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フジロックと夫と

フジロックの三日間が終わった。

今回は、一日目だけ、娘と姪を連れて。
二日目三日目は、夫と二人。
フジロックはわたしは三回目で、
夫はもう数え切れない程参加しており、
死んだ後もフジロックへ行くと宣言する、生粋のフジロッカーである。

フィールドオブヘブンのシャボン玉を見ながら、
おれ、昔もこのシャボン玉見て綺麗だなと思ったんだ、、
家族と来てる今がなんだか感慨深くて、、
と涙していた。
フジロックに来ると泣き上戸になる夫の、一回目の涙だった。

二回目は、ホワイトでくるりを見ている時。
一曲目、初っ端からの[奇跡]。
二人で顔を見合わせた。
くるりは2021年のグリーンでも夫と二人で見ていて、、
お互いの大好きな曲で、横で号泣する夫を横目に、わたしも静かに涙した思い出がある。
今回は前の方まで行って、5列目くらいだろうか、わたしの後ろに夫が立つ形で聞いた。
背中に夫のお腹が当たっており、夫の呼吸が伝わる。
不規則な動きを背中で感じ、号泣しているのがわかった。
わたしは今年も、静かに泣いた。


その後も何かにつけ涙していたように思うが、
最終日のヘッドライナー、ノエルギャラガーではここ数年で一番泣いていた。
oasisが大好きな夫。わたしも夫に影響され、oasisを聞くようになった。
前から二列目、
肉眼でもしっかり、ノエルをとらえることができた。
終わった直後も嗚咽するほどに大号泣の夫は、
首にかけたタオルで顔を何度も拭って、
照れくさそうに、へへへと笑っていた。

わたしは小さい頃からMTVやスペースシャワーTVを見て育ち、音楽が大好きだった。
でも、人にどんな音楽が好きか聞かれると、
なんだか恥ずかしくて、
わかりやすいアーティストを答えたりしていた。
この曲を言ったらどう思われるんだろうとか、自意識が過剰な考えだったし、そしてまた同時に自信もなかった。

一度は音楽で生きていくことを夢見た夫。
何故だか夫には、素直に自分の好きな音楽を話せた。
この曲のこのギターソロの部分が好きなんだけど、、
というと、
お目が高い!いい耳をお持ちですね。
とか、
このギターの音、なんかすごく好きだな
というと、
さすが俺の嫁、わかってるね。
と言って、自信を与えてくれる。
そのおかげでわたしは音楽を語る楽しみを知ったし、
さらに音楽が楽しくなった。

夫にものすごくむかついた時、大嫌いかも、と思った時、
冷静にさせてくれるのは、
2021年のくるりの奇跡を隣で聞いていた、あの瞬間を思い出す事だったりして。
今回もまた、二人だったり家族だったりを繋ぎ止める思い出と、
フジロックやたくさんの綺麗な音楽に出会わせてくれた感謝の気持ちが増えました。

いつかどちらかが先に死んじゃって、
その後またどちらかが死んだ時
待ち合わせ場所は絶対、苗場のあの場所だなと思う。
そういうよくわけのわからない事を考えるくらいに、
とても素晴らしい三日間を過ごすことができました。

また何度でも行こう、フジロック。


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