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PR TIMES(東証プライム/3922) 個人投資家説明会 2022/4/14

 東証プライム上場のPR TIMES(3922)の本決算の開示翌日に、個人投資家向け説明会が開催されました。当記事では決算精査記事と切り出し、この説明会の様子をご紹介したいと思います。
 なお、ここに記載する内容は、全て私の主観的な心証に基づき記載をしています。従って記載内容に悪意なく事実誤認等が含まれる可能性があります。また、自分自身の頭の整理のため脚色した記載であったり、様々な事情を考慮して一部記載に曖昧さを残している部分もあります。そして同記事は決算精査等の記事同様、同社の株式の売買を推奨するものではありません。その点ご了承願います。

1.はじめに

 まず、個人投資家向け説明会の開催は、2022/4/13に開示された22/2期の本決算の内容を受けたものです。決算開示日にアナリスト向け説明会が開催されています。そして、その翌日である2022/4/14に当説明会が開催されることとなりました。
 肝心の決算の内容はごく簡単ではありますが、私なりの見解をメモした記事を先にUPしておりますので、ここに再掲しておきます。

 今回の本決算を受けて株価はストップ安をつけ、その日の夜にこの説明会が開催されるという事で場が荒れないか、一抹の不安を感じながら会場に向かいました(笑)。幸いにして、株価がえらいことになってどうしてくれるんじゃーというような非建設的な意見は出ず、至って健全な会となり通り越し苦労でありました。
 ストップ安となったのは、23/2期の業績予想が減益予想だったからだと思われます。当たり前のように8期連続増収増益を続けてきた同社。当たり前のように高い成長持続が期待されていた中での減益予想という事でショックも大きかったようです。そして当然のことながら、何より経営陣、とりわけ社長の山口さんが一番覚悟をもってマーケットにこういった開示をなされたわけで、その「説明責任」を果たしたいという事でこのような企画となったように感じました。
 個人投資家向けのIR活動はコロナ禍の下、アナリスト向け説明会の後の夜にオンライン形態で実施されていましたが、それも最近ではなくなってしまいました。ただ、これはIR活動に消極的になったということではなく、山口さん自身の熱量と稼働を四半期毎に広く一般投資家に向けてリソース投入し続ける活動をなされる事に迷いがあったのではないかと私は捉えていました(実際の所はわかりませんが)。個人株主に向けて中長期で応援してもらうための活動と、広く一般投資家に向けた活動というのは、本来は直列的に繋がるものだと思うのですが、そうではなく、まずは、今ある個人株主に向けての活動を模索していきたいというマインドがあったのではないかなと思っていたのです。そんな中で、今回の減益決算という中での説明の必要性、そして中長期に向けて株主に向けて改めてミッションというものの共有や社員の活動をみてもらい、コミュニケーションを図ろうとして下さったのかなと受け止めておりました(※なお、当説明会は対面参加の場合は株主優先とはありましたが、株主以外も参加は受付されていました)。
 早速前置きが長くなりましたが、不確実性が高い要素も多分に含む投資投下の判断はもちろんですが、なにより初めての対面での会社との接点を頂く機会となり、このご縁でどんな感情を持つのかなとワクワクしながら会場に向かいました。もちろんいつもの事ですが、そのワクワクが溢れ会場にもだいぶ早く到着しました。引っ越しの際にアクセンチュアと並んだことに身の引き締まる思いといった趣旨のツイートも拝見していたので、これか~となりました。写真の感じからしてだいぶ大きな看板だと思っていたのですが、実際には思ったより小さかったですね(笑)。

 18時に受付開始ということで、早速入場します。働くサラリーマンにも配慮のある時間設定ですね。まぁ私は在宅勤務中なので、自宅で仕事を済ませてこのために都心に出るという感じで不思議な感じでした。自分のオフィスには顔は出さないけど、こういう機会にはのこのの出掛けていきますからね(笑)。

 案内に従って廊下に進むと、奥にエントランスがみえました。なんかロゴが明るく輝いているだけでなく、緑が置かれ、そこにいかにもおしゃれですという佇まいをしたチェアが置かれています。敢えてこの廊下から写真を撮ってみました。ワクワク感も一層高まりました。

 受付で、PR TIMESのロゴ入りのお水と資料を頂き奥にご案内下さります。おしゃれな椅子が並び前方にスクリーンがありました。パネルディスカッションもあるため、前方にも登壇者用のハイチェアもセットされていました。

 後方には株主向けのライブ中継に向けて機材類のセットで慌ただしくスタッフの方が準備を進められていました。PR TIMESでは自社でPR TIMES LIVEというオンラインプレス配信システムをサービスとして提供しているので、当然自社のリソースでこういった対応ができるわけですね。それにしても、素人目からみても、結構大がかりな機材でした。まぁそれはそうですよね。大手も含めたほんまもののプレスリリースライブ配信を手掛けているわけですからね。

 実はこの写真の右側がガラス張りで区切られているのですが、その奥が執務室となっています。執務室側は写真に写るとよくないので撮影はしていません。そしてその間に本棚があって、様々な雑誌書籍類が並んでいました。金融や経済などの雑誌はもちろんですが、販促マーケティングやPRなど関わりのありそうな様々な書籍が並んでいました。女性ファッション誌のcancanとかもあって、そうだよね、多方面で情報を扱うから当然様々なメディアが存在するの当然ですよね、なんて思いながら落ち着かずうろうろしていました。

 会場には取締役で先日AprilDreamのイベントの様子を見に行った時に偶然出くわした三島さんもいらっしゃりご挨拶をさせて頂きました。

 しばらくすると、山口さんも会場にいらっしゃりました。とはいえ、お忙しいそうだったので、軽く一言挨拶をしました。が、そこで何を血迷ったか「いつもお世話になっております」的な気の利かない言葉を発してしまいました。山口さんからみたら私はただの初見おじさんなわけで、なんか以前にお会いしましたっけ?的な感じのニュアンスになってしまいましたし(私が一方的に山口さんを認知していたのでそんな感じになってしまいました(笑))、そもそもお世話になってます、って表現もおかしいし形式的な何も伝わらないファーストコンタクトだったなと。ここは今日はお招き下さりありがとうございますとか、一言という意味では感謝の気持ちを伝えるべき所ですよね。なんというか、自分の気の利かなさに早速げんなりました。

 とはいえ、始まる前に自分が何者であるかを認知頂いた方がコミュニケーションを図る上ではいいかなと思ってましたし、緊張しきりの自分にとっても認知してもらっていた方が気が楽という事もあり、もう一度山口さんにご挨拶できる機会を窺っていました。いや、邪魔をしてはいけませんからね。で、幸いに一息つかれて今いけそうというタイミングで改めてお声がけさせて頂き、自分が「まるのん」である旨、白状したわけです。
 でも、ツイッターで少しやり取りがある程度の「まるのん」を記憶してくれているはずという前提での声掛けだったので、自意識過剰もいいところですよね。しかも、社長へのご挨拶なら、まず本名をきちんと名乗るべきだったのに、いきなり「私がまるのんです」って、いや、オフ会じゃないんだから、って感じですよね(笑)。
 その後、5分くらいお話をさせて頂きました。私が連ねているnoteの記事の事、株価びっくりしましたねぇという話、いかに期待が高かったかという実感を伴う話など丁寧に、あのオンラインのままのやさしい穏やかな口調でお話を下さいました。アイスブレークとしてもとても心地の良い時間でしたし、改めて今日は色々会社の理解を深め、自分の学びに出来ればいいなと思ったわけです。こういう始まる前の時間って好きなんですよね~。
 いよいよ18:30のスタート時間が迫ってきました。30席弱の席が用意されていましたが、出席されたのは20人弱程度だったでしょうか。ストップ安で萎えてしまいキャンセルされた方もおられたかもしれませんね…。

2.プログラム

 三島さんの司会でプログラムがスタートしました。今日のプラグラムとして以下のような案内がありました。ほうほう質疑は前半と後半で計40分程度用意頂いているようです。私は手元で用意していた質問は7問、予めエントリーでお送りした質問が4問でした。まぁ半分くらい質問できればいいかなと思っていました(まさかエンドレスになって全部質問出来るとはこの時点で知る由もなく…(笑))。

 18:00 受付・会場
 18:30 オープニング
 18:31 代表挨拶
 18:34 決算に関する質疑応答
 18:54 トークセッション(澤田アナリスト、三浦さん、吉田さん)
 19:19 トークセッション(美濃部氏、山口さん)
 19:44 質疑応答
 20:04 休憩
 20:15 オフィスツアー
 20:25 クロージング

 前半の質問は決算の内容に関わる内容でお願いしたいとの案内がありました。ですので、私もその趣旨に沿うように(若干こぎつけた感ありますが(笑))対応させてもらったつもりです。他の方への配慮をしようと出来るだけスピーディーにと思って早口になったり、質問の意図を汲んでもらうのに必要な情報を一部落としたりしましたが、それでも冒頭に結構時間を使ってしまったのは申し訳なかったなと思います。

 こういう説明会では珍しいと思うのですが、トークセッションも組まれています。しかも明確なコンセプトがあってよかったです。1個目のセッションは現場を動かすリーダー社員2名に対して、長年カバレッジされているアナリストの澤田さんが問いかけていくというスタイルでした。澤田さんっていつもアナリスト向け説明会で積極的に質問されている方で、あ~こんな方なのか~と勝手に親近感を感じてしまいました(笑)。社員の方のお話をやや大げさともいえるくらいに傾聴されリアクションをされながらうまく話を引き出されていました。アナリストという立場でなかなか現場社員の方の活動を目の当たりにすることがないという事でご自身も関心を持たれモデレートされているのが良かったと思います。仕事は楽しいですか?一番の仕事の失敗は?、顧客とのリレーションなどありきたいの質問ではありますが、様々な現場を回す方のマインドを窺い知れた気がします。ただ、悔やまれるのはやや時間が押してしまい、駆け足になった上、恐らく用意された質問が全て消化できなかっただろう事です。まぁこの前段で私の質問が下手くそで時間を使ってしまったせいかもしれず、お前のせいだとぞ、心の中で自分に突っ込んでしまいました。登壇者のお二人には申し訳なかったなと思います。
 ところで登壇者のお二人は共にマネージャーという現場のリーダー役なのですが、入社数年のまだお若い方なんですよね。そしてお二人とも率直な自分の言葉でお話されている点がいいなと思いました。社長はもちろん、シェアホルダ―とはいえ社外の人がいる前で、ある程度話す事も繕いそうなものなのですが、もちろんそういう要素が0ではなかったとは思いますが、率直に感じられている事をお話されていて、お話の内容はもちろんですが、それ以上に普段のコミュニケーションの雰囲気が良く伝わってきましたし、責任感や課題認識を持たれながら率先して「行動」されようとしている姿が好印象でした。

 そして2つ目のセッションは美濃部氏と山口さんの対談形式でした。美濃部氏は恥ずかしながら私は存じ上げない方だったのですが、PR TIMESのミッション作りに大きな役割を果たして下さった方です。もちろん、山口さんとのご縁はその当時の1点に留まらず、その後も様々壁にぶち当たられた時にも何度も助言をもらってこられた方なのだそうです。美濃部氏は多くの上場企業の経営者の側近、参謀役としてご活躍されてきたわけですね。ミッションを制定する際に、山口さんがどうしてもブレークスルーできない状況下にあった時、しつこく美濃部氏に相談を持ち掛け、イメージが具現化され今のミッションが出来たという逸話の一端を対談の中で伺う事が出来ました。面白おかしく過去を回想しつつ、お互いがどうあの時思っていたかなんてことを織り交ぜ笑いもありながらの楽しいセッションでした。
 美濃部氏の話を伺っていて感じたのは、メリハリなんですよね。大局観でとても重要なコアとなる視点を持ち合わせていて、だけど、細部では結構テキトウさもあるような印象で(失礼)、そのバランスがとても人間味らしくて、でも多くの参謀を担ってこられた中で養われた俯瞰力や創造(想像)力のようなものがある方なんだなと思いました。山口さんにとってはその後もプレスリリースの意義を訴求するような日経への広告出稿の際の判断の助けになってもらったという話や、AprilDreamの立ち上げ期での難しい局面での判断などPR TIMES社が壁にぶち当たった時の助言役として欠かせない方のひとりなのでしょうね。様々なタイミングもあり、ボードメンバーに加わってという立場での参画はこれまでなかったようなのですが、しかし、人のご縁の中でこういう関係性に支えられて今があるという点を想像してみると、よくある「感謝」という言葉も、なるほど、よりリアリティがあって聞こえるなーと思った次第です。素敵なご縁に今後も恵まれ、PR TIMESが益々よき活動や失敗があってもそれを跳ねのけるポテンシャルを高めていって頂きたいですし、何もこれは他人事ではなくて我々株主も適度な距離の下で、企業がよりよくなる活動に参加する事だってできると思います。私は未熟者なのでなかなか有意義な助言も出来ませんし、人を結べるような人脈もありませんが、一弱小投資家からみた目線で様々な要望や賞賛の言葉を届ける行動で良きリレーションが図れると思うわけです。

 トークセッション終了後は再度質疑応答の時間です。ここでは、事前にエントリ―の時に受付した質問に対して、パネリストの方が順次回答していくという感じです。だいたい社長とかが回答するのが多いわけですが、社員の方も交じって、その目線で回答をされていたのは面白い試みでした。そして社員の方も株主からの様々な質問を受けられる事で、我々の期待だったり懸念だったりというものに直接触れられる機会だったと思うので、その点でも双方にとっていい機会だったのではないかなと思います。そしてここも更に時間が押してしまっていて、この時点でオフィスツアー終わってないけど、もう終わる位の時間が迫っていました。というわけで、一旦途中で質問の紹介をやめ、オフィスツアー終了後に中締めを行った後に、再開する旨がアナウンスされました。この時点で、おっ、これはまだ質問チャンスあるのか、ってテンションあがりましたね(笑)。

 恐らくここで、ライブ配信は終了したかと思います。そしてオフィスツアーとして隣の執務室にご案内頂きました。執務室内は写真撮影をするわけにはいかないのでイメージでしかお話が出来ないのですが、案外普通のデスクが並びフリーアドレスというわけでもなく、チーム毎に島があってという形でした。新オフィスなので、椅子とかは綺麗なものでしたけどね。会議室はいわゆるオープンフリーのファミレス席と閉鎖出来る小規模な会議室がいくつかあってという感じです。
 山口さんも部屋のコーナーの同一執務室内のスペースに自席がありました。その横には、上場時の記念品とか金鳴らす時のハンマー?とかありました。
 ここで面白かったのは、各自の使うディスプレイ等の機器のメーカーがみんなバラバラなんですね。大きさも個人のニーズに基づき裁量で購入されているようです。そしてその際には、敢えてメーカーを分散させているとのことでした。会議室の椅子とかもよくみると、様々なメーカーのものが混在してあります。調達の原則としては集中購買をした方が経済的なはずなのですが、敢えて逆行したことをやっているようです。当然、これはお客様が多岐に渡る中で、特定のメーカーからの調達とせず、敢えて分散をしていく事が大事という価値観のようです。
 それから自席とは別に集中をするための席というものが離れたところにいくつか設置されているのも最近の流行りのスタイルだなと感じました。風通しのよさとかコミュニケーションの活性化ということで、良かれと思って様々な仕組みを導入するものの、作業に集中したいとかパーソナルスペースを確保したいといった本来あるはずのものも大切にされているように感じました。
 また、執務室内にも本棚があって、社員の皆さんは個人の裁量で業務に必要な本をAmazonで購入してよいというルールあるそうで、そんな本達が大量に本棚に並んでいて、これも面白いなと思いました。細かくみられなかった(執務室なのでね)のですが、様々な専門書や漫画なんかもあったように見受けられました。
 以前に見聞きしていた、新たにジョインされた方のウェルカム席みたいなのも実際に目にすることが出来ました。ちょっとした飾り付けに、名前付きのウェルカムの紙が貼ってあるだけといえばそうなのですが、ジョインされる際にそんな心遣いがちょっと嬉しかったと社員の方も仰っていました。そして社員だけでなく、派遣さんなどに対しても平等にこういったことが行われているようですね。
 一方で気になったのは情報管理の部分でしょうか。執務室内ではプレスリリースに係る機密情報に触れる機会というのが多いはずで、当然ここで働く方はみんなその重要性を意識して仕事をされているわけです。通常であれば悪意をもって情報を持ち出すとかいう事態はないわけですし、性善説に立ってみれば現状のままで良いと思います、ただ、今後組織が大きくなっていくにつれ、様々な働く方のマインドもあるだろう中で性善説に立った対策だけでよいのかなと考えさせられました。悪意を持ってなされる場合、対策は結局無力になりますし、対策によって不自由になる部分もあるわけです。
 例えば機密情報を扱うセクションに入るためには撮影が出来るスマホ等を持ち込まないルールとかを導入している所もあります。しかし、ルールだったとしても悪意がある人が仮にいたとしたら、隠して持ち込んでしまうわけですし、そもそもこんなルールがある職場でイノベーティブな仕事ができるのか、気持ちよく働けるのかって話になり失うものが大きすぎます。現状は組織の目が届き、ミッションやvalueが浸透し、成すべきことを成そうと一致団結している時には性善説で問題がないと思うのですが、それが希薄化していった時、どうなるのかなと思ったのです。ただ悩ましいと書いた通り、やはり対策もないし、代替案もないのです。ですから、組織として教育を重ねていくという位しかやりようがないのだと思います。この辺りの社員のガバナンス意識辺りは当然普通の社員さんであれば当たり前のことなのでしょうが、どういうように担保しているか興味がありますね。

