ストーリー #1 | マルイユナイト 設立までの変遷とこれから
「『好き』とデジタルの力で新しい体験を共創する」をミッションに掲げるマルイユナイトの取り組みの裏側にある背景や当事者の想い、ちょっとした裏話に至るまで、詳しくお伝えしていきます。
初回はマルイユナイト設立に至るまでの変遷に深く携わったお2人、マルイユナイト及びMuture CPOの兼原さんと丸井グループDX推進室 課長の伊藤さんにお話を伺いました。
〈組織紹介〉 DX推進室とMutureが一心同体で進めてきた丸井グループのDX
━ まずはマルイユナイト設立に携わった、DX推進室、Mutureそれぞれについてご紹介をお願いいたします!
伊藤:DX推進室からご紹介しますね。
まず前提として、丸井グループは達成したい社会インパクトを目標に掲げ、社会実験企業への転換を目指しています。また、お客さまへのお役の立ち方としては創業時から小売、リアル店舗を中心にビジネスを展開してきましたが、昨今は小売だけではなくフィンテックの比率が大きくなっています。
そのような状況から、従来のリアル接点だけではなくて、デジタル接点は当然ながらアフターデジタルの考え方でお客さまのお役に立っていかなければと考えていますが、現状はお恥ずかしながら目指す姿に対してギャップがあると思っていまして、そのギャップを埋めるために我々DX推進室が存在しています。目指す姿をスピーディーに実現する視点から、グループ全体としてどう解決していくべきかということを日々考え、解決に向けて旗を振る役割を担っています。
兼原:Mutureは丸井グループとGoodpatchのジョイントベンチャーで、組織開発型 DX を推進しております。ビジネスにおいてデジタルは切っても切り離せない環境になっていると思うのですが、デジタルビジネスを行っていくために求められる組織だったり、ケイパビリティを企業の中に宿していくような支援活動を行っている会社になります。
丸井グループにおいては、現場のプロダクトレイヤーにおける伴走型支援と、グループ全体に対して組織や制度を変えていくことの両輪によって、デジタルを中心とした組織の実現をDX推進室と連携して進めています。
経営のレイヤーの橋渡しも含め、両方やるから成果が出ると捉えており、それを進めていくことがMutureの役割です。
━ DX推進室とMutureの関係性、役割分担についてお伺いできますか。
伊藤:DX推進室とMutureは一心同体です。
開発現場の文脈では、DX推進室は丸井グループ本体に所属する部署なので、小売やフィンテックといった各事業の中で実際に起きていることや課題への解像度は粗くなりがちです。そのため、各事業の皆さんはもちろんですが、開発現場に伴走しているMutureのみなさんからも起きている事象や課題を連携してもらい、優先順位をつけてグループ全体で解決していくべきものについて、DX推進室が適切な部署やステークホルダーを巻き込み解決に向けて推進していくという関係性です。
一方で丸井グループ全体の組織デザインにおいては、アジャイル CoE のような位置づけで、課題を解決するにはどのように組織を変えていけばいいのか、どういう制度をつくっていけばいいのかを共に考えています。
支援の仕方は一方的に知見や情報をアドバイスするコンサルティング的なものではなく、Mutureメンバーの皆さんが、丸井グループ社員がどのように成長していくべきか、成長を促すにはどのような関わり方がいいのかというのをとてもよく考えてくれていて、私の中では、唯一無二のパートナーのような存在です。
━ 一心同体、唯一無二のパートナーと言い切れるのはすごいですね!
