世界は不安定に歪みだした……

 前回に引き続き、一部シーンの演出が妙に気合入ってる。

 2874/3/31、魔毛一族の裔、ルパン十三世によって滅ぼさる。気の長い話だ。あれ?なんで900年も先なのに十代しか進んでないんだ?

 「ルパンの野郎勝手に約束を破りやがって」って、銭形あんたデートをすっぽかされた乙女か。「俺とルパンは宿命のライバルだ!そいつを忘れてルパンのやつ俺をコケにしやがった、許せん絶対に許せーん!!」はい、ルパンが好きなのはよくわかりました。

 こいつおそらくルパン家十三代の全員に脅しかけてんな……ヒマな野郎だ。

 「バカ野郎大時代なことを言うな!相手は四次元だぞ、29世紀だぞ、せいぜい江戸時代のおめえに何ができるってんだ」五右衛門に恨みでもあんのか次元。

 なんでアルセーヌルパンの祖父が川向こうの治郎吉なんだ、水飲み百姓なんだ!魔毛も信じるな! 前々から思ってたが、ルパンが日本人面なのは確認できたな。そしてコミカルなオチ。ルパン最大のピンチだったのに……

 その他こまかい感想。
 車のナンバーもP38なルパン。
 BGMでルパンルパン歌ってんのか銭形が叫んでんのかわかんねーや。
 今回「気違い」発言が多い……とても放映できんな。
 次回予告、今週の絵を使ってるあたりまだ映像が出来上がってなかった様子。この後もこの例多数。
 こんだけメモったってことは面白かったんだな……

第十四話「エメラルドの秘密」

 ハリウッド女優の持つ伝説のダイヤ、本物はいったいどこに? 視聴者も一緒にその行方を推理するミステリ仕立ての回。といっても難しいオチじゃないので、勘のいいひとはすぐに気付くと思うが……

 ルパンがあんまり活躍しない、コメディ色の強い話でもある。盗賊さえ余興として振り回し、とんでもない隠し場所を実現する女主人キャサリンのほうが怖えや。

 コック姿の五ェ門、なんだか面白い。本人にまるきり照れる様子がないのが特に。次元は意外と似合っている。
 不二子にむりやりダンスさせられる銭形警部、けっこう決まってるじゃないか。

 記名簿にモンキー・パンチやチャーリィ・コーセイらスタッフがいるのはお決まりだからいいとして、「銭形平次 七代目」ってのはなんだ。襲名制?
 ニップル伯爵って偽名もテキトーだよな…… LUPIN⇔NIPUL。

第十五話「ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう」

 ヨーロッパで開かれる世界警察会議とルパンの予告がブッキングした銭形警部。なんとしてもルパンを捕まえてヨーロッパへ行きたい。歴代最高の警備体制を整えた銭形をルパンは出し抜けるのか?

 今回は銭形警部をはっきりナメてるルパン。ちょっとさみしい。
 五ェ門、防弾ガラス斬れないのか…… 何でも斬れる刀って設定、扱い辛いんだろうなあ。ルパンVSクローンでもポッキリ折れてたし……

第十六話「宝石横取り作戦」

 大手宝石商がダイヤモンドを密輸している。不二子にたきつけられたルパンは無茶な作戦を敢行するが……

 前回あたりからドタバタコメディ度が大きく上がっている。「ルパーン来週こそは捕まえてやるぞ!」のセリフがそれをはっきり表している……ような気がしないでもない。

 今回からOPが変更。「ルパン三世、怪盗アルセーヌ・ルパンの孫。年齢不明、容姿端麗、知能指数300。職業、大泥棒」容姿端麗……?原作ならともかくアニメは表情で損してるな……

第十七話「罠にかかったルパン」

 時限爆弾を仕掛けられたルパン・次元・不二子。24時間以内に自分たちの身代金30億円を手に入れろ!

 今回はなかなかシチュエーションギャグがキレていた。逃走時の不可抗力で風呂をのぞくルパンと次元とか、発狂して偽の札ビラをかきあつめる黒幕や不二子とか……

第十八話「美人コンテストをマークせよ」

 美人コンテストの裏では絵画の密売が行われていた。タネを暴いて総取りだ、ルパン!