 オフィスツアーは同一フロアだけなのでそんなに時間を要さずに終わり、再び席に戻ります。ここで対面の会場側でも一度中締めということで、ここで何人か帰宅されたように思います。そして質疑の続きということで、事前質問と会場からの追加質問をこなしていくことになります。これがエンドレスで質問が途切れずに続きました。21時を過ぎ、22時を過ぎ、それでも会社側は一向に質問を打ち切ろうとしませんでした。途中、澤田アナリストと美濃部氏は時間の都合でと彼らに対する質問をクローズしましたが、更に続きました(時間の都合があるはずので美濃部さんは結局我々の帰り際でもまだ会場後方にいらっしゃり、退室時に少しですがお話が出来てよかったです)。全体の場の終わった後、立ち話で山口さん、三島さんとも最後御礼を申し伝えるなどして、長丁場だったのでトイレも済ませ、ビルを出た時には23時位だったと思います。株主向け説明会で23時にビルを出るってなかなかないレアな経験だった気がします(笑)。

 まぁこんな感じで全体が進みました。何より、貴重なお時間を私のような弱小個人株主が発する戯言に真摯にお付き合い頂いた点、会社関係者皆様には頭が下がる思いです。単なるQAではなく、現場や外部目線を加えたセッションを入れ、多面的に会社を理解してもらいたいという意向がきちんと出ていて、企画された方の気持ちというものも感じる事が出来ました。次章以降で特に印象に残った論点や質疑の一部をご紹介していきたいと思います。

3.トピックス

 さて、ここからは、長丁場となった当説明会全体を通して印象に残った内容を大小様々あるのですが、その中で記憶に残っている事をだらだらと上げてみたいと思います。

■ 誠実さと人間味あふれる社長の姿

 社長の山口さんから冒頭、ご挨拶がありました。一般的な挨拶や決算の概況の報告など軽く5分程度のものでしたが、その中で印象に残ったのは、山口さんの誠実さと人間味あふれているなと感じたことです。
 8期連続増収増益を続けてきた中でPR TIMESのマーケットからの高い期待は経営側として十分認識をしている中での減益予想であり、相応の厳しい評価がなされるものと覚悟を決められていたようでした。そんな中で、機関投資家株主とは比較的対話の機会が持てていたものの、個人株主との対話は実質的に平日昼に開催する株主総会のみとなっており対話の機会が限定的である状況を鑑みた時、こういう投資期として減益予想を出してまでなす事を直接対話の機会を通して、「説明責任」を果たしていきたいという趣旨で今回の機会になったというお話がありました。この後の質疑の中でも何度かこの「説明責任」という言葉を使われていたのですが、やはり高い成長を期待されている会社として今回の判断は諸々を考えた時に最善であるという覚悟があって、限られた開示情報(様々な事象で今は話せない制約を感じさせる)の中で、誠実に対話をしたいという意向だと受け止めました。まぁ姿勢としては当たり前の事とも思われがちですが、限られたリソースを使い、どこの馬の骨かもわからない弱小株主にも対応下さる事をありがたいコミュニケーションの機会と捉えて、私自身も学び、企業へのエンゲージメントを深め、この会社への投資の納得感を計っていければいいなと感じました。
 それから、後の質疑の中だったと思いますが、この説明会自体もかなり前から実施することを決めていたという趣旨の発言もなされていました。減益予想のような形で一種都合の悪い話もしないといけないといったとき、逃げたくなる自分がいる事も事実で、しかし、だからこそ先に説明責任を果たす場を設定するんだという強い気持ちでこの企画を遂行したということでした。山口さんは他の質疑の中でもご自身を謙遜なされている事も何度かあって、だからこそ、あるべき姿であるように自分自身の身を投じる覚悟をもって行動されているのだなとも思いました。社員の三浦さんが、山口さんの行動者としての姿に羨望しているというお話もありましたが、嫌なものから逃げ出したくなる時もある中でも行動を起こすという姿がとても人間味溢れているなと感じました。
 だからというわけでもないですが、そういう山口さんの想いを込めた行動があるからこそ、この説明会もまさかの23時手前までという異例の延長の下、エンドレスに質疑を受け付けるという運営でもって、皆さんがそれを支えてくれているのかななんて後になって考えました。もちろん、各持ち場を持った社員の方にとってはご負担をかけたこととは思いますが、これもひとつのPR TIMESの社風なのではないかと思いました。この説明会はさておき、事業においても行動を起こそうとする人を周囲がサポートするというような文化が息づいているのかなとも思います。

■ カルチャーについて

 成長にとって大切なことという問いの中で、組織を高めることというお話がありました。PR TIMESは洗練されたミッションとvalueが存在しており、社員の皆さんはこれをきちんと認識され行動をされているわけですが、それだけではまだ足りないといった中で、カルチャーについて山口さんが語られていました。とても興味深い話でした。
 カルチャーとはその会社らしい色をもった人を再生産することと定義されていました。確かに会社には色々な色がありますよね。そしてそれはカルチャーがなせる業であり、そのような人が集まりチームを作ることで、より強い組織になるし、成長のためにも重要な部分であるというお話でした。私は既にPR TIMESらしさといった色があって、カルチャーによる人の再生産みたいな事はある程度なしえているのかなと思っていたのですが、現状ではまだ手応えがなく、自社のカルチャーにマッチしそうな人を外に求めているというお話でした。より多様性の中で人を採用出来て、そこから多様性を損なわずとも、PR TIMESらしい人材が再生産されていくと、より組織も魅力的になるということですね。大企業になってもそういう色みたいなのがあって、私も自分の会社にもそういう色を実感しますが、組織が大きいとそれも淡い色でしかないし、混ざり合うので、なんとなくおぼろげなものになります。もちろん、事業も多角化したりするわけなのでそれが悪いことではないのですが、PR TIMESのようなまだ小さな組織の中で、今後成長を志向する中では組織を強くしていくということがとても大事ですからね。PR TIMESらしいカルチャーが根付き、我々株主もその色をほのかに感じながら寄り添えるといいなと思いました。

■ しつこさについて

 美濃部さんと山口さんの対談の中で、事業運営で悩み様々な壁にぶち当たった時に、美濃部さんに助けを求めたという昔ばなしがありました。山口さんは美濃部さんの様々な会社での参謀役としての活動やネットを介した発信をみて、一度会食をしたいという事で美濃部さんをお誘いしたそうなんですよね。
 美濃部さんがある会社の仕事で一区切りついたという報を耳にし、ぜひPR TIMESへジョインしてもらおうと、まぁ山口さんは美濃部さんを口説きにいったというわけですね。ところが、美濃部さんはこの時、既に次の仕事が決まっておられ、山口さんの相談を受けつつも嫌われずにその誘いをお断りしているにも拘らず、山口さんはしつこく、ランチをしていた店を時間だと追い出されてしまうまで、美濃部さんを口説き続けたそうです。
 そして美濃部さんもジョインこそできないものの、ここまでしつこい人なら見込みがあるかもしれないということで、人の心を一つに出来るミッションの策定を進めた方がいいという事を助言したんですね。ベンチャー企業から組織拡大も進み50-100人程度の組織になった時には、この人の心をひとつにできる拠り所がある事がとても大事だということでした。
 結局その後、3ヶ月くらいの間に一気に今のミッションを一緒に作ることになったそうなのですが、山口さんが長きに渡り悩まれていた事を多くのやり取りを経ず、ふわっとした状態でのインプットでもって素敵なアウトプットされてきたそうで、山口さんも驚かれたようです。
 嫌われる勇気ではなく、嫌われないしつこさというべきなのかもしれませんが、山口さんの純粋な想いや行動が周囲を巻き込み力になっていくというひとつの逸話を聞かせて頂いたなと感じました。過去の話なので美談化という要素もあるのかもしれませんが、人の縁が今に渡り活かされているというお話はいい話だなと思いました。また美濃部さんの所感としても、創業経営者のしつこさというのはとても重要な要素だとも仰っていて、少し頭おかしいんじゃないか(表現)くらいの飛びぬけた行動プロセスがあるからこそ、前進していけるし、こういうプロセスを経てコミットした内容というのは、強いのだろうなと思いました。
 ミッションをとても大事にされているし、なんならこのミッションの実現という所と投資家との対話という点でときにトレードオフの関係になりがちな時にも、強い気持ちで向き合えるのだろうなと思います。そしてこういうプロセスも含めて組織全体に認知が進むことで、社員の皆さんの行動様式も変わってくるのだろうなと思います。真のカリスマなのでしょうね。

■ プレスリリースとは

 美濃部さんはプレスリリースを要職になってからも自ら書き続けてこられたとの中で、事業責任者として一番自分がすべての事を掌握している中で書かれる事が当然でもあるかのように書かれていたということでした。多くのプレスリリースではWhat(何を)に重きを置かれている中で、大事なことはWhy(なぜ)だったりHow(どうやって)の思考をきちんと表現することだということです。
 何かリリースをするといった時、自分が情熱を注いで書きたいと思うというのは考えてみれば当たり前の話なんですよね。私はサラリーマンですが、組織の中では大企業病ですから、まずは担当者が単なる「作業」として素案を作り、色々な人が好き勝手ああでもないうでもないとレビューで指摘して、色々な指摘を汲もうと中間管理職が継ぎはぎをして、更に広報部の目線で丸められ、結局無難というか伝わるものが希薄化したリリースが出来上がるというよくある姿を目の当たりにしているので、こういう当たり前の事にもいいなと思ってしまうものなんですよね。

■ AprilDreamの立ち上げ

 プレスリリースを書く時に夢をみるように書くという中で、本質的には、自らの夢を文章化して表現する事に繋がる活動だなという所から、皆で夢を語り合うという趣旨のイベントとしてAprilDreamの企画が立ち上がったようです。そしてその立ち上げの時にまた悩みが溜まり、美濃部さんに助けを求めました。社外の立場でこういう方がおられるというのは素敵ですが、個人的には社外取締役のような形でもジョインをされた方がよりよかったのかなとも思います。まぁそうではないからこそ、築けた関係性なのかもしれませんけどね。
 AprilDreamの企画は山口さんの頭の中でイメージとしてはあるのだけど、どう進めたらいいのかという部分で悩み頓挫しかかった時に、久々に美濃部さんに電話をしたそうなんです。4/1を間近に控えた2/14のバレンタインデーの日に、夜相談を受けるため対面でその悩みに付き合ったということです。
 これだけ期日が迫った中で、「無理である」ということを発せずに一緒に考えてくれたことを山口さんは感謝していました。美濃部さんはまぁ電通マンから各創業者の側近として歩まれたキャリアは流石で、我々にとって「無理である」という言葉は選択肢にないですからね、みたいな事を仰ってて、まぁ普通の思考ではないんだろうなと悟りました(笑)。
 夢というのはいい嘘であるともいえるし、いい嘘は人の行動を変えるという可能性があるものであり、だから策定したミッションとAprilDreamはとても親和性のあるものだなということですね。
 そしてAprilDreamの立ち上げのその後は、結局新型コロナの初動の頃と重なり、駅貼り広告で夢を掲げる人にフォーカスをあて、人を集めて盛り上げるという施策だったこともあり、ご時勢的にもNGとなってしまったわけですね。最終的に白紙広告を出したそうなんですよね。この判断も紆余曲折があったそうなんですが、最後にこういった英断をしたこともまた、PR TIMESらしい真摯な対応だったのではということでした。実際に関われた方にとっては、コロナ禍という情勢変化でお蔵入りしてしまったものも沢山あったと思いますから悔しい気持ちもあっただろうと思います。ただ、だからこそ、2年目、3年目とこういった企画を進めていくんだという気持ちもより強くなっているのかなとも思います。

■ PRをUPDATE

 PRはパブリックリレーションとして多くの所でコミュニケーションの手段という堅苦しい規定しか出てこないという中で、行動者の姿みたいな中身の話が出てこない事に違和感を山口さんは感じられていたそうなんですよね。PRとなんなのだろうという自問の中でこれをUPDATEしたいということで、日経新聞の広告の話に繋がっていきました。その広告記事の内容は以下ですね。なお、エントランスにもこの広告記事は展示されていました。

 PRを扱う方々に対して、こういう広告を提示する事の意味とか色々なセッションががありましたが、印象的とされたのは最後2案になった「PR、14の使命」と「たとえ読まれなくても、ぜんぶ書く」が決めきれなかった時にも美濃部さんは迷いなく、「PR、14の使命」を選ばれたそうなんです。山口さんは漠然と「たとえ読まれなくても、ぜんぶ書く」にしたい気持ちになっていたんだそうです。そして、結果として顧客認知が浸透しているのは「PR、14の使命」だということで、なぜ美濃部さんはあの時言い切れたのかというところですね。
 PR TIMESがPRパーソンにとって、単なる配信機能として存在しているというより、心の中にPR TIMESという人柄を感じられている事が大事だというお話でした。なんかわかるようやわからないような感じがしますが(笑)。そしてそういう深さで顧客に根付き、PRパーソンとPR TIMESが共にあるということを訴求する意味で、クリエイティブ表現であるぜんぶ書くより使命の方が宿るのではないかと考えられたそうです。
 PRパーソンとPR TIMESが共にあるという醸成感を養えたという意味で意味がある広告だっということなのでしょうね。当たり前の話ですがこういう広告を打つ時ってなんとなく認知度を上げたいとかいう発想ですと平凡なものだったり、逆に奇を狙った発想だったりで一過性のものにもなりがちだと思うわけです。しかし、PRパーソンの心に宿るという事を意識し、関係性を継続させていく、あるいはPR TIMESの考えるPRのUPDATEを示すことによる発想転換を経営者の方にも促せるという意味合いからも意義あるものだったのだなと思います。美濃部さんはブランディングの経験も高いようなので、そういう意味でもよき助言が沢山あったのかもしれませんね。

■ PR TIMESのポテンシャル

 山口さんが最後に美濃部さんに聞いてみたかったと仰られたいたのは、PR TIMESにおいてまだまだ足りてない部分としての課題とポテンシャルについてでした。美濃部さんのように多くの創業経営者に仕えてきた中でみえる視点という所での教えを得たいということなのでしょうね。
 足りてないという所については色々あると仰られていた面白かったです。美濃部さんの視点でみえる不足感が必ずしも全てPR TIMESにとって欠かせないものであるかという点は冷静に見る必要もあるかもしれませんが、そういう課題を提示してくれる機会は貴重なのでしょうからぜひ活かしていって頂きたいですよね。恐らく、視座が高いので、何周も先の事を見据えた知見でのアドバイスが得られそうな気がしました。私も個人株主として無能な頭を絞って、様々な有益な機会になればという想いで質問をしたりするのですが、どうしても●●事業の対策はとか、競合対策はとか、数値足りてないけど云々とか短絡的というか視座の低い視点になってしまいがちなんですよね。
 色々ある中で美濃部さんが仰られていたのは、人の採用をより進めるべきだということでした。採用の基準も高過ぎるけど、素直な人であればポテンシャルはあるから育成できるということですね。業容拡大もそうですし、既存のコアメンバーのリソース発揮の最適化という意味合いからの指摘でもあるのだろうと思います。
 ポテンシャルという意味では、まさに今が勝負のかけ時という表現をされていました。背景としては、コロナ禍でコミュニケーションや働くことへの価値観が大きく変容する中で、個人の発信というものの重みが大きく変わってきているという環境があるようですね。大企業でも子会社や事業部レベルの活動を主体的に発信をしていく中で訴求力を高めていくだとか、個人レベルでも個の情報発信がより脚光を浴びてくる機会が増えていく中で、地方発全国や日本初グローバルといった発信機会が拡大していくのではないかという見立てのようです。なので内部組織の課題はあれど、外部環境としては今がまさに機会に溢れてきた時だなという所感を美濃部さんは述べられていました。
 私のこのセッションでの所感としては、まず採用については難しい判断だなと感じます。というのも、外的機会の拡大や内部体制の強化(コアメンバーのリソース最適化という観点)で拡大を図る事は必然なのですが、一方で拡大をする中で組織体制の連携が希薄化したり、連携性が低下するといった弊害もあるからです。なので、採用基準を下げてでも素直な人を育成していくんだという道も不可避とはいえ、どうやってPR TIMESのミッションや行動様式の普及を図りながらスケールさせていくかという事は十分に準備が必要だとも思います。同社の入社時の研修なども時々記事にUPされていたりしますが、これが10人程度である時と50人いるときとでは伝え方を含めた手法も変わってくるでしょうし、現場側で受けいれ体制としても、自チームに配属される人が1、2人というのと、5人-10人というのとでは対応も変わらざるえません。しかし、それでもチームの良さとかミッションの重要性を含めた部分をどう担保していくのかが重要なのだろうと思います。
 ポテンシャルの部分ではアフターコロナに向かうといった中でも、リベンジ消費ではないですが、より個の活動や企業活動でも変化がある中で、指摘のあるような機会は増えていくものと思います。そんな中で共感をひきつけながら、多くの人に利用してもらうべくブランディングが求められると思っています。ですからAprilDreamなんて企画はとても素敵だと思いますし、今度実施される既存顧客向けのイベントもいい機会になると思います。もちろん、これが直接的な販促にならずとも、こういう活動の積み重ねが新たな行動者を産むきっかけにもなるでしょうし、マーケットインの視点でも重要な取り組みなのだろうと思います。