兼原:Mutureは丸井グループに対して文化も含めて理解を持ったうえで、そこに対して何とかしたいっていう想いがある人が集まっているというのは、大きいかなと思います。
僕の話でいうと、前職では大企業向けにDXのSaaSプロダクトを提供してきたのですが、大企業側にデジタルの扱い方や考え方が組織に宿っていないがゆえに、現在の業務にソフトウェア側をあわせていくようなオーダーに基づきプロダクトが開発されていくという、苦い体験を重ねてきました。
Mutureには似たような体験をしているメンバーが多いと思います。
僕自身は世の中を良くしていきたい想いから、以前は大企業を変革するためにDXプロダクトを作り価値提供していたわけなのですが、どれだけ有効なソリューションを生み出したとしても、これを提供するだけでは目指していた世界はいつまでたっても実現はされない、という現実にぶつかった時に、自分たちが大企業の中に入り込んで、その組織を良くしていくために動いていくというスタンスに変わりました。
そういった大企業と対峙した経験と課題感を持っているメンバーが多いので、自然と協働の体制になるのではと思います。
〈価値観〉中と外の視点を使い分けながら、”横ぐし”で解決していく
━ 続いて、お2人がDX を進める上で大切にしていることをお伺いします。
伊藤:時として従来のやり方を変えていくような提案をしていくため、組織間の対立構造や板挟みが発生しやすい側面があると思っています。「別に今のままでも動いてるからいいじゃん」とか「わざわざ変えなくても仕事回ってるよね」と思われがちで、そういった人たちからすると“横やり”みたいな位置づけにも捉えられてしまうんですよね。
でもそこを“横やり”ではなく“横ぐし”に転換したいと思っていて、いかに目指したい姿に共感してもらい、解決に向けて協働してもらうかを大切にしています。
そのために、相手のメリットや望むことをしっかり汲み取った上で合意形成をしていく必要があるので、そのために必要なコミュニケーションは惜しまず丁寧にするように心がけています。
兼原:Mutureは丸井グループとGoodpatchのジョイントベンチャーという建て付けなので、半分中の顔、半分外の顔があると思っていまして、これを適切に使い分け振る舞う必要があると思っています。
中の顔の観点では、丸井グループの社員として一人称で共に歩む必要があると思っています。丸井グループがこれまで培ってきた文化の前提や事業状況を捉えずして何かやることは絶対にありえません。
一方もう1つの外の顔については「とはいえ」の部分で、中の文化、中のルールに従って動いていては変革ができず、目指すゴールに向けても時間もかかってしまいます。そのため、外のエッセンスをどのように入れていくかについては非常に気にしていますね。
織り交ぜ方はシーンによってかなり使い分けていまして、適度にブレンドして出していくこともあれば、あえて中のことを無視して外のスタンスから話すこともあり、その場のコンテキストやゴールに合わせて人格を使い分けていくことを大切にしています。
Mutureのスタンスでもありますが、伴走型と言っているだけあって、僕たちが課題解決していては、その組織自体が持つ変革のための力は何も備わっていきません。必ずその組織の中で自己完結的に、あるべき姿に変わっていけるような素地を作っていくことをゴールとした支援を強く心がけています。
〈目指す未来〉 対話の文化をDXし、お客さまのお役に立ち続ける場を作る
━ DX を通じて、どのような未来を作っていきたいですか。
伊藤:丸井グループの人って、リアルが大好きなんですよね。ほとんどの人が、店舗での接客経験があることもあり、目の前のお客さまのお役に立ちたいという想いを誰しもが持っていて、当たり前のように口にします。でもそれがデジタルで対面じゃなくなった時に、私自身もそうだったのですが、少し不安な気持ちになってしまうというか、熱量が下がってしまうというか…。でも、それはやり方を知らなかっただけだと思っています。どうお役に立てばいいのか、あるいはどういうことに困っているのかを知らないからできないだけではないかと。想いがあるのであれば、その想いを形にする方法を学ぶだけだと思うのです。
その取り組みの一例として、社内版のアプリ甲子園(DXコンクール)では、社員が実際にアプリを作って提案するということやっているのですが、今後はそこから出てきた提案やアイデアを、事業化あるいは独立して事業会社化というステップを踏んでいくことができれば社会へのインパクトも大きくなっていきます。
今はまだ未来に向けた手前の部分の取り組みですが、丸井グループ社員のお客さまのお役に立ちたい想いを、デジタル上でも発揮できるようにしていくことは、私自身はとても重要だと思っています。
兼原:僕はIT企業やスタートアップで今まで仕事をしてきているので、外からの目線で改めて見ると、丸井グループの特徴であり強みだなと思うのは、750万人のエポスユーザーを抱える金融基盤と、年間2億人が来店する小売の実店舗、オンラインとオフラインのアセットを内製で両方持っている点です。これは、唯一無二であると思っています。