 殺しの世界のチャンピオンを名乗っていた五ェ門だが、今回は峰打ちだ。作風の変化がなんともわかりやすい。
 また「来週こそは」な銭形。ルパンは週替わり労働なのか?
 ずいぶんかわいらしい丸文字だな、ルパン……
 警視総監は仕事中にスケベ本読んでる。

第十九話「どっちが勝つか三代目!」

 初代ルパンと争ったガニマール警部の三代目が現れた。勝つのはどっちだ!?
 ……と言いたいところだが、正直コメディリリーフになった銭形警部より腕は下だよ。いいとこなしのガニマール警部であった。論理と科学って、すごいのは物量だけじゃないか!

 その点ルパンたちが仕掛けた物量作戦は洒落が効いている。偽ルパンが街中にあらわれるのみならず、マスクの下はそのまた銭形やガニマールのマスクなんだから…… 三人の仮装をきめた子供たちが肩を組んで通るところは気が狂いそうだった。お見事!

第二十話「ニセルパンを捕えろ!」

 ルビは「つかまえろ」です、あしからず。

 偽物登場、三世にそっくりなそのテクニックの秘訣は初代ルパンの書いた盗術書だった。こいつは奪い返さずばなるまい!
 しかしなぜか日本語。もしやアルセーヌ・ルパンは日本人だった……? いや、真面目に考えりゃあ日本人に向けて書いたとかなんだろうけど。

 どうでもいいけど、初代ルパンのスタイルを守ってやってるにしては三世もニセルパンも荒くないか、手口が…… 初代を読み返すべきかね。
 そしてラスト、せっかく盗み出した盗術書を落としていいのか?

第二十一話「ジャジャ馬娘を助けだせ!」

 先代ルパン二世の仲間の一人が、引退したもう一人の腕を狙って悪だくみ。娘を遊びに越させたフリして人質に囲いこんだ。涙ながらの頼みを受けて、ルパンは娘救出に動き出す。

 少女に優しい、ルパンのダンディズムが存分に発揮される回。カリオストロから入った人間としては、このダンディさがルパンという感じなのだ(たとえ原作からかけ離れていたとしても)。
 コミカルな演出と泣かせるストーリーのバランスが取れた、中期に入ったアニメルパンらしい話。

 ありゃ、次回予告がない。山田康夫の語りが毎週楽しみなのに。

第二十二話「先手必勝コンピューター作戦!」

 警視庁はついに機械予測を導入した。あらゆる予想をぴたりと当てる無敵のコンピューターにルパンは苦戦する。さて、コンピューターを出し抜くルパンの秘策とは?

 しかし、パンチカードで動いてるようなシロモノにそんな複雑な演算ができるものかね? 科学にやみくもな希望が向けられていた時代の空気がある。

 最初の犯行、銭形警部がコンピューターを信じなかったおかげで警備にほころびが生じ、ルパンは逃げ延びる。こういう展開になるとは意外だ。てっきり銭形の歴戦のカンがコンピューターを上回るものかと。どうも冴えないな、後半のとっつぁんは。

 コンピューター技師のゴードンは機械の奴隷化と思いきや、コンピューターの指示通り自分がルパンに捕まるとこまで実行するとは腹が据わってる。見直した。

 さて今回も予告なし。

第二十三話「黄金の大勝負!」

 「おうごんのだいしょうぶ!」です。おおしょうぶではない。
東京地下鉄の工事現場から見つかった時価数百億円相当の大判小判をめぐってレギュラー総出の大勝負。

 ラストシーン、ルパンが死んだと滂沱の涙を流し、生きていたことに喜ぶ銭形。ルパンと銭形の腐れ縁でファーストシーズンは幕を閉じる。
 ……でも、今回逮捕できなかったら辞職するんじゃなかったのか? この調子じゃ一生やめそうにないな。

 次元は浅間銃砲店、不二子ちゃんも表向きの店屋を持ってるらしい。
 銭形警部のティーカップ、かわいいね…… おはなとちょうちょ……
 そして辞表が「辞取願」になってるのは「辞職取扱願」の略かな?

 銭形考案「アジト壊滅作戦計画書」全文。
 PART1 ルパンが始まって約半年程の年月がすぎましたが、本日の?≪西赤、といった字に見える、一文字。回の異字?≫(23?)をもちまして、2クールで完結することになりました。私個人のことを申せば途中入院など、致したために≪全力投球?≫してやったりという気がしません(以下隠れている)
……誰のコメントだこれ。

 毎週脚本の書き手が違う週刊アニメというやつは、どうしても各話のトーンの違いというやつから逃げられんものだな。どれだけすり合わせても、その人その人で何かが変わってくる。

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ありがたくつかわせていただきます。具体的には大好きなアイスをかいます。ほか、もろもろ。

おれいを申し上げるねこです。
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