■ 取締役会での反対

 今回の業績予想の開示は当然取締役会の決議を伴うものですね。今回大胆な減益発表となることについては、社外取締役からの反対意見もあったようです。そんな中でも山口さんが剛腕でワンマンを奮うというわけでもなく、丁寧に意義を伝え議論を重ねるような合意形成を図り理解を頂いたという話がありました。とても健全な運営だなと思いました。本当に反対していたのか真意はわかりませんが、社長にとってそういう目線ではっきりと対立した意見をぶつけられることは、様々な意味でよいことだと思います。少なくても今回の一連の議論を経たからこそ、よりこの投資の意義を全員がコミットできたと思いますし、そこにチャレンジしていくという雰囲気が醸成できたともいえます。これでシャンシャンで決議がとられてしまっては、やはり牽制効果という意味でも、本気でこれをやっていくんだという今後の事を考えてもよくなかったと思います。

■ 曖昧さについて

 意図して説明を曖昧にしている箇所があります。それは顧客主義を貫いているからです。そして株主への説明といった時に、大前提は、株主は各ステークホルダーをシャアしているシェアホルダ―であるという発想です。つまり、顧客があってその方々の満足、喜びになって、それがシェアされるという役回りだということです。であれば、IRに対して、我々がすっきり腹落ちするまで説明を求めるというのは時に弊害を生むわけです。説明をし過ぎることで無駄なハレーションを産むリスクも高まることもあります。また、そもそも説明しても完全には理解されない部分があるという割り切りもあります。ついつい、投資先会社であると色々な事を知りたいと前のめりになって、情報を引き出すだけ引き出そう、その情報戦で戦うんだみたいなことにもなりがちですが、そうではなく、我々はシェアホルダ―なんだという自覚をもって行動しないとならないなと感じました。
 同時に私は詳細化は不要だと思っていますが、想いや熱量についてはより積極的に共有したいという想いもあります。事細かなデータより、Whyを知りたい。どうしてそういう思想を持つのか、なぜそういう行動になるのか、そういう概念レベルの所で共有が図れると、より理解とエンゲージメントが高められるなと思うのです。

4.主な質疑の内容

 さて、トピックスには主だった部分を記載しましたが、以下では主な質疑のやり取りについてメモを残しておきます。質問内容や回答内容は全て私の主観で200%脚色していますので、ご参考程度としてください。特に回答内容は各回答者さんを明示していますが、全て私の解釈で脚色していますので、公式の会社側の認識と異なる可能性を含みます。また、一部の内容は様々な事情に考慮し(当然インサイダーに絡むようなものでは一切ありません)、意図的に曖昧さをもって記載しています。また、★印をつけたものは私からの質問です。
 質疑はいくつかのパートで実施されましたので、それぞれの区分で記載をしていきたいと思います。各回答者は特に明記がないものは山口さんからの回答となります。

■ 前半の質疑(決算内容に限定との要望あり)

★Q 利用企業社数の伸長について
 東京圏から地方への浸透を企図し、静岡でのPoCの効果を見極めながら広告宣伝も投下していく方針が示された。東京圏と違い地方では、企業のサイズや情報発信そのものへの価値観、リテラシー等多くの違いがある中で、従来の展開の進め方からどのような変化を意識しながら活動をされていく方針か。特に地方圏ではCX(顧客体験)の機会創出や、その後カスタマサクセスとして効果の実感という部分でもきめ細かい対応が求められるだろう点も踏まえて活動の展望をお聞かせ願いたい。
A
 実は、上場前から地方への展開というのは取り組んできた。その一環として地方にブランチ機能を拡充させることを行った。しかしながら人材の展開という面だったりの課題もあり、なかなかうまく成果を出せなかった。その後は東京中心としつつ地方企業とのアライアンスで面を拡げていくという活動に切り替えて運営をしてきた。特に地方銀行との提携などはずっと以前から取り組んできており、地道な提携拡大が今となっては全国でのネットワークになりつつある。
 この意味で最初のエントリーを獲得するという点ではうまく軌道に乗せる事は出来たわけだが、一方で顧客体験を深め、成果を実感してもらうような地域に根差した活動の実現という点ではまだ課題が山積しているのも事実。これまでPR TIMESでは自組織の拡充というところには課題があると思っており、アライアンス等でリーチした顧客へのアプローチ、企画、そしてカスタマサクセスに繋げていく活動をより体制を整え対応してかねばならないと考えている。そういう意味では開示としては広告宣伝として丸めて表現しているものの、こういう体制拡充とセットで本質的になすべきことをしていきたい。具体的な活動については、今後PR TIMESのリリースでもって適宜発信をしていきたい。
■考察
 5万社を見据えるという意味でも、現状の東京圏一極集中状態だけでは限度がみえてくる(といってもまだまだ余地はありますが)わけですし、何より、PR TIMESのミッションを鑑みた時にやはり地方を含めた展開が重要になってくるとも思います。そういう中で、今回の投資期という背景にひとつに地方圏への対応という趣旨が入った事もあり、このような質問をさせてもらいました。実は1年ほど前にIR照会をさせてもらった時には、地方展開の重要性について認識されている一方で、メールや電話、Web会議などのコンタクトツールを使い十分きめ細かい対応が出来ているという趣旨の回答を頂いたことがありまして、だとするとそこからどういう活動のUPDATEがあるのかなという事も疑問に思っての質問でした。現状の課題認識が浅い中で、単に広告宣伝投下をするというだけでは、ROIの成果としては平凡なものになりがちでもありますからね。山口さんの回答では、はっきりと地方の展開の現状に課題があるという認識も示され、その中で単なる広告宣伝投下だけではない体制拡充とセットで取り組んでいきたいという事でしたので安心しました。もちろん、活動の成果等不確実性はあるわけですが、少なくても目線として浅はかな広告宣伝投下ではないということはわかりましたので、あとはその内容や活動に目を向けていきたいなと思います。

★Q R&D活動について
 R&Dの活動は継続して高めていきたい意向を示され、売上比率でも維持向上を図っていくということで期待をしている。そんな中、R&Dと一言でいっても、システムトラブルに起因し可用性を高めていくといったような守りの部分での投資と、いわゆるイノベーション創造を図っていくといった攻めの投資のように様々な方向性があるかと思う。今後のR&Dの方針としてこのような多方面にある活動をどのようなバランスでもって対応されていくのか教えて頂きたい。併せて、イノベーション創造には外からの風を入れていくという事で創造される事もあろうかと思うが、そういう体制面で考えられている点もあれば教えて頂きたい。
A
 テクノロジーへの投資はこの1年で前進したと評価している。昨年CTOが着任して体制が整ってからは様々な事が前に動くようになったことを実感している。一例でいえば、PR TIMESで使われている画像は特殊な技術でもって、報道用素材として活用できる高解像度を担保ししつ、SNS等でも利用しやすいような運用が可能となっている。長年やりたくてもできなかった事がテクノロジーの進化を社内で進めた事で実現できたというような事例を創りだす事が出来た。こういう活動のひとつひとは中々IRでは表現しにくいし、伝わらない。開発者ブログという媒体で発信はしていても認知度も高くはない。しかし確実に成果をあげてきている。
 一方攻めの部分でのイノベーティブな活動としては課題があるのも事実。年齢の問題もあり、なかなか新しい発想での創造という点に(山口さん自身)の思考にも限度があり、だからこそ若い世代の台頭によってこのPR TIMESのUPDATEや新規事業の創発という部分を経営としても促していかねばならないと考えている。そういう意味で、今日この後登壇する若いリーダーシップを発揮する社員にも目を向けてもらい、そういった可能性も感じてもらいたい。
 そしてこういう課題の部分に対しては、これまでもPR TIMESの媒体でのみそういった活動を表現するとしてきたが、(投資期というIRをしている以上)今後は研究開発活動の状況や成果についても開示内容の中に織り込み、株主の理解も深められるように取り組んでいきたい。
■考察
 CTOの金子さんはやはりキーマンなのでしょうね。よくCTOの件が話題にあがりますからね。何より、自信をもって前進したと評価をされているのはいいことですし、対外的に(株主だから外ではないのだけど)、こういう表現で評価されていることを現場の方々にもぜひ知ってもらいたいですね。説明の中の画像の件等は地味ですが、実はとても大事な機能だったりもするわけですし、それがなかなか伝わらないというのは仕方ない部分もありますね。
 イノベーティブについては以前に早稲田大学の入山先生の講話の中でも失敗を許容していく文化がが日本企業にもっと浸透しないといけないという話が印象に残っています。この講話は確か富士通さんの主催するものだった気がしますが、その時に聴覚障害者の方が利用するontennaというウェアラブル端末の開発の話の中で紹介されていました。外からの声を巻き込んでいく熱量と失敗を許容する文化が大切だった的な話でした。
 PR TIMESでは山口さんも仰るように、まだイノベーティブな活動という点では課題があると思っています。ただ、社員の方々の発信をみているとそのポテンシャルは十分にあるとも思っています。そういう意味で投資期といっていて、かつR&Dへの意欲を示されている中では経営としてサポートできる体制面を含めた対応に関心があります。
 PR TIMESでは行動する者を応援するという良い文化があるように感じています。行動するという人がその人の裁量で行動するということですが、これがややもすると組織の肥大化に沿って縦割り文化を形成してしまう基点にもなってしまうかもしれません。これは●●さんマターだから、とかいうニュアンスで表面的には相互に応援する、サポートするといいつつも真にそうならないとせっかくの創造性がシュリンクしてしまう事にもなりえます。ですので、研究開発の活動では投資費目やそのリターンを列挙するという表面的なものだけでなく、むしろ失敗談や組織力が高まるというストーリも同時に窺い知れるといいと思いますし、だからこそ、PR TIMESでの発信をもっとアンテナ高くモニタリングしないとだめだなと反省しました。 

Q JootoとTayoriについて
 JootoやTayoriに取り組まれているが、PR TIMESとの親和性がそこまでないように思うのだがどういう考え方で取り組まれているのか。また両ツールが扱う領域はレッドオーシャンでもあり、関連するイベントに出展されてるブースを拝見しても、勝ち抜いていく事の難しさを実感した。PR TIMESとの親和性や競合状況を踏まえた展開方針について聞きたい。
A
 PR TIMESと親和性の高い事業とそうではない事業とに分けて説明する。PR TIMESとシナジーが生み出しやすい事業としてはクリッピングサービスがある。紙媒体は先日のリリースの通り撤退する事になるが、ネット媒体のクリッピングサービスは、プレスリリースの反響を知るという点で需要が高い。しかしながら体制面の課題等もあって、この需要に十分対応しきれていないという点で今後シナジー発揮を期待をしたい領域である。また、PRサポートとしてプレスリリースそのものの作成支援といったものを人的サービスかつPR TIMESのナレッジを活かして提供していくことにも本格始動をしていく段階にきている。
 一方でシナジーが相対的に低いのがJootoやTayoriであり、一見すると類似サービスも多いものと受け止められるかと思う。そんな中で、この商品が勝つか負けるかという競争認識はとても大事なものだと思っている。しかしながら、そもそも我々はどうしてこういった事業をやっているのか、やろうとしているのかという点に目を向けると、やはりミッションの実現ということになる。「行動者発の情報が人の心を揺るがす時代へ」というミッションの実現に向けてはPR TIMESの柱だけではなく、その行動者の活動をより多面的に支援するための柱が求められると思ってやっている。各ツールのなんでと更に深堀するにはこの場では時間が足りないため、この後個別にまた説明を申し上げたい。
■考察
 JootoとTayoriへの質問でしたが、シナジーの話があったせいか、その有無に分けての説明がありました。これは山口さんの丁寧な説明のために多少範疇を広げたうえでのご回答だったのだと思います。シナジーが発揮されそうなクリッピングやPRサポートの話はそういえばあまり全面には出てきていませんね。しかも回答のトーンを伺っていると、どちらもこれから本格的に展開をしていくようにも聞こえました。あくまで付随的なもので、PR TIMESの訴求力を高めるための周辺サービスの一環なのでそこまでインパクトをみていないからということなんでしょうかね。
 JootoとTayoriについては、やはりミッションの話になりますね。投資家目線では中期目標の中で具体的な定量目標を示されている中で、そのギャップが大きい事もあり、ミッションの実現のためにあるべきという定性要素の高いお話は私はとても好きなのですが、大きな懸念となって投資家マインドには影を落としているような気がします。実際、この部分への更なる投資強化という点に投資家の断片的な声を聴いていると納得感が希薄な気がします。
 そして、山口さん自身は、究極的には株主に納得してもらうためにが優先度としては高くないというお考えなのだろうと推測しています。やはり顧客のために、ミッションの実現を目指すという活動の中でコミットしているのだろうと思います。ですので、厳しい環境下の中ではありますし、現状ではまだギャップも大きな目標ではありますが、ミッションの実現を一丁目一番地に据える中で、顧客への活動のサポートが拡がり、結果として目標を射程に捉えるような結果になるといいなと思いますし、投資家側のある偏った目線にも良い意味で期待を裏切るような、今の辛辣な声も糧に本来のあるべき方向を見失わずに歩んでいって頂きたいなと思います。

Q 利益還元について
 業績が好調であるとのことだが、株主優待も含めて株主への利益還元についてはどのように考えられているか。
A
 株主にはきちんと還元をしていきたいと考えているものの、その手段としては、現状においては、株主総利回りで還元をしていきたいと考えている。中計経営目標などでも示しているが、我々の事業活動を通して企業価値を高めることで、これを成しえていきたいと考えている。そして万が一、今後個の企業活動の成長が鈍化するような事になれば、今度は利益の還元を配当という形で示していきたいと考えている。但し、現状下では高い企業価値向上を期待していただける状況だと理解しているため、配当という形での還元は考えていない。
 今後も企業価値向上による株主利回りを指標におき、短期的には十分応えられていない状況は認識しているものの、長期的にみた時に、これまで同様ベンチマークを上回る成果を継続させていきたい。

■考察
 簡単にいえば、今は成長期なので無配で内部留保させてもらい、万が一成長が鈍化したら配当還元するわー、今は成長によりキャピタルゲインを高めていくからよろしくってことなんですが、現中期経営目標期間である25年までは無配継続したいとはっきり明言されています。有報にも以下のように記載があります。この会社に直接的な利益還元を求めてもしょうがないんじゃないの、って個人的には思います。配当としての還元が欲しければ、今のご時勢いくらでもそういう会社さんありますからね。ただ、決算説明資料にも配当の事については一切触れられておらず、こういう部分を気にされる個人投資家・株主が多い事は事実でもあるので、今は成長投資のため無配で企業価値高めてキャピタルゲインで報いるし、必要に応じて自己株買いは検討するわー(まぁプライム形式要件もあり難しい面もありそうですが)、ってスライドを一枚入れておいた方がいいのかもしれませんね。