それに加えて、僕は丸井グループのビジネスはプラットフォームビジネス的だと捉えています。丸井グループは昔から小売を通じて、その時々に合わせてお客さまのニーズを捉え価値を提供してきました。プライベートブランドの時代もあれば、DCブランドやゴスロリ、アニメなど、いつの時代も半歩というよりも一歩二歩先を行った、この次のトレンドになるものをいち早く掴み、その当事者となる方々が活躍できるような場=プラットフォームを作り続けてきたのが、丸井の小売であると捉えています。
プラットフォームにトレンドを掛け合わせ続ける力というのは、丸井グループの非常に面白いところではないでしょうか。
━ 確かにその見方をするとプラットフォームに近しいと言えますね!アセットにトレンドを掛け合わせていく力の源泉はどのあたりにあると感じますか。
兼原:創業者の「景気は自ら作るもの」という言葉にある通り、経営トップからその考えが浸透していて、共感している社員とともに組織全体としてそこに注力できる点が強いと感じています。
そのための手法としては、これまでもお客さまと対話をしていきながらニーズを掴むという姿勢を大切にしてきており、それが文化として定着している点も大きく、丸井グループの独自性だと思っています。
ただ、その対話の文化にもエッセンスとしてデジタルを入れ込んでいく必要があります。SNSを通じたカスタマーコミュニケーションも今では当たり前になっていますし、デジタルネイティブ世代、Z世代の方々に、どういったトレンド、ニーズがあって価値を届ければいいのかという点においては、必ずIT・デジタルが絡んできます。
こういった環境変化を踏まえると、僕自身は「対話の文化のDX」が必要と考えています。デジタルに合わせた環境、制度、スキルを組織に宿すことができれば、丸井グループが大切にしてきたお客さまとの対話の深度も深くなり、結果として良いものが生まれてくると思っています。
デジタルの時代に合わせた環境を作っていきながら、これまで通り新しいトレンドもきちんと捉え続け、お客さまに喜んでもらう場作りができる企業であり続けること、そんな温故知新ともいえるようなスタンスこそが丸井グループのDXとして目指す姿なのではないかと思っています。
〈マルイユナイト設立までの変遷〉 プロダクト開発現場での試行錯誤を経て到達した会社設立
Phase1 | 現状把握期:外部デジタル人材の伴走によるプロダクト開発への着手
━ ここからはユナイト設立につながる取り組みの変遷をお伺いしていきたいと思います。
伊藤: そもそもの入り口は、冒頭でもお話しした通り、その現状と理想の姿を埋めるためのケイパビリティを持っていないというところがスタートです。
その一歩目の取り組みとしては、2021年頃に遡ります。丸井グループにはプロダクト上でUIや体験設計を構築できる高度なスキルを持つ人がいなかったため、そのあたりの知見をお持ちであるGoodpatchの土屋さんとも対話を重ねる中で、まずはシンプルにそのようなスキルを持つ人を集める組織をジョイントベンチャー(Muture)という形で作っていこう、というのが始まりでした。
Mutureが立ち上がり、実際にエポスアプリやOMEMIEといったプロダクトの開発現場に、UI/UXの知見を持ったMutureのメンバーが伴走という形で入り込み、改善活動が回り始めました。
━ この時、進める上で大変だったことはありますか。
伊藤:エポスアプリもOMEMIEも、実際にチームが駆動するまでには相当な時間がかかっています。
Mutureは丸井グループとのジョイントベンチャーではあるものの、当初は「どんなことをしてくれる人たちなんだろう?」と構えているメンバーも正直少なくなかったのではないかと思います。すぐにチームとして馴染んだわけではなく、一筋縄ではいかない部分もありましたね。
兼原:当時僕はまだMutureにはいなかったのですが、外部人材が中にガッツリ入っていて事業を共にする中で、初めはお互い考え方やカルチャー、働き方含めて、何もかもが違い、それぞれ大切にしていることもあったりするわけで、変えるところ、受け入れるところの折り合いを見つけるのに苦労したと聞いています。
プロダクトチームは本来意思を持って、お客さまのためにある種「お客さまの代弁者」としてプロダクトを作っていかなきゃいけないわけですが、当初はあくまで会社より仕事をアサインされた「担当者」いう意識が大きく、その担当者という認識から、プロダクトオーナーシップのようなマインドへと切り替えていくのに時間がかかりました。
━ これまでの経験で染み込んでいるマインドを切り替えるのは、確かに一朝一夕にはいかなそうです…。
兼原:やったことのないことに挑戦することに対して、楽しんでできる前向きな方は適性があると思う一方、前例踏襲的な考え方から抜けられない方は結構苦しんでいたと思います。
ルールというものは、ある一定の条件において最適かもしれませんが、やりたいことが変わったら変えるものである、という発想を持てるかが転換の鍵だったと感じています。
