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山の桜はまだまだこれから:「葉桜の季節に君を想うということ」

地元の街の方ではお花見日和も終わりを迎えている頃、私の暮らす小高き山はまだまだこれから。ちょっと離れているだけで時間差でお花見を楽しめるのは、田舎暮らしのいいところ??

といいつつ、用事が無いとなかなか街に出かけないので、今年も皆がインスタで素敵写真を挙げているのを眺めつつ、行かずじまい。

例年のごとく山の桜を待つとしよう。

話は本書に戻って・・・

『葉桜の季節に君を想うということ』とは?

一見、題名だけみるとちょっと切ない系の恋愛小説?それとも、何かの事情で離れ離れになった、親子、家族の話??と思ってしまうが、これが全くの別物でもあり、しかしながらこの題名が最後まで読むと「なるほど」と妙に納得するミステリー小説。

・主人公の成瀬はとても快活な男だ。限りある能力を無駄に使う事はまっぴらごめん、人の一生なんて短いのだからやれることをやってやるという信念のもと、その生活も活発だ。
5時に起き、たっぷりとストレッチ、ジョギングをこなす。
新聞も読むが、インターネットニュースも欠かさずチェック。
仕事は警備、ガードマン、パソコン教室の講師、テレビドラマのエキストラなどなど・・・一日おきにフィットネスジムで汗を流すシックスパックの持ち主。休みの日もダラダラと昼間で寝ることなく、早起きし、体を鍛える日課をこなし、たっぷりと読書にもいそしむ。そして実は元私立探偵でもある。

そんなある日、ある事件が元私立探偵であった成瀬を再び探偵の仕事に引き戻す。時を同じくして、成瀬はふとした事から、一人の女性と知り合う。

・依頼された探偵の仕事の話、知り合った女性との話、探偵を始めた頃の成瀬の話、過去とのつながり、そして、全く別方面から現れる一人の女性の話。

物語はそれぞれの話を行ったり来たり、時に重なり、最後には・・・・

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。
そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらとの運命の出会いを果たしてーーーー。
あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読み返したくなる究極の徹夜本です。第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞受賞(本文紹介文より)

成瀬の行動、思考は必ずしもすべて共感できるものではない。むしろ受け入れられない事も多々あるにはある。

しかし、最後の方のこの言葉はなんだかスッと入ってきた。

「一日二十四時間一年三百六十五日を自分の好きなようにコントロールしてかまわないのだ。・・・・やりたいことがあまりにも多すぎて眩暈がするほどだった。」

「桜の花は本当に散ったのか?俺の中ではまだ満開だ。」

きっと、映画化とかはできない作品。(なってないよね?)これはゆっくりと、自分のペースで噛みしめて楽しむ作品だ。

確かに、二度見三度見したくなるねぇ。。。。

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春は眠いzzzzzzzz

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