Q 海外進出について
 米国については、日本国内とは全く状況も違う中で、どのように勝算をみておられるか。
A
 米国市場は3社で寡占化されている。しかしながら、大きなチャンスがあると思っている。確度の高い勝算があるというより、仮に米国で日本に起きたような大きな変化がもたらされた時の期待収益がとても大きいという点で株主にも期待をもってもらえるものだと思っている。ただ、現状で開示出来る範囲が限られていてわかりにくさがある点も承知しているが、温かな目で見守って欲しい。
 また手法や具体的な参画余地については、現状で詳しくお伝え出来ない中で、例えば現状の寡占化されている会社が提供するモデルはあくまで報道用素材として短文でシンプルなものである。日本国内でもかつてはそうであったが、PR TIMESが変化をもたらし、今ではストーリや多くの画像等を使った構成になっておりこれが当たり前になった。そういう変化を米国にももたらせるのではないかと思っている。日本の企業がこういう流れで米国企業に勝てるというのは希少な事も承知しているがチャレンジするだけの意義があると考えている。それも長期的というわけではなく中期で見て頂きたい。
■考察
 山口さんが思いの外、米国での展望を前向きに語られていました。どちらかというとこういう場では慎重な言い方が多い印象なのですが、この件は肝入りで期待度が高いんだな、という気がしました。一方で回答でもあった通り、まだ全く情報開示が進んでおらず、何も判断できないという状況ですし、それを認識されてて時間が欲しいという言い方をされていたようにも思いました。まぁファーストインプレッションではなかなか厳しいんでないの、って見方になるんですが、なんでもムリゲーとかいっていても生産的にはないですから、託している身としては今後の展望を注視しながら期待度を一緒に高められて、同じ目線でワクワクできるといいなと思いました。回答の内容からみても、マーケットでの競争で奪取するのではなく、マーケット創造を志向しているので、ハイリスクハイリターンなんだなという事はよくわかりました(笑)。

Q 中期経営目標
 今回の決算説明資料に中期経営目標の定量目標のスライドが抜けているがこれは何か後ろ向きな余地があるためなのか。
A
 中期経営目標である営利目標35億は維持したまま。ストーリを持って話をすることを優先して、説明不足でスライドも抜けてしまっただけ。きちんとこの目標をコミットしているため安心していただきたい。
■考察
 素直に投資家目線での配慮に欠けていたという趣旨での回答をされていました。恐らく、山口さんはストーリなどをきちんと示していく事を優先されるがあまり、定量目標数値を落としてしまったのだと思います。今後はきちんと配慮されると仰っていました。
 これって一定の投資家からするとやはり定量目標は優先度が低いのではないかと疑義を持たれてしまうのは仕方ない気もします。そして実はこれも個人的な見解ですが、実際そうなのではないかと思います。
 営利35億を25年に拠出するために…というのは当然お立場的にもそうは仰らないし、それも大事な(少なくても対投資家に対して)要素であるとなるでしょうけどね。一方で従来の説明では、この水準は通過点だとも仰っていますし、ミッションの実現のために我々は事業をしている、が最優先にある会社ですから、そういう事を理解しないとなりません。
 この会社が敢えて中期経営計画ではなく、目標といっているのもそういうニュアンスがあってのことだと思います。そして目標というレベルであれば示さない方がいいのではという声もありますが、しかしそれでもあえて示していくという部分にこの会社らしさと誠意があるのだとも思っています。
 それを何か必達目標で、この時の想定EPSがこれくらいだから…みたいな皮算用って私もよくやりがちですが、馴染まないのかもしれません。
 もちろん、マーケットはこの35億利益目標を期待するわけですし、その成否でまた叩き売られるとかあるのかもしれませんが、ではなんのために事業をやっているのかという点に着眼すると、そうはなってもらいたくはないのですが、しかし、そこが必達だと解釈するのも悩ましい所であります。
 では、上場なんでしているの?って問いにも繋がってくるのかもしれませんね。

Q 投資期における拠出判断
 米国進出の展望は元々この期に断行していく事を示されていた一方で、大規模な広告宣伝は寝耳に水状態であった。これまで増収増益基調を保ってきた中で、だいぶ巨額な投資を一気に今期に投下することになるわけだが、どういう背景でこのような判断となったのか。
A
 まず広告宣伝費は明示しやすいという事もありお示ししている。他にも人件費等も大きく上げて体制強化を企図している。(前述でも説明したとおり)これまで地方を含めた体制拡充にはアライアンスに頼る部分も大きくなかなか体制構築が出来なかったという点が反省にあって、この部分をきちんとテコ入れしていきたいという意図がある。
 今回は減益に突っ込むまで大胆にやる事を意思決定したが、実は我々はこれまでも時々増益幅を抑制するような投資を重ねて結果を出し続けて今に至ってきている。確かに今回これまで集中的なもので上場前にあって以来の減益予想を示すということに対して、マーケットへの対話の観点では想像が足りてない部分はあったかもしれないが、長い目で資する活動でもあるし、今後も一定程度の纏まった投資は継続していくことになると思う。
 なお、明示している広告宣伝費については、人材費そのものは含めていないが、それ以外の拠点拡充等の体制構築に纏わる費用は含んでいる。
■考察
 てっきり、それだけ機会があるからこそ、過去の増益幅を縮小させた時よりもより大胆にとお答えになるのかなと思ったら、直接的にはそういう表現ではなかったように感じました。やはり体制面の課題が大きいようで、これから会社の規模が大きくなってくるにあたり、壁にぶち当たる時期でもあるでしょうから、営業面での拡充とう文脈だけでなく、組織マネジメントの観点でもPR TIMESらしさが損なわれず、むしろより深化しながらの拡充が期待されるところですね。
 広告宣伝費といっても、実際にはCMなどのいわゆる広告宣伝以外にも、例えば営業拠点の設置等で人材以外のコストは見られているということでしたので、今後そういう動きをチェックしていきたいですね。
 そして広告宣伝だけでなく、明示化こそされていませんが、増員による人件費の他、処遇改善なども今回の減益予想には反映されているようですので、そういう会社の無形資産がが積み増される事は期待をしたいなとも思いますね。

■ 後半の質疑応答(事前質問+α)

Q PR TIMES事業の成長性について
 PR事業の今後の成長は既に上場会社でも相応のシェアを持つ中で成長余地をどう捉えているか。単価上昇も含めた全体の成長戦略についてどう考えているか。
A
 余地は十分あると考えている。単価を上げていくといった時に重要になってくるのは、①広義的な市場寡占化状態を作る事、②価格を上げる際に見合った付加価値を増やすこと。こういった条件がなければ単なる値上げということになってしまう。確かにプレスリリース市場である断面でみると十分寡占化しつつあるともみえるかもしれないが、地方に目を向けた時や企業のあらゆる発信活動を広義的にみてみるとまだまだ力不足な点は多い。広義的な部分で寡占化状態を作り、PR TIMESが多くの支持を集めることが大事になってくる。
 更にいえば、(前述のとおり)イノベーションについてはまだ課題が多い。確かに報道向け素材という点でのプレスリリースを一般向け情報価値として一段高められた点は一段階進化したが、そこから更なるイノベーションを創造出来た時に、顧客にもより付加価値を納得感持って認知頂けることになり、その段階を創っていく事が大事だと考えている。
■考察
 東京圏を中心にある側面をみるとシェア率は高いとはいえ、地方に目を向けた時、あるいは、その情報の活かされ方という点ではまだ工夫の余地があるということですね。印象的なのは、創業社長であれば成長性はあるのかとの問いに対しては、肉食的にドヤを決め込む事も多いわけですが、山口さんの語り口は楽観もせずニュートラルに語られていることです。一部では山口さんの説明に覇気がないというか情熱性が薄いという声を聞いたことがあるのですが、私は逆にこの程度の言い回しの方が信頼できるなと思います。あまり安易に成長絶対して見せます!やり抜きますっとかより、冷静にあるべき姿を示している辺りがいいなと思います。
 価格転嫁についても少なくても前向きに価値を高めて値上げも含めて会社を成長させていく所存とかいってもいいのですが、どちらかというか、まずは素地をPR TIMES側で十分整えてから、という言い回しなので当面は必要な価値を高めていく活動に集中されるおつもりなのでしょう。
 その時に先の質問にも示した通り、イノベーションの活動をどう進めていくか、とても難しい局面が続きます。若い世代の台頭もあるようですので、この日に登壇した社員の皆さんなど中心にぜひ頑張って頂きたいですし、そういう活動を支援できる経営メンバーであって欲しいなと思います。

Q 成長阻害要因のリスク要素について
 中期経営目標に向けた取り組みにおいて、成長させることを企図している中で、踊り場として業績成長が止まるリスク要因としてはどのような事を懸念されているか。
A
 上場以降、踊り場というものはあった。というより、このままやっていればあと少しはいけるという状態で、常に新しい施策を打っていかねばならないという意味では常に踊り場を意識して対応を行ってきた。月例会というタイミングで創業来からの月次の収益などを毎月確認する場がある。ここでは、新入社員(インターン生)も含めて全てを明らかにして共有を図っている。そんな中でつぶさにみていくと、連続で前年割れが続くという時もあったりしたし、周囲からは常に成長が止まるとも言われ続けてきた中でも、それぞれのタイミングでブレークして今に至り一定の評価を頂けるようにもなった。周囲からの市場参入も限られる中で、市場自体もそこまで拡大しないという見立てによるものもあるだろうし、内部的にも様々な事象により、常にリスクばかりだと認識しながら運営を行っている。一方で、これはチャンっ!って胸躍るような可能性にワクワクを感じる機会も多くて、リスクとチャンスの両方を抱きながら日々経営している。
 なお、中期経営目標そのものは25年とそこまで長いものだとは捉えてなくて、この中期目線で極端な話、25年の財務目標だけをクリアすればいいという究極のゴールであるならば、ある程度各種調整して達成に向けたかじ取りだってできる。ただ、それは究極のゴールどころか、ひとつの目安でのマイルストンでしかないし、ミッションの実現という展望を描く時には正しいかじ取りではないと考えている。なので、事業を伸ばすという選択と中期目標を達成するという要素を両天秤にかけなくてはならないとなった時には、躊躇なく事業を伸ばすを選択すると思う。それだけポテンシャルがあると思うから。
 とはいえ、その投資を打つためには一定のキャッシュフローが求められるのも事実であり、利益は目的ではなく手段であるという認識の下で、一定の目標目安を持ち、そういったチャレンジも躊躇なくできるための利益を上げることも大事だと考えている。
 以上からリスクは常に想定しつつも、チャンスに目を向けて事業を伸ばすという事に拘ってやっていきたいし、中期目標は重要ではないけど重要なものという曖昧さをもって認識しているところ。
■考察
 なかなか言葉にならない説明を一生懸命に伝えようという気持ちが伝わってきましたが、こういう想いを理解してもらうには相当丁寧なIRが求められる気がしますね。中期経営目標はおろか、足元の見通しを減益で示しただけで時価総額が3割以上毀損してしまう位、敏感な方々を相手にしなくてはならないわけですからね(笑)。中期経営目標が未達なんてことになれば、半額バーゲンとか平気にやってしまいそうな気がしてなりません。
 で、まぁ私の場合評価額が半額になっても、まぁしょうがないかって自分のトレードの下手くそぶりを省みるだけなのでそれでいいのですが、多くの投資家にとってはなかなか耐え難い事のような気もします。
 数値を出せば必達を求められ、数値を出さないと疑心感に溢れ、正解のない、いやどっちみち誤答しかないクイズのようなものかもしれませんが、それでも真摯に説明を尽そうとするのはいいなと思います。ですが、これがこういうごく限られた株主にのみ発せられるのは不幸だなとも思います。
 中期経営計画ではなく目標としている趣旨、そしてこの天秤の話、それが経営にとっても企業価値にとっても最善なんだという説明を重ねるしかないのですが、そういう説明はより丁寧になされる方が良いかなと思います。
 現状で、IRページには中期経営目標に特化した案内のページはありません。まずはそういうページを作成し、必要なら山口さんの語る想い(単にこの目標達成に邁進します!というありきたりのスローガン的なものではなく、真の想いを語る的な)を動画にして一緒に貼付するなどしていくことがあってもよいかもしれませんね。
 中期経営目標の定量を軽視しているなんて辛辣な声もあるかもしれませんが、実直に思いをつらねば、伝わるとも思いますし、少なくても株価の乱高下は多少なりとも抑制できるのではないかとも思います。

★Q 今後のM&A含めた投資方向性について
 現状で高い自己資本比率を維持し、現金も積み上がってきている中で、中計経営目標の達成に向けてはM&Aも含めた投資投下が重要な政策になってくると思うが、その方針について我々株主も一緒に共感できるお話を頂きたい
A
 高い自己新本比率である事は認知しているが、投資想定に対して十分な現金が積み上がっているかと言われればまだ不足していると捉えている。どこに目線を置くかということもあるが、配当を含めて考えた時にはまだまだ我々の投資ニーズに対して現金は十分ではないと捉えている。また配当は否定しつつも自己株買いは否定していないことから、適宜株主総利回りというものを想定しながら判断をしていきたい。
■考察
 現金の過不足という視点は確かにどこに目線を置くかで変わりますね。私は以下のBSとCFの状態(マネックスさんの銘柄スカウターより抜粋)をみて現金も多いと表現しましたが、投資機会に対しては十分ではないそうですね。

引用元:銘柄スカウター
引用元:銘柄スカウター

 で、頂いたご回答が配当や自己株買い等還元に関する点に関してですが、こちらの質問の伝え方が悪かったのかもしれませんが、M&Aや事業投資に関して質問したつもりでした。ただ、事業投資にはこの事前質問後の決算で積極的な投資方針が示されたので、結果方針は共有頂けたものと認識しています。
 なお、私は事業投資の機会があると確信されていると認識していますから、同社にいわゆる株主還元は求めません。しっかりと事業成長を果たし、企業価値を上げて頂く事が大切なことだと思います。

Q PressWalkerの台頭による競合対策
 PressWalkerの完全無料サービス(KADOKAWA)がローンチされて、PR TIMESの優位性の点で競合対策含めて考えられている点があれば教えて欲しい。
A
 当件でいくつか取材を受けたりもしたが、この件に関わらず、競合の状況を見ないようにしている。実際今回のPressWalkerの件でも(これまでの競合サービスに対しても同様)、社内でPressWalker対策をどうする、みたいな話を一度もしたことがない。これは、決して競合製品を軽視しているわけではない。同じ事業ドメインの中でサービスを立ち上げられる事には敬意を持つし、それが脅威になることだってあるかもしれない。しかし、だからといって、その競合製品に目線を向けてしまうことによって、顧客やその先にいるメディアや生活者への目線が損なわれたり希薄化してしまうといった問題も生じ得るとも思っている。だから絶対に競合サービスはみないようにしている。性格としては図太くないため当然動向は気にはなるが。
 なお、この説明会を設けることは前々からやる事を決めていた。そうでないと、都合が悪かったりすれば避けてしまいたくなるし、説明責任と言いつつも最低限で済ませてしまいたいという位には弱い人間。だから先にこうと決めて行動している。競合の件も同じでこうと決めたら気にはなるけど、敢えて見ないようにするという事を徹底している。
 そしてそういう顧客目線から目をそらさないという事を徹底するからこそ、現場に対しても高い目標設定を課していくし、野心的な目標を設定をしない時点で失敗と言い続けている。
■考察
 元々競合は意識しないということは首尾一貫されてきましたが、今日はその思考の背景までより細かく語って頂きました。競合をきちんと意識してこそのリーダーの存在であるともいえるわけで賛否も分かれそうな所かなと思います。
 よく言われる競争地位の戦略論では、リーダー、チャレンジャー、フォローワー、ニッチャーという4分類の中で、リーダーは模倣戦略で優位性を継続させていくことがセオリーとも言われいます。高いシェアやコスト優位性を背景に、模倣していくことで、リーダーであり続けるとうものですね。  
 従って、PR TIMESは広義的な寡占化こそ過渡期とはいえ、多くの支持を拡げる中で、本来は模倣戦略を取る上でも競合状況はつぶさに動向をみておくべきというのがセオリー論だと思います。
 しかしながら、敢えて意識をしない、見ないようにしているというのは興味深いですよね。そしてその目線を顧客からそらさぬようにすることが重要だということです。それが結果的に事業価値を高め参入障壁をより確固たるものにするという展望です。ですから、リーダーというより、敢えて区分すればニッチャーなのかもしれませんね。
 軽視しているわけでもないし、気にはなるけど、ブレる要素になるから敢えてみないんだ、という辺りも、説明会から逃げられない様にするという思考あたりもなんだか人間味溢れているなと感じます。

Q 配信数増加に伴う弊害について
 PR TIMESの配信数が増えていく中で、受信するリリースも増えていくことで、それぞれのリリースに目を通す機会も希薄化し、それぞれの内容へのエンゲージメントの低下を招くという側面もある気がする。埋没しがちにもなってしまう現状において、より細かい受信設定を可能とするなど、ユーザーの利便性に配慮した仕組みは検討されないのか。
A
 指摘のように報道機関等のユーザーに対して、より多くのプレスリリースが配信されるようになることで、1件当たりのリリースに触れられる時間が少なくなるといったようなエンゲージメントの低下に繋がる恐れのある事象は事実としては存在するかもしれない。一方で、こういったプレスリリースはすべてPR TIMESサイトに掲載され、いつでもだれでも閲覧できるようになる仕組みでもある。そのため、個人が検索エンジンなどから流入して認知されるというチャネルもより多くなってくると想定している。結果としてそのリリースに触れる機会というのは総体としてはそうそう変わるものではなく、配信者にとってエンゲージメントが下がるということはないと捉えている。
 また細かいセグメントでの配信により細かい設定を可能とする点は課題ではあるが、現状でまずできることとしては、保存機能を有しているため、本来見る想定ではなかったものも含めて保存をしてもらうことで、スクリーニングして利用頂く等のシーンを想定している。(回答者:三浦さん)
■考察
 エンゲージメントとしては、確かにユーザー側は今までは1日に数件の配信であれば自分の興味分野ということもあり目を通せていたものも、1日に何十件の配信となるともはや埋没してしまうということも理解できますよね。PR TIMESサイトの掲載や検索エンジンからの流入によって総体は変わらないのはその通りかもしれませんが、直接リリースをお届けするといった時の、リーチ力が埋没等の懸念で下がった時にどういう顧客側の心証になるのかは興味がありますね。
 ヤフーのメールであるカテゴリでメーリングリストに登録されているとうんざりするほどのメールが来るわけですが(というか無意識に登録されてメールが来るから迷惑なんですよね…)、ヤフーのポータルサイトでニュース記事になるからバズるみたいな話しはよくありますよね。メーリングリストでの配信なんて最初からあまり期待してなくて、ポータル力みたいなところなのでしょう。
 そう見た時、PR TIMESサイトがそういう位置づけかというとまた違う気もしていて、ポータル機能としての役回りは検索エンジン流入が一定程度あるし、提携メディア(ヤフーなどを含む)で総体としては不変ということなのでしょうね。
 また、セグメントの配信の件は、確かに細かく設定出来ればいいのでしょうが、カテゴリを詳細に切れば切るほど、配信側にとっては、接触機会が漸減してしまう施策でもあるため、なんなか取りづらいということなんでしょうね。保存機能はいいと思いますが、そもそも埋没しがちになっている大量のインプットをスクリーニングする気力があるかという問題もありそうな気がします。(回答:三浦さん)

Q 従業員の処遇改善について
 従業員の処遇改善(ベースアップなど)についてはどのような見解であるか。
A
 ものすごく拘っている。毎期従業員の給与を集計してくれるため、そのレポートをいつも楽しみにしている。給与というのは急に上げればいいというものでもないし、給与が高いからといって事業がうまくいくというわけでもない。重要なことは、事業の成長と合わせてじっくり上げていく事が大事だと思っている。それから、社員もストックオプションや持株会等の仕組みで従業員株主となってもらい、共に共有しているということも重要な事だと思っている。(回答:山口さん)
 株主でもありストックオプションを付与してもらっている。株価が下がるとやはりショック。某掲示板を見る事もあり苦しくなることもある(回答:三浦さん)
 まだ3年目ということであり、給与水準をあまり意識したことがないが、今後期待している。社会人になるまで株とか考えたこともなかった。月例会で経営情報をオープンにして見られる事は良いと思っていて、今後様々な意味で参画をしていきたい(回答:吉田さん)
■考察
 数値の好きな山口さんなので、きっとこういうデータも数値をみて様々な思考を巡らせているのだろうと思います。ただ上げればいいだけではなく、適切な成長に応じてあげていく事が大事というあたりも、地に足のついた考え方だなと思います。

Q 株価対策について
 一時期に比べて株価が低調だが対策はどう考えているか。
A
 (ストップ安になった)今日の状況をみて、決算が評価されなかったものと重く受け止めている。ただ、我々はこれを単にマネーゲームとして受け止めるだけでなく、事業価値を高めていくという姿勢で巻き返していく事が重要だと思っている。長く積み上げてきたものを短期で失望をさせてしまった点は真摯に受け止めつつ、これを短期で巻き返そうと短絡的な対応とせず、中長期で今ある投資成果を享受して挽回させていくことで我慢を強いてしまっている株主にも報いていきたいと考えている。なお、中長期でというのもずっと使い続けるのではなく、一つの目安としている2025年、そしてそれがみえてくるもっと前にマーケットから評価をしてもらえる形で運営を頑張っていきたい。
■考察
 株価について場が荒れないといいなと思って危惧してましたが、結果的に株価の質問はこの一問だけだったのではないでしょうか。しかも事前質問だったこともあり、ストップ安を受けてのものでなかったせいかもしれませんが、穏やかなものでした(笑)。
 回答で仰られている事が全てだと思うので、この軟調な株価形成に悔しさもあると思いますが、短絡的にテクニックでどうこうということではなく、しっかり事業成長を見せて報いて頂きたいなと思います。

■ 説明会後の質疑応答(ライブ中継終了・適宜解散)

Q 会議体の意思決定スキーム
 PR TIMESにおける意思決定において、もっとも重要な意思決定はどのようなフローで行われているのか。また、親会社であるベクトルからの意思決定等における圧のようなものはないのか。
A
 当社でもっと重要な意思決定は取締役会。今回の業績予想の修正の決議についても2度ほど決議を経ている。まず最初に、3月の取締役会で今期予算に関して決議を行った。他の議案もある中で、この議案だけで多くの時間を費やす位にとりわけ社外取締役からの厳しい意見が示され議論をさせてもらった。つまり、減益をさせてまでやる必要があるのかという指摘だった。そしてその後4月にもう一度変更予算を決議した。これは更に投資を拠出する予算案を示した。特に人件費に係る予算は増額を行い、より強く組織拡大を展望したいという意思を示した。また海外の取り組みについても一部スキーム変更に伴い費用の増額の反映した。
 なお、海外については、説明が足りていないという指摘があるが、その通りだと認識している。しかしながら、関係者がいることについては、我々の独断で表現できないというもどかしさがあり、現状においては不足している事を認識しているものの、これ以上の踏み込んだ説明が出来ない点は理解頂きたい。納得はしてもらえないと思うが、時間を頂きたい。
 また、社外取締役はベクトルには関与していない方である。ベクトルとのコミュニケーションは会長とは今年一度だけお話している。マクロな取り組み等会話をすることがあるが、いずれにせよ、当社の意思決定の独立性に影響をきたしていない。昨年は株主総会決議を要する譲渡制限付き株式報酬の導入を付議する際に、ベクトルにはない制度でもあり事前に照会を行ったという経緯がある。いずれにせよ業務執行上において制約があるものではない。
 ちなみに私(山口さん)は、コーポレートガバナンスコードを読むのが大好き。持続的な市場成長と、事業成長と企業価値向上を追っている中で、企業家精神を燃やして欲しいと記載がある。取締役会でリスクテイクする環境を構築してその活動に資するようにチャレンジをするようにということ。その上で、その部分で説明責任を総会以外でも発信するようにという記載になっている。そういう点からも特定の株主だけに説明を行う、業務執行の相談をするということはない。私自身がきちんと悩み、必要な時に一緒に行動してくれている仲間にも相談をしながら取締役会で決議を頂いている。
■考察
 取締役会での緊迫した様子?もご紹介頂きました。多くの株主が当たり前に期待している増益前提の展望に対して、敢えて減益をしてまでやるのかという反対意見は、恐らく本当に反対をしたかったわけではなく、社長自身の覚悟を図る上でもよい議論だったものと推測されます。こういう緊張感があることがいいことですね。創業社長が示す見込みに対して、喧々諤々と議論が出来ることはとてもいい事ですからね。
 海外展開については、前日のアナリスト向け説明会の時にも歯切れが悪かったわけですが、そのことを承知しつつ、今は諸々の事情で話が出来ないという事が改めて鮮明になったと同時に、確か前日の説明会ではオーガニックかM&A等の活用といった所もベールに包まれていましたが、今日の回答のニュアンスからなんとなく方向性は滲んできた気がします。良いご縁になればいいですね。
 それから株主から経営の委託を受けていることから、コーポレートガバナンスコードを読むのが好きというのも興味深いですね。企業家精神を燃やしリスクテイクしてチャレンジすることと、説明責任を果たせという部分にまさに忠実に今回も対応されているのだなと思いました。こういう部分からも実直な方なのだなと感じます。

Q 株主優待について
 株主優待制度は独自な取り組みをされてて魅力あると思っているが、一方で四季報等には株主優待なしとなっている。これはどういう理由なのか。
 また貸株をしていると、優待があると登録をされている場合、証券会社側の仕組みでもって自動で貸株が返却される仕組みがあるが、優待がないとされているため、この自動での返却がなされず権利が失効してしまう可能性があるという点でも不便である。
A
 我々はこれを株主優待だとは言い切っていないところもある。あくまでこの制度を利用して、顧客と株主と繋げる仕組みという理解で運営している。従って、この仕組みを株主優待として認識されるかは媒体側の個々の判断になっている部分でもある。とはいえ、わかりづらさもある事も事実であるため今後改善していきたい。
■考察
 率直に申し上げて、個人的には何とモヤっとする質問だなと感じました。確かにわかりづらさがある事は事実かもしれませんが、PR TIMESがどういう思いでこの制度に意義を見出し模索されているのかという点での想像が足りてないのではないかなと感じます。もちろん、今の状況が最善ではなく改善点も多いのだと思います。
 そして貸株の話に至っては、しらんがな、という感想です。そもそも半年以上継続保有が条件についており、100株単元で権利を取得するわけですから、100株だけ残して貸株すればいいだけの話でもあります。なんというか、残念なコミュニケーションだなと感じました(重ねて申し上げますが、あくまで個人的な所感です)。

Q 株主優待の継続性について
 ベクトルでは優待廃止という話もあがっているが、PR TIMESでは今後も継続されていくおつもりか。
A
 ベクトルが使われている制度も認識している(プレミアム優待倶楽部のことですね)。また我々のお客様でもある。そんな中、PR TIMESもこの制度の紹介を受けたことがある。ただ、我々のやりたい優待とは違う趣旨(つまりPR TIMESとあまりにかけ離れた制度である事は馴染まないということ)となることから、この制度は見合わせたという経緯がある。そのような中で、株主にも喜んでいただける一方で我々のお客様にも喜ばれ、そしてPR TIMESの魅力も高められるといった制度の在り方を模索している。そういう模索の中でまずは昨年160社余りのお客様から様々な提供をして頂き、株主と顧客を結ぶようなコンセプトで企画をした次第。
 しかしながら昨年やってみて、配送費の問題だったりミスマッチの発生など課題が生じた事も事実であり、そういうものを是正しながら、長引くコロナ禍で特に苦しみを得ているような業態のお客様にフォーカスを当てながら何が出来るかと考えた結果が今年の制度である。今後も顧客のためにも株主のためにもなるような企画をより高めていきたいと考えている。
■考察
 丁寧な説明だなと思いました。株主優待制度というものに対してもきちんと考えて対応されているなと感じます。よく我々はB2Cのビジネスでもないからなかなか提供できるものがなくて…なんてことを見聞きしますが、B2B主体だったとしても、顧客と株主を結ぶというコンセプトで真摯に考えられているんですよね。
 そして単に優待の継続有無という回答ではなく、この顧客と株主とANDで繋ぎ、如何に両者に喜んでもらえる企画にするか、今後も改善をし続けていく事を約束するというお話でした。単に継続有無ではない高次元の話だったなと思います。
 今回は配送コストも考慮し、かさばらないギフトカード等が主体となっており、かつ全国的に使えそうであるとか飲食など特定業種ということで、大手の金券みたいなものが多くなっています。そういう意味では昨年の方が楽しい企画だったと思うのですが、今も模索中ということですから、今後も色々な形でPR TIMESらしさを発揮してくれるのかなと思います。
 個人的にはモノの提供だけでなく、コトの共有なんてものがあってもいいのかなと思いました。多分参加者がごく限られると思うのですが…。例えば、PR TIMESでのプレスリリースで注目を浴びたヒトやコトに対して、その発信元の方の意欲があったら、そのヒトやモノに触れる機会を提供するイメージです。
 例えばあるAという行動者の方がいて、何か情熱的な取り組みをされている中で、PR TIMESでプレスリリースを行ったとした時、その方の下で株主がツアーで訪れ、その行動者の姿や考えに触れられる機会を創るといったイメージです。当然キャパの問題、運営の問題もあるでしょうし、そもそもそんな奇特な企画に手をあげて参加される方も限られるかもしれないので、最初は全国で数か所フォーカスを当てる行動者さんを紹介し、ツアー参加者を募り、自己負担の現地集合現地解散で運営するわけです。なんなら、その行動者さんが物販を扱っていれば、対話の中でそのモノをもちろん有償で求める事もできる、みたいな。
 まぁ特定の行動者さんだけにフォーカスを当てるということについての是非とかハレーションの下になるとかあるかもしれませんけどね。一定の基準でセレクションんするとかしないとならないかもしれませんし、それが適当かという問題もあるでしょうから、実際には難しい事も多いと思います。

★Q 取締役会での合意形成のスタンス
 業績予想の修正の際に取締役会でも議論があったという話もあったが、取締役会で、特に意見が対立した際に、合意形成を図る上でどのような点を大切にして運営をされているか。
A
 投資による減益予想の件では、如何にこの投資が必要なもので、かつ中長期で見た時に蓋然性が高いものであるかと丁寧に説明をし尽くして納得頂くというスタンスで対応した。我々の取締役会はメンバーに恵まれており、この事業が本当に可能性があるものだと皆が真面目に信じている。だからこそ、減益の件も、むしろ増益を維持した状態でも投資は十分打てるのではないかという期待から来るものであった。つまり投資そのものを否定しているわけではなく、むしろ皆が可能性を信じているからこそ生まれた議論だったと思っている。なので、反対の要素をきちんと受け止め、その一つ一つを丁寧に説明して賛成してもらえるように努力する事での地道な活動での合意形成である。
 なお、過去にはそういった活動を経ても賛成を得られなかったという経験はもちろんあって、その場合には議案そのものを取り下げるということもあった(山口さん以外全員反対という事もあったよ(失笑)みたいな話も込みで)。もちろんそれでもまだ諦めず(美濃部さん仰るようにしつこいので)、今も温めている案件がある。ただ他の取締役からの指摘の通りリスクもある事も事実のため、まだ誰もやっていないこのアイデアもいつかやってみたいと思っている。
■考察
 創業社長であるが故に、一種ワンマン色がどの程度あるのかを把握してみたいなと思いました。いや、ワンマンって悪い事ではなく、強いリーダーシップでもって、組織を牽引する強さというのがありますからね。私の保有株では、昭和のリーダーシップの丸和運輸機関の和佐見さんとかが該当します(笑)。そして回答の様子からみると、強い信念のようなものがあって、リーダーシップを発揮しつつも、地道に説明を尽して納得してもらうという合意形成プロセスのセオリーに順じた対応をされているなと感じました。雰囲気からするといい牽制具合があっていいなと感じました。社外取締役がこの件で反対をしたのも忖度なく、きちんと説明を求めていき、どこに納得点があるかをきちんと模索されていますし、何より、全員が真に可能性を感じているという素地がある点がいいですね。
 一方で温めている案件があるようで、全員に反対されてもなお、しつこく機会を狙っているあたり、わくわくしながら経営されているのかなとも感じました。我々投資家は常に失敗リスクとか期待値とかいって、自らのリターン収益期待に照らして、是々非々いうわけですが、確かにそういう意味での牽制は重要なのですが、一方で新しい事をやる時には無駄がないと成立しない部分もあります。ですから、無駄な事も無駄で終わらせないような寄り添い方が大事なのかなと感じました。