マルイユナイトは生まれたばかりの会社ですが、これまでの変遷と様々なプロジェクトを通じて、前向きにデジタルプロダクトの推進を実践してきたメンバーが一堂に会しており、次々と挑戦していける企業環境になっていると思います。
Phase2 | 変革準備期:DX推進体制の構築と本質的な課題の特定
━ いよいよ、伊藤さんが所属するDX推進室が設立された時期になります。
伊藤:デジタル接点でUI/UXのテコ入れをMutureに入っていただきながら試行錯誤していく中で、これまで見えていなかった様々な課題が浮かび上がってきて、体制や役割分担、進め方、上司とのメンバーの関係性だったりも含めて、従来の仕事の進め方に対して現場メンバーから疑問が上がってきました。
時を同じくして、DX推進室が立ち上がったり、丸井グループのCDXOとして土屋さんが招聘されるなど、社を挙げてDXを推進する体制が整い、お客さまに喜ばれるプロダクトを作っていくための本質的な課題として、従来の組織の構造や意思決定のプロセスが良いやり方でないということが整理されてきたのもこの時期でした。
それを受け、まずは組織体として、アプリの担当の中に他部門にいたUIを担うメンバーを統合するなど、足元での部分的な変更は粛々と推し進めていました。
ただそれだけでは当然問題は解決せず、従来の決裁ルートではアジャイルにプロダクトを改善していくにあたって進めにくいという課題もあったため、より推進しやすい形として、決裁も含めてチームに権限を持たせる組織体の実験として、Phase3のプロジェクトA創設に繋がっていきます。
Phase3 | 課題特定期:あるべき意思決定プロセスと組織構造の検証
━ 従来の組織構造ややり方を変える上では、摩擦は大きかったのではないでしょうか。
伊藤:それまでは、エポスアプリであればエポスカードのメンバーの中で対応を考えることが多かったのですが、徐々に本質的な課題が深掘られていくことで、メンバーだけでなく事業企画部門やM&C、経営を巻き込まないといけないというのが適切に判断できるようになってきました。それ故に多様なステークホルダーと話を進める場面が増えてきたため、うれしい悲鳴ですが、まあ"横やり"と捉えられがちですよね。(笑)
━ プロジェクトAのタイミングで、伊藤さんと兼原さんが直接関わることが多くなったと聞いています。
伊藤:正直いうと私自身も最初はMutureや兼原さんに対し「何をしてくれるんだろうな」という感覚を持っていたと思うんです。
でも、プロジェクトAという具体の案件を通じて、Mutureが何をやろうとしているのか、丸井グループが実現したいことにどう貢献しようとしているのかということに対しぐっと理解度が高まって、互いに想いを重ねることができました。その結果パートナーとしてタッグを組み、組織横断で"横ぐし"化していけたと思っています。
兼原:僕が入った瞬間、きっとお手並み拝見されるのだろうなと思っていましたが、そう感じたことは全くないです。(笑)でも伊藤さんが仰っている通り、共通のゴールを見据えて、それに向けて歩んでいく中で一体となって取り組んでいけたのがプロジェクトAであり、必要なステップだったと思っています。
これまで丸井グループで取り組んで来ていなかったアジャイル開発というある種未知のテーマに対し、相当の金額と期間をMutureに任せてくださったということもあり、大きな責任も感じていましたし、これで失敗するとこの変革の火種は潰えてしまうという覚悟と緊張感を持って挑めていたことも大きいと思います。
━ プロジェクトAでの実験を踏まえながら、マルイユナイトという会社を作るに至った経緯を教えていただけますか。
兼原:プロジェクトAはある種、現在のケイパビリティで実現可能な限定的なスコープに閉じた内容に制限したうえで進めていました。このプロジェクトの過程において、組織・制度として変えていくべきことはなにか?ということを実際のプロジェクト活動を通じて明らかにしていくことを目的としていました。
そのうえで、丸井グループの掲げる将来像と、このプロジェクトの実験結果をあわせると、既存の組織・制度・人材だけではとても対処ができない課題が山積していることが浮き彫りとなっていきます。
このような学びも踏まえて、既存の組織・制度にならった延長線上での取り組みとするのではなく、会社レベルで既存組織から分離したある種の独立性を持たせていくことで、プロジェクトレベルから会社レベルへと実験をスケールアップし加速させていくような建付けとしてマルイユナイトという新しい会社の設立へと至ります。
〈今後への抱負〉プロダクトマネジメントを組織風土に宿し、社会インパクトと事業成長に繋げる
━ 兼原さんはこれまではMutureの人として、あくまで伴走型で関わってこられましたが、ユナイトのスタートに合わせて更に一歩踏み込んで、CPO(Chief Product Officer)として中の人の立場で関わることになりました。そこに対する抱負をお伺いしても良いでしょうか。
兼原:責任は重大ですね…!