★Q プロダクトの方針について
 JootoにしろTayoriにしろ、今期から広告宣伝費を厚く投下すると共に、体制面を拡充することで、高い目標達成を狙って行くというご説明だった。一方で、これらのプロダクトが置かれている課題というのは、例えば認知度が低いことだったり、サポート面含めた体制の脆弱性が課題だということなのか。競合は意識しないと仰られている事は認識しているが、プロジェクト管理ツールにせよコミュニケーションツールにせよ、あまたある製品群から選ばれる、かつ有料アカウントにシフトしてもらう中では、機能面やサポート体制を含めた製品力等でも課題があるのではないかと認識している。
 今回広告宣伝と体制強化という施策が表に出てきているが、これらのプロダクトの置かれている課題認識をどこに持ち、だからこの政策なんだという部分にまだ腹落ち出来ていない所もあるので、補足でご説明を頂きたい。
A
 これらの製品における共通点が2つある。①認知度が低い、②にも拘わらずオーガニックで緩やかながらも伸長しているという部分。これらの共通点からわかることは、用事がある人(つまりプロジェクト管理やコミュニケションデザインをちょっとやってみたい人)が検索をすることによってこれらの製品を見つけてくれて利用頂けているということ。とはいえ、有料アカウントがなかなか伸びない、つまり真に探してくれた人の欲求に応えられていないという所に課題があって、その対応のためにはやはり勝手にダウンロードして使ってみてだけではだめで、体制構築をして提供ではなく解決をするというスタンスで網羅していかないと将来がないと考えている。
 そういう意味で、この認知度を上げるという取り組みと、利用してみて実際の用事が満たせるようなサポート体制をきちんと構築していく事を同時並行でやりたいという考えがある。そのような判断から、今回の発表になっている。
 当然のことながら、広告宣伝だけをやれば伸びるという程甘いものではなく、本質的には顧客の用事にきちんと答えられる体制の下、顧客体験を増やし、カスタマサクセスの実感というプロセスが成り立ってこその認知度向上だとか考えている。
■考察
 認知度と現状の機能を使いこなせるサポート体制があればよいということのようですね。あとは大企業などでは独自のプロジェクトツールを自作したりデファクト化していたりすることもあります。つまり製品の使い勝手やサポート体制の良さで自由にツールを選ぶというより、自社で開発した、あるいは標準化という枠組みの中でこれを使うことを規定しているようなケースもあります。大企業だけでなく、そこからの仕事を受ける上でも平仄を合わせるみたいな所で政治的に決まる部分もあります。
 例えば某SIerが自社で開発したプロジェクト管理ツールがあったとして、それでPM管理を行うことを標準化しているとした時、いや、うちのチームはJootoを使いますわーってのはなかなか難しい面があります。そしてこのSIerから仕事を受ける会社も発注要件にこの指定したツールを利用する事が規定されていたりもします。
 あるいは、大手SIerであっても顧客側のシステム部門が使うツールがあって、それに合わせて欲しいというのがRFPに記載されるケースなどもあります。そうなると、なかなか抗えないという理屈も生じてきます。
 つまり有料化に期待が持てる比較的大きなサイズの企業体を想定した見た時に、例え認知度があってサポート体制がよかったとしても、それが広く浸透していけるかというと、例示したような部分での難しさもあります。
 もちろん、だからダメといっているわけではなくて、そういう環境下においてどういうアプローチがあればいいのかという視点が大切だと思うわけです。個人事業主や中小企業のようなあまりこういう要件が作用していない中では影響はあまり受けないと思いますが、今後拡販していく上で、社内の規定がとか、顧客要望がとかで、様々な壁がありそうですね。頑張って頂きたいなと思います。

★Q システムの可用性について
 昨年も何度かシステム上のトラブルが生じた。セキュリティに係る問題であったり、障害によるサービス停止などがあったと記憶している。CTOの方も着任され、一定の体制強化もされる中でこのような部分にも対策を打たれてきたと思う。
 そんな中、プレスリリース全般を見渡した時、いわゆる秘匿性や時限性に特に留意が求められるカテゴリと、相対的にはそこまで秘匿性や時限性に拘らないものとに分けることにより、SLA基準も分けて対応していくというような検討はされないのか。
A
 Jootoではプランによってお約束するレベルに応じた体制になっているが、PR TIMESにおいてはそのような志向はもっていない。どのプレスリリースにおいてもセキュリティ事故や時限的なお約束というのはとても大切なもので、優劣をつけられるものではない。従って、何か分けて対応するということではなく、常に高い可用性とセキュリティに基づき提供していくことが原則であると考えている。
 一方で指摘の通り度々問題は起きるではないかという指摘も確かにある。これはまだまだPR TIMESのシステム投資とシステムの堅牢性への担保の効果がまだ未熟だという証左でもあると考えている。我々はその中で、優劣をつけるということではなく、PR TIMESが提供するサービス全体が、日本で有数クラスのSLAとセキュリティレベルを充足する事を目指していくべきなのだろう考えている。
 そういう部分での未熟さでトラブルが起これば当然、お客様にも迷惑がかかるし、社員もその対応で疲弊する上に、本来なすべきサポート業務が滞るといった悪循環が生じてしまう。そういうスパイラルに陥らないためにも全体のレベルをあげていく活動を進めていきたい。
■考察
 はい、先走った質問をしてしまい猛省ですね(笑)。プレスリリースというものの意義というか前提を正しく理解していない事に気が付かされました。システムがなすことであるから、システム要件レベルという視点を持ち出す事が馴染まないわけですね。一方で、システムのセキュリティや可用性の部分については他に質問も出てなかったのですが、PR TIMESが既にデファクト化しつつある中で、重要な問題だとも思っています。時限性や秘匿性が求められる中で、信頼性のあるシステムは、当たり前のようで中々当たり前に担保できるものでありません。山口さんも認められているように、足元でも小規模な障害は発生しています。どうしてもこういうものあ生じ得るのはシステム運用を行っていると不可避なわけですが、ミッションクリティカル要素のあるシステムを如何に安定運用させるかはCTOの方がきちんと考えられると思うのですが、私の文章のように「ちゃんとやる」とか「しっかりやる」という幼稚なものではなく、具体的な対策やトラブル初動とリカバリプランを点検しておき信頼性の高い状況を継続して頂けるといいなと思います。

★Q 個人投資家に期待していること
 中長期でPR TIMESの企業価値を高めていく活動にコミットされ、またそういう目線で応援をして欲しいと投資家に対して働きかけておられるものと理解している。一方で、より積極的に投資を行っていくという姿勢を出された中で、株はストップ安まで売り込まれている実情がどのように映っているのかなと心配する部分もある。投資家に対して心折られずにあって欲しいなと思うわけだが、こういう状況を目の当たりにしている今、個人投資家にどのような期待をされているかお伺いしたい。また今回は減益予想を出すという中で一つの節目として説明責任という中においてこういう機会を作って頂いたと捉えているが、個人的には、中長期で応援したいからこそ、これにめげずにこういう機会を今後も継続して作って頂きコミュニケーションが取れるとありがたいと思っている。
A
 個人投資家ではなく、個人株主に限定してお答えする。というのも機関投資であっても、株の保有有無で明確に意識を分けている。私(山口さん)のリソースは事業成長に向けた活動に自分のリソースを投下していかねばならない。それが本質的な使命であり、限られたリソースの中で、株価を上げるためのコミュニケーションというものの優先度は低いと思っている。一方で限られたリソースではあるが、株を保有して応援してもらっている方に対しては、より丁寧な説明を通してコミュニケーションを図ることが重要だと捉えている。そして株主に向けたコミュニケーションは、他の株主にも良い効果をもたらすものと考えている。なぜかというとそのコミュニケーションで得られる助言やアドバイスあるいは問題提起といったものが経営にも活かせることで、結果として企業価値向上に繋がるということがあるから。
 なので個人投資家の方においても、ぜひ、単に質問をするというより、我々にぜひ助言やアドバイスを頂ければありがたい
 ある海外機関投資家で株主である方がおり、最近面談をしていないので株を売られてしまったのかなと心配になり、最近面談を申し入れたことがあった。結局株は売られてなかったのだが、ファーストコンタクトから最近の面談に至るまで一度もPR TIMESの業績について質問をしたことはない(それがいいことかどうかはまた別問題)。しかし、面談の中で、米国に進出した日本企業の評価や好事例や失敗事例などを色々助言してくれたりする。その機関投資家の方が更に紹介してくれた方もまた株主になって頂いたし、同じように様々な助言を与えてくれる。
 個人投資家の方も様々なバックグラウンドをお持ちだったり、他社の事例などを元に、当社に色々な助言を与えて欲しいと願っている。
 また最近も私が直接株主になってもらいたいという方には直接アタックをしており、その際も助言を頂きたいとお願いしている。
■考察
 難しい宿題を頂きましたね(笑)。こういう時に自分のスキルセットの欠如、窓際サラリーマンであることが悔やまれます。私も質問をさせてもらう時には、単に自分の疑問を晴らしたいというよりも、企業との対話の機会としてネタとして挙げている意識を持っています。対話の取っ掛かりとして、また問題提起を含んだ形で寄せるのが理想だと思っています。
 ただ、よく株主総会で、俺様経営論を持ちだし、延々とこうすればいい、ああすればいいを語りだす方がおりますが、そうはなりたくもないんですよね(笑)。だって、自分のような素人がちょっと考えて思いつく程度のアイデアは当然既に社内でも議論されていて、もう何周前の話だよとなるわけですよ。しかし、だからといって、恥ずかしいとか意味ないと勝手に決めつけて何も言わないのはもっと恥ずかしいことでもあります。なので、今後も恥を忍んで質問を通して、助言とまでいわなくても、何かを会社の中で議論できるネタ位は提供できたらなと思います。

Q アナリスト間でPR TIMESを推す活動について
 アナリストの澤田さんはPR TIMESを長年カバレッジされている中で、同業の他のアナリストにもPR TIMESの良さだったりを共有し、輪を広げられるような機会はないのか。
A
 結論から申し上げるとない。各アナリスト毎にレポートを発行する基準なども裁量によってまちまちであるし、リテールのエンドユーザーに対しての営業活動に活用するといった側面もある。そういう中で、説明会等で他のアナリストと顔見知りになることはあって、表面的な話をやり取りすることがあるが、それぞれの裁量がある所まで深入りして会話をなすことは暗黙のうちに成されないというのが実情である。(澤田アナリスト)
■考察
 まぁそれはそうですよね。アナリスト間もまた競争ですからね。個人投資家であれば、お互いに情報を共有して切磋琢磨みたいなこともまだやりやすいのでしょうが、本業でプロということだと、色々な難しさがあり、コミュニケーションもあくまで仕事の上での社交辞令的に要素が高くなるでしょうね。

Q 山口さんの普段の印象
 以前に説明会の動画での山口さんの説明会の様子をみていると、孫さん等のカリスマ経営者のようなちょっと野望を語る際の一種ホラも厭わないような元気さがないのかなと懸念もあったが、今日の説明会では野心もあって、元気な様子から、そういうキャラクターの方なのだと理解できた。一方で普段の山口さんの様子は社員の方からはどうみえているのか。
A
 (ぶっちゃけていいですかの確認後)気分屋さん。機嫌がいい時と悪い時がはっきりしている。だが、人との接し方という面では、分け隔てない。取締役の三島さんと会話をする時と、学生のインターン生と話す時でまるで態度は変わらない。また、山口さんの行動者としての言動に魅了されてPR TIMESで自分は働いていると思っている。(回答:三浦さん)
 自分の最終の面接のときから今に至るまで接して下さる態度はずっと同じ。自分は山口さんの言っている趣旨の100のうち10くらいしかわかってないと思うし、実際そのように率直な指摘をしてくれている。(回答:吉田さん)
■考察
 山口さんのお人柄って穏やかで丁寧だなと思っていますが、社員の方からみてもそうみたいですね。一方で山口さんはとても物事への拘りが強いとも思っていて、あるべき姿にもっていくために合理的な判断をされる方でもあると感じています。優待の件でもミッションの件でも然りです。目標達成より事業成長を優先するといった趣旨も全て強いマインドが背景にあるように思います。
 そういう意味では意図を汲めない社員だったり、株主様気取りの質疑対応とかでもこの穏やかさを堅持されている事を尊敬する一方でストレス対策などはどうされているのかなと興味があります。どんな質問にも、「質問ありがとうございます」と丁寧に受け止めて対応されていたりして、心中お察しする事もある中で、心の中で様々な思いが生じる事もあると思うんですよね。特に私のような弱小株主が知ったような口で質問すれば時に腹が立つと思いますし、優待命みたいな方にも辟易するのではないかなと思うわけです(いや、私が勝手にそう思っているかもなと想像しているだけですからね)。サラリーマンをやっているとだいたい中間管理職になると急に態度が大きくなり、逆に役員に上がっていくと穏やかになって丸くなるのが一般的なのですが、山口さんの場合、役員でもあり社長ではありますが、プレイング社長なんですよね。未だに自ら行動者で企業価値を高めるための直接的な行動をされようとしています。そういう中で、周囲からカリスマを集められる点でどんな対人コミュニケーションを意識されているのかなと興味がわいてきました。

Q 美濃部さんの立ち位置について
 美濃部さんはボードメンバに入っているわけでもないが、助言をする立場で当社に関われているが、何かコンサル契約のようなものを締結した上で対応されているのか。また、これだけ頼りにされ、実際に様々な助言を与えて下さっているのにPR TIMESにジョインされないのは何か理由があるのか。
A
 タイミングの問題だったのかなぁと。結婚したかったけど、どういうわけか結婚に至らなかったみたいな事ってあるじゃないですか…的な。(ユニークな表現ですね(笑))
 助言についてはお仕事として受ける時にはそのように対応している。(回答:美濃部さん)
■考察
 私もこれだけ山口さんからも頼りにされているということから、ジョインされたらと思ったのですが、ジョインしていないからこその関係性というのも結果的によさがあるものなのかもしれませんね。今後も助言を下さる立場でPR TIMESの良さを引き出してくれるフォロワーであって欲しいなと株主としても期待をしたいですね。

Q アナリスト目線でのヒストリカルな見解
 6年に渡るカバレッジをされてきているとのことだが、この期間どのような点が魅力と感じられてきたか。また6年前から今に至る中で、この会社が変わったと思う点と、変わらずにある点とがあれば教えて欲しい。
A
 この6年間、真摯に事業に向き合う山口さんの姿勢、そして丁寧に取材に対応下さる点に魅力を感じてきた。特に初期の頃はPRというものの理解が全くない中で、基本的な質問を重ねてきたわけだが、そのひとつひとつに丁寧に対応を下さった。その中で感じたのは経営戦略がしっかりしているということであったし、質疑の中でいかに社員の方が動きやすように働きかけていくかという問いをした際の現場に対する熱弁ぶりをみてこの一丸となって成長させていくぞという強い気持ちに心動かされた。そして6年の月日が経ち事業の拡大はもちろんであるが、数値面も株価も躍進したと認識している。
 今後については、PR TIMESが規模拡大を志向していく中で、大企業病のような兆候(社員の自律性が下がったり、会社にすがろうというマインド蔓延)があればきちんとコミュニケーションを通して助言をしていきたいし、それでも変わらないようであれば、それが私がカバレッジを止める時だと思う(回答者:澤田さん)
■考察
 長年アナリストとしてPR TIMESをカバレッジしているだけあって、会社愛に満ちていますね。最後の所で、会社によくない兆候があればきちんと提言していく、それでもだめならお別れするってことですが、まさに求めている助言がこういう場でもなされているんだなと思います。私もまだ歴は短いですが、今後会社へのエンゲージメントを深め、弱小株主だったとしても、会社がよりよくなるような提言も出来るようになりたいなと思いました。

Q ファンマーケティングの観点での株主優待について
 先ほど、山口さんからは株主優待制度と言い切っているわけではないという趣旨の発言がありモヤモヤしている。個人投資家として優待を楽しみにしている中で、ファンマーケティングの観点から優待制度についての見解を美濃部さんに伺いたい。
 また、事前質問でも優待の件を送付しているが取り上げられてないのは、株主優待制度への想いが消極的だからなのか、三島さんに伺いたい。
A
 株主優待制度が既に実施されていると考えていたが、そうでないなら明確にした方がよいのではないかと考えて、後ほど提言しようと考えていた。ファンマーケティングは、一般的には支持してくれる方が共感し、その共感が他の方へも伝播していく方向性と認識しており、その観点からも株主の方へ何かを提供する事で、PR TIMESのファンが増えていくという事は良い事だと思う。(回答者:美濃部さん)
 広報の立場からも現状のわかりにくさがあることを改めて認識したため、各種媒体を通して明確な制度として認識してもらえるよう対応をしていきたい。また事前質問の紹介として株主優待の件を劣後しているという認識はなく、沢山の質問を頂いている中で、まだこの後に回答を用意していたものもある。後ほど、改めて頂いた質問には回答する時間を設けて対応したい。(回答者:三島さん)
■考察
 前述の株主還元や優待に関する質問をされている方と同一の方の質問です。私の中では、優待命さんと心の中で呼称しておりました(こういう考えの方を否定しているわけではありません)。山口さんが仰っている株主優待制度と言い切っていないというのは、私の認識では、「株主」を優遇するとう形式に違和感があるのだと捉えています。PR TIMESは顧客志向が高い会社であり、こういったステークホルダーマネジメントの観点で、「株主」という特定の立場に対して「優遇」をするという客観的な視点を気にされているのだと考えています。質問者さんは、せっかく楽しみにしている株主優待なのに、それをきちんと示してくれない、株主のためにもきちんと誠意を示して欲しいというニュアンスなのだと私は感じましたが、もう少し視座を拡げてみた時に、顧客からみて、PR TIMESが株主を優遇するという制度に前のめりになっているという姿は、ときにあまりよく映らないという可能性もあるのではないかということです。ですから言葉を選び、そして、顧客と株主が繋がるとか、共にWin-Winになるというような設計を模索されているのでしょう。私は株主として、またPR TIMESのファンとして優待も楽しみにしながら応援したいと思っていますが、ファンマーケティングは広義的に捉えた時、PR TIMESは株主とのファン形成を構築すればいいわけではありません。むしろまずは顧客から事業を通じてファンマーケティングを構築する事が重要だと思います。そういった真摯な活動が結果として、株主にとってもファンマーケティングになるということだと考えています。株主優待を厚遇し、会社と株主の間でのファンマーケティングに注力するというのは、本来あるべき姿ではない、少なくても優先度は低いものだと捉えています(まぁそれでも頂けるものはありがたい、という人間の性のような欲求もないわけではないですけどね)。そういったことを全て飲み込んで(だと思うのですが)、美濃部さんの回答は大人の対応だなと感じました。人を納得させるという所に主眼置き、総論同調での対応ですからね。かなり言葉を選んでいるような印象さえ受けました。
 また、事前質問に俺様の優待の件が挙げられないが消極的なのかという趣旨の発言もあり、三島さんも釈明されていました。時間がない中で一旦区切ったとも説明していましたし、自分の投げかけた質問が取り上げられないのは私もその悲しさには同情する部分も多いのですが、しかし、なんというかもう少し謙虚であった方がいいんではないかなと思うんですよね…。

Q IR活動についての見解
 美濃部さんからみて、PR TIMESのIR活動はどのように映っているか。リリースというのはラブレターのようなものだというお話もあったが、一方で決算説明のリリースをみていると、どこか業務的な印象を受けた。せっかく情熱をもっているので、そういう部分も含めて伝わるといいなと思うが見解を聞きたい。
A
 IRの中で、開示できることとできないことがある。そのため、なかなか伝わらないもどかしさというものはあるのだと思う。加えて、機関投資家などを相手に考えた時、どうしても優先順位として将来への想いとか将来ビジョンという部分より、まずは標準的な説明に時間を割かねばならないといった中で、十分な量と時間が確保されていないという点に課題があるのだと思う。
 ではどうしていくべきかという持論としては、やはり、個人株主・投資家への説明の機会をより作っていくことが重要ではないかと考える。山口さんとは知り合って数年来の仲であるが、本当に1日中会社の事を考えている位熱い方。沢山伝えたいこと、やりたい事があって、これを如何に言語化してアウトプットしていくのか、という事が求められている。なので、今後、三島さんがしっかりやっていかれるものと期待をしている。
 機関投資家向けとなるとどうしても形式的なコミュニケーションになりがちであるが、個人株主の説明の機会をきちんと設け、ビジョンや想いを伝えるという優先度が下がりがちな所がきちんと担保されていくといいのではないか(回答者:美濃部さん)。
■考察
 これはとても良い質問だったなと思いました。今回の減益発表からの株価暴落についても、IR不足という指摘が多くみられました。とはいえ伝えられない事もあって、その制約の中ででは具体的にどのような伝え方がいいのかという代替案が自分は示せず悩んでいました。対話の機会をもっと作っていきましょうって要望を重ねながら、しかし、対話をしたいと思ってもらえるように我々株主も目線をあげなければなりません。ただ情報提供を受ける、教えてもらうだけでは、貴重なリソースを投下したいと思ってもらえませんから継続性がありません。
 美濃部さんが個人株主への発信の機会を増やせばいいというのは、我々にとってみればありがたい援護射撃ではあるのですが、同時にgiveしてもらうだけではだめという意識をもって向き合わねばなりません。そしていくら想いを伝えても、ビジョンを語っても、投機的に売買されるというのもまた現実です(投機が悪いといっているわけではなく、むしろ流動性確保のためには必要な存在です)。そういう中で、会社側が地道にコミュニケーションを継続していこうと意欲をもってもらうためには、我々も相応の価値をリターンできるようにならないとなりません。先ほどの助言をして欲しいという事に繋がります。私もかねてからコミュニケーションを求めていますが、出は自分にその覚悟があるのかという所にまだまだ反省があります。ただでさえ、対人コミュニケーション障害でもありますからね(笑)。

★Q IRの説明の明瞭さについて
 今のIRの件で、個人株主向けの説明を拡充させていく事は今後もぜひお願いしたいと思う中で、伝え方というのもあるのかなと思っている。例えば、利用規約の変更で5%程度の減少を見込むという説明も敢えてライトに言及されていたと思う。実際には、PR TIMES上に新情報にならない情報が混在するようになることにより、プラットフォームとしての魅力度が低下してしまうという懸念の中で、対象の顧客の理解を得ながら規約を変更されたものだと受け止めている。こういう狙いの部分が伝わらないと単に「減少してしまう」という事実だけが認知され、本来の狙いや実はPR TIMESのプラットフォームのためにやっているという事が伝わりにくいという事もあると思う。説明の仕方に難しさ(関係者の目線等)がある事は承知しているが、説明の仕方にも工夫があるといいのかなと思う。具体的にこうしたらいいが示せず恐縮であるが。
A
 我々のIRの開示内容に明瞭さに欠けているという事は事実だと認識している。この件に限らず、不正アクセスの件にしてもわかりづらさがあったと思う。ではなぜそうなのかといえば、取引先、顧客、メディア、地域の方など多くのステークホルダーが存在しており、ここにPR TIMESが関わっているわけだが、株主はそのシェアホルダ―であるという認識をもっている。つまり、各ステークホルダーをシェアしているということ。
 こういう前提の中で、ではシェアホルダ―である皆様にわかりづらさが残ってしまうかといえば、ステークホルダー(顧客)のためにならないからということ。
 不正アクセスの件でも今回の利用規約変更の件で影響を受ける件でも、それを丁寧に説明しようと思えば思う程、顧客のためにならないし、それをシェアする株主のためにもならないという思想がある。確かに丁寧な説明があればすっきりするかもしれないしそれを否定するものでもないし、実際そういう示し方をするかの議論もあった。
 対象となる顧客はどれだけあって、それが誰でという調査が進んでしまうと、そのステークホルダーの方にご迷惑がかかることになるし、それはあってはならない。
 PR TIMESカレッジというイベントを行うが、これも敢えて見込み客ではなく、既存のお客様を対象に開催をする。確かに短期的にみれば、見込み客を対象にした方が、営業戦略上リードを獲得できるので有益かもしれない。しかし、PR TIMESが今のお客様のために誠意を持って対応していくことで、そう求めているわけではないが、自然な流れとしてネットワーク効果によりPR TIMESが中長期で浸透していければいいなと思っている。
 こういう目線を鑑みた時、すっきりする開示ではないかもしれないけど、各ステークホルダーを尊重し、配慮をしていく中で、株主はステークホルダーをシェアしている存在であるわけなので、ご理解を頂きたい。(回答者:山口さん)
 利用規約をUPDATEしている立場で視点を変えて回答する。他社のグローバルレベルに展開している企業では、広告に対するポリシーを情熱を注ぎ策定している。法令順守基準というのは当然ことながら、例えば外見容姿に関わるようなセンシティブに受け止められがちな広告は受け付けないというような活動を率先して開示して対応されている。ここからみえることとしては、短期的に多くの広告収入が得られればいいという思考ではない事が窺える。つまり広告を投稿するユーザーとそれを見る人が楽しく営めるような環境を作ることを企図している。そして我々PR TIMESもこういうレベル感で利用規約をUPDATEしてプラットフォームとして我々があるべき形に運営させていくために関係各所の理解を得ながら対応していく必要があると考えている。
 我々の考えるあるべき姿に向かうため、PR TIMESを一種広告の場として利用されようとされるユーザーに対しては、このPR TIMESが報道機関の方などが真摯に新たな情報を探すばとして利用されている実情などを含めて長い時間をかけて丁寧に説明をすることで、ご理解を頂き、他のプランに変更頂くなどの代替案の提示を進めてきている。この代替案を示すということは、社内でも大事な取り組みとして意識しており、そのような対応を行っているところ。そのため、代替案を示すという姿勢を担保するため、我々はPRの周辺にあるマーケティング、販促といった広い部分での学びを得て、様々な思いで利用を頂いている顧客に対して真摯に向き合っていく必要があると考えている。(回答者:三島さん)
■考察
 山口さんはこの部分はやはり顧客志向の強い思いがあって、それが回答の際の言葉の力にも込められていたと感じました。私の質問の仕方がいけなかったのですが、私は株主が状況をつぶさに明瞭に把握したい、すっきりしたいという趣旨で説明の仕方も開示内容をより充実させて欲しいという趣旨ではありませんでした。まさに今回の回答でどういう想いでこういうことをされるのか、そのプロセスで長い月日のコミュニケーションを経てこういう判断になったという事が、あの説明資料では窺えない点が残念だなと思ったのです。何社とか、個社を特定するなんてもってのほかで、その顧客にとってはセンシティブなことになるわけなので、そんなものは当然開示して欲しいともすべきとも思っていません。
 私だけかもしれませんが、様々な配慮の下で敢えてわかりにくいと自認されている中での開示において、顧客に迷惑が掛からない範疇で、どういう事を企図して、どういう理解を経てきたのかというものをもう少し想像できるような説明でもよかったのかなと思ったのです。
 セキュリティの問題が生じた時にも私は再発防止の体制等に一抹の不安を感じるというツイートもしていました。この件もわかりにくさを自認されていましたが、例示のあったような、どの会社もしくはどの程度の件数が漏れたのかといった詳細化は不要だと思っています。ご認識の通り、それがお客様のためにもならないし、我々株主もそれを知った所で…となりますからね。
 全般的に顧客志向を犠牲にしてまで、株主向けのリリースを充実させる必要もないですし、感情論としてもあまりなんでもかんでも開示すればいいというものではないと承知しています。特に詳細化なんてどこまでいっても答えがるものではないですからね。私が質問に込めた思いは開示情報の詳細化ではなく、想いの共有が想像に繋がるような開示に更に進化できないのかなという気持ちでした。先の説明でもIRが業務的という指摘もありましたが、様々なバランスの中で伝えようとされている事は伝わってくるのですが、強い思いがあるからこそ、顧客に迷惑がかかるような詳細化とは違う部分で、工夫がなされるといいなと思いました。
 後半の三島さんのご回答の中で代替案を示すというお話も良い姿勢だなと思いました。ここにも顧客志向が込められていると思います。仮にPR TIMESの利用が馴染まないとしても、販促など周辺の事にもアンテナ高く学んだ社員が代替案を示していくことが、後々にPR TIMESのためにもなるという解釈をしました。素敵な活動だなと思います。
 多くの投資家は、5%減になると売上があれだけ毀損して…みたいな皮算用になってしまうし、実際短期的にみればそういう下押し要素になるわけですが、違うフィールドに目線を持っている事を私は応援したいなと思います。

*** ここで美濃部さん、澤田さんは退室の案内で拍手で見送り***

Q IRページのQAで知るのコーナーについて
 長年株主として応援しているし、様々な企業に取材を行う活動を行っている中でも、PR TIMESさんをお勧めして普及活動を行っている。他社さんでIR活動にお困りだという相談を受ける機会もあるが、そんな時、とてもいい取り組みだなと思っているPR TIMESさんのIRサイトにあるQAで知るのコーナーをお勧めしている。当初このコーナーは画期的な取り組みで分かりやすいなと思っていたのだが、最近では更新されなくなってしまっている。今後の運営についてはどのように考えられているか。
A
 QAで知るコーナを見て頂き感謝。よくある質問を中心に掲載していたが、最近更新が滞っているのはリソースの問題であり、我々の至らなさだと思っている。今後は更新を頑張っていきたい。(回答者:三島さん)
■考察
 このコーナーは確かに更新があまりされなくなっていましたね。よくあるQAって上場市場とかの基礎情報並べてて、誰がわざわざアクセスして知りたい情報何だろうと疑問に思う会社さんが多いのですが、PR TIMESさんの場合はきちんとしたコーナーになっていますね。資本市場への向き合い方とかなかなかきちんと表現されている会社さんない気がしますからね。
 熱い想いがある会社で、前述の通り、美濃部さんからも三島さんへ言語化される事への期待を寄せられていたので、こういう細かい所から、想いを届ける活動を地道に続けていって欲しいなと思います。
 というか、この質問者さん、完全にプロですよね。各社に取材にいく機会がある個人投資家ってなかなかレアです(笑)。でも前の話で出ていた、助言が欲しいという趣旨にもより近しい株主さんでしょうから、こういう方がバシバシ提言をされたり、助言をされ、建設的な関係が築かれるといいなと思います(自分でなせる事に限度もあり完全に他力本願ですが(笑))。

Q 人材採用について
 先ほどの対談(美濃部さんとのパネルディスカッション)において、もっと人を積極的に採用すればいいんだよ、という趣旨のやり取りがあった。目線が高過ぎるといった課題も指摘されていたが、現状の採用においてはどのようなスタンスで営まれているのか。
A
 面接の通過率などはデータは取っているが、少なくても私(山口さんの最終面接)で落ちているわけではない。この半年に限っていえば、一番私自身が一番多く面接に進んでもらっている方をリファラルしている。それくらい体制面で危機感を感じているということ。機会があればそういう目線で良い人材を集めてきたいと考えているし、知人のツテ等を使って優秀な方にジョインしてもらう事はこれまでもやってきている。
 ただ、普段こういう話をしないのは、決算説明という場では適当ではないと思うから。だけど、こういう場で会社の理解を深めてもらうために率直にお話をしているし、美濃部さんもそういう場であるから、あのようなご指摘をされたと理解している。
 本来はこういう活動は社長の仕事かと言われればそうではないかもしれないが、今はそういう危機感の中で自らスカウト活動等も機会を探っている所。本来社長としては、皆が採用をしやすい環境を作るような組織を牽引していくような役回りであるはず。だが、自分はそもそも牽引型のリーダーシップではなく、自らが行動するようなリーダーシップなのでこういう形になっているのだと思っている。
 ちなみにこういう危機感は常にもっていて、事ある事に自ら行動して仲間集めをやっているし、上場企業でも多分初めてではないかと思うが、少数株主の社長が、従業員に対して上場後に信託型ストックオプションを発行するようなことを通してオーナーシップを持つ仲間を作りたいと思ってやってきた。しかしながらなかなかうまく仲間集めができなかったので、ある時から一気に自分が仲間集めに膨大なリソースをかけたことがあってその時に仲間も増やす事が出来た。
 これまで仲間がなかなか増えない中でもPR TIMESが順調に事業を伸ばすことができたが、一方で仲間が足りない中での成長においては、本来かけてはいけない負担を今のメンバーがにかけさせてしまっているという反省もある。新卒社員が入社後に、少数精鋭と聞いてたが、全然人がいないといったギャップを上げるほど、枯渇していた。(回答者:山口さん)
 新卒採用の場でも人がいないという実情は学生の皆さんにもよく伝えている。採用活動に関わる中で、これまで採用は人事がやるものだと思っていたが、現場の社員がやる意義と必要性というものが最近ようやく理解出来た。(回答者:吉田さん)
 ワンピースという漫画は仲間集めの話だが、仲間集めとうのは、誰か一人が率先してやるものではない。皆が同じ方向に向かっているチームであれば、そのチームのみんながそれぞれにおいでよ、と仲間集めをしていい。そういう権限が各メンバーに託されているというのはとてもいいこと。そして最終面接までくれば追認をすることもあるが、多くの方に仲間に加わってもらっている。
※追認とは例えば一次選考、二次選考で良いとされた場合に、それを尊重して承認するという行為のようですね。 
■考察
 同じ船に乗っている人が自ら仲間を募り、一緒に乗ろうよと声をかけられるというのはよいよね、って話はそうだよね、と思いました。私もサラリーマンとしてリクルート活動をしているのですが、全く違った活動なので、隣の芝生は青く見えるパターンでいいなと思ってしまいました。
 社長が人材リソースという点で危機感を持っているというのは良い事だなと思います。そしてその集め方も、仲間集めと評されているように、きちんと自社の事を踏まえた活動が成されている点がいいと思います。よく投資先の会社に入社してみたくなることがあるのですが、PR TIMESも魅力的な会社だなと思いました(いや私窓際族を自認するくらいのダメ人間なんで用無しなんですけどね(笑))。