世の中で、大企業の中で新しいテック企業を作るという事例はこれまでにもあったと思いますし、その中でマルイユナイトはどちらかというと遅い部類に入ると思っています。
でも設立にも携わってきた想いも含めて述べますと、世の中では「開発のための会社」「エンジニアリングカンパニー」「デザインカンパニー」「DXカンパニー」といった建て付けが多いかと思うのですが、僕たちが志しているのは「プロダクトカンパニー」という違いがあると思っています。
プロダクトを通じてお客さまのお役に立ち、ビジネスの成長を推進していく、ということの一点を大切にしていきますし、そのためにはビジネスの観点も大事ですけど、それと同じかそれ以上にテクノロジーやUXという観点を大事にしていきたいと思っています。
そのために、プロダクトマネジメントの考え方を組織として宿していく必要がありますが、これをゼロから組み立ててできているような会社の事例というのは、なかなか珍しい事例ではないかと思っています。
僕自身には一応CPOという肩書きがついていますが、プロダクトマネジメントを起点として事業成長にコミットしていく組織として、メンバーと共にしっかりと成果を出していきながら、お客さまにとっても価値のあるものを届けていきたいと思っています。加えて技術的な基盤についても、短期的なものばかりではなくて、中長期の事業戦略に沿った形で成長させていくことによって、非連続的な成長を遂げていける土台を作っていく、そんな装置としての会社になっていけるといいなと思っています。
━ 伊藤さんにお伺いします、ユナイトを通じた今後の丸井グループのDXへの抱負についてお聞かせください。
伊藤:私の中で、DXにおいて一番大事なのは、ツールの導入や活用といったことではなく、風土だと思っています。DXを進める上で、「そういうことが望ましいよね」とか、それに向かって「みんなで取り組んでいこうよ」という機運がないと絶対に実現できないと思っています。そこに今回風穴を開けてくれたのがマルイユナイトという存在だと思っています。
マルイユナイトはまだ出来たばかりの存在で、ユナイトに関わる人も数千人の社員がいる丸井グループの中で、今はまだ数十人ほどしかいませんが、今後は会社全体のインパクトに資するようなプロダクトを担っていくため、確実にユナイトと一緒に仕事する人が雪だるま式に増えていくことになります。
その人たちがユナイトと一緒にプロダクト開発することをきっかけに、デジタルを通じてもっとお役に立てることに気づき、プロダクト開発を進めていく風土がグループ全体にまで広がっていくことを期待しています。その結果、そこで作ったプロダクトがインパクト実現に繋がるビジネス面での成果をあげ、そこまで行って初めて「丸井グループはDXできた会社なんだ」と胸を張って言いたいと考えています。
━ では最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
伊藤:マルイユナイトは、実店舗やお客さまの数、取り扱うデータの量においては大企業の規模感を舞台としながら、一致団結してプロダクトに向き合っていける環境でインパクトに資するような取り組みができるっていうのは、魅力的な機会なのではないかと思っています。
兼原:マルイユナイト自体が、大企業の中における一種の社会実験の一つだと思っています。
前例がなかなかない中でも、これまでの取り組みを通じて、変化を起こしていける素地を持った人たちと土壌が整い、マイルストーンとしてここまでたどり着いた状態かなと思います。
ここからの新しい船出を楽しんでいきながら、実験を重ねていき、世の中にもこの事例を波及していくことによって、日本社会全体が変わっていけるような、そういった組織になっていけると僕は面白いかなと思っています。そういった点に共感いただける方は、ぜひ来てくださると嬉しいなと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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