Q 株主優待の内容について
 株主優待制度について、今回3000円から5000円相当になったのはなぜか。費用負担の上昇の観点でも問題ないのか。また、これまでは多くの商品が選べる仕様だったが、今回は大手の飲食関連を中心としたギフトカードになってしまった。中小への支援という観点も含めて考えを聞かせて欲しい。
A
 コロナ禍が長引く中で、我々としてどういう事が出来るのかという事を考えた。また配送料の課題もありギフトカードのような形態で、かつ全国的にある程度広く利用できるという事も念頭に選定を行った。また昨年のミスマッチの課題の対応という点も考慮したもの。
 また大手となっている点は、今我々が出来ることとしては制約がある中で今年度はこういう対応となっている。
 価格の幅を上げても、保有期間に制約を設けているため全体としては費用増にはならない。
■考察
 再び優待命さんの登場です(笑)。確かに選定品としては結局大手の限られた業態になっているというのは指摘の通りなんですよね。行動者というものと株主を繋ぐといった時、特定の業種やサイズにフォーカスをされてしまうのは、配送料や利用頻度(ミスマッチ)等を考慮するとこういう判断になったのだと思います。この辺りの個人的所感は前述したので割愛します。 
 質疑には再掲しませんでしたが、貸株やっていると保有期間の問題も改めて尋ねられていましたが、貸株やってると権利が取れないんだよねと言われても会社側も困ると思うんですよね。そもそも貸株ってそういうものですからね。

■ 事前質問の残分

Q 社会的役割
 日本の企業のマーケットでの評価は米国に比べ劣る部分もあり、若い方が事業を行う際にも米国など海外への投資が中心になっているという話もあり悲しく感じている。日本の企業が脚光を浴びれるようになるためには、どのようなIR、リリースが必要であるのか、またその中でPR TIMESがどのような役割を果たす事が出来ると考えられているか。
A
 かつての日本のように国内で魅力的な会社が生まれてこないとならないと考えている。どうして海外に目が向いてしまうのかといえば、海外の企業の方が魅力的に映るからである。我々は良いタイミングで事業が出来ていると思っている。それは今外資の名だたる会社が日本にも参入し事業をされているが、多くの場面でPR TIMESを利用頂けている。これは、日本というアドバンテージを活かせているという側面がある。かつて日本が世界に名を知らしめることになる大手の代表的な会社の方々が日本の価値と認知度上げてくれた中で事業が出来ている。
 そういう意味で世界をあっと言わすような会社に我々自身がなる事が大切な役割であると考えている。上場していて、もしかしてあの名だたる会社のようになるのか、って思われるためには、言葉でいうだけでなく、実績を作っていかねばならない。そういう実績を積み重ねて、グローバルレベルで期待される会社になる事が使命だと思っている。PR TIMESでもそういうレベルにいくんだという事を実績で示す事が後進の励みになるはず。
■考察
 スケールの大きな話でした。色々な会社の名前を具体的に出されておりましたが、ここでは個社名は適切ではないためなんかぼんやりとしていますが(そういう問題ではなく私の文章が下手くそなんですが(笑))、日本発の名だたる会社のように自らがなれるような抱負を語られていました。周りに何が伴えるかという質問者さんの意図だったのかもしれませんが、自らが祖先してグローバルで成功を示すという事が、貢献になるということですね。

Q 株主優待制度について(再)
 事前質問で再度登場(前述の内容と同内容)
A
 これまでの株主優待制度での問題点は大きく2つ。まずはミスマッチ。この制度はお客様と株主の双方が喜べるという内容であるべきだったが、結果として需給のバランスなどもあって、ミスマッチが生じてしまった点は否めない。この制度は双方が喜べるという趣旨だからこそ、株主優待という言葉を使いたくなかった。いずれにせよミスマッチにより悪循環となった点は反省し、今後改善を模索している所。
 また費用の面でも配送料が膨大となってしまった。多くの顧客に参加頂くことでバリエーションも増やしたということもあり、想定を超えるコスト増となってしまった。経済合理性からこれが正しい選択だったのかという点も省みる必要があった。結局のところ、お客様が支払してくれたお金が源泉になっているという構造もきちんと認識せねばならない。
 今回のギフトカードに変更してこれでうまくいくかはまだわからない。ただ、昨年と比較はできるので、今後も検証をしながら、また様々な顧客の声をに耳を傾けてより良い制度になるよう工夫をしていきたい。
 5000円になった件は、半年保有を前提としたことから、長期保有の方を報いたいという中で、全体のコスト状況を踏まえて判断したこと。
■考察
 もういいですね(笑)。たぶん満点を取る事は難しいでしょうから、様々な試行錯誤の中で、企画してみたらいいのではないかなと思います。若い世代の企画創発力を養うという意味でもいいOJTになるのではないかなと思います。

Q 本社移転について
 本社を移転して良かった点や悪くなったと思う点があれば教えて欲しい。
A
 前のオフィスは会議室が不足がちだったが、移転後は余裕があるようになった。また個別のブースがあることで集中して作業もしやすくなった。スペースとしては広過ぎるという印象もあるがコミュニケーションが増えたという点はいい所かも。(回答者:吉田さん)
■考察
 会議室とか不足すると残念な感じになりますもんね~。広すぎると何か困るのかなと思いつつ、働き方も変わりましたからね。

Q チームワークについて
 組織がひとつの方向を目指して成長していく上で最も大切なことはなんだと思っておられるか。
A
 ひとつに絞れないということではあるし、成長といわれると回答が難しい部分があるが、野心的な目標を立てる事が大事だと思う。過去には立てた目標に対して、こんな目標なら立てない方がいいと言われる事もあったし、立てた目標が大幅未達になったと報告をしたこともあった。いずれにせよ、各メンバーが野心的な目標を立てて、そこに向けてコミットして頑張るという事が重要だと思う。(回答者:三浦さん)
 ミッションとバリューがとても大事だと思っている。目先の目標を変えるといった際にも、その先にあるミッションがきちんと定まっているという事が大切。組織として目指すところをミッションやバリューという目線で共有していくこと中で、行動のとり方や価値観を共有している事が強い組織を創るのだと思う。(回答者:三島さん)
 三浦さんの話はとても重要。上場時に中計経営目標として営利10億を掲げた。その当時の利益水準はわずか1.8億だった会社であった。この中計を発表した翌日、株価は大きく下落した。もちろん、同時に発表した決算も良かった。にもかかわらず、冷ややかな目線だった。この当時はあまり理解してなかったが、どこまでいっても信頼をしてもらえないものだと思う。この10億はあくまで目標であって、これからやる事も考えますという状態であった。しかしそんな中でも長期に渡って信じてくれるという株主が徐々に現れてくるもの。そしてこれは今も変わらずで、だから野心的な目標を立てて、同達成していくかを考え行動していく事が大事だと思っている。
 三島さんの話に付け加えるとすると、バリューやミッションということだけでなく、カルチャーというものを考えてみたい。カルチャーとは人を再生産するという事だと思っている。その会社に入ると、その会社の雰囲気になるって事がよくあるが、そういうものがカルチャーだと思っている。多くの会社ではその会社のカルチャーがあって、そういう人になるというのを目の当たりにしてきているわけだが、PR TIMESはまだ人を再生産するだけのカルチャーはない。だから外にそういう人材を求めているというのが実情。本当にいい会社は、人を再生産できる。こういうことができるようになってくると、もう一段上にいける。ただ、今のままでは出来ない。創業社長が出来る事は限られるため、そういうカルチャーを根付かせられるような組織が出来ればより高見にいけると思う。(回答者:山口さん)
■考察
 とても示唆に富んだ話だったなと思います。目標というのは高過ぎてもだめ低すぎてもだめ、適度なものがいいよと私なんかは新人時代に教えられたり、今でもマネジメントとしてそうあるべきみたいな事を教えられます。ただ、これはやはり無難な結果しかもたらす事が出来ないのも事実であり、だからこそ野心的なんでしょうね。
 それからカルチャーの話はとても面白かったです。ここでは個社の名前は出さない方が良いのでちょっとイメージが掴みにくいかもしれませんが、確かに会社の色みたいなものもがあって、そういう人材を再生産できると、組織としての強さはより強固になるでしょうし、目線もより合いやすくなってくるのかなと思います。自分の投資先企業を見渡してみても、こういうカルチャーっぽいのがやはり色濃く出ている会社が多いですし、何かと癖の多い会社のホルダーでもあるので、自然とそういうそれぞれの色を感じられるようになっています。そんな中、頭に浮かんだのは同じような話をしたなと思ったHameeです。カルチャーの重要性は理解したのですが、では、どうやってそのカルチャーを根付かせる事が出来るのか、というか根付くものだと思うのでどういう仕掛けをするといいのか、考えると色々楽しいですね。

Q 親会社の関係性について
 親会社との関係性、事業シナジーについて教えて欲しい。
A
 現状において、親会社とのシナジーはゼロ。親会社やその関連会社と当社が業務提携等をした事実は一度もない。ただ、親会社はPRの世界では日本でトップの企業である。そのエンドのお客様は多数おられるわけで、そういう意味では当社にとっては大切なお客様ということになる。有報でも取引情報に記載があるかと思う。我々としては、親会社の成している事業を代替していくということが、グループとしてみた時に最大の貢献でもあると思っている。いつグループ外からの脅威にさらされるかわからないといった中で、グループとしてこれを補完しあえているということはイノベーションのジレンマの観点でも重要な事だと思う。自社では起こせないイノベーションが独立した業務執行を持つ上場企業が代替し、でもグループとして半分の資本を持っているという状態でシフトされていくならそれは最大のシナジーになりうるのだと思っている。
■考察
 なかなか面白いお考えだなと思いました。リーダ企業の場合、破壊的イノベーションを起こす事が難しいという中で、全くの他人ではない存在が台頭し、様々なイノベーションを起こし、その市場を代替していく中で、親会社としての立場で見た時にも恵まれた状況を担保できるというようなお話ですよね。

Q 事業開発について
 タスク管理のアプリ開発のリリースを見た時、PR TIMESの伸び代がないため取り組まれるようにも見えたのだが、アプリ開発という新規事業とPR事業の親和性等のを踏まえてどのような見解か。
A
 PR TIMESの中期的な夢というのが3つあって、そのうち2つはPR TIMESに関わることであるが、残りのひとつは組織に関わること。どの企業においても、取り組む事業が全て盤石だという中にある組織には優秀な人が集まらないと思っている。今の事業を超える更なる事業を創ろうという野望があるからこそ、その組織に人が集まるという側面がある。短期的な目線に立てば、 もう余計な事は止めて盤石なことだけやっていこうとしたならば、その組織に優秀な人は集まらないし、人材が流出することになる。
 ある会社で多くの事業をいったんぶち上げて、そのほとんどが失敗するわけだが、それでも意欲をもった社員が集まる。PR TIMESにおいても、社長の自分ですら、うまくいくかわからないようなチャレンジ要素を持つことが組織の強さに繋がると思っている。
 そして若い世代がアイデアを持って取り組もうとしていることも、わからないものであれば否定をするかもしれない。でも社内には社長が否定しても、やる人がその人になっていればやれるといういい制度をもっているから、やれる。こういう営みは短期的には損を出すかもしれないが、長期的には組織力が向上すると思っているから長期的な目線でみてもらいたい。
■考察
 質問をかなり違った角度からの回答で面白かったですね。恐らく、TayoriにしろJootoにしろ、競合の事等挙げて厳しいんじゃないかという声をいくらあげても、そうですよね、にしかならないんですよね。だって、うまくいくとわからない中でチャレンジしているわけですからね。そして組織を創るという視点で見た時にもこういうような思考をしているんだなと興味深くお話を伺えました。投資家目線では事業開発といえば、ROIはどうなんだ、回収モデルはとか色々始まるわけですが、ちょっと視点をずらしてみるだけで、経営の奥深さが感じられますね。

Q 株主優待の商品について
 PR TIMESのTシャツや帽子などのグッズが欲しいのだが、株主優待などで頂くようなことは考えられないのか。
A
 照れるのだが貴重な意見。Tシャツはいくつかパターンがあるが優待や総会でも配ればいいのになと思う。ただ、私がやったらいいのにと思ってもやる人が私でなければそうはならない。Tシャツはいいものが出来たと思っているので、個人的にはいいんじゃないかと思う。株主の中には自ら購入してSNSで拡散してくれる人もいる位で感謝。
■考察
 こういう緩い質問いいですよね~。株主総会に参加する株主も役員も社員もみんなTシャツきているとかちょっと宗教っぽくて異様ですが面白いと思います(笑)。

Q 元株主への対応について
 投資家と株主というのは明確に分けているとのお話があったが、元株主についてはどのような位置づけとして思われているか。
A
 売るタイミングについてはぜひ意見を聞いてみたいと思う。最近ある機関投資家の方から教えてもらったのだが、最初当社を空売りして儲けていたのだが、ある時に買いに転換したというお話があった。この会社へアドバイスをするようになって、どんどん会社がよくなっていって成長されたということだった。長期で空売りをされるようなお立場の方がおられればシェアホルダではないのだけど、助言を頂ける機会があれば嬉しいとも思う。ただ、アドバイスを頂くことで、会社がより強くなるとその方のポジションが悪くなってしまうという所もあるから難しいのか。
 いずれにせよ、売却をされた中で、元株主の立場から我々にアドバイスを頂けるならありがたいなと思う。
■考察
 助言が欲しいということなので、この決算後の暴落で多くの方が株を売られたと思うので、ぜひ積極的に売った理由をSNSで発信しましょう(笑)。まぁ巷で話題になっているクソとかやめて、どういう部分に失望したとかでもいいと思うんですよね。辛辣な声でもきっと受け止めてくれると思うんですよ。

5.さいごに

 はい、ここまで読破された方は多分いらっしゃらないと思います(笑)。私自身も一度殴り書きをしてから校正もせずにそのままですからね。今回初めて会社にお邪魔し、山口さんはじめ皆さんにもお会いする事が出来ました。かねてからオンラインで色々なお話を伺う中で、実直で顧客に対して真摯であることを感じていましたが、その所感がより強まる機会になりました。同時に質問を投げかける難しさを改めて実感した会でもありました。でもそんな素人投資家でもこうやってコミュニケーションを図る中で、投資先の会社へのエンゲージメントを高めていけることはありがたいことだなと思います。帰り際にも株主総会も総会と説明会を分けて2部構成にしたらより身近な意見も出やすいのではないかという事も三島さんにもお伝えしました。今年は期近なので難しくても、様々な対話の機会というものを作っていって頂けるのではないかと思っています。
 心残りだったのは、澤田さん、美濃部さん、三浦さん、吉田さんへの質問が十分にできなかったのは悔やまれます。せっかくの機会でしたからね。今になればいろいろ質問したいことが浮かんでくるんですが、臨機応変さが足りてないようです(笑)。
 また会場には実はツイッター等でいつも拝見している方もおられたようでした。全く存じ上げず、お話する機会を逸してしまいました。まぁお話したとしてもろくにコミュニケーションを図れないコミュ障なんですけどね…。

 同社の株価は今日の時点で決算前の引け値から3割強の下落となりました。SNS等サラッと見た感じ概ね以下のような意見が多かったように思います。そして今後も不透明な中でのチャレンジですから、色々な失敗もあると思います。しかし、大事な部分が失われなければいいのかなと私は思っています。この会社におけるミッションの重要性というか大切さ、その拠り所としている所以や実際の現場に至るまでの在り方に触れられた所が一番の大きな収穫だったかなと思います。
 加えて、敢えて短期的にはマイナスとなる事であっても、果敢にリソースを投じる姿にも勇気づけられた気がします。PR TIMESカレッジも敢えて見込み客ではなく既存客のエンゲージメントを高める活動として開催されます。このカレッジとても面白そうですよね。私も参加したい位です。

 今後はこういう不透明な中での投資期を迎えていくことになります。現時点で説明がなかなか難しい状況があることも理解したので、そういうベールがひとつひとつ明るみになり、足元の成否というよりも、その先への期待が持てる、共感できるようなIRをぜひ期待したいと思います。
 頑張れ、PR TIMES